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75話 オニオン雑炊
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雑炊といっても、卵雑炊といったものではなく、作るのはオニオン雑炊だ。実は今朝の朝食に出たのがオニオンスープで、シルフィと出かける前に料理長に確認するとまだ残っており、それをもらって持ってきていた。そのため、難しいのは米を炊くくらいだ。リーネットに台所をかりる許可をもらい料理を始める。先ずは米を炊く準備をしていく。シルフィとリーネットが後ろから私の様子を眺めているので、説明しながら料理していく。
「まずは、米研ぎです。ボウルに水を張りお米を入れ、サッと手で2~3回かき混ぜ水を捨てます」
食べたことがないものに興味をもったシルフィとリーネットが質問してくる。なぜ?混ぜるのか、と簡単に汚れを落とすためですと答える。
「水を入れ、手を立てかき混ぜるように洗い、水を切ります。これは数回くりかえります」
炊飯器がないから鍋で炊くしかない。小さい鍋を用意して、
「次はお米を浸水させます。水の量はお米の分量の1.1~1.2倍くらいです」
新米は水分を多く含んでいるため、気持ち少なめの水1~1.1倍で。古米は気持ち多めの水、1.2~1.3倍の分量を目安かな。本当は研いだお米はしっかりと浸水させアルファー化することで、よりおいしくなるんだけど、今回は省くとしよう。春夏なら30~60分、秋冬なら60~120分ほどの浸水時間が理想かなぁ。
「それでは、炊いていきましょう。火加減の調節ではじめは強火で沸騰させ。10分くらいで沸騰してふたから泡が出てきたら、弱火にして15分加熱します」
様子を見ている二人に米炊きをお願いし、何か問題が起こったら教えてと言って、私は出汁もといスープと具材を用意していく。オニオンスープに火が通りやすい野菜を切って煮たして柔らかくしていく。10分くらい煮たすと野菜がしんなりしてくる。二人をほうを見るとも米も炊けた様で、鍋のふたをお開けると白い宝石のような米が姿を現す。
「「わーー」」
二人が声を出し、米を眺める。私は二人に少量、ご飯をすくい、二人に味見してみてという。二人はご飯を口に運び、口の中で咀嚼する。
「あまり味はないですね」
「でも、嚙んでいると甘い味がしてきますよ。シルフィ様」
「ほんとは、塩があったらいいんだけど」
おにぎりにして食べてほしかったけど、塩は高級品らしく農民の人はおいそれと使えるものではないようだ。料理する前にリーネットに聞いたが塩はないようだ。そのことからもわかるように、農民の方たちの食事は味が薄い料理が多いのだろう。できることなら、何とかしたいなぁと料理をしながら思った。
「それでは、後は簡単です。このご飯をこのスープの中に入れていきます」
炊きあがったご飯をオニオンスープの中に入れて、しばらく置く。時間と米がスープをすい、しんなりしてくる。時間にして、10~15分くらいだろうか?最後に卵をといて、ご飯の上にかける。蓋をして、しばらく置き再び蓋を開けて、
「オニオン雑炊の完成です」
二人の顔をみて、できたことを伝える。そして、台所の机に鍋を置き、三人で一つの鍋を食べる準備をする。シルフィとリーネットも一つの鍋を三人で食べることに驚いているが、シルフィは貴族だからこのように食べたことがないのだろう。逆にリーネットは両親と食べたことはあるが貴族の私が勧めたことに驚いているのだろう。
小皿を三皿、用意してお玉で雑炊をすくって小皿に入れていく。箸ではなく、スプーンで食べる。
フーフーと少し冷ましてから、雑炊を一口食べる。
「ハフー、ハフー、美味しいです」
「味はオニオンスープですが、この米がスープを吸っているんですね。さっき味見させていただいたときとは、別ものですよ。ルセリア様」
「お米は万能の食材なんですよ。ほとんどの料理に合うんですよ」
三人でオニオン雑炊の感想や米の凄さを話していきながら、食べていく。気が付くと鍋の中は空になっていた。
「美味しかったです。ルセリア様」
「わざわざ、作ってくださりありがとうございます。ルセリア様」
二人が私にお礼を言ってくる。
「お粗末様です」
「「???」」
私の言った意味が分からないのか、二人は不思議な顔をするが、
「食べてくれて、ありがとうございます。という意味ですよ」
笑顔で二人にお粗末の意味を教えると、二人も笑顔になってくれた。
それからはリーネットの部屋に戻り、しばらくは小説話に花を咲かせる。やっぱり趣味の話をするのは楽しいと感じながら、時間が過ぎていった。帰るときは、まだ米とオニオンスープが残っていたので、リーネット渡す。自分に作ってもいいし、両親に作ってあげるのもいいわよ、と言って渡す。
「ルセリア様、シルフィ様、今日は本当にありがとうございました。また、学園でお会いしましょう」
「ええ。また学園で」
「お身体に気を付けてくださいね」
