フィライン・エデン Ⅲ

夜市彼乃

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11.七不思議編

53宣誓センセーション ②

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***

 ルシルの調子は初めよりだいぶ良いようだったが、一度倒れたのは事実なので、うとめの忠告通り、十番隊の仕切る医務室へとやってきた。
 氷架璃も何度か世話になっているので、引き戸を開けながら、ラフに挨拶する。
「おじゃましゃーす。貧血隊長一名をお届けにあがりやし……た……」
 そこで、予想外の光景に驚きに目を見開き、末尾の声がお留守になった。棒立ちになる氷架璃をよそに、白衣を着た小さな少女が眉をつり上げながら駆け寄ってくる。
「もーーーーっ!」
 甲高い声とともにやってきた、肩につかない卯の花色のボブヘアーの少女は、ルシルの前に仁王立ちするや否や、やはり甲高い声で苛烈に怒鳴る。
「無理しちゃダメだってあれほど言ったのに! なんで体を酷使するかな! しかも非番に! 信じられない、どうしてルシルはいつもそうなの!」
「い、いや、だってそうだろう。センサーの件でいてもたってもいられなかったし、火事を見過ごすわけにはいかないだろう? だから消火活動をして……」
「非番の意味わかってんの!?」
 明らかに年下の少女に説教され、たじろぐルシル。自業自得な二番隊隊長はいったんさておき、氷架璃は「予想外の光景」に目を戻した。
「で、なんであんたらがここにいるんだ、雷奈に芽華実」
「いやぁ、実は霊那に稽古つけてもらってて」
 手で指し示す隣には、亜麻色の髪をした長身の三番隊隊長、神守霊那が立っていた。
「久しぶりだね、氷架璃」
「おう、おひさー」
「で、霊那の指導のもと、芽華実に相手してもらってたら、うっかりケガさせちゃって……」
「おおーい、いくら雷奈といえども、芽華実を傷物にしたらただじゃおかんぞ」
「大丈夫よ、腕を少しかすっただけだから」
 丸椅子に座った芽華実は、右の袖だけ肘までまくりあげていた。前腕の外側に、パッド素材の絆創膏が貼られている。
「ちぇ、修行なら私も誘えよ。抜け駆け禁止!」
「だって今日はひとりカラオケ行くって楽しみにしとったけん。そういう氷架璃こそ、なしてここに?」
「カラオケの帰りにルシルに遭遇して、ついでに火事の現場にも遭遇して、消火活動で体力使って倒れたルシルを持ってきましたとさ」
「火事って……まさか怨讐インフェルノ!?」
「それで、解決したの?」
「いんや、延焼を食い止めただけで、あとは消防にまかせてきたから、何にもわからずじまい」
 やれやれ、と首を振る氷架璃に、雷奈と芽華実も「そっか」と肩を落とす。
 一区切りついた会話の間隙に、丸椅子に座らせたルシルの前に立つ少女の声が流れてきた。
「熱はないみたいだね。パルスオキシメーターの数値も正常。でも、一回倒れてるんだから、しっかり寝るのよ!」
「ハイ」
 反論も愚痴もなく、ベテラン隊長は意気消沈して最短の返答を返した。
 あのルシルを言われるがままにする強気な少女を指して、氷架璃は雷奈に問うた。
「あれは?」
冬木ふゆき柊花しゅうか。十番隊の副隊長らしいったい。深翔の相棒ってことったいね」
「副隊長!? ちっこいな!」
 その瞬間、かわいらしい、鮮やかな緑色の目が、キッと氷架璃を振り返ってにらんだ。
 霊那が呆れたように言う。
「波音はどうするんだよ、あいつも副隊長だ。弥智音なんか隊長だぞ」
「そういやそうだった」
 実力があれば若くともそれなりの地位につけるフィライン・エデン。ましてや希兵隊は、先の侵攻で多くの先達を失ったことで、隊長、副隊長の年齢層はいまだに低い。
