フィライン・エデン Ⅲ

夜市彼乃

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13.水鏡編

61あわせてはならない ④

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***

 次の日、午前授業のみの土曜の放課後。
 軽く昼食を食べた後、由実と合流した雷奈たちは、イクチオステガの学術的重要性やら、「学校で一重まぶたなのはだ~れだ。答えは先生(潜性)」などというなぞなぞやらを聞かされながら、一軒の家の前にやってきた。
 氷架璃や芽華実の自宅と同じ、何の変哲もなく住宅街の一角を埋める、ごく普通の二階建て、小さな庭付きだった。
 おじゃますると、内装も二人の家のそれと似ており、リビングを通り抜けて階段をのぼり、一人部屋にたどり着く。
 そうして、一階にいた由実の両親への挨拶もそこそこに招き入れてもらった彼女の部屋には、勉強机があり、テニス用品があり、三葉虫のポスターがあり、マンガラックがあり――そして、役目まっとう中のウサギケージがあった。
 承知済みではあったが、実際に目の当たりにするとシュールな光景だった。
 動物ヒエラルキーの頂点に立つフィライン・エデンの猫が、人間とほぼ同じ生活を営む薬師見習いの少女が――おがくずの敷き詰められた床面積五歩の檻の中に、固形のペットフードが入った餌箱と、水が欲しけりゃパイプから吸えと言わんばかりの給水ボトルとともに閉じ込められていた。
 いろいろと尊厳を踏み倒されたミンリは、唖然とする雷奈たちを見て、救済のチャンスと自身の有様に二色の涙を一緒くたにして、瞳いっぱいに浮かべていた。これは、敬愛する師匠にも意中の少年にも見られたくない姿だろうな、と三人もれなく同じ感想を抱いた。
「この子、ペレット……ああ、このペットフードね、これは全然食べないんだよね。ニンジンとかキャベツとかはもくもく食べるんだけど」
(だろうな……)
「あと、おがくずを嫌がるんだよね。こんなふうに、わざと避けたところにずっとうずくまってるの」
(だろうな……)
 そんな過酷な生活環境なら、星猫のミンリであれば星飛礫辺りで檻を壊して脱出すればいいのに……と考えなくもないが、檻から出たところで、見つかってしまったらアウトだ。もっと頑丈なケースに入れられてしまうかもしれない。夜中に決行したとて、音で目を覚ました由実に見つかってしまう可能性もなくはない。
 同情のまなざしでミンリを見つめ続ける三人を、好奇心による注視と受け取ったのか、由実がケージに歩み寄る。
「お茶持ってくるけど、その間、よかったらこのうさにゃんを抱っこしとく?」
 ――やるなら、今だろう。
「うんっ、触らせてもらってよか?」
「おっけー」
 由実がケージのロックを外す。
 その直後。
「ぐじゅんっ!」
 湿った盛大なくしゃみが、部屋の中に反響した。
「雷奈ちゃん、だいじょぶ?」
「はっくじょん! あれ、なんか鼻がムズムズ……。もしかして私、動物アレルギーやったかな?」
「えっ!」
 ぱっとケージから手を放して振り向く由実。
「でも、この前うさんぽの途中であったときはそんなこと……」
「きっと、部屋の中やけん……ごめん、換気してもいい?」
「もちろん!」
 鼻をずびずび言わせる雷奈に、由実が慌てて窓に駆け寄り、全開にした。一か所しか開けていないので、風が吹き込むことはなかったが、外の空気と住宅街の生活音がゆっくりと流れ込んでくる。
 お膳立てはすんだ。
「これで大丈夫? 無理しないでね?」
「ありがとう……ちょっとマシったい。あ、お茶、私も運ぶの手伝うったい」
「おっ、いい? じゃあ、一緒に行こうか! その前に、氷架璃ちゃんと芽華実ちゃんにうさにゃん抱っこのレクチャーを……」
 窓際から離れた由実が、二人を振り返った、その時だ。
「あっ!」
 ガンッ、と音がして、ロックが解除されたままのケージの扉が跳ね開けられた。突然のことに立ちすくむ由実の眼前で、ケージから飛び出したミンリは、窓のそばまで駆け寄ると猫の跳躍力で一気にサッシの上に飛び乗り、さらなるジャンプで外へと身を躍らせた。
「うさにゃんがっ!」