こうして、私とシルフィの訪問は終わり、各々、自身の屋敷に戻っていった。
その夜、リーネットは両親に夕食を作ってあげた。作るのはもちろんオニオン雑炊だ。両親ともに喜んでくれて、最後に両親がリーネットに美味しかったとお礼を言うと、
「お粗末様です」
ルセリアが言ったセリフを今度はリーネットが両親に言うのだった。
「まずは、米研ぎです。ボウルに水を張りお米を入れ、サッと手で2~3回かき混ぜ水を捨てます」
食べたことがないものに興味をもったシルフィとリーネットが質問してくる。なぜ?混ぜるのか、と簡単に汚れを落とすためですと答える。
「水を入れ、手を立てかき混ぜるように洗い、水を切ります。これは数回くりかえります」
炊飯器がないから鍋で炊くしかない。小さい鍋を用意して、
「次はお米を浸水させます。水の量はお米の分量の1.1~1.2倍くらいです」
新米は水分を多く含んでいるため、気持ち少なめの水1~1.1倍で。古米は気持ち多めの水、1.2~1.3倍の分量を目安かな。本当は研いだお米はしっかりと浸水させアルファー化することで、よりおいしくなるんだけど、今回は省くとしよう。春夏なら30~60分、秋冬なら60~120分ほどの浸水時間が理想かなぁ。
「それでは、炊いていきましょう。火加減の調節ではじめは強火で沸騰させ。10分くらいで沸騰してふたから泡が出てきたら、弱火にして15分加熱します」
様子を見ている二人に米炊きをお願いし、何か問題が起こったら教えてと言って、私は出汁もといスープと具材を用意していく。オニオンスープに火が通りやすい野菜を切って煮たして柔らかくしていく。10分くらい煮たすと野菜がしんなりしてくる。二人をほうを見るとも米も炊けた様で、鍋のふたをお開けると白い宝石のような米が姿を現す。
「「わーー」」
二人が声を出し、米を眺める。私は二人に少量、ご飯をすくい、二人に味見してみてという。二人はご飯を口に運び、口の中で咀嚼する。
「あまり味はないですね」
「でも、嚙んでいると甘い味がしてきますよ。シルフィ様」
「ほんとは、塩があったらいいんだけど」
おにぎりにして食べてほしかったけど、塩は高級品らしく農民の人はおいそれと使えるものではないようだ。料理する前にリーネットに聞いたが塩はないようだ。そのことからもわかるように、農民の方たちの食事は味が薄い料理が多いのだろう。できることなら、何とかしたいなぁと料理をしながら思った。
「それでは、後は簡単です。このご飯をこのスープの中に入れていきます」
炊きあがったご飯をオニオンスープの中に入れて、しばらく置く。時間と米がスープをすい、しんなりしてくる。時間にして、10~15分くらいだろうか?最後に卵をといて、ご飯の上にかける。蓋をして、しばらく置き再び蓋を開けて、
「オニオン雑炊の完成です」
二人の顔をみて、できたことを伝える。そして、台所の机に鍋を置き、三人で一つの鍋を食べる準備をする。シルフィとリーネットも一つの鍋を三人で食べることに驚いているが、シルフィは貴族だからこのように食べたことがないのだろう。逆にリーネットは両親と食べたことはあるが貴族の私が勧めたことに驚いているのだろう。
小皿を三皿、用意してお玉で雑炊をすくって小皿に入れていく。箸ではなく、スプーンで食べる。
フーフーと少し冷ましてから、雑炊を一口食べる。
「ハフー、ハフー、美味しいです」
「味はオニオンスープですが、この米がスープを吸っているんですね。さっき味見させていただいたときとは、別ものですよ。ルセリア様」
「お米は万能の食材なんですよ。ほとんどの料理に合うんですよ」
三人でオニオン雑炊の感想や米の凄さを話していきながら、食べていく。気が付くと鍋の中は空になっていた。
「美味しかったです。ルセリア様」
「わざわざ、作ってくださりありがとうございます。ルセリア様」
二人が私にお礼を言ってくる。
「お粗末様です」
「「???」」
私の言った意味が分からないのか、二人は不思議な顔をするが、
「食べてくれて、ありがとうございます。という意味ですよ」
笑顔で二人にお粗末の意味を教えると、二人も笑顔になってくれた。
それからはリーネットの部屋に戻り、しばらくは小説話に花を咲かせる。やっぱり趣味の話をするのは楽しいと感じながら、時間が過ぎていった。帰るときは、まだ米とオニオンスープが残っていたので、リーネット渡す。自分に作ってもいいし、両親に作ってあげるのもいいわよ、と言って渡す。
「ルセリア様、シルフィ様、今日は本当にありがとうございました。また、学園でお会いしましょう」
「ええ。また学園で」
「お身体に気を付けてくださいね」
こうして、私とシルフィの訪問は終わり、各々、自身の屋敷に戻っていった。
その夜、リーネットは両親に夕食を作ってあげた。作るのはもちろんオニオン雑炊だ。両親ともに喜んでくれて、最後に両親がリーネットに美味しかったとお礼を言うと、
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