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49話 唐揚げの魔力
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学園から帰った私はその足で、また料理長を尋ねていた。弁当を一個、先生の分も追加してくれるように料理長にお願いしに。キッチンに入った私は料理長を見つける。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
「料理長、ただいま帰りました。実は明後日のお弁当を1個追加してほしいのですが」
「1個追加ですか。誰の分ですか?」
「実は、担任の先生の分です」
料理長に今日一日の学園での話をする。私の話を聞いていた料理長がだんだん笑い出す。
「あははっはー。その先生はとても面白い方ですね」
「ええ。私もそう思います」
「わかりました。その先生のお弁当も用意しましょう」
「ありがとうございます。料理長」
料理長に用件を伝えた私はキッチンを出ようとするが、料理長が
「あ、お嬢様、実は今日の夕食なのですが、奥様がどうしてもお嬢様の創作料理を食べたいと強く希望されましたので、実は今日の夕食は数日前に学友にふるまった料理を出そうと思うのですが」
「お母様が!」
私は驚くが、そういえば昨日食べたいと言ってたわね。
「ええ、かまいませんよ。それにもう準備しているのでしょう」
「あはは、はいその通りです」
私はキッチンから部屋に戻って来た。夕食の時間まで、今日学んだことを復習していく。それから2時間くらいが立ち、メイドのアリサが夕食に私を呼びに来る。私は両親が待つ部屋に向かう。いつも座る席に座る。すると母親のティアナが
「ルセリア、今日の夕食なんですが、私が料理長にお願いして、ルセリアの創作料理をお願いしたんです」
びっくりしましたか?という顔をしてくるが、すでに料理長から聞いていうのでびっくりはしない、しかし私は空気が読める女。
「え。ほんとですか?お母様。私の創作料理を」
あえて、今はじめって知ったという態度をとる。
「ええ。お願いしました。どうしても、食べたっかので」
「そうか。今日の夕食はルセリアの創作料理か。楽しみだね」
父親のカイムが嬉しそうに笑う。そして、みんなに出した時と同じで、私と母親はジュースを父親のカイムは白ワインを持ってきてもらう。1品目は、お通しの枝豆ときゅうりの塩漬け。2品目は揚げ物。野菜や魚の素揚げ、そして鶏肉の唐揚げ。3品目は蒸し物。茶碗蒸し。4品目はデザート。ババロア。
私が料理の説明をしていき、初めは恐る恐る食べようとするが、一口食べれば、そのあとは笑顔で食べてくれた。父親のカイムは枝豆と唐揚げが気に入ったのか、ワインと一緒に食べている。いつもよりもワインを飲むペースが早い。
「いやぁ、この唐揚げというのはワインが進むね。下味をつけているから、きちんと味もあるが濃いわけではなく、ちょうどいい。そして、塩を付けて食べるのと、このマヨネーズ?というものを付けて食べるのとで、また新しい味になる。ワインが進むよ」
母親のティアナはババロアが気に入ったようで、一口一口かみしめながら食べている。
「白くて甘いプルンプルンとしたものが、下の上で踊り出します。噛んでも抵抗感はなく溶けて、口いっぱいに甘さが広がり、周りにあるフルーツと一緒に食べるとまた変わった味が楽しめます」
食事を終え、少したったくらいに、
「いやぁ。おいしかったよ。ルセリア、まさか料理の才能があったとは驚きだよ」
少しお酒が入り顔が赤いが本音だと思いうれしくなる。
「ありがとうございます。お父様、しかし、これを作ったのは私ではなく料理人たちです。おほめになるなら彼らに言ってあげてください」
実際、私が作ってもここまでおいしくはならないだろう。素人の私とプロの料理人、その力量ははっきりしている。今日の料理は数日前にみんなに出した時よりおいしくなっていたのだから。
「謙遜してはダメですよ、ルセリア、新しい料理を創るというのは、本当に難しいことなんですから」
母親からも褒められて、すごくうれしくなる。
「ありがとうございます。父上、母上」
楽しい夕食が終わり、私は最初に席を立ち部屋に戻る。しかし私は明日の夕食時、もう少し一緒にいればと後悔する。私が戻った後、父親のカイムが料理長を呼び、感謝の言葉を送ったまではよかったのだが、「明日も同じ料理を」と頼んだようなのだ。そのため、次の日の夕食も同じ料理が出たのだ。
「いや、昨日の料理がおいしくてまた頼んでしまったんだ、ごめんね。ルセリア」
「私はうれしいですよ」
「・・・はい、気に入っていただけて何よりです」
レモンがほしいかも?
