魔眼がみつめるこの世界~転生した私は好きに生きる。だから聖女にはなりたくない~

悪転

文字の大きさ
上 下
54 / 106

54話 国王に報告する

しおりを挟む
夢のことを思い出し、内容をアトラン、ロベルト、エクリシアに話す。

「盗賊と崩落ですか?」

「しかも、それが我が国が隣国へ向かう馬車を」

「その谷とはどこなんですか?」



「わかりません。恐らく隣国へ向かう道中のどこかだと思いますが?」



3人とも驚いて、何をすればいいのかわからない。

「でもよ。襲撃されることが分かったいるなら、その道を通らなきゃいいんじゃないか?」

「そうですね。今すぐロック隊長に相談して、対策をとってもらいましょう」

「でも何て言えばよいのですか?お姉様の予知の魔眼のことはは言えないから」



三人が互いに話し合い、いい案はないか考えている中で、



「あの、できるなら国王陛下にお願いして、騎士団を動かしてもらえないでしょうか?」



「そうですね。ルセリアの言う通り、それが一番いいかもしれない」

「そうだなぁ。違う道に変更したら、盗賊を逃がしちまうから、一網打尽にするなら、それが一番いいかもしれないなぁ。それに崖が崩落するならほっといても、自滅するんじゃないか」

「・・・・・」



方針が決まりかける中、みんなへ

「できれば、盗賊の方たちもたも助けられないでしょうか?」

「「ルセリア」」

「お姉様?」



「言いたいことは分かります。ですが盗賊の中にはそうするしか生きていけない人もいます。罪は犯しても罰を受けることがあっても、死んでいい理由にはなりません」



「どうか、盗賊のかたも救えるように行動を」

真剣な顔で三人に訴える。

「お願いします」

わかってる。自分が無理なことを言っていることは、でもそれでも私は助けたいから。

「父上に頼んでみます」

「アトラン!!」

「お兄様!!」



「いきますよ。ロベルト、エクリシア。ルセリアも来てください」



「はい」



兄弟の手を取り、アトランが部屋から出ていき私もそれに続く。そして、玄関で待っている騎士のロック隊長へ急用ができたため、すぐに王城へ隊長と部下を連れて来るように命令し、土産を積んだ馬車を待機された状態で王城に向かった。







王城へ着いた私たちはすぐに、国王陛下がいる部屋に向かった。突然のことで驚きを隠せない陛下だが何より私が一緒にいることにおどろいていた。王子と王女が私の代わりに陛下に説明してくれる。「誠か、ルセリア嬢?」と私の顔を見て来る。「はい」と真剣な顔で答えると、すぐに行動に移ってくれた。騎士団長を呼ぶ。



「陛下、お呼びでしょうか」

陛下の呼び出しということで、急いで駆けつけてきたのか、肩で息を吸っている。

「実はな、ルセリア嬢が予知の魔眼で、未来をみたのだが、今日、隣国へ出発する我が国の馬車が崖の上から襲撃を受けるというものだったそいうだ。しかも崩落が起こり、多くのものが亡くなったと」

騎士団長は驚いて私の方を向く。そこからは、王子と王女、そして私から説明を始めた。

「ならば、陛下すぐに行動を」

「そなたに任せる」



「は!」

急いで、部屋を出ていこうとした騎士団長に私は



「もし、できるなら、盗賊の方も助けてあげてください」

「ルセリア嬢、何を」

私が言ったことに驚いている騎士団長。王子達は少し困ったような顔をするが、

「盗賊の中にはそうするしか生きていけない人もいます。だから、救えるのなら救ってほしいんです」

アトランに行ったことを騎士団長にも言う。少しの間、無音になる。騎士団長が私の顔を見て、



「善処します。」



陛下に一礼してから部屋を出ていった。



私たちができることは終わった。後は騎士団や陛下に任せるしかない。

「ルセリア嬢、ご苦労だったなぁ」

「いえ」



「隣国への訪問は、宰相やアストライア公爵と話し合ってきめる。思うところはあると思うが今は帰られよ」

それから、私は一人屋敷に帰った。

夕食時、父親から騎士団が出動したと聞かされた。そして、隣国への訪問についても。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

