フィライン・エデン Ⅱ

夜市彼乃

文字の大きさ
上 下
13 / 108
7.追想編

32ダブルブラインド・スタディ 前編

しおりを挟む
「……ね、どう思う」
 軽い口調の中に重みを混ぜる。相手が答えるまでの間、彼女は手持ち無沙汰にグラスを揺らした。薄茶の液体の中で、大きめの氷が涼やかな音を立てていたが、やがて口を開いたもう一人の女性の、輪をかけて清涼な声音に恥じ入ったのか、氷は鳴りを潜めた。
「そうね、もう二年目だし……あまりのんびりしていられないのは事実ね」
 ちびちびとグラスに口をつけると、彼女はブラウンの髪をひと梳きして、ことりと飲み物をテーブルに置いた。
「私もちょうど、その件に関しては案じていたところなの。けれど、どう策を講じたものかと考えあぐねていたのよ」
「なんだ、あんたもか。お互い苦労するね」
「ええ」
 二人はくすりと静かに笑うと、
「こういうのはね、露骨にやっても駄目だと思うんだ。こっちが策士になってやらないとね」
「なんだか、あきちゃんが言いそうな言葉ね。でも、賛成。どうしましょうかしら」
「どうにかして、火をつけないとね……。あ、ちなみにあんたのとこは、今、どこまでできてるの?」
「たぶん、そっちよりも進んでいないわ。今ねぇ……」
 色白の女性が頬に手を当てて斜め上を見上げたところで、ぴたりと動きを止める。旧友は視線を交錯させあい、数秒間静止。
 やがて、よからぬことを考えたいたずらっ子のような笑みが二つ浮かんだ。
「いいこと思いついちゃった。ね、あんたも同じこと考えてるでしょ」
「正解、私もよ。ああ、でも、言っちゃだめ。念には念を押して……」
 女性は、音もなく立ち上がると、引き出しから二人分のメモと筆記用具を取り出した。座ったままそれを見たポニーテールの友人は、閉ざした口で弧の字を描き、了解の合図を出す。
 よい子は寝静まる真夜中。それからは、会話の声も夢見心地で、ただペンの走る音と、ささやくような笑い声が、静謐な居間で夜を更かしていた。