 慌てて窓の外をのぞきこむ由実。雷奈たちもちらとうかがうと、さすがは猫、二階からのジャンプでもしっかり着地したらしく、庭を抜けて公道へ走っていくのが見えた。
「あわわわ大変!」
 同じようにバンッと扉を跳ね開け、どたどたと階段を駆け下りていく由実。ここに留まっていても仕方ないので、雷奈たちも後を追う。
 玄関から飛び出した由実は、公道に出て、きょろきょろと辺りを見回すが、うさぎのような白猫の姿はどこにもない。
 代わりに、路側帯を歩いていた一人の通行人に駆け寄る。
「あのっ!」
 振り返った彼女は、雷奈たちと同年代の少女だった。ゆるい三つ編みにして垂らしている髪は淡く優しい色合いをしていて、垂れた目尻とともに気弱そうな、儚げな印象を作り上げている。
 由実は、相手が同年代とわかると、口調を崩してまくしたてた。
「あの、この辺で白い生き物見なかったっ? ウサギみたいな耳をした、体は猫っぽい、これくらいの……」
「いえ……見てません」
 少女は、人見知りな子供のように言葉少なに答えると、ぎこちなく微笑んだ。
「そっか、わかった。ありがと!」
 お礼を言って、由実はたたっと戻ってくる。
「ごめん、雷奈ちゃんたち。悪いんだけど、うさにゃん探すの手伝ってくれない? あたし、あっちのほう見てくるから!」
「うん……ばってん、うまく見つけられるかどうか……」
「まだ遠くへは行ってないはずだから、お願い! ……あ、別に雷奈ちゃんたちのせいとかは思ってないよ? あたしもあんな急に脱走するとは思ってなかったし。でも、車にひかれでもしたら大変」
 本心で案じているのが分かる不安げな表情でそう言うと、由実は「じゃあ、後で落ち合おう!」と叫びながら走り去っていった。
「…………」
 由実の姿がブロック塀の曲がり角に見えなくなってから、雷奈たちはそちらとは逆、由実が最初に足を向けた方へ歩みを進めた。その先には、由実に話しかけられていた少女がいる。雷奈たちの足音を聞いてか、彼女は振り返った。
 ロップイヤー・ラビットを擬人化したような彼女のそばまでやってきた雷奈は、にっこり笑って言った。
?」
 それを聞いて、少女は――はにかむように笑うと、頷きながら、黒豆のような艶やかな瞳からぽろぽろと涙をこぼした。
「雷奈さん……うう、怖かったです……!」
「そりゃ、不安やったね。もう大丈夫ったい」
「はい……あっ」
 突然、ミンリは弾かれたようにぱっと身を引いた。
「どしたと?」
「あの、私、おがくず臭いかもしれないので……。毎日お風呂には入れてもらえましたけど、その後一晩中あの中だったし……」
「そんなの、気にしなくていいわよ。無事に助かってよかった」
「由実には気の毒だけどな」
 ミンリをワープフープまで送った後、その由実と落ち合ったところ、彼女はひどく落胆していた。捜索結果は訊くまでもない。
「うー……うさにゃん……」
「元気出せよ。新種じゃなくて、外国の珍しい種類の猫だったんだろ」
「そうだけどぉ……」
「それに、元々飼われてた子なんでしょう? 由実が拾ったままだったら、ミ……うさにゃんちゃんも飼い主さんも困ってたわよ」
「でも、飼育放棄したもん!」
 由実が眉を吊り上げる。その言葉を聞くだに、好奇心だけではない彼女の良さがうかがえて、今は反論するしかないのが少し悔やまれる。
「何か誤解があったんじゃない?」
「でも、連れて帰って、お風呂入れて、一緒に寝てあげてって言ったら拒否したんだもん!」
 想像して悶絶しそうになる氷架璃と芽華実の傍らで、それを押さえ込んで続ける女優・雷奈。
「きっと、照れとっただけったい。自分がかわいいペットば愛でまくっとるところを由実に想像されるのが恥ずかしかったとよ」
「そ……そうなのかな……?」
「愛情の裏返しって考えたら、どんだけ大事に思っとるか、わかるっちゃろ?」
 雷奈の言葉に、由実はしばらく考えている様子だったが、だんだん「うん……そうかも……!」と流されてくれた。
「じゃあ、うさにゃんは、あの朽木って男の子のところに帰ったのかも! それで幸せになってくれてたらいいな。……ところで、氷架璃ちゃんと芽華実ちゃんはなんで悶えてんの?」
「きっ……気にすんな……」
「え、ええ……何でもないわ……」
 かくして、さりげなく大ごとなこの一件は、何とか幕を閉じた。