やり直し令嬢は何もしない

黒姫
恋愛
逆行転生した令嬢が何もしない事で自分と妹を死の運命から救う話

踏み台(王女)にも事情はある

mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。 聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。 王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。

巻き込まれ召喚された上、性別を間違えられたのでそのまま生活することにしました。

蒼霧雪枷
恋愛
勇者として異世界に召喚されチート無双、からのハーレム落ち。ここ最近はそんな話ばっか読んでるきがする引きこもりな俺、18歳。 此度どうやら、件の異世界召喚とやらに"巻き込まれた"らしい。 召喚した彼らは「男の勇者」に用があるらしいので、俺は巻き込まれた一般人だと確信する。 だって俺、一応女だもの。 勿論元の世界に帰れないお約束も聞き、やはり性別を間違われているようなので… ならば男として新たな人生片道切符を切ってやろうじゃねぇの? って、ちょっと待て。俺は一般人Aでいいんだ、そんなオマケが実はチート持ってました展開は望んでねぇ!! ついでに、恋愛フラグも要りません!!! 性別を間違われた男勝りな男装少女が、王弟殿下と友人になり、とある俺様何様騎士様を引っ掻き回し、勇者から全力逃走する話。 ────────── 突発的に書きたくなって書いた産物。 会話文の量が極端だったりする。読みにくかったらすみません。 他の小説の更新まだかよこの野郎って方がいたら言ってくださいその通りですごめんなさい。 4/1 お気に入り登録数50突破記念ssを投稿してすぐに100越えるもんだからそっと笑ってる。ありがたい限りです。 4/4 通知先輩が仕事してくれずに感想来てたの知りませんでした(死滅)とても嬉しくて語彙力が消えた。突破記念はもうワケわかんなくなってる。 4/20 無事完結いたしました!気まぐれにオマケを投げることもあるかも知れませんが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました! 4/25 オマケ、始めました。え、早い?投稿頻度は少ないからいいかなってさっき思い立ちました。突発的に始めたから、オマケも突発的でいいよね。 21.8/30 完全完結しました。今後更新することはございません。ありがとうございました!

愚か者の話をしよう

鈴宮(すずみや)
恋愛
 シェイマスは、婚約者であるエーファを心から愛している。けれど、控えめな性格のエーファは、聖女ミランダがシェイマスにちょっかいを掛けても、穏やかに微笑むばかり。  そんな彼女の反応に物足りなさを感じつつも、シェイマスはエーファとの幸せな未来を夢見ていた。  けれどある日、シェイマスは父親である国王から「エーファとの婚約は破棄する」と告げられて――――?

二度目の召喚なんて、聞いてません!

みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。 その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。 それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」 ❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。 ❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。 ❋他視点の話があります。

実は私が国を守っていたと知ってましたか? 知らない? それなら終わりです

サイコちゃん
恋愛
ノアは平民のため、地位の高い聖女候補達にいじめられていた。しかしノアは自分自身が聖女であることをすでに知っており、この国の運命は彼女の手に握られていた。ある時、ノアは聖女候補達が王子と関係を持っている場面を見てしまい、悲惨な暴行を受けそうになる。しかもその場にいた王子は見て見ぬ振りをした。その瞬間、ノアは国を捨てる決断をする――

辺境伯聖女は城から追い出される~もう王子もこの国もどうでもいいわ~

サイコちゃん
恋愛
聖女エイリスは結界しか張れないため、辺境伯として国境沿いの城に住んでいた。しかし突如王子がやってきて、ある少女と勝負をしろという。その少女はエイリスとは違い、聖女の資質全てを備えていた。もし負けたら聖女の立場と爵位を剥奪すると言うが……あることが切欠で全力を発揮できるようになっていたエイリスはわざと負けることする。そして国は真の聖女を失う――

君は僕の番じゃないから

椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。 「君は僕の番じゃないから」 エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。 すると 「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる イケメンが登場してーーー!? ___________________________ 動機。 暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります なので明るい話になります← 深く考えて読む話ではありません ※マーク編:3話+エピローグ ※超絶短編です ※さくっと読めるはず ※番の設定はゆるゆるです ※世界観としては割と近代チック ※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい ※マーク編は明るいです

処理中です...