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39話 子供らしいもの
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休みの日になり、私たちは今王都の町に王妃様の誕生日のプレゼントを買いに来ている。貴族の私たちだけではなく今回はリーネットもついてきている。誘ってみると、「ぜひ、行きたいです」と言って今行動を共にしている。ただ、今私たちが歩いているのが、普通のお店が並んでいる道ではなく、貴族や金持ちが利用する店が並んでいる道だ。つまり、ブランド店が並んでいるのだ。普通の人も歩いているが、お店に入らず、そのまま歩いて行ったり、窓から商品を眺めたりしている。そしてもちろん、どのお店も、入り口の前に警備をする人が立っている。‘そりゃー入れないわよね‘とお店の様子を見ていた私は心の中で思う。
「先ずわこの店から、行きましょうか?」
アトランが私たちに尋ねて来る。
「そうだな。先ずは入ってみようぜ」
ロベルトが軽く返事をする。
アトランが入っていくと、警備のものは何も言わず、そのまま立っていた。他のみんなも同じように入っていくが、その様子を見ていた、私とリーネットは少し店の雰囲気に圧倒され、入るのが少し遅れた。みんなの後を追って、お店に入った私とリーネットに警備の人が尋ねて来る。
「申し訳ありませんが、身分の証明ができるものを、もしくは誰かの紹介状をお願いします」
と言ってきた。そんなレベルなのここって?今日の私は、買い物の付き合いできているため、そんなんものは持ってきていない。二人であたふたしていると、
「彼女たちは、僕の連れなので、通してあげてください」
アトランが遅い私たちを見に来てくれたようで、警備の人に説明し
「アトラン王子?申し訳ありませんでした。どうぞお入りください」
警備の人が私たちを通してくれる。
「ありがとうございます。アトラン様」
「ルセリアの恰好はまだいいのですが、リーネットさんが着ている服装を見て、警備の人も尋ねてきたのでしょう」
「そうなんですか?アトラン様」
「なので、次からは僕たちの後にきちんとついてきてくださいね。また同じことが起こりますよ」
「わかりました」
確かに、私たちが着ている衣装は貴族が着ている服なので、見ためからして違う。そのため、このようなお店では逆に、リーネットのような服装が逆に目立ってしまうのだろう。
私はお礼を言って皆が待っているところまで向かう。
貴金属や天然宝石を使用した宝飾品のジュエリーが多く並べられている。私の部屋に両親からプレゼントされた似たようなものは多くあるが、今の私の感性では身に付けようと思わない。逆になくしてしまったらと心配になっていまう。そのため、特別な時以外は身に付けないようにしてきた。
リーネットと私以外はみんな生まれながらに貴族であるため、皆平気で、触らせてもらったり、意見を述べたりしている。リーネットが恐る恐る値札を見る。私も横に並び見てみる。‘一、十、百、千、万、十万、百万、千万?‘何この値段。頭がくらくらしてきた。リーネットは逆に顔が真っ青になってくる。
「こ、これ、そんな値段なんですか?本当に?」
「そうみたいね、リーネットさん」
前世で何個かブランド物を持っていたが、それでもせいぜい十万くらいのものだ。これに比べたら、私の持っていたものがブランドと呼べるのかどうかさえ疑ってしまう。上には上があること知った私だが、こんな私がアドバイスなんてできるのかしら、と思ってしまう。
みんなから、見に来なさいよと誘われるが、「きれいですね」「素敵です」くらいしか言えない私とリーネットはそのあとずっと壁の前で置物になって過ごした。
結局いいものはなかったようで、店を後にしたが、そのあとに入った、ドレスの店、化粧品の店も私とリーネットは同じ様子だった。
「疲れましたわ。少し休憩をしましょう」
ステラがそう言ってきたので、私たちは食事ができるお店を探す。少し歩くと建物の中で食事ができるところがあり、そこに入っていく。内装はとてもオシャレで、小さい机や大きな机が置かれている。私たちは大きな机の席をお願いし、みんなが机の席に座る。食事を注文し、食べながらこれからのことを話していく。
「ふぅ、いろいろ見ましたが、真新しいものはなかったですね」
シルフィが疲れた様子で言う。