***

 ミンリ救出作戦が完遂された次の日。
 雷奈たちは、改めて写生のために噴水公園を訪れていた。
 リベンジの今日は、晴天に恵まれ、遠く高い青空の下、爽やかな秋の風景を描くことが叶った。
 雷奈が会心のため息をつく。
「よし……できたったい!」
「こっちもよ。ああ、お腹すいた」
「私ももうここまででいいかな。こだわりだしたらキリがないしな」
 ユメに借りたタブレットを共用しつつ、日曜日とあって朝から一心不乱に手を動かしていた雷奈たちは、昼も回ったころ、ようやく色鉛筆を置いた。
 遠くで子猫たちがはしゃぐ声を聞きながら、スケッチブックと色鉛筆を手提げバッグにしまう。
「アワとフーはまだっちゃね」
「一番近くの売店までって言ってたけど、けっこうかかってるな」
「付き合わせている上に、お昼の買い出しまで行ってもらっちゃって……あとで二人の分まで出しましょっか」
 せっかくの天気なので、このまま五人で遅めの青空ランチだ。とはいえ、前回も来たときは晴れていたのに急に手のひらを返されたので、油断はできない。秋の天気が変わりやすいのはフィライン・エデンも同じのようだ。
 いざというときの折り畳み傘を手提げの中に確認し、雷奈はふと思い出して、そのまま中をまさぐった。
「氷架璃、芽華実。特に芽華実。前、私の部屋に鏡ば忘れていかんかった?」
「か、鏡? いいえ、忘れていないと思うけれど……」
「というか、何で特に芽華実なんだよ」
「いや、氷架璃は鏡見るような女子女子したイメージなかけん」
「喧嘩なら買うぞ。ってか、あんたほど鏡が必要なヤツもいないわ。五時間目の授業に菓子パンのジャムとマーガリンとチョコクリームだらけの顔で出席してたくせに」
「あれ? なかね。置いてきた……?」
 氷架璃の反撃は右から左に、雷奈は首を傾げた。昨日、ローテーブルに置いてあった鏡をこの手提げに入れたのは確かだ。一昨日見てから昨日まで忘れてしまっていて、しかも手鏡だと思ったものは再度よく見たらスタンド式の卓上鏡だった。今日こそそれを持ってきたはずなのだが、見当たらない。
「鏡といえばさ」
 あれーあれーとぼやきながら手提げをあさる雷奈に、氷架璃が素朴に言い放つ。
「私の部屋にも、見覚えのない手鏡があったんだよな。それこそ芽華実か? 私の鞄に交じってて、ノートとかと一緒に出しちゃったんかも」
「ひ、氷架璃まで?」
 そう言う芽華実の顔は、先程から少し青ざめていた。
「こ、心当たりはないけど……どんな手鏡?」
「銀色のふちと取っ手のついたシンプルなやつ。昨日も食卓にスタンド式の鏡が置いてあったけど、あれよりは小さかったな。あれはたぶんおばあちゃんのだろうな。じじいのじゃないだろうし」
 手鏡、スタンド式。雷奈の中で、ただの思い違いと流していた一つの違和感が、おぞましさを伴って浮上してくる。
「あ、あの」
 小さく手を上げる芽華実の声は、微弱に震えていた。
「私も昨日、スタンド式の卓上鏡を見かけて……移動教室の窓枠に置いてあったから、誰かの忘れ物だと思ってたんだけど。その前の日は、部屋に手鏡があって、芽薫実のだと思ったんだけど、知らないって言われて……そのうちにどこかへ行ってしまったんだけど、それが……同じ、銀色の取っ手がついたもので」
