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69話 崩落の対応
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訪問9日目の朝を迎える。早くに起きた私は、まだ寝ているエクリシアの横顔を眺め、窓から朝の景色を楽しんだ。
「あと2日間か。いろいろなことがあったけど、無事に帰れそうね」
残り2日は特に用事はない。お城の中でゆっくりしようと考えるが、
「あ、今日はお昼からローザ様との約束があるんだった」
昨日のことを思い出し、ゆっくりできないとあきらめる。
窓の外が騒がしいことに気づき、窓から外を眺めると、数人が馬を走らせて、お城の中に入って来た。衛兵の方たちかしら?何かあったのだろうか。
しばらくして、ドアを誰かがノックする。
「ルセリア、私だ。カイムだ」
「?お父様。今出ます」
エクリシアを見ると、まだ寝ていたたので、起こすのもかわいそうと思い。私だけ部屋の外に出る。
「どうしました?お父様」
「ルセリア。今しがた衛兵から女王陛下に報告が挙がったのだが、どうやら崩落が起こったらしい」
「どこですか?」
「ルセリアが賊の奇襲と崩落の可能性があると教えた場所。イリンガの谷だ」
「・・・被害は、どれくらいですか?怪我した人は、亡くなった人は?」
父親の腕を震えながらつかむ。
「落ち着くんだ。ルセリア。両国ともに負傷者0名、死亡者も0名だ」
「ほ、本当ですか?お父様」
「ああ、ルセリアが知らせてくれたおかげで、両国とも警戒して通らないように騎士や衛兵を配置していたんだよ」
「よかった」
「ただ、これから対策をしていかないといけないため、客人であるわたしたちの相手ができないと、先ほど伝えられてね」
「そうですか。仕方ないですね」
負傷者、死亡者が0名でも崩落が起きたのなら撤去作業で人員もいる。王族であっても、いきなり仕事が増えたようなものだ。すぐに対応できるわけもない。
父親から話を聞き終え、部屋に戻ってエクリシアが起きるまで、今日の予定を考えた。
少し前、馬車に乗った衛兵が城に走りこんできた。
「女王陛下、昨日の昼、イリンガの谷で崩落が起きました」
広間に通された衛兵が慌てた様子で報告する。
その報告を、国を管理する者たちが一緒になて聞く。
「被害はどの程度ですか?」
「はい、それが陛下からの地盤が緩んでいるという話もあったため、イリンガの谷を通行禁止していました。そのため、怪我人もなく、崩落だけで済みました」
「ハァー、そうですか。よかったです。ならば、後のことは、我々が引き継ぎます。ご苦労様でした」
「はい。女王陛下のおかげで、多くの被害も出さずに済みました。それでは、失礼いたします」
お辞儀をして、衛兵は広間から出ていった。そのあと、女王は国を管理するの者たちとイリンガの谷の崩落について、どのように復興していくか話し合った。方針が決まっていき、段々と重鎮たちが広間を出ていった。そして広間に残ったのは、女王と王配の二人だけになる。
「私のおかげですか?」
衛兵が言ったことを呟く。
「アレクシア?」
王配が心配そうに言う。
「本物ですね。ルセリア嬢の予知の魔眼は」
「そのようだな」
訪問した最初の日にアストライア公爵からイリンガの谷について崩落の危険があるかもしれないと進言があった。賊のはなしを聞き、それだけでも驚いたが、崩落の危険があると言われたときは、まさかと思った。しかし、ほおっておくこともできないため、衛兵にな数週間くらいイリンガの谷に通じる道の通行禁止をお願いしていた。その結果、怪我人もなく、崩落だけが起きた。もし、何も知らず民がイリンガの谷を通って崩落に巻き込まれていたかと思うと気が気ではない。
「まったく、昨日の今日で・・・・」
「アレクシア、ユースティテ王国の方々はどうする」
「残り2日ですね。申し訳ないですが、今から崩落について動きたいから、今日は相手ができないと伝えてもらえる?」
「わかった。アストライア公爵に伝えておこう」
女王と王配は自分たちのやることを確認し歩き出した。
そんなことがあったと、みんなと朝食を摂りながら父親のカイムが話してくれた。予知の魔眼でみた崩落は賊がイリンガの谷の崖の上で奇襲を仕掛けようとしていたため、地盤がもろくなっていたことから余計に負荷がかかり起こったものだった。だが、現実は違う日に崩落が起きた。結果的に崩落だけで済んだが、改めて自然とは恐ろしいものだとルセリアは思った。
「ところで、ルセリア、今日はどうしますか?」
アトランが私に聞いてくる。
「今日は約束があるんです。なのでお昼からメシス様とでかけます」
「約束ってのは何だよ」
ロベルトが聞いてくる。
「昨日話した、ローザ様からのお礼の話ですよ」
「そういえば、昨日のお話でありましたね。どんなお礼をお願いしたんですか?お姉さま」
「内緒です」
そのお礼は私ではなく、おじさんへのいいことになるはずだと思い。朝食が食べ終わるとメイスのところに向かう。