「そうですわね。王妃様の誕生日に渡すのであれば、すでに持っているものでは喜ばれませんし、宝石やドレスなどもたくさん持っているでしょうし、難しいわね」
ステラが王妃様のことを考える。
「そうだな、実際、母上の生誕祭では、貴族からも品が届くからな。今まで入った店の品物くらいのレベルのものは献上されるだろう」
`それもっと早く言いなさいよ‘と疲れた顔で思いながらロベルトのほうを向く。
「それでは。この後はどうしますか?」
「あの、、もっと子供らしいプレゼントはダメなんですか?」
リーネットが皆に言う。
「「「「子供らしい?」」」」
「例えば、手つくりの料理やお菓子。後は肩たたきなど、ありますよ?」
「「「「・・・・・」」」」
「それ、王妃様のプレゼントとしてはどうなのかしら?」
「料理やお菓子と言っても、料理人たちよりおいしいんのは、私たちは作れないと思いますし」
「俺たち、肩たたきしたことないしなぁ」
「ええ、僕もしたことはないです」
リーネットの答えに対し、四人が反対するが、
「でも、そんな感じのプレゼントでいいのではないですか?高価なもの綺麗なものでは、他のプレゼントとかぶってしまうなら、その逆もありなのではないですか?」
私が賛成の意見を述べる。いや、むしろ活躍できるのはここしかない。
「気持ちがこもっていれば、どんなものであってもきっと喜ばれますよ。アトラン様、ロベルト様」
「じゃー、どんなものがある?」
ロベルトが言い。再び、皆が考える。
「あの、最近の王妃様の様子はどうですか?趣味とか、生活面で気になっていることとかは」
私が王子達に尋ねる。
「最近は、とてもいぞがしそうですね。生誕祭の準備もありますが、政治の事にも携わっているので気苦労が絶えないようです」
「そうだな、もっと休んでくれたらいいのだが、寝つきもあまりよくないようだ」
「そうだ、それならあれがいいかも?」
「ルセリア、何か、いいプレゼントがありましたか」
アトランが私に聞いてくる。
私が今思いついたものをみんなに説明していく。説明し終えると、みんな少し驚いていたが、これなら私たちでも作れるものだし、貴族たちがプレゼントしたことなんてたぶんないと思うから、
「どうかしら?」
「いいですね、それで行きましょう」
「ああ、俺もいいと思う」
「私もいいと思います。今度、家族へのプレゼントにしてもいいかもしれません」
「私もしたいです」
「ルセリア様、素晴らしいです」
みんなから了解を得たので、さっそく私たちは、材料を買いにお店を出た。そして、私たちは休みの日を利用して、何度もそれを作るため頑張った。みんな根が真面目なので妥協することなく作っていく。そして、生誕祭の一週間前には、納得のいくものが作れたのだった。
「先ずわこの店から、行きましょうか?」
アトランが私たちに尋ねて来る。
「そうだな。先ずは入ってみようぜ」
ロベルトが軽く返事をする。
アトランが入っていくと、警備のものは何も言わず、そのまま立っていた。他のみんなも同じように入っていくが、その様子を見ていた、私とリーネットは少し店の雰囲気に圧倒され、入るのが少し遅れた。みんなの後を追って、お店に入った私とリーネットに警備の人が尋ねて来る。
「申し訳ありませんが、身分の証明ができるものを、もしくは誰かの紹介状をお願いします」
と言ってきた。そんなレベルなのここって?今日の私は、買い物の付き合いできているため、そんなんものは持ってきていない。二人であたふたしていると、
「彼女たちは、僕の連れなので、通してあげてください」
アトランが遅い私たちを見に来てくれたようで、警備の人に説明し
「アトラン王子?申し訳ありませんでした。どうぞお入りください」
警備の人が私たちを通してくれる。
「ありがとうございます。アトラン様」
「ルセリアの恰好はまだいいのですが、リーネットさんが着ている服装を見て、警備の人も尋ねてきたのでしょう」
「そうなんですか?アトラン様」
「なので、次からは僕たちの後にきちんとついてきてくださいね。また同じことが起こりますよ」
「わかりました」
確かに、私たちが着ている衣装は貴族が着ている服なので、見ためからして違う。そのため、このようなお店では逆に、リーネットのような服装が逆に目立ってしまうのだろう。
私はお礼を言って皆が待っているところまで向かう。
貴金属や天然宝石を使用した宝飾品のジュエリーが多く並べられている。私の部屋に両親からプレゼントされた似たようなものは多くあるが、今の私の感性では身に付けようと思わない。逆になくしてしまったらと心配になっていまう。そのため、特別な時以外は身に付けないようにしてきた。