前世で私はよくレモンを唐揚げにかけていた。さわやかな酸味と香りが唐揚げの脂っぽさを緩和しつつ、レモンの果汁としてのコクも鶏肉の旨味を引き立てる。まさに、唐揚げにとっては最高の引き立て役。最強のコンビ。
私はレモンを用意してと、メイドにお願いする。
持ってきてもらったレモンを唐揚げにかけて食べる。
「うん。最高です」
私がおいしそうに食べていると、両親もレモンを唐揚げにかけて食べる。
「これは、油が洗い流されたかのように味覚がリセットされ、いくらでも食べ続けられるよ」
「ほんとですね」
よりおいしくなった唐揚げを笑顔で食べている二人を横目に見ならんが‘私、明日の昼食も唐揚げなのか‘と思う。
美味しいのはいいのだが、流石に三日連続で唐揚げを食べると胃もたれするのではないかと、明日の昼食が不安になる私だった。
「お嬢様、お帰りなさいませ」
「料理長、ただいま帰りました。実は明後日のお弁当を1個追加してほしいのですが」
「1個追加ですか。誰の分ですか?」
「実は、担任の先生の分です」
料理長に今日一日の学園での話をする。私の話を聞いていた料理長がだんだん笑い出す。
「あははっはー。その先生はとても面白い方ですね」
「ええ。私もそう思います」
「わかりました。その先生のお弁当も用意しましょう」
「ありがとうございます。料理長」
料理長に用件を伝えた私はキッチンを出ようとするが、料理長が
「あ、お嬢様、実は今日の夕食なのですが、奥様がどうしてもお嬢様の創作料理を食べたいと強く希望されましたので、実は今日の夕食は数日前に学友にふるまった料理を出そうと思うのですが」
「お母様が!」
私は驚くが、そういえば昨日食べたいと言ってたわね。
「ええ、かまいませんよ。それにもう準備しているのでしょう」
「あはは、はいその通りです」
私はキッチンから部屋に戻って来た。夕食の時間まで、今日学んだことを復習していく。それから2時間くらいが立ち、メイドのアリサが夕食に私を呼びに来る。私は両親が待つ部屋に向かう。いつも座る席に座る。すると母親のティアナが
「ルセリア、今日の夕食なんですが、私が料理長にお願いして、ルセリアの創作料理をお願いしたんです」
びっくりしましたか?という顔をしてくるが、すでに料理長から聞いていうのでびっくりはしない、しかし私は空気が読める女。
「え。ほんとですか?お母様。私の創作料理を」
あえて、今はじめって知ったという態度をとる。
「ええ。お願いしました。どうしても、食べたっかので」
「そうか。今日の夕食はルセリアの創作料理か。楽しみだね」
父親のカイムが嬉しそうに笑う。そして、みんなに出した時と同じで、私と母親はジュースを父親のカイムは白ワインを持ってきてもらう。1品目は、お通しの枝豆ときゅうりの塩漬け。2品目は揚げ物。野菜や魚の素揚げ、そして鶏肉の唐揚げ。3品目は蒸し物。茶碗蒸し。4品目はデザート。ババロア。
私が料理の説明をしていき、初めは恐る恐る食べようとするが、一口食べれば、そのあとは笑顔で食べてくれた。父親のカイムは枝豆と唐揚げが気に入ったのか、ワインと一緒に食べている。いつもよりもワインを飲むペースが早い。
「いやぁ、この唐揚げというのはワインが進むね。下味をつけているから、きちんと味もあるが濃いわけではなく、ちょうどいい。そして、塩を付けて食べるのと、このマヨネーズ?というものを付けて食べるのとで、また新しい味になる。ワインが進むよ」
母親のティアナはババロアが気に入ったようで、一口一口かみしめながら食べている。
「白くて甘いプルンプルンとしたものが、下の上で踊り出します。噛んでも抵抗感はなく溶けて、口いっぱいに甘さが広がり、周りにあるフルーツと一緒に食べるとまた変わった味が楽しめます」
食事を終え、少したったくらいに、
「いやぁ。おいしかったよ。ルセリア、まさか料理の才能があったとは驚きだよ」
少しお酒が入り顔が赤いが本音だと思いうれしくなる。
「ありがとうございます。お父様、しかし、これを作ったのは私ではなく料理人たちです。おほめになるなら彼らに言ってあげてください」
実際、私が作ってもここまでおいしくはならないだろう。素人の私とプロの料理人、その力量ははっきりしている。今日の料理は数日前にみんなに出した時よりおいしくなっていたのだから。
「謙遜してはダメですよ、ルセリア、新しい料理を創るというのは、本当に難しいことなんですから」
母親からも褒められて、すごくうれしくなる。
「ありがとうございます。父上、母上」
楽しい夕食が終わり、私は最初に席を立ち部屋に戻る。しかし私は明日の夕食時、もう少し一緒にいればと後悔する。私が戻った後、父親のカイムが料理長を呼び、感謝の言葉を送ったまではよかったのだが、「明日も同じ料理を」と頼んだようなのだ。そのため、次の日の夕食も同じ料理が出たのだ。
「いや、昨日の料理がおいしくてまた頼んでしまったんだ、ごめんね。ルセリア」
「私はうれしいですよ」
「・・・はい、気に入っていただけて何よりです」
レモンがほしいかも?
前世で私はよくレモンを唐揚げにかけていた。さわやかな酸味と香りが唐揚げの脂っぽさを緩和しつつ、レモンの果汁としてのコクも鶏肉の旨味を引き立てる。まさに、唐揚げにとっては最高の引き立て役。最強のコンビ。
私はレモンを用意してと、メイドにお願いする。
持ってきてもらったレモンを唐揚げにかけて食べる。
「うん。最高です」
私がおいしそうに食べていると、両親もレモンを唐揚げにかけて食べる。
「これは、油が洗い流されたかのように味覚がリセットされ、いくらでも食べ続けられるよ」
「ほんとですね」
よりおいしくなった唐揚げを笑顔で食べている二人を横目に見ならんが‘私、明日の昼食も唐揚げなのか‘と思う。
美味しいのはいいのだが、流石に三日連続で唐揚げを食べると胃もたれするのではないかと、明日の昼食が不安になる私だった。
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