***

 風中フーは、特別な家柄の子であった。フィライン・エデンの代表者の片割れである風中家に生まれ、もしも君臨者からの神託があれば、正統後継者として人間と交流することになる。神託は夢の中に現れる……と、聞いている。君臨者の姿を見るわけでも、声を聞くわけでもないが、なぜか自分のパートナーとなる人間の顔と名前のみがわかる夢を見る。これが百発百中で正夢になることが、科学的根拠はないものの、ほかの事象と合わせて帰納的に「君臨者」という存在を形作る一つの要素なのである。
 今、春よりずっと早起きした太陽が窓越しにモーニングコールを送る先で、彼女は白猫の姿で夢のさなかにいた。朝日にまぶたをくすぐられ、ふにゃっと表情を変えながら寝言をこぼす。
「もう食べられないってぇ……え、まだあるのぉ? しょうがないなぁ……」
「フー、そろそろ起きなさい」
「そうね、そろそろフォークを置いたほうがいいわよね、太っちゃう……」
「もう、ねぼけちゃって」
 ため息交じりの声に、フーはようやくぱちりと目を開けた。しなやかな動作で起き上がると、きょろきょろとあたりを見回す。
「あれ? ケーキは?」
「ないわよ。本当にショートケーキが好きね」
「夢かぁ……。あれ、なんでの夢って知ってるの?」
「フーの考えることくらいわかります。私を誰だと思ってるの?」
 フーは、布団のそばに二本足でちょこんと立つ白猫を見た。フーより一回り大きく、耳の形が少し丸っこい。左腕には、いつも通りピンクのリボンを巻いている。腰に手を当てて、寝起きのフーを愛情のこもった視線で見つめる彼女に、フーは笑って答えた。
「私のお母さん」
「その通り。さ、起きてきなさい」
 母・風中ウィンディは喜色をあらわにすると、フーの部屋を出ていこうとして、
「ああ……その前に」
 思い出したようにつぶやいて、ついてきた娘を振り返った。フーは首をかしげて次の言葉を待つ。
「最近、正統後継者のお勉強はどうなってる?」
「う……えっと……」
「本は全部読めた? 術の練習はどこまでできた?」
「お、お料理の練習ばっかりしてて、ちょっと進みが遅めかも……。ごめんなさい」
 学院も卒業して、そろそろ本格的に家事を学んでいきたい年ごろ。その傍ら、本業である正統後継者を目指しての精進は、少しずつ進んではいるものの、必要な素養は理想的なペースで身についているとは言いがたかった。
 風中家と、もう一つの流清家で伝統的に学ばされているのは、人間について知るための人間界学だけではない。
 まず、基本的な純猫術は完璧に。そして自分の属性の猫術、フーなら風術をある程度操れるよう習熟しておかなければならない。人間をフィライン・エデンに招いた際、もしクロやダークに襲われるようなことがあったら、何があっても守り抜かなければならないからだ。ダークに太刀打ちするのは難しいとはいえ、せめて人間界へ逃がすまでの時間稼ぎぐらいは義務である。
 それから、人間界の情報を手に入れるためには、より人間界になじむ必要がある。必要とあらばと編み出された記憶改竄などの一子相伝の奥義も免許皆伝をなさなければならない。加えて、パートナーやそれ以外の人間たちとうまく付き合い、情報収集でフィライン・エデンに寄与するための外交術、時に連携が必要な三大機関とのコネクションづくりなど、やることはてんこ盛りである。
 つまるところ、学院の勉強が倍に増えて継続しているくらいの負担なのだ。
 しかし、いくら我が子が家事を覚えたいという嬉しいことを言ってくれていても、元正統後継者は甘やかすわけにはいかない。
「悪いけれど、私が子供のころもこれくらいをこなすよう言われていたから、大目に見るわけにはいかないの。学院も卒業したし、前よりも時間は取れるでしょ?」
「う、うん、まあ……」
「じゃあ、家事はお母さんに任せて、フーは頑張ってちょうだい。あ、そうそう、アワちゃんは今日から一か月くらい、缶詰特訓するらしいから、連絡も訪問もダメだって。邪魔になっちゃうから、来月まで我慢してね」
「はーい……え?」
 素直に返事してから、ぴたと固まる。
「……アワが? 缶詰? 連絡も会いに行くのもダメ!?」
「ええ、がんばるんだって。フーも置いてかれないようにね」
「そ、そんなこと、前に会った時には何も……」
「昨日、バブル……アワちゃんのお母さんから電話があって、そう聞いたわ。ちょうど学院にいたころは今日くらいから夏休みだったし、それで思い立ったのかしらね」
 母親はそう言い残して部屋を出て行ったが、フーは仰天のあまり、文字通り天井を振り仰いだ。
(……ええええ!?)