リーネットと私以外はみんな生まれながらに貴族であるため、皆平気で、触らせてもらったり、意見を述べたりしている。リーネットが恐る恐る値札を見る。私も横に並び見てみる。‘一、十、百、千、万、十万、百万、千万?‘何この値段。頭がくらくらしてきた。リーネットは逆に顔が真っ青になってくる。
「こ、これ、そんな値段なんですか?本当に?」
「そうみたいね、リーネットさん」
前世で何個かブランド物を持っていたが、それでもせいぜい十万くらいのものだ。これに比べたら、私の持っていたものがブランドと呼べるのかどうかさえ疑ってしまう。上には上があること知った私だが、こんな私がアドバイスなんてできるのかしら、と思ってしまう。
みんなから、見に来なさいよと誘われるが、「きれいですね」「素敵です」くらいしか言えない私とリーネットはそのあとずっと壁の前で置物になって過ごした。
結局いいものはなかったようで、店を後にしたが、そのあとに入った、ドレスの店、化粧品の店も私とリーネットは同じ様子だった。
「疲れましたわ。少し休憩をしましょう」
ステラがそう言ってきたので、私たちは食事ができるお店を探す。少し歩くと建物の中で食事ができるところがあり、そこに入っていく。内装はとてもオシャレで、小さい机や大きな机が置かれている。私たちは大きな机の席をお願いし、みんなが机の席に座る。食事を注文し、食べながらこれからのことを話していく。
「ふぅ、いろいろ見ましたが、真新しいものはなかったですね」
シルフィが疲れた様子で言う。
「そうですわね。王妃様の誕生日に渡すのであれば、すでに持っているものでは喜ばれませんし、宝石やドレスなどもたくさん持っているでしょうし、難しいわね」
ステラが王妃様のことを考える。
「そうだな、実際、母上の生誕祭では、貴族からも品が届くからな。今まで入った店の品物くらいのレベルのものは献上されるだろう」
`それもっと早く言いなさいよ‘と疲れた顔で思いながらロベルトのほうを向く。
「それでは。この後はどうしますか?」
「あの、、もっと子供らしいプレゼントはダメなんですか?」
リーネットが皆に言う。
「「「「子供らしい?」」」」
「例えば、手つくりの料理やお菓子。後は肩たたきなど、ありますよ?」
「「「「・・・・・」」」」
「それ、王妃様のプレゼントとしてはどうなのかしら?」
「料理やお菓子と言っても、料理人たちよりおいしいんのは、私たちは作れないと思いますし」
「俺たち、肩たたきしたことないしなぁ」
「ええ、僕もしたことはないです」
リーネットの答えに対し、四人が反対するが、
「でも、そんな感じのプレゼントでいいのではないですか?高価なもの綺麗なものでは、他のプレゼントとかぶってしまうなら、その逆もありなのではないですか?」
私が賛成の意見を述べる。いや、むしろ活躍できるのはここしかない。
「気持ちがこもっていれば、どんなものであってもきっと喜ばれますよ。アトラン様、ロベルト様」
「じゃー、どんなものがある?」
ロベルトが言い。再び、皆が考える。
「あの、最近の王妃様の様子はどうですか?趣味とか、生活面で気になっていることとかは」
私が王子達に尋ねる。
「最近は、とてもいぞがしそうですね。生誕祭の準備もありますが、政治の事にも携わっているので気苦労が絶えないようです」
「そうだな、もっと休んでくれたらいいのだが、寝つきもあまりよくないようだ」
「そうだ、それならあれがいいかも?」
「ルセリア、何か、いいプレゼントがありましたか」
アトランが私に聞いてくる。
私が今思いついたものをみんなに説明していく。説明し終えると、みんな少し驚いていたが、これなら私たちでも作れるものだし、貴族たちがプレゼントしたことなんてたぶんないと思うから、
「どうかしら?」
「いいですね、それで行きましょう」
「ああ、俺もいいと思う」
「私もいいと思います。今度、家族へのプレゼントにしてもいいかもしれません」
「私もしたいです」
「ルセリア様、素晴らしいです」
みんなから了解を得たので、さっそく私たちは、材料を買いにお店を出た。そして、私たちは休みの日を利用して、何度もそれを作るため頑張った。みんな根が真面目なので妥協することなく作っていく。そして、生誕祭の一週間前には、納得のいくものが作れたのだった。
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