 じわじわと、手足をはいあがってくる悪寒。千代紙に墨汁が染みていくがごとく、日常が得体のしれないものに侵食されていく気配。
 固唾をのんだ芽華実は、「それに」と続ける。
「その前の日……ミンリを最初に見つけた日、お財布の中に丸い小さなものが入ってて。あれも、思い返せば鏡のように見えたわ。次に開いた時にはなくなってたから、一円玉と見間違えたのかと思ったのだけど」
「おい、私もそんな感じのもの、見たぞ。脱衣所にあって、何じゃこりゃと思いながら風呂入って出たら、なくなってたから、気にしなかったけど」
 同じ日に、雷奈のスマホが震えたローテーブルの上に見たもの。
 お詫びの菓子折りとしてもらった、見た目より桁が二つ違う超高級和菓子の箱。
 タンスにしまおうと思って置いていた、洗濯済みのハンカチ。
 返却されたばかりの、中間考査のテスト用紙。
 ――。
「……じゃあ、私達三人とも、……この三日間で――」
 身に覚えのない、同じ鏡が、現れては消えるのを、見ている。
 ――三人の首筋を、木枯らしが吹き抜けた。
「おいおい……やめろよ、冗談キツイって」
「……由実も言っとったね。鏡は昔から、祭具や呪具として使われてきたって……」
「ら、雷奈まで……!」
 ――バイブが鳴った。
 張りつめていた神経をかき乱す振動に、雷奈の体がびくんと跳ねて、その動きに氷架璃と芽華実も飛び上がる。
「お、お、脅かすなよ!」
「ごめん、電話かかってきたばい」
「ああ、心臓止まるかと……」
 息絶え絶えの二人に軽く謝って、雷奈はスマホを取り出した。小刻みに震える親指で、通話ボタンをタップする。この発信者の声を聞けば、きっと心は凪ぐだろうと期待して。
「もしもし?」
『こんにちは、雷奈ちゃん。美雷だけれど』
 柔らかく品のある、三つ年上の少女の声。聞きなれたソプラノ。
 なのに、なぜだろう。心は安らぐどころか、ひどくざわつく。
『今、どこにいるかしら』
「フィライン・エデンの……噴水公園やけど」
『結論から先に言うわ。すぐに人間界に帰りなさい。ここは危険よ』
 理由が分かった。それは、時尼美雷の言葉ではなかった。
 希兵隊総司令部・最高司令官の命令だ。
 しなやかに有無を言わさぬ語勢に、雷奈はスマホをスピーカーフォンにしながら簡潔に問うた。
「どう危険と?」
『ワープフープに向かいながら聞いて。今――』
 その先は、誰も聞いていなかった。反応のない電話口に、何度も呼び掛ける声も。
 三人とも、公園の出口へ体を向けたまま、雷に打たれたように立ちすくんでいた。
 背後に感じる、強烈に不吉な気配。生命の危機に対する本能的な恐怖でも、経験により学習された危険対象への警戒でもない。理由も分からないまま忌避したくなる、文化的な憂懼ゆうく
 その正体を見るのが怖い。けれど、このまま背を向け続けるのも恐ろしい。
 三人は、ゆっくりと、ぎこちない動きで動いた。一ミリ一ミリを慎重に視界に取り込みながら、視線を背後に回していく。
 先ほどまで、雷奈たちがいた場所。木々や池とともにのどかな公園の風景を為す芝生の上にあるもの。
 鏡だ。
 身の丈ほどもある、縦長の長方形の姿見が、鎮座していた。
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