***

 物心ついた時にはそばにいたアワは、幼馴染にして同じ境遇を背負う少年だ。学校での質問攻めも、他の子はしなくていい勉強も、将来への不安も、全部分かり合える唯一の同級生。
 そんな彼を軽んじるつもりはこれっぽちもないのだが、正直、一か月を全て学習時間に充てるほどストイックだとは思っていなかった。価値観は自分と同じくらいだと思っていたのだ。
「うう、今日もアワと電話しようと思ってたのにぃ……」
 私室の座卓に本を広げ、かくんと頭を垂れるフー。ちなみに、広げている本とは、学院の人間界学研究科で使われている参考書の中で最も高額で最もかさのあるシロモノで、改訂されるたびに流清家ともども寄贈されているものであり、それを置いている座卓とは、人間姿でも両側で八人は座れようという、一人で使うには巨大すぎる長方形の机であり、それを中央に据えたフーの私室とは、和洋折衷の数寄屋造りである風中家の屋敷の一角にある、少し現代風の趣を取り入れた十二畳の和室である。お嬢様、という風体ではないが、壮大な空間の中に溶け込むフーは、やはり由緒正しき家の娘であった。
 ノースリーブワンピースに着替えたフーは、午前は純猫術の練習、午後は人間界学の勉強と決めて取り掛かった。が、さすがに朝から励んで八つ時ともなると、集中力が蒸発してくる。
「集中できない……アワはこんなことやってるの……? お散歩に行きたいよぅ……ショートケーキ食べたいよぅ……。そうだ、人間界学の勉強も、ショートケーキで考えたら楽しくなるかな? よし、この大阪ってところは交通網が発達している……ってことは、いろんなケーキをすぐに買いに行けそうね。で、ここに住んでいる中年以上の女性は、飴を持ち歩いている……。ショートケーキ味とかならいいなぁ。礼を言うときは『おおきに』……おおきに? 『ショートケーキをありがとう』って覚えようっと」
 扇風機に髪をなびかせながら、黙々と近畿地方について学んでいったフーは、夕方に切り上げるころには清々しい達成感で胸をいっぱいにしていた。この爽快感をアワと共有したかったのだが、それができないから一人での勉強とは孤独な戦いなのだ。せめて缶詰明けに、「私も頑張ったよ」と言えるように、このペースを継続しようと、さっそく翌日の計画を立て始めた。
 最初の一週間で、地理の今年分の範囲を終わらせたフー。ちょうど二週目の始まりの日、たまには友達とお茶でもしようと思い立ち、母親に相談してみると、
「そうなの? まあ、フーがいいならいいけれど……」
「どういうこと?」
「いいえ、ただ、バブルから聞いた感じ、アワちゃんはけっこう勉強進んでたなーって。比べるつもりはないから、別にいいけどね」
「…………」
 比べるつもりはない、と言われても、意識せずにはいられない。なにせ、学院のクラスメイトとは違い、同じ土俵に立つのがアワ一人しかいないのだ。アワが優秀になれば、相対的な劣等感を味わうのもフー一人。同じくらいの点数を取った同級生、などというものは存在しないのだから、プレッシャーはその比ではない。
 もしも、いつか人間のパートナーを得たときに、アワの造詣との雲泥の差を指摘されてしまったら――。
(無理! 死ぬ! 恥ずかしすぎて、穴があったら入ってそのまま自分で生き埋めにしちゃう!)
 何より、風中家の顔に泥を塗るわけにはいかない。フーは、電話をかける相手をリーフにしようかユウにしようかという迷いを彼方へ吹き飛ばし、母に詰め寄った。
「お母さん、アワはどこまでできてるって!?」
「そうね、今年分の人間界の地理と日本史は終わって、今は文学史に取り掛かったところって」
「早っ!?」
 春のうちからずいぶん進んでいたに違いない。そうでなければ、あの膨大な量の日本史が、たった一週間で終わるわけがないのだ。
(すでに後れを取ってる。追いつかないと……!)
 その一週間も、フーは休みなしの勉強三昧に明け暮れることとなった。何の因果か、自分まで根を詰める羽目になっていると気づいたのは、二週目が終わるころだった。

