35 / 106
35話 死にたくない
しおりを挟む
私は急いで階段を上がり屋上へ向かう。屋上へ着いた私は周りを見渡す。誰もいない。私は前に進んでき、フェンスがあるところまで行き、屋上から下を見る。
「高いわね」
下を確認し。彼がまだついてないことを知る。全力で走ったので私は息を整える。
やかて、誰かが屋上に上がってくる。私は振り返り、彼を見るが目がうつろで私のことには気づいてないようだった。彼はだんだんと前に進んでくる。
「ごめんね。父さん母さん、サラ、兄ちゃん勉強しかないのに、その勉強でもみんなに迷惑かけることしかできないみたいだ、ほんとにごめん////」
前に一歩一歩進んでくる。
「この世界に、・・」
「救いはあります」
私は彼が「救いがないよ」と言う前に私が言う。彼が顔を上げ、私を探す。そして私の眼と彼の目が合う。
「こんにちわ、初めて屋上に来たけど、景色がすごくいいわね」
「・・・そうですね。僕も初めて来ました」
「学園での生活は慣れましたか?」
「・・・はい、だいぶ慣れました」
「私もだいぶ慣れてきましたが、なかなか授業についていくのがしんどくて」
「・・・僕は、勉強が好きなので、苦にはならないです」
私が質問していき、彼がその質問に答えてくれる。このやり取りが10分ほど続いた。
[人と触れる事]、これは自殺を防ぐためにもっとも大切で有用な事だ。
自分の本音を話せるような人、自分が安心して話せるような人と触れ合う事、それが心を軽くするのだと私は思うから。自殺というのは正常な思考の時には行う事は出来ない。だからまずは、ギリギリの精神状態彼を正常に戻すために話をしていく。
「将来の夢は何ですか」
「・・・将来は、両親を助けるために、勉強していろんなことを農業で試してみたいです」
段々と彼の目が生き生きしてくる。
「ここだけしか作れないものを作ったり、新しい品種を考えたり、僕の知識で僕の両親の農家を国一番にしたいです」
夢を語る彼の顔は、とても輝いていると、私は思った。私は農業の知識はほとんどないが、前世の知識から彼が興味を持つかもしれないと思ったことを話していく。例えば、畑を耕すときに、貝殻などを砕いてばら撒くこと。果物などは紙で包んで、数を限定した方が大きくなること。太陽の光を浴びない野菜は色が変わり珍しい色になること。私が知っていることを話していく。
彼はすごく興味を持ってくれたようで、
「す、すごいです。そんなことを思いつくなんて、今度、両親の畑で試してみたいです」
「もう、大丈夫そうね」
今の彼は「今から死のう」という顔ではない。私は話を切り上げて、
「もう、大分暗くなってきたから戻りましょう」
私が屋上のドアに向かって歩き出すと、
「僕は、生きていていいんでしょうか?」
不安な顔をしながら私に聞いてくる。
「当り前じゃない。たった一つだけ与えられた、命はチャンスなんだから」
私の言葉を聞いた彼は目には涙があふれる。
「わわわあぁあぁぁーーーーー」
今までためていた涙が流れていった。
十分泣いて、さっぱりした顔で彼が言ってくる。
「あの、また会ってくれますか?」
「ええ、何回でも会いましょう。私は一年のルセリア・アストライアです」
「僕は一年のロイス・カシアートです」
私が彼に手を差し伸べる。そして、彼もその手をつかんでくれる。そして、私たちは屋上を後にした。
彼の部屋まで一緒に歩き、彼が部屋に入るところまで確認して、学生寮を出た。出るとステラとシルフィが待っていた。
「終わりましたのね?」
「よかったです」
「見てたんですか?」
「楽しく農業のお話をしているところくらいからわ」
私がステラとシルフィに協力してもらったのは、彼が今どこでいるかわからないため、学園の中を探してもらうことだった。ステラもシルフィも帰りに廊下ですれ違っただけなので、顔は覚えていないと思ったが、
「わたし、覚えていますよ」とシルフィが言ったので、ステラと共に行動してもらった。まず学園の屋上に行ったが、鍵がかかっていたようで、別のところを探していき、最終的には寮の屋上に向かったのだと。
「本当に疲れましたわ。こんなに歩いたのはいつぶりかしら?」
「私も疲れました、体力はあまりないので」
「ステラ様、シルフィ様、本当にありがとうございました」
「まだ、終わってません」 怒ったような声でシルフィが言う。
「ええ、まだ終わっていませんわ。そのいじめていた貴族の生徒、きついお灸が必要ですわね」
完全に怒った声でステラが言う。
「しかし、どうしましょうか?」
「あら、ルセリア様、わたくしたちには一生会というものがあるではないですか?まずは今回のことを話し、解決できないのであれば、それまで、あとは親に頼んで動いてもらう。それでいいでしょう。」
