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1年の長期休暇後のルセリア
101話 野菜不足によって起こり得る身体の症状
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従者に案内された部屋に入ると、陛下と王妃が私たちを待っていた。私とステラは陛下の近くまで、歩き一定の距離のところで止まる。そして、一礼をして挨拶をした後、ステラが陛下に
「国王陛下、王妃様。獣人....いえ、犬獣族の問題について、お話したいことがございます。」
少し、驚いた顔を陛下と王妃はするが、お互いに顔を見合わせて、
「まずは、座りなさい。話はそれからです」
王妃が私たちにソファーに座るように促す。
少し慌てた様子のステラもその言葉で、落ち着いたのか「失礼します」と言って、ソファーに座る。私も「失礼します」と言って座る。
それからは、陛下と王妃に先ほど、二人で話し合った結果を報告する。
報告の内容に陛下と王妃は少し驚いていた様子だったが、
「ルセリア嬢も同じ意見かね?」
陛下が私に尋ねてきたので「はい、私も同じ意見です」と賛同する。
犬獣人族の問題の原因を話すが少し驚くだけですぐに落ち着く二人の様子に、
「お二人は......知っていたんですか?」
私の言葉に、ステラが驚き陛下たちを見る。
深呼吸を一度してから陛下が、
「医師や料理人たちから報告は受けている」
昨日のうちからいろいろ報告は上がっていたと教えてくれる。
何でも、昨日のうちに料理人たちから報告が挙がっており、肉類しか食べていないということに問題があるのではないかと。そして城を案内している時に、何人かの獣人を城にいる医師に診てもらいその後の報告で私たちが部屋で話し合った、肉ばかり食べていると、どのような症状が出るのかということを本職の医師が陛下に説明したという。肉だけではなく、野菜を食べていないと起こる症状なども。
野菜不足によって起こり得る身体の症状
【症状その1】便秘になる 食物繊維が不足すると便が固くなり、排便しにくくなってしまう。
【症状その2】疲れやすくなる 身体を動かすエネルギーを十分に機能させられず、疲れやすくなる。
【症状その3】免疫力が低下する 野菜が不足すると免疫機能が低下するため、風邪などを引きやすくなったり、症状が長引いてしまう。
【症状その4】貧血になる 全身に酸素を運搬する力が弱まってしまい、血流が悪くなり、貧血症状がみられやすくなる。
【症状その5】怒りやすくなる 野菜が不足すると、体調だけでなく精神面にも悪影響をおよぼし、神経の興奮を抑制したり、筋肉を収縮して心臓を動かしたりするはたらきがある。
その話を聞き、陛下と王妃はステラから報告を聞いても驚いていなかったことに納得する。どうやら少し驚いていたのは、医師でもない私たちが、医師ほどではないが、犬獣人族の問題の原因にたどり着いたことに驚いたのだと。
医師の野菜不足によって起こり得る身体の症状を聞いたときに、ふと、ルセリアの頭に疑問が浮かぶ。サンガがいつも威張ってばかりいるのって、もしかして野菜不足から着ているのかしら?。野菜を食べればあの性格が、穏やかになるのだろうか?・・・・いや、あれはもともとかしら、、
頭の中で考えていると、隣に座るステラが
「でしたら、陛下、もうすでに解決策も出ているのですか?」
その言葉を聞き、私も頭を切り替え、陛下の言葉を待つ。
「いや、まだ解決策はでていない。犬獣人族が肉ばかり食べ、野菜を取らないのなら、肉を減らし野菜を食べれば問題は解決だと、医師から説明を受けているが、それができないのだよ。犬獣人族の掟に野菜を食べてはならない、というものがあり、それにより、犬獣人たちは野菜を食べないそうだ」
そう、これこそが私たちを悩ませていたものだった。私もダイロンやサンガから聞いたから知っていたが、獣人族にとって、掟は絶対らしく、決して破ってはいけないのだと。ゆえに、その掟が障害になっている。野菜を食べれば解決という簡単な問題が掟によりそれを難問にしていたのだ。
医師も料理人も打つ手がないようで、陛下も王妃も手詰まりの状態。深刻そうな顔をされる陛下と王妃に対し私たち2人の顔は笑顔だった。なぜならまだ、2人で話し合った後半の話を陛下たちにしていないからだ。
「陛下、実は試してみたいことがあるのです。これがうまくいけば、問題は解決するかもしれません」
ステラが陛下と王妃に言う。
「???何か良い案があるのか」
「ステラ嬢、何か思いついたのですか」
私とステラはお互いに向き合った後、悪戯する子供のように顔で陛下と王妃に向かって答える。
「”食べる”のが掟でダメでも、”飲む”のなら構わないということです」
私の意図が分からないようで、陛下も王妃も困った顔をされるが、一時間二人で話し合いお互いに納得できた答えを陛下と王妃に話す。そして、今度こそ、陛下と王妃は驚いた顔になる。
「いや、しかし、それは、、、どうなんだ?」
「よいのでしょうか?」
陛下と王妃はお互いに難しい顔をされる中、
「要は頓智ですよ」
私がそういうと、「「とんち?」」と陛下と王妃の言葉が重なる。それから、私とステラは陛下から何とか許可をもらい、獣人たちの夕食に間に合わすため、急いで王城の厨房へ急ぐ。
