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11.七不思議編
54正体ショータイム ①
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倒れ伏した犬たちの中心で、せつなは「ふぅ」と軽いため息をつくと、手にしていたチョーカーを手早く首に結び直した。喉のあたりで、オナモミのような形の緑色のチャームが揺れる。
彼女は雷奈たちを見やると、先ほどまでの凄みはおくびにもださず、にこっと笑いかけた。
「おつかれ」
その瞳は、すでに黒い。
「じゃ、ひとまず学校に戻りましょ」
「ちょちょちょちょちょ」
さわやかな笑顔と共に犬を避けて歩き出すせつなを、雷奈が腕を掴み、氷架璃が襟首を掴み、芽華実が行く手を阻み、阻止した。
「何?」
「何、じゃなかよっ!」
しらを切れると思っていることに逆に驚きながら、雷奈が問い詰める。
「何か言うことあろう!?」
「何かしら。ああ、『ビラ配り完了しました』!」
「ちっげーよ!」
「……『朝季の制止を振り切ってごめんなさい』?」
「それもあるけど!」
三人に詰め寄られ、しばらく口元に弧を描いたまま、あさっての方向に視線をやって思案するそぶりを見せたせつなは。
「あー、なんて言うか……」
ぺろ、と舌を出してから、
「――人間じゃありませんでした、的な?」
そう言って、白い歯を――牙を見せて、笑った。
***
公衆電話から、警察に至極適当で一方的な通報を終えたせつなとともに、雷奈達は光丘中へと戻った。心配しきりだった朝季のそばには他クラスの教員もおり、手短に経緯を報告しあったのち、その日は解散となった。
飼い犬軍団の襲撃の件は、ニュースでも流れることとなった。犬たちはあのままの状態で発見されたようで、美由を噛んだ数匹の犬も特定された。それ以外の犬たちは飼い主のもとに返されたとのことだが、人を噛んだ犬の末路は最悪の事態もありうるのが後味の悪い一件だった。
なお、なぜ犬たちは行方不明になっていたのか、なぜ集まって人を襲っていたのかは調査中のようだ。
次の日、昼休みに朝季から雷奈たちに――これを機に、連絡用アプリでグループを作っておいたので、そこに――メッセージがあった。美由のケガが、何針か縫うほど深かったことと、今日は由実と共に見舞いに行くのでフェス準備は休みにする旨が書かれていた。
おそらく、この展開を見越して、彼女は昨日、三人に放課後のアポイントメントを取り付けたのだろう。見事に読み通りになったところ、彼女の本性の片鱗が垣間見える。
ホームルームが終わると、雷奈たちは指定された場所へと向かった。
そこは、何を隠そう出会ったばかりのアワが腕の治療のために運び込まれた病院の前だ。往来の邪魔にならないよう、ドアから離れたところで待機。
別に、病院に用事があるわけではない。ただ、希兵隊本部や噴水公園がある方角とは反対のここらは、雷奈たちが地理的に把握しておらず、唯一わかるランドマークがここだというだけだ。
待つこと十分。五分遅れで到着した白猫が、息を切らして走ってきた。
「お待たせ~。ごめんごめん、ギリギリまで色々やってたら、結局遅れちゃった」
「ったく、呼び出しといて」
腰に手を当てる氷架璃を、芽華実が横からなだめる。
「まあまあ。そんなに長く待ってないわよ。それより、これからどこへ行くの?」
「私の職場よ」
白猫は、赤い瞳でぱちんとウインクして、先頭を切った。
ちょこちょこと歩く白猫の、フーとは少し違った、何となく青い首輪が似合いそうな毛並みや、左右の耳の根元の飾り毛が小さなハート型に見えるのを眺めていると、彼女は前を向いたまま口を開いた。
「怪談の解決は順調みたいね」
振り返らない彼女の言葉は、決まった返事を想定したものか、あるいは返事を必要としないものか。いずれにせよ、雷奈達がイエスかノーかで答えるとしたら、前者だろう。
「冥界ハウリング、異次元モールス……真夜中フェアリーテイルも解決してくれたみたいで。まあ、正確には最後の一つは、フェアリーというより悪戯妖精を追い払ってくれたみたいだけれど」