「ども、水晶氷架璃です。芽華実と同じく選ばれし人間、好きな食べ物は洋梨と冬瓜」
「訊いてもいないのにご丁寧にどうも、人間」
「いつかどこかの誰かを思い出すな」
「ほっとけ」
 ジト目で牙を見せるルシルのことは、本人の要望通り放っておくとして、氷架璃は再び小さな医療従事者・柊花に目を向けた。直視を受けた柊花は、むっと緊張のにじんだ渋面を見せると、とてとてと霊那の方へ走り寄り、その執行着の陰に隠れてしまった。
「人見知りらしくって、人間はまだ苦手みたいったい。芽華実の手当ても、霊那が柊花に教わりながらやってくれたとよ」
「仕事しろよ、副隊長」
「あんたなんかに言われなくても――」
 霊那の陰から顔を出し、柊花が威嚇する子猫の表情を見せた時だった。
「あら、今着いたところ?」
 そこへ、春風のように温和な声が響いた。
 その声に、氷架璃とルシルは瞠目した。まさか、ここでその声を聞くとは思っていなかったのだ。
 なにせ、その声の主は、ついさっき別れたばかりの人物だったのだから。
「うとめ!?」
「うとめさん!?」
 医務室に入ってきた女性の姿に、初対面の雷奈と芽華実は一瞬戸惑い、次いで氷架璃がその名を知っていることに驚き、理由を尋ねるより前に「うとめ」という響きに聞き覚えがあることに気づいた。
「うとめ、って……もしかして、ルシルの先輩隊員だったっていう?」
「ルシルの前の二番隊隊長だった人ったいね?」
「正確には二番隊の前身、青龍隊ね」
 微笑むうとめに、ルシルがいてもたってもいられないように問う。
「うとめさん、なぜここに? 先程、行かなければならないところがあると……」
「ええ、それがここ、希兵隊本部のことだったの。ついでにルシルちゃんがちゃんと休んでるかどうか、医務室に確認に来たってわけ。あ、神守さん、久しぶり」
「ご無沙汰ですね」
 にこやかに手を振るうとめに、霊那は背筋を伸ばして目礼。
「で、氷架璃はなんでうとめのこと知っとったと?」
「さっき人間界で会ったばっかなんだよ。ルシルの消火活動を手伝ってくれたんだ。仕事中だったみたいだけど」
「ええ、ちょうど人間界にクロ類検出センサーの回収に行っていたところなの。なんか、不具合があったみたいで。回収が完了したから、希兵隊に現物検収に来たってわけ」
「センサーの回収……ですって?」
 ルシルが身を乗り出した。ルシルだけでなく、霊那も顎に手を当てて何か思い当たった様子だ。
「その件は、クロ類討伐を目的とする希兵隊と、統計データ収集・処理を行う情報管理局の共同管轄。……ということは」
「まさか、うとめさん……!」
「はじめましての人間さんもいることだし、氷架璃ちゃんにも改めて名乗っておかないとね」
 二人にうなずき、うとめは居住まいを正して雷奈たちに向き合った。
「私の名前は宇奈川羽留。元・希兵隊執行部・青龍隊隊長で――現・情報管理局調査室・室長補佐です」
 かつて、希兵隊員として名乗っていた「羽留」の漢字名を、退職時に置き去った少女は、十九歳になった今、再び拾い上げたその名を冠していた。
 公務員・情報管理局員として。
「風中家のパートナー、美楓芽華実です。よろしくね、うとめ」
「選ばれとらん選ばれし人間……というか、先日多大な迷惑ばかけた三日月ガオンの娘、雷奈ったい。情報管理局の調査室っていうと、もしかして向日葵と菫と同じ……?」
「そっか、二人には会ったことがあるのね。神隠し騒動の時かしら。そう、私はあの子たちの先輩にして上司にあたるのよ」
 リーフやファイたちがチエアリに連れ去られ、クロ化した霞冴も時間飛躍してしまったあの一件で、希兵隊本部に出張してきた樹香向日葵と樹香菫の姉妹。彼女らも、調査室の所属と名乗っていたのだ。同所属の室長補佐ということは、その部署のナンバー2ということだろう。