***

 集中特訓三週目。
「そうか……フーも大変だな」
「ええ、そうなの。まあ、勉強疲れか、ちょっと体重減ったのはうれしかったけど。えへへ」
 からっと晴れた週の半ば、彼女は希兵隊本部に来ていた。学院卒業前から、三大機関にはお見知りおきをと挨拶に通っているが、ちょうどフーの同期が就職した年から、希兵隊に同い年の友人ができて、足を運びやすくなっていたのだ。
 稽古の休憩中にもかかわらず、二人はフーとのおしゃべりに付き合ってくれた。おしゃべり、と一口に言っても、ただの世間話と侮るなかれ、希兵隊の事情や、希兵隊だからこそ知っている現在の情勢などを聞ける貴重な機会なのだ。つまり、これも正統後継者になるための段階の一つなのである。
 少女・河道ルシルは、体術の稽古中にできた腕のあざを気にしながら、フーに質問した。上京してきたという彼女は、飛壇の子供たちに比べて、人間接待の二家について疎いらしく、かつて学院の教室でされたように、よくいろんなことを尋ねてくる。
「そういえば、フーはお姉さんがいると言っていたな。彼女も正統後継者の勉強で忙しいということか?」
「ううん、お姉ちゃんはもうだいたい知るべきことを知り尽くしてるから、そんなに忙しくないの。最近は、新しい情報をチェックする傍ら、女子力アップに励んでいるわ」
 最近耳飾りにハマってるみたいでね、と続いた話に退屈の予感を覚えたのか、もう一人の友人が口をはさむ。手慰みに木刀をくるくる回している大和コウだ。
「けど、正統後継者は一人だろ? ってことは、もし今、神託がやってきたら、お前の姉さんとお前とどっちが継ぐんだ?」
「もちろん、神託を受けたほうよ」
「だよな。そしたら、もしお前が神託を受けたら、お前の姉さんは勉強損じゃねえか」
「まあ、完璧に損かはわからないけど、言ってみればそうね。それが人間接待を担う家の子に生まれた宿命よ」
「エグっ……」
「……まあ、同じことが私にも言えるけどね」
 軽く笑いながら言うが、それがどれほど重荷になっているかは、図らずも低まった声色で、二人にも伝わったようだった。
 アワもそうだが、これほど学に勉励して、それを生かすことなく人生を終える可能性だってある。選ばれし人間が現れる、そしてそれが自分のパートナーになる可能性のために、全力で備えるのが仕事。他の業種とは異なる意味で、なかなか精神力のいる立場なのだ。
「最近、アワがすっごく頑張ってるみたいでね。私もしっぽに火が付いた感じで、精を出しているつもりなんだけど……。最近アワのお母さんとよく連絡を取ってるらしい私のお母さんによると、アワはもう今年分の地理と日本史と文学史を終えちゃってるみたいでね。役に立つかどうかなんて考えてる暇は、本当はないのよ。私も頑張らないと、置いてかれちゃう」
「そうか……」
 ルシルはしばし黙った後、一瞬だけ傍らの少年を一瞥して、
「でも、まあ、フーの気持ちは、少しはわかるよ。同じ立場にある者がどんどん先に行っていると、焦るよな」
「なんだ、ルシル、お前誰かと競争してんのか?」
「別に」
 つんとよそを向くルシルに、フーはくすっと笑って、
「お話聞いてくれてありがとう。私、頑張るから、またここへ来たときはしゃべろうね」

