魔眼がみつめるこの世界~転生した私は好きに生きる。だから聖女にはなりたくない~

悪転

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1年の長期休暇後のルセリア

93話 案内役をかって出る(ウソ)

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道案内をしながら、大通りの道に出た私たちは、警護のものに馬車を持ってきてもらう。

馬車が到着すると、



「先導しますので、この馬車についてきてください」



馬車に乗り込もうとする私に、



「お前だけずるいぞ、俺も乗せろよ」



サンガが私に言ってくる。サンガの後ろでダイロンがお辞儀を何度も私にしてきた。

はぁー、深いため息をした私は、「どうぞ」と答える。



「ダイロン様もどうぞ。まだ、聞きたい話もありますから」



「それでは、失礼します」



ダイロンとサンガが馬車に乗り、ゆっくりと馬車が王城に向けて進みだす。

他の犬獣族の人たちは、馬車の後を歩いてついてくる



段々と城が近くに見えてくると、サンガが馬車の窓から城を見る。



「凄い、大きな家だなぁ。俺の住んでいるところでは、あんな家はないぞ。おい、見ろ、ダイロン、あの人が多く集まっている建物は何だ」



サンガがまるで、都会に出てきた田舎の子供のようにはしゃぐ。

今さらだが、犬獣族の服装を見ると、前世の世界で歴史の教科書に出て来る縄文人の衣装にちかい。

つまり、それだけ文明力に差があるということ?



「ねぇ、ダイロン様、犬獣族の長に話を持ち掛けた貴族って、どんな人?」

「申し訳まりません。私も詳しくは知らないのですが、族長の話では、この王都に入れば道案内をしてくださるとい話になっていると、実際はだいぶ待っても現れず、途方に暮れていた時に、サンガ様が逃げ出したのです」



「ふぅん。」



ダイロンの話にサンガが横を向く。



聞けば聞くほど考えれば考えるほど、これはユースティテ王国の貴族を名乗ったもの陰謀だ。

もし、謁見の時に同盟の材料として奴隷の話が出ていれば、その場にいる貴族が王家に対し疑問を持つ。やがてぞれはその場に参加していなかった貴族にも広がり、最後は民にも広がる。そうなればユースティテ王家は国民の支持を失うことになる。そして、騙されていたとはいえ、王家に対し名誉をきずつけた犬獣族の使者たちは、良くて死刑、最悪なのが両国の関係が悪くなり戦争が起こってしまう可能性もある。

(大げさに考えすぎと思うが、前世の自分の性格が、まずは一番最悪なことから考えてしまう人間だったから)



早くこのことを陛下に伝えないと!



考えていると、馬車が止まる。どうやら城の衛兵に止められたようだ。衛兵の一人が城のものに確認を、と言って使いを出す。それを見て





「私も行きます」



馬車から衛兵に向かって、手を上げる。



「アストライア公爵令嬢。どういうことですか?」



「実は、国王陛下に獣人の方たちの道案内を任されていて、無事、案内が完了したことを報告に行きたいのです」



私の言葉に、ダイロンとサンガが驚いた顔をする。

もちろん、ウソだけど、最近の私はウソをつくことに慣れてきているのか?と思いながら馬車のドアを開け外に出る。



「ダイロン様たちは城の中に入らず、私が戻ってくるまで外で待っていてください。たとえ誰が来ても、決して、いいですね?」



真剣な顔でダイロンとサンガを見つめる。威圧しているような感じだが仕方ない。

それから私は、警備の人にこのまま屋敷に戻って私が買い物のついでに王城に行ったことを伝えてとお願いしてから、城に確認しに行く衛兵と共に城の中に入った。





城の中を衛兵と共に歩いていく途中で、エクリシア王女と会う。



「お姉様、ごきげんよう。お越しになるのが少し早いですね」

「エクリシア様、ごきげんよう。実は今獣人の方たちの道案内が終わったので、

あの部屋で陛下に報告するために向かっているところです」



「・・・あの部屋ですか。お姉様?」

「はい、そうです」



エクリシアの問いに真剣な顔で答える。もちろん、私が獣人たちの道案内を任されているなんて

ウソだと気が付いたはずだ。そして、”あの部屋”と言ったことで、緊急なようだと察してくれたようで



「お母様とお兄様達も呼んできます」



と別方向に歩いていく。









城の廊下で、陛下たちの準備ができるまで待っていた。

やがて、従者のものが「どうぞ、こちらに」と言って、私を案内してくれる。

そして、あの部屋にはいると、ロイヤルファミリーが全員が真剣な顔で座っていた。



そして、部屋のドアが閉まると、私はこれまでの事と私の考えを口にした。
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