魔眼がみつめるこの世界~転生した私は好きに生きる。だから聖女にはなりたくない~

悪転

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1年の長期休暇後のルセリア

97話 犬獣族は肉が主食

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歓迎パーティーも終わり、パーティーに参加しなかった獣人たちが待つ部屋に帰ってきた。

私たちが部屋に入ると、部屋に残っていた獣人たちは安心した顔をし。お互いの様子を確認する、パーティーに参加したものが、感想や出された料理の話をする。「人間の貴族ときちんと話せた」「食べ方がきれいですねと褒められた」など自慢話が多いが、なんやかんやで、にぎやかにはないる中で、



「私たち、あまり料理をたべていないのよ」



会話をしていた中で獣人の女性の人が言った。



「え、?出された料理の量が少なかったんですか?」



パーティーに参加しなかった獣人たちにも、パーティーに出された料理は出たはずだけど。



「いえそうではなく、量は十分あったのですが、料理の半分が草の料理だったので、兎獣族なら喜んで食べるかもしれませんが、私たち犬獣族は、主に肉しか食べません。時々、草や木の実を食べますが、それはあくまで食糧難の時くらいです」



その言葉を聞いて、先ほどの獣人たちが食べていた料理皿を思い出す。肉はきれいに平らげているのに、それ以外のものが残っていた皿を、どうやら、犬獣族には、野菜を食べる習慣がないようだ。そうとわかっていたら、もっと肉料理が出ただろうに。後の祭りだ。



「明日は、料理をする人たちに肉をもっと多く出してもらえるように伝えておきます」



私がそういうと、獣人たちは嬉しそうな顔でお礼を言ってくる。

私ができるのはここまでだろう。そうだ・・



「あの、皆さん、今日この城に来てから、奴隷に対して尋ねてきたものはいませんか?」



私の言葉で、皆がお互いの顔を見て、しばらく考えるが、誰からも返事はない。

良かったと想う反面、残念だと思う。できることなら、手がかりだけでも見つけられたらよかったのだけど、



「ありがとうございます。皆様、私はこれで失礼いたします。用があれば、ドアの外に従者の方がいますので、言って下さい。それでは、おやすみなさい」



「おい、ルセリア・アストライア公爵令嬢。お前はここでいないのか?」



執事長のレッスンで”お前”から”ルセリア・アストライア公爵令嬢”に呼び方が変わったけれど、



「ルセリアでいいわよ。私は今から国王陛下に会いに行くから、また明日会いましょう」



「......そういうことなら、お休みだルセリア」

「ええ、お休みなさい。サンガ様」

「サンガでいい」

「わかりました。サンガ。でも公の時はきちんと様を付けるからんね」



ドアを閉めた私は陛下に会いたいことを従者に伝える。しばらくして、従者があの部屋で待っていることを伝えに来てくれる。

今日二回目よ、”あの部屋”に行くのは?しかも今回はおそらく先ほどよりも人数が増えていると思いながら足を進ませていく。

ドアの前まで行くと、従者の方がドアを開けてくれる。「どうぞ」と言われ私は部屋の中に入る。

予想通り、王族だけではなく、公爵の父と騎士団長がいた。(まぁ、居るわよね)

私が座ると、陛下から私にもう一度今日の出来事を相談してほしいと頼まれる。ある程度の内容は父も騎士団長も説明を受けていると思うが、情報をより共有するためなのだろう。私はゆっくりと獣人たちとの出会いから話し始める。

馬車での話、王城に訪れてからの話、謁見での話、歓迎パーティーの話長々とこれまでの事を話し終えたところで、いったん休憩となる。



「陛下、ユースティテ王国の貴族と名乗るものに心当たりは?」

「ないとは言えないが、ありすぎて見当がつかないのが現状だ」



父が尋ねるが、陛下はあいまいな答え方をした。反貴族はのものかもしれないし、他国によるものかもしれない。つまりは、ありすぎて分からないということだ。



「ルセリアの方では何か」

「歓迎パーティーの時はできるだけ、獣人たちのほうを見ていましたが、特に怪しい行動をする者はいませんでした。部屋を出たとき、獣人たちに奴隷のことについて、話しかけられたものはいないか尋ねましたがだれも」



「そうですか」と答える王妃様は疲れた様子。



「ところで、ルセリア、獣人たちがわざわざユースティテ王国に来た理由の、犬獣族の問題ってなんだ?」



ロベルトが私に聞いてくる。

私はまだその話を皆にしていなかった。正直、ダイロンから話を聞いたときには自分ができることはないと思ったけれど、今日のパーティーの様子を見て、少し思うことがあったから、その話も含めここにいる皆に聞いてもらう。



話し終えると、



「それは、予知の魔眼で知ったことですか?」



アトランが尋ねてくる。無理もない、話した内容が前世の記憶をもとに憶測で話しているから、本来私が知るわけないことだ。そのため、ややこしくならないために頷くしかなかった。



「凄いなやっぱり。レコーラ村でも思ったが」



ロベルトから感心される。

それからも、話は続き気が付けば、かなり深夜になっていた。陛下は子供の私たち気遣い、部屋で休みなさいと言ってくる。

エクリシアから「一緒な部屋で寝ましょう」と誘われたので、お言葉に甘えて、私たちは部屋から出て自室で休むのだった。



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