***

 ――とは言ったものの、三週目の終わりごろには、フーの精神も苦境にあった。
 問題集があるわけでもないこの勉強は、ゴールはどこかといえば、ずばり完全に頭に入ったときである。そのため、手を動かせば終わりに近づけるとは一概には言えず、せっかく身についたと思っても忘れてしまっていればもう一度学びなおす必要がある。
 受験勉強でもないため、こと細かに丸暗記する必要はない。ただ、フィライン・エデンとは異なる価値観、歴史、事物に言及されても、あるいは本物に触れても、違和感なく人間と同様にふるまえる程度には求められている。その水準は、低いとは言えない。
 新作スイーツが出ても目をそらし、ユウからのお出かけの誘いも断り、夜更かしと早起きを繰り返して、何とか知識を詰め込もうとするが、焦れば焦るほどうまくいかない。一年のスパンで考えれば、今ここまで奮励する必要はないかもしれない。だが、アワとの差が開いたら、それで風中家の評価に影響したら。そんな考えが、集中力をぶつ切りにしていく。
 限界に近いものを感じて、フーは席を離れた。部屋から出て、廊下を歩き、庭を目指す。座ったまま余計なことを考えてしまうくらいなら、風術の精度を上げる練習をして、少しでも体を動かそう。一石二鳥だ、と自分に言い聞かせ、角を曲がった時、
「あら、フー。休憩?」
 主体のウィンディとばったり会った。フーは焦燥感をできるだけ表に出さないよう努め、応じる。
「ううん、気分転換に風術の練習をしようかと思って。詠言なしで発動できるようにするのも、大事なことでしょ?」
 ウィンディは殊勝な娘に、嬉しそうにしっぽを揺らして、
「ええ、もちろん。ちょうど、アワちゃんも五つの術をそらで使えるようになったらしいし、フーも……」
 その先を言うことなく、母は固まった。目の前に落ちてきた水滴が、自分の頭上、人間姿のフーの目からあふれてこぼれたものと気づき、ぎょっと身を引く。
「フー……?」
 二本足で立って、わたわたと手を振るウィンディの前で、フーは座り込んで叫んだ。
「もう……いやあぁっ!」
 その勢いで、わんわんと泣き出した。喉の奥から思い切りわき出した声は、廊下じゅうに響き渡った。父や姉が飛んでくるかもしれないが、お構いなしだ。
「なんで私、こんなにできない子なの! なんでアワはそんなにどんどん進めるのよー……!」
「フ、フー、落ち着いてって」
「私、頑張ってるのにぃ……全部全部、我慢して、努力してるのに……私、きっと向いてないのよー……!」
 そう吐き出したところで、何が変わるわけでもない。アワに追いつけるわけでもない。覚えるべきことが減らされるわけでもない。正統後継者候補から外れるわけにもいかない。
 結局、感情をぶちまけるだけぶちまけて、母を困らせて、時間を無駄にするだけだ。そうとはわかっていても止められない自分にさえ、嫌悪感を覚える。
 滂沱と涙を流して慟哭するフーの前で、ウィンディはたっぷり狼狽した後、「これは仕方ないよねー……」と深くうなだれた。
「あの、フー、聞いてちょうだい」
「……なによぅ」
「ごめんなさい、そこまで負担をかけるつもりじゃなかったの。……が悪かったわ」
 上目遣いにフーを見るウィンディは、保護者とは思えないほど気後れした、しおらしい表情で、とある夜の話を始めた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。

朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。 婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。 だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。 リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。 「なろう」「カクヨム」に投稿しています。

リタイア賢者の猫ファーストな余生

HAL
ファンタジー
猫が大好きだが、重度の猫アレルギーの少年、カズキ。異世界に召喚され、魔法でアレルギーを直してもらったカズキは、夢見ていた猫との生活のため、復活した邪神と戦った。 そして、いつしか大賢者と呼ばれていた少年は、仲間と共に見事に邪神を討伐して帰って来た。 「俺、これからは猫と静かに暮らすんだ・・・」 もう、戦う必要はない。 だが、そんな彼を周囲の人間が放っておく訳もなかった。 これは、国王の奸計(?)によって学院へ入学したり、世界の秘密を解き明かしたり、猫の為に魔物と戦ったりと、色々な騒ぎを起こしながら、失った青春を取り戻していく、一人の少年の物語。 ・・・・・・多分。  他サイト様でも掲載しております。

追放された最強令嬢は、新たな人生を自由に生きる

灯乃
ファンタジー
旧題:魔眼の守護者 ~用なし令嬢は踊らない~ 幼い頃から、スウィングラー辺境伯家の後継者として厳しい教育を受けてきたアレクシア。だがある日、両親の離縁と再婚により、後継者の地位を腹違いの兄に奪われる。彼女は、たったひとりの従者とともに、追い出されるように家を出た。 「……っ、自由だーーーーーーっっ!!」 「そうですね、アレクシアさま。とりあえずあなたは、世間の一般常識を身につけるところからはじめましょうか」 最高の淑女教育と最強の兵士教育を施されたアレクシアと、そんな彼女の従者兼護衛として育てられたウィルフレッド。ふたりにとって、『学校』というのは思いもよらない刺激に満ちた場所のようで……?