歌うように言う白猫に、雷奈は胡乱な目で指摘した。
「追い払ったのはあなたっちゃろ、氷結ウィッチクラフト」
振り向いたせつなを、じとっと見つめる。
「違うとは言わせんよ。あの夜も学校にいたっちゃろ」
「夜な夜な実験してたのよ。まあ、詳しくは後で話すとして」
悪びれた様子もなく笑うと、ふいに「ここよ」と尻尾を揺らした。歩く小さな姿を目で追っていた雷奈たちは、そこで初めて視線をあげ、フィライン・エデンにしては全く趣が異質な景色を認めた。
目前で雷奈たちを迎え入れようと開かれているのは、赤レンガの門柱にしつらえられた白い門扉。入ってすぐ、左右にはアールデコ調の白い建物があり、その間をまっすぐ進むと、レンガ造りの二階建てが建っている。道はそこを避けるように二股に分かれていて、それぞれずっと奥に続いている。
そして、前方遠くからこちらを睥睨しているのは、まるで西洋の大聖堂のようなゴシック調の建築物だ。尖塔こそもたないものの、人間界でも日本ではそうお目にかかれない姿かたちをしており、旧帝国大学の主要学舎、あるいは魔法学校のような威容を見せていた。
「……ここは」
せつなはすぐには答えず、含みのある笑顔を見せて、中世ヨーロッパへの入り口のような門から中へ誘った。けれど、ついていくと、何となくその答えがぼんやりと姿を現してきた。
右側の道から正門に向かってくるのは、かわいらしい小さな猫たち。仲良しグループなのか、はしゃぎながら雷奈たちの横を通り抜け、門から外へ出ていく。
左の道の途中では雷奈たちより少し下くらいの年の少年と少女が、初々しい距離感で談笑している。その身を包んでいるのは、少年は詰め襟、少女はセーラーカラーの、男女似たような趣向の洋服だ。よく見れば、少し遠くで人待ち顔の少女や、肩に乗せた猫姿の友人とじゃれる少年も、同じ服装をしている。
言われずとも察するに――学生服だ。そして、小さな子供たちや学生服を着た少年少女が行きかうここは――。
「ようこそ、飛壇中央学院へ」
左の道の手前を回り込み、白い建物沿いに進んでいたせつなが、答え合わせとともに振り向いた。
大学や魔法学校の印象を抱いたのももっともだ。ここは、アワやフーも通ったという、フィライン・エデンの学校なのだ。
まるでヨーロッパの小さな町のようなそこは、雷奈たちの知る学校のイメージとはずっとかけ離れた景色だ。例えば、今そばを歩いている白い建物は、パンや飲み物などを買える売店のようだが、皇学園の売店とは違って、外にテラスがある。猫姿でも人姿でも座れる昇降式の椅子に囲まれた丸テーブルが、売店沿いに等間隔で続いているのだ。
放課後だからか、テラス席にもちらほら制服姿の少年少女の姿が見える。だが、二つ奥のテーブルには、一人だけ私服姿の少女も見えた。
と、せつなが「あら」と声を漏らした。
「ここで待つ予定だったけれど、先に来てたのね、ミスト」
その声に、座っていた私服姿の少女が振り向いた。量の多い重めの茶髪は腰までを覆い、一見野暮ったく見えたものの、同系色のボレロや濃い黄色のニットワンピースと絶妙なまとまりを見せている。大きな瞳はエメラルドグリーンで、目元はせつなよりやや幼く柔和だ。しかし、立ち上がって駆け寄ってくる彼女の方が、身長はいくらかあるようだった。
「ユキナー! わたしも今来たんだよ! 人間さん達、初めまして! ユキナがお世話になってます!」
人懐っこく挨拶してきた彼女に、挨拶を返しがてら名乗った雷奈達だが、三名とも腑に落ちない顔だ。
「あの、今、ユキナって言った?」
「うん。この子のことだよ」
「え、でも」
「もー、ややこしいから、初対面の前ではそのニックネームやめなさいったら」
「だって、漢字名がぱっと見、そうなんだもーん」
「まったく……」
しっぽを大きく揺らしながら、飴細工を引き伸ばすように姿を変える白猫に、雷奈が「あの」と話しかける。
「職場が学院って時点で薄々気づいとったっちゃけど、漢字名ってことは、もしかして公務員……」
「そ。希兵隊、そして情報管理局に並ぶ公務員の一角」