「さすがに、あの時期に急に退職しちゃったから、入局試験や準備で経歴に一年空白ができちゃったけど。でも、頑張った甲斐あって出世できてよかったわ」
 相当な努力をしたのだろう。ふふ、と笑ううとめの声は、ため息にも聞こえた。
 彼女は霊那の陰に隠れたままの柊花に気づくと、小さく手を振った。
「はじめましてよね。十番隊の子でしょう?」
「……副隊長の、冬木柊花、です」
「ルシルちゃんをよろしくね」
「……! はいっ!」
 人間相手ほどではないが警戒気味だった柊花は、うとめの母性に満ちた雰囲気か、OGであることへの親近感か、はたまた過労隊長に対する行動方針の一致かに心を許したらしく、元気よく返事をして霊那の後ろから出てきた。
 そして、座ってうとめを見つめていたルシルを容赦なく引っ張った。
「ちょ、ちょ、柊花!?」
「先輩もこう言ってるでしょ! ほら、早くベッドに行く!」
「待て、待ってくれ! ……あのっ、うとめさん!」
 腕を引っ張られてつんのめりそうになりながら、ルシルは懸命にうとめを振り返った。
「あの、これからはっ……時々、連絡してもいいですか! お仕事の邪魔にならないように、時々……いや、たまに……せめて年始のご挨拶だけでもいいので!」
「相変わらず慎重ね。いいのよ、いつでも連絡していらっしゃい」
「あ、ありがとうございますっ。あと、もう一つ……!」
「こら、ルシル! そうやって!」
 体重をかけてルシルを拉致しようとする柊花に、靴底をずるずる床に滑らせながら、ルシルは必死に抵抗した。
「頼む、柊花、これだけ言わせてくれ! ……うとめさん、一つだけ聞かせてください! 彼は……彼は、どこにいるのですか!」
 問いの内容を図りかねた柊花が不思議そうな顔でルシルを見上げ、引っ張り相撲は一時休戦となった。
 うとめも虚を突かれたように、笑みの形に細めていた目を見開く。だが、柊花と違い、彼女はその問いの意味を理解していた。
 ルシルは切実な声で求める。
「霞冴が……ずっと待っているんです。別れ際の約束を信じて、ずっと。うとめさんならご存じなのではないですか。教えてください、彼は……茄谷みやき元司令官は、今、どこにいるのですか」
 しんと静まり返った医務室は、雷奈たちに、伝聞した先の侵攻の物語を想起する時間を与えた。
 茄谷みやき。「宮希」と名乗っていた、先の侵攻勃発当時の希兵隊総司令部・最高司令官。うとめと同時期に退職し、以来無言を貫いたままのその少年は、うとめの血のつながらない弟にして――霞冴の想いびと。
 うとめは神妙な顔でルシルの嘆願を聞いていた。一度、考えるように目を閉じた後、おもむろにまぶたを上げる。
 そして、ゆっくりと、言葉を選ぶように静かに答えた。
「……私は、あの子の居場所を知っている。今、どこで何をしているのか、どんな立場にいるのかも」
「それは……」
「でも」
 一歩踏み出したルシルを柔らかく制するように、うとめは言った。
「でも、それはきっと、あの子が自分の口から、自分の言葉で言いたいはず。一度希兵隊のトップに立った彼は、その座を降りた今、ただの茄谷みやきとしてではなく、胸を張れる何者かとして、彼女に再び名乗りたいの。だから、お願い、もう少しだけ待ってあげて。きっと、そう遠くない頃に、その日は来るから」
 言葉にも、口調にも、強さは感じられない。それなのに、ルシルはそれ以上は、半歩たりとも踏み出すことはできなかった。
 終わりの見えない時を待つのは、耐えがたい所業だ。霞冴は、ずっとそれに耐えている。彼のプライドを尊重するために。