厨房のドアの前まで来た私とステラは
「行きますよ。ルセリア様」
「ええ、ここからは料理の時間ですよ。ステラ様」
二人は勢いよくドアを開け厨房に入っていった。
「国王陛下、王妃様。獣人....いえ、犬獣族の問題について、お話したいことがございます。」
少し、驚いた顔を陛下と王妃はするが、お互いに顔を見合わせて、
「まずは、座りなさい。話はそれからです」
王妃が私たちにソファーに座るように促す。
少し慌てた様子のステラもその言葉で、落ち着いたのか「失礼します」と言って、ソファーに座る。私も「失礼します」と言って座る。
それからは、陛下と王妃に先ほど、二人で話し合った結果を報告する。
報告の内容に陛下と王妃は少し驚いていた様子だったが、
「ルセリア嬢も同じ意見かね?」
陛下が私に尋ねてきたので「はい、私も同じ意見です」と賛同する。
犬獣人族の問題の原因を話すが少し驚くだけですぐに落ち着く二人の様子に、
「お二人は......知っていたんですか?」
私の言葉に、ステラが驚き陛下たちを見る。
深呼吸を一度してから陛下が、
「医師や料理人たちから報告は受けている」
昨日のうちからいろいろ報告は上がっていたと教えてくれる。
何でも、昨日のうちに料理人たちから報告が挙がっており、肉類しか食べていないということに問題があるのではないかと。そして城を案内している時に、何人かの獣人を城にいる医師に診てもらいその後の報告で私たちが部屋で話し合った、肉ばかり食べていると、どのような症状が出るのかということを本職の医師が陛下に説明したという。肉だけではなく、野菜を食べていないと起こる症状なども。
野菜不足によって起こり得る身体の症状
【症状その1】便秘になる 食物繊維が不足すると便が固くなり、排便しにくくなってしまう。
【症状その2】疲れやすくなる 身体を動かすエネルギーを十分に機能させられず、疲れやすくなる。
【症状その3】免疫力が低下する 野菜が不足すると免疫機能が低下するため、風邪などを引きやすくなったり、症状が長引いてしまう。
【症状その4】貧血になる 全身に酸素を運搬する力が弱まってしまい、血流が悪くなり、貧血症状がみられやすくなる。
【症状その5】怒りやすくなる 野菜が不足すると、体調だけでなく精神面にも悪影響をおよぼし、神経の興奮を抑制したり、筋肉を収縮して心臓を動かしたりするはたらきがある。
その話を聞き、陛下と王妃はステラから報告を聞いても驚いていなかったことに納得する。どうやら少し驚いていたのは、医師でもない私たちが、医師ほどではないが、犬獣人族の問題の原因にたどり着いたことに驚いたのだと。
医師の野菜不足によって起こり得る身体の症状を聞いたときに、ふと、ルセリアの頭に疑問が浮かぶ。サンガがいつも威張ってばかりいるのって、もしかして野菜不足から着ているのかしら?。野菜を食べればあの性格が、穏やかになるのだろうか?・・・・いや、あれはもともとかしら、、
頭の中で考えていると、隣に座るステラが
「でしたら、陛下、もうすでに解決策も出ているのですか?」
その言葉を聞き、私も頭を切り替え、陛下の言葉を待つ。
「いや、まだ解決策はでていない。犬獣人族が肉ばかり食べ、野菜を取らないのなら、肉を減らし野菜を食べれば問題は解決だと、医師から説明を受けているが、それができないのだよ。犬獣人族の掟に野菜を食べてはならない、というものがあり、それにより、犬獣人たちは野菜を食べないそうだ」
そう、これこそが私たちを悩ませていたものだった。私もダイロンやサンガから聞いたから知っていたが、獣人族にとって、掟は絶対らしく、決して破ってはいけないのだと。ゆえに、その掟が障害になっている。野菜を食べれば解決という簡単な問題が掟によりそれを難問にしていたのだ。
医師も料理人も打つ手がないようで、陛下も王妃も手詰まりの状態。深刻そうな顔をされる陛下と王妃に対し私たち2人の顔は笑顔だった。なぜならまだ、2人で話し合った後半の話を陛下たちにしていないからだ。
「陛下、実は試してみたいことがあるのです。これがうまくいけば、問題は解決するかもしれません」
ステラが陛下と王妃に言う。
「???何か良い案があるのか」
「ステラ嬢、何か思いついたのですか」
私とステラはお互いに向き合った後、悪戯する子供のように顔で陛下と王妃に向かって答える。
「”食べる”のが掟でダメでも、”飲む”のなら構わないということです」
私の意図が分からないようで、陛下も王妃も困った顔をされるが、一時間二人で話し合いお互いに納得できた答えを陛下と王妃に話す。そして、今度こそ、陛下と王妃は驚いた顔になる。
「いや、しかし、それは、、、どうなんだ?」
「よいのでしょうか?」
陛下と王妃はお互いに難しい顔をされる中、
「要は頓智ですよ」
私がそういうと、「「とんち?」」と陛下と王妃の言葉が重なる。それから、私とステラは陛下から何とか許可をもらい、獣人たちの夕食に間に合わすため、急いで王城の厨房へ急ぐ。
厨房のドアの前まで来た私とステラは
「行きますよ。ルセリア様」
「ええ、ここからは料理の時間ですよ。ステラ様」
二人は勢いよくドアを開け厨房に入っていった。
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