艶やかな黒髪の少女に変化した少女は、ミストと肩を並べて不敵に笑った。
「改めまして。私は天河雪那。猫力学研究科・幸村研究室所属の、研究者よ」
彼女は雷奈たちを見やると、先ほどまでの凄みはおくびにもださず、にこっと笑いかけた。
「おつかれ」
その瞳は、すでに黒い。
「じゃ、ひとまず学校に戻りましょ」
「ちょちょちょちょちょ」
さわやかな笑顔と共に犬を避けて歩き出すせつなを、雷奈が腕を掴み、氷架璃が襟首を掴み、芽華実が行く手を阻み、阻止した。
「何?」
「何、じゃなかよっ!」
しらを切れると思っていることに逆に驚きながら、雷奈が問い詰める。
「何か言うことあろう!?」
「何かしら。ああ、『ビラ配り完了しました』!」
「ちっげーよ!」
「……『朝季の制止を振り切ってごめんなさい』?」
「それもあるけど!」
三人に詰め寄られ、しばらく口元に弧を描いたまま、あさっての方向に視線をやって思案するそぶりを見せたせつなは。
「あー、なんて言うか……」
ぺろ、と舌を出してから、
「――人間じゃありませんでした、的な?」
そう言って、白い歯を――牙を見せて、笑った。
***
公衆電話から、警察に至極適当で一方的な通報を終えたせつなとともに、雷奈達は光丘中へと戻った。心配しきりだった朝季のそばには他クラスの教員もおり、手短に経緯を報告しあったのち、その日は解散となった。
飼い犬軍団の襲撃の件は、ニュースでも流れることとなった。犬たちはあのままの状態で発見されたようで、美由を噛んだ数匹の犬も特定された。それ以外の犬たちは飼い主のもとに返されたとのことだが、人を噛んだ犬の末路は最悪の事態もありうるのが後味の悪い一件だった。
なお、なぜ犬たちは行方不明になっていたのか、なぜ集まって人を襲っていたのかは調査中のようだ。
次の日、昼休みに朝季から雷奈たちに――これを機に、連絡用アプリでグループを作っておいたので、そこに――メッセージがあった。美由のケガが、何針か縫うほど深かったことと、今日は由実と共に見舞いに行くのでフェス準備は休みにする旨が書かれていた。
おそらく、この展開を見越して、彼女は昨日、三人に放課後のアポイントメントを取り付けたのだろう。見事に読み通りになったところ、彼女の本性の片鱗が垣間見える。
ホームルームが終わると、雷奈たちは指定された場所へと向かった。
そこは、何を隠そう出会ったばかりのアワが腕の治療のために運び込まれた病院の前だ。往来の邪魔にならないよう、ドアから離れたところで待機。
別に、病院に用事があるわけではない。ただ、希兵隊本部や噴水公園がある方角とは反対のここらは、雷奈たちが地理的に把握しておらず、唯一わかるランドマークがここだというだけだ。
待つこと十分。五分遅れで到着した白猫が、息を切らして走ってきた。
「お待たせ~。ごめんごめん、ギリギリまで色々やってたら、結局遅れちゃった」
「ったく、呼び出しといて」
腰に手を当てる氷架璃を、芽華実が横からなだめる。
「まあまあ。そんなに長く待ってないわよ。それより、これからどこへ行くの?」
「私の職場よ」
白猫は、赤い瞳でぱちんとウインクして、先頭を切った。
ちょこちょこと歩く白猫の、フーとは少し違った、何となく青い首輪が似合いそうな毛並みや、左右の耳の根元の飾り毛が小さなハート型に見えるのを眺めていると、彼女は前を向いたまま口を開いた。
「怪談の解決は順調みたいね」
振り返らない彼女の言葉は、決まった返事を想定したものか、あるいは返事を必要としないものか。いずれにせよ、雷奈達がイエスかノーかで答えるとしたら、前者だろう。
「冥界ハウリング、異次元モールス……真夜中フェアリーテイルも解決してくれたみたいで。まあ、正確には最後の一つは、フェアリーというより悪戯妖精を追い払ってくれたみたいだけれど」
歌うように言う白猫に、雷奈は胡乱な目で指摘した。
「追い払ったのはあなたっちゃろ、氷結ウィッチクラフト」
振り向いたせつなを、じとっと見つめる。
「違うとは言わせんよ。あの夜も学校にいたっちゃろ」