 せめて、今の状況。あるいは、あとどれくらい待てば叶うのか。
 それさえ知ることができれば、彼女を幾分か楽にさせてあげられるのに、うとめの切実な願いの前では、頷かざるを得なかった。
 ルシルが要求をのんだのを見届けると、うとめは安堵したようにそっと微笑んだ。
「ありがとう。……さて、そろそろ、私は情報管理局に戻らなくちゃ。検出センサーを点検してもらわないとね」
 うとめは顔の横の空間を示すように、空中でひらひらと手を振る。そこは何も見えないが、フィライン・エデンでは慣習的な、源子化されているものを指すジェスチャーだ。
「それじゃあ、またね、ルシルちゃん、みんな」
「はい……また」
 一人一人に目を合わせて手を振ると、うとめは引き戸を開けて医務室を後にした。
 しばらく、閉じた扉越しに彼女を見送っていた一同だが、「さて」と息をつくように言った霊那に、視線が集まった。
「あたし達はどうする、雷奈? 続けるかい、星術の特訓」
「星術?」
 ルシルが眉をひそめて霊那を見る。確かに霊那は星猫だが、雷奈に星術の稽古をつけてどうする、という怪訝な顔だ。
「誰が星術を特訓するって?」
「雷奈だよ。聞いていないかい、雷奈が星術に目覚めたという話」
「……は!?」
 本当に初耳だったようで、ルシルは目を見開いて、雷奈と霊那の間で視線を往復させた。
「聞いていないぞ!?」
「美雷さんも、隊員たちに周知する必要はないと思ったんだろうな。あたしは雷奈直々に、星術を教えてくれと頼まれたから知っているだけで」
「驚きましたね。二種の猫力を使えるなど」
 メルも、全く驚いているようには見えない顔で言う。
「こういうことって、ありえるっちゃか? 普通は一種類しか使えんとよね?」
「まあ、人間が猫力を使えている時点で、あたしたちにとってはありえないことなんだが……」
「ただ、二種猫力も絶対に使えないかといえば、そうでもないというか……いや、でもあれは、本人曰く『巨人の肩の上に立っただけ』だしな……」
「ルシル! 何どさくさにまぎれてここに居座ってんの! 早くベッド行きなさい!」
「お前だって途中から忘れてたくせにいたたた!」
 痛いところを突かれた柊花に、物理的に痛いことをされながら、ルシルは退場した。
 おやすみー、と見送って、霊那は雷奈たちに向き直る。
「あたしたち猫は生まれながらに属性が決まっているが、人間は話が別だ。それが二種猫力を可能にしたというのはあり得るな」
「私が猫力ば使えるのは、親父が猫だったから……で、その親父は、母さん曰く、星猫だった。やけん、星術が使える……?」
「じゃあ、先に覚醒した雷術はどうなるんだよな」
「親父じゃなかったら……母さん?」
「いや、あの人は人間なんだろ?」
「でも、名前も『雷志』さんだしね」
「芽華実の発想も悪くはないんだけどね、名前が属性にあやかってるやつは、属性ありきで親が名付けただけであって、名前に属性が伴ってくるわけじゃないんだよ」
「あ、そっか」
「聞きなれた自身の名前が、本人の属性の性質のイメージを促進して、術の使いやすさを増強するって話はあるけどね。その意味では、雷奈の雷術ってのは、氷架璃に光術を、芽華実に草術を授けた誰かさんが、同じようにしてプレゼントしてくれたものなのかもしれないけどさ」
 肩をすくめて歩き出した霊那は、扉の前まで来ると、「で、どうすんの?」と雷奈を振り返った。ガッツポーズをする雷奈に、やる気を見てとると、「よし」と頷いて、引き戸を開く。
 その後をとことこついていく雷奈と、後ろに続く芽華実に、カラオケなんて行っている場合じゃなかったなと、氷架璃も加わった。
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