「約束の時間にはまだ時間があるけど、それまでにおじさんには身だしなみを整えてもらわないと。なんてったって、就職の面接があるのだから」
うきうき顔の私はメシスのところに早歩きで向かった。
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「あと2日間か。いろいろなことがあったけど、無事に帰れそうね」
残り2日は特に用事はない。お城の中でゆっくりしようと考えるが、
「あ、今日はお昼からローザ様との約束があるんだった」
昨日のことを思い出し、ゆっくりできないとあきらめる。
窓の外が騒がしいことに気づき、窓から外を眺めると、数人が馬を走らせて、お城の中に入って来た。衛兵の方たちかしら?何かあったのだろうか。
しばらくして、ドアを誰かがノックする。
「ルセリア、私だ。カイムだ」
「?お父様。今出ます」
エクリシアを見ると、まだ寝ていたたので、起こすのもかわいそうと思い。私だけ部屋の外に出る。
「どうしました?お父様」
「ルセリア。今しがた衛兵から女王陛下に報告が挙がったのだが、どうやら崩落が起こったらしい」
「どこですか?」
「ルセリアが賊の奇襲と崩落の可能性があると教えた場所。イリンガの谷だ」
「・・・被害は、どれくらいですか?怪我した人は、亡くなった人は?」
父親の腕を震えながらつかむ。
「落ち着くんだ。ルセリア。両国ともに負傷者0名、死亡者も0名だ」
「ほ、本当ですか?お父様」
「ああ、ルセリアが知らせてくれたおかげで、両国とも警戒して通らないように騎士や衛兵を配置していたんだよ」
「よかった」
「ただ、これから対策をしていかないといけないため、客人であるわたしたちの相手ができないと、先ほど伝えられてね」
「そうですか。仕方ないですね」
負傷者、死亡者が0名でも崩落が起きたのなら撤去作業で人員もいる。王族であっても、いきなり仕事が増えたようなものだ。すぐに対応できるわけもない。
父親から話を聞き終え、部屋に戻ってエクリシアが起きるまで、今日の予定を考えた。
少し前、馬車に乗った衛兵が城に走りこんできた。
「女王陛下、昨日の昼、イリンガの谷で崩落が起きました」
広間に通された衛兵が慌てた様子で報告する。
その報告を、国を管理する者たちが一緒になて聞く。
「被害はどの程度ですか?」
「はい、それが陛下からの地盤が緩んでいるという話もあったため、イリンガの谷を通行禁止していました。そのため、怪我人もなく、崩落だけで済みました」
「ハァー、そうですか。よかったです。ならば、後のことは、我々が引き継ぎます。ご苦労様でした」
「はい。女王陛下のおかげで、多くの被害も出さずに済みました。それでは、失礼いたします」
お辞儀をして、衛兵は広間から出ていった。そのあと、女王は国を管理するの者たちとイリンガの谷の崩落について、どのように復興していくか話し合った。方針が決まっていき、段々と重鎮たちが広間を出ていった。そして広間に残ったのは、女王と王配の二人だけになる。
「私のおかげですか?」
衛兵が言ったことを呟く。
「アレクシア?」
王配が心配そうに言う。
「本物ですね。ルセリア嬢の予知の魔眼は」
「そのようだな」
訪問した最初の日にアストライア公爵からイリンガの谷について崩落の危険があるかもしれないと進言があった。賊のはなしを聞き、それだけでも驚いたが、崩落の危険があると言われたときは、まさかと思った。しかし、ほおっておくこともできないため、衛兵にな数週間くらいイリンガの谷に通じる道の通行禁止をお願いしていた。その結果、怪我人もなく、崩落だけが起きた。もし、何も知らず民がイリンガの谷を通って崩落に巻き込まれていたかと思うと気が気ではない。
「まったく、昨日の今日で・・・・」
「アレクシア、ユースティテ王国の方々はどうする」
「残り2日ですね。申し訳ないですが、今から崩落について動きたいから、今日は相手ができないと伝えてもらえる?」
「わかった。アストライア公爵に伝えておこう」
女王と王配は自分たちのやることを確認し歩き出した。
そんなことがあったと、みんなと朝食を摂りながら父親のカイムが話してくれた。予知の魔眼でみた崩落は賊がイリンガの谷の崖の上で奇襲を仕掛けようとしていたため、地盤がもろくなっていたことから余計に負荷がかかり起こったものだった。だが、現実は違う日に崩落が起きた。結果的に崩落だけで済んだが、改めて自然とは恐ろしいものだとルセリアは思った。
「ところで、ルセリア、今日はどうしますか?」
アトランが私に聞いてくる。
「今日は約束があるんです。なのでお昼からメシス様とでかけます」
「約束ってのは何だよ」
ロベルトが聞いてくる。
「昨日話した、ローザ様からのお礼の話ですよ」
「そういえば、昨日のお話でありましたね。どんなお礼をお願いしたんですか?お姉さま」
「内緒です」
そのお礼は私ではなく、おじさんへのいいことになるはずだと思い。朝食が食べ終わるとメイスのところに向かう。
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