「夜な夜な実験してたのよ。まあ、詳しくは後で話すとして」
悪びれた様子もなく笑うと、ふいに「ここよ」と尻尾を揺らした。歩く小さな姿を目で追っていた雷奈たちは、そこで初めて視線をあげ、フィライン・エデンにしては全く趣が異質な景色を認めた。
目前で雷奈たちを迎え入れようと開かれているのは、赤レンガの門柱にしつらえられた白い門扉。入ってすぐ、左右にはアールデコ調の白い建物があり、その間をまっすぐ進むと、レンガ造りの二階建てが建っている。道はそこを避けるように二股に分かれていて、それぞれずっと奥に続いている。
そして、前方遠くからこちらを睥睨しているのは、まるで西洋の大聖堂のようなゴシック調の建築物だ。尖塔こそもたないものの、人間界でも日本ではそうお目にかかれない姿かたちをしており、旧帝国大学の主要学舎、あるいは魔法学校のような威容を見せていた。
「……ここは」
せつなはすぐには答えず、含みのある笑顔を見せて、中世ヨーロッパへの入り口のような門から中へ誘った。けれど、ついていくと、何となくその答えがぼんやりと姿を現してきた。
右側の道から正門に向かってくるのは、かわいらしい小さな猫たち。仲良しグループなのか、はしゃぎながら雷奈たちの横を通り抜け、門から外へ出ていく。
左の道の途中では雷奈たちより少し下くらいの年の少年と少女が、初々しい距離感で談笑している。その身を包んでいるのは、少年は詰め襟、少女はセーラーカラーの、男女似たような趣向の洋服だ。よく見れば、少し遠くで人待ち顔の少女や、肩に乗せた猫姿の友人とじゃれる少年も、同じ服装をしている。
言われずとも察するに――学生服だ。そして、小さな子供たちや学生服を着た少年少女が行きかうここは――。
「ようこそ、飛壇中央学院へ」
左の道の手前を回り込み、白い建物沿いに進んでいたせつなが、答え合わせとともに振り向いた。
大学や魔法学校の印象を抱いたのももっともだ。ここは、アワやフーも通ったという、フィライン・エデンの学校なのだ。
まるでヨーロッパの小さな町のようなそこは、雷奈たちの知る学校のイメージとはずっとかけ離れた景色だ。例えば、今そばを歩いている白い建物は、パンや飲み物などを買える売店のようだが、皇学園の売店とは違って、外にテラスがある。猫姿でも人姿でも座れる昇降式の椅子に囲まれた丸テーブルが、売店沿いに等間隔で続いているのだ。
放課後だからか、テラス席にもちらほら制服姿の少年少女の姿が見える。だが、二つ奥のテーブルには、一人だけ私服姿の少女も見えた。
と、せつなが「あら」と声を漏らした。
「ここで待つ予定だったけれど、先に来てたのね、ミスト」
その声に、座っていた私服姿の少女が振り向いた。量の多い重めの茶髪は腰までを覆い、一見野暮ったく見えたものの、同系色のボレロや濃い黄色のニットワンピースと絶妙なまとまりを見せている。大きな瞳はエメラルドグリーンで、目元はせつなよりやや幼く柔和だ。しかし、立ち上がって駆け寄ってくる彼女の方が、身長はいくらかあるようだった。
「ユキナー! わたしも今来たんだよ! 人間さん達、初めまして! ユキナがお世話になってます!」
人懐っこく挨拶してきた彼女に、挨拶を返しがてら名乗った雷奈達だが、三名とも腑に落ちない顔だ。
「あの、今、ユキナって言った?」
「うん。この子のことだよ」
「え、でも」
「もー、ややこしいから、初対面の前ではそのニックネームやめなさいったら」
「だって、漢字名がぱっと見、そうなんだもーん」
「まったく……」
しっぽを大きく揺らしながら、飴細工を引き伸ばすように姿を変える白猫に、雷奈が「あの」と話しかける。
「職場が学院って時点で薄々気づいとったっちゃけど、漢字名ってことは、もしかして公務員……」
「そ。希兵隊、そして情報管理局に並ぶ公務員の一角」
艶やかな黒髪の少女に変化した少女は、ミストと肩を並べて不敵に笑った。
「改めまして。私は天河雪那。猫力学研究科・幸村研究室所属の、研究者よ」
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