異世界二度目のおっさん、どう考えても高校生勇者より強い

八神 凪
ファンタジー
   旧題:久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い  【第二回ファンタジーカップ大賞 編集部賞受賞! 書籍化します!】  高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。    満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。  彼女も居ないごく普通の男である。  そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。  繁華街へ繰り出す陸。  まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。  陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。  まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。  魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。  次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。  「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。  困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。    元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。  なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。  『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』  そう言い放つと城から追い出そうとする姫。    そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。  残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。  「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」  陸はしがないただのサラリーマン。  しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。  今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――

前世で家族に恵まれなかった俺、今世では優しい家族に囲まれる 俺だけが使える氷魔法で異世界無双

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
家族や恋人もいなく、孤独に過ごしていた俺は、ある日自宅で倒れ、気がつくと異世界転生をしていた。 神からの定番の啓示などもなく、戸惑いながらも優しい家族の元で過ごせたのは良かったが……。 どうやら、食料事情がよくないらしい。 俺自身が美味しいものを食べたいし、大事な家族のために何とかしないと! そう思ったアレスは、あの手この手を使って行動を開始するのだった。 これは孤独だった者が家族のために奮闘したり、時に冒険に出たり、飯テロしたり、もふもふしたりと……ある意味で好き勝手に生きる物語。 しかし、それが意味するところは……。

〈本編完結〉ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編として出来るだけ端折って早々に完結予定でしたが、予想外に多くの方に読んでいただき、書いてるうちにエピソードも増えてしまった為長編に変更致しましたm(_ _)m ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいです💦 *主人公視点完結致しました。 *他者視点準備中です。 *思いがけず沢山の感想をいただき、返信が滞っております。随時させていただく予定ですが、返信のしようがないコメント/ご指摘等にはお礼のみとさせていただきます。 *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・* 顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。 周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。 見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。 脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。 「マリーローズ?」 そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。 目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。 だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。 日本で私は社畜だった。 暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。 あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。 「ふざけんな___!!!」 と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

【完結】魔物をテイムしたので忌み子と呼ばれ一族から追放された最弱テイマー~今頃、お前の力が必要だと言われても魔王の息子になったのでもう遅い~

柊彼方
ファンタジー
「一族から出ていけ!」「お前は忌み子だ! 俺たちの子じゃない!」  テイマーのエリート一族に生まれた俺は一族の中で最弱だった。  この一族は十二歳になると獣と契約を交わさないといけない。  誰にも期待されていなかった俺は自分で獣を見つけて契約を交わすことに成功した。  しかし、一族のみんなに見せるとそれは『獣』ではなく『魔物』だった。  その瞬間俺は全ての関係を失い、一族、そして村から追放され、野原に捨てられてしまう。  だが、急な展開過ぎて追いつけなくなった俺は最初は夢だと思って行動することに。 「やっと来たか勇者! …………ん、子供?」 「貴方がマオウさんですね! これからお世話になります!」  これは魔物、魔族、そして魔王と一緒に暮らし、いずれ世界最強のテイマー、冒険者として名をとどろかせる俺の物語 2月28日HOTランキング9位! 3月1日HOTランキング6位! 本当にありがとうございます!

異世界悪霊譚 ~無能な兄に殺され悪霊になってしまったけど、『吸収』で魔力とスキルを集めていたら世界が畏怖しているようです~

テツみン
ファンタジー
**救国編完結!** 『鑑定——』  エリオット・ラングレー  種族 悪霊  HP 測定不能  MP 測定不能  スキル 「鑑定」、「無限収納」、「全属性魔法」、「思念伝達」、「幻影」、「念動力」……他、多数  アビリティ 「吸収」、「咆哮」、「誘眠」、「脱兎」、「猪突」、「貪食」……他、多数 次々と襲ってくる悪霊を『吸収』し、魔力とスキルを獲得した結果、エリオットは各国が恐れるほどの強大なチカラを持つ存在となっていた! だけど、ステータス表をよーーーーっく見てほしい! そう、種族のところを! 彼も悪霊――つまり「死んでいた」のだ! これは、無念の死を遂げたエリオット少年が悪霊となり、復讐を果たす――つもりが、なぜか王国の大惨事に巻き込まれ、救国の英雄となる話………悪霊なんだけどね。

処理中です...