たしかに、私の友達の親は上位貴族だ、中には王族もいる。親が動けば簡単に収まる。しかし、あくまでこれは学園で起きたことだ。ならば学園で解決できた方が望ましい。
「では、行きましょう。一生会の会議が行われているところへ」
私たちは横一列になて、歩き始めた。
「高いわね」
下を確認し。彼がまだついてないことを知る。全力で走ったので私は息を整える。
やかて、誰かが屋上に上がってくる。私は振り返り、彼を見るが目がうつろで私のことには気づいてないようだった。彼はだんだんと前に進んでくる。
「ごめんね。父さん母さん、サラ、兄ちゃん勉強しかないのに、その勉強でもみんなに迷惑かけることしかできないみたいだ、ほんとにごめん////」
前に一歩一歩進んでくる。
「この世界に、・・」
「救いはあります」
私は彼が「救いがないよ」と言う前に私が言う。彼が顔を上げ、私を探す。そして私の眼と彼の目が合う。
「こんにちわ、初めて屋上に来たけど、景色がすごくいいわね」
「・・・そうですね。僕も初めて来ました」
「学園での生活は慣れましたか?」
「・・・はい、だいぶ慣れました」
「私もだいぶ慣れてきましたが、なかなか授業についていくのがしんどくて」
「・・・僕は、勉強が好きなので、苦にはならないです」
私が質問していき、彼がその質問に答えてくれる。このやり取りが10分ほど続いた。
[人と触れる事]、これは自殺を防ぐためにもっとも大切で有用な事だ。
自分の本音を話せるような人、自分が安心して話せるような人と触れ合う事、それが心を軽くするのだと私は思うから。自殺というのは正常な思考の時には行う事は出来ない。だからまずは、ギリギリの精神状態彼を正常に戻すために話をしていく。
「将来の夢は何ですか」
「・・・将来は、両親を助けるために、勉強していろんなことを農業で試してみたいです」
段々と彼の目が生き生きしてくる。
「ここだけしか作れないものを作ったり、新しい品種を考えたり、僕の知識で僕の両親の農家を国一番にしたいです」
夢を語る彼の顔は、とても輝いていると、私は思った。私は農業の知識はほとんどないが、前世の知識から彼が興味を持つかもしれないと思ったことを話していく。例えば、畑を耕すときに、貝殻などを砕いてばら撒くこと。果物などは紙で包んで、数を限定した方が大きくなること。太陽の光を浴びない野菜は色が変わり珍しい色になること。私が知っていることを話していく。
彼はすごく興味を持ってくれたようで、
「す、すごいです。そんなことを思いつくなんて、今度、両親の畑で試してみたいです」
「もう、大丈夫そうね」
今の彼は「今から死のう」という顔ではない。私は話を切り上げて、
「もう、大分暗くなってきたから戻りましょう」
私が屋上のドアに向かって歩き出すと、
「僕は、生きていていいんでしょうか?」
不安な顔をしながら私に聞いてくる。
「当り前じゃない。たった一つだけ与えられた、命はチャンスなんだから」
私の言葉を聞いた彼は目には涙があふれる。
「わわわあぁあぁぁーーーーー」
今までためていた涙が流れていった。
十分泣いて、さっぱりした顔で彼が言ってくる。
「あの、また会ってくれますか?」
「ええ、何回でも会いましょう。私は一年のルセリア・アストライアです」
「僕は一年のロイス・カシアートです」
私が彼に手を差し伸べる。そして、彼もその手をつかんでくれる。そして、私たちは屋上を後にした。
彼の部屋まで一緒に歩き、彼が部屋に入るところまで確認して、学生寮を出た。出るとステラとシルフィが待っていた。
「終わりましたのね?」
「よかったです」
「見てたんですか?」
「楽しく農業のお話をしているところくらいからわ」
私がステラとシルフィに協力してもらったのは、彼が今どこでいるかわからないため、学園の中を探してもらうことだった。ステラもシルフィも帰りに廊下ですれ違っただけなので、顔は覚えていないと思ったが、
「わたし、覚えていますよ」とシルフィが言ったので、ステラと共に行動してもらった。まず学園の屋上に行ったが、鍵がかかっていたようで、別のところを探していき、最終的には寮の屋上に向かったのだと。
「本当に疲れましたわ。こんなに歩いたのはいつぶりかしら?」
「私も疲れました、体力はあまりないので」
「ステラ様、シルフィ様、本当にありがとうございました」
「まだ、終わってません」 怒ったような声でシルフィが言う。
「ええ、まだ終わっていませんわ。そのいじめていた貴族の生徒、きついお灸が必要ですわね」
完全に怒った声でステラが言う。
「しかし、どうしましょうか?」
「あら、ルセリア様、わたくしたちには一生会というものがあるではないですか?まずは今回のことを話し、解決できないのであれば、それまで、あとは親に頼んで動いてもらう。それでいいでしょう。」
たしかに、私の友達の親は上位貴族だ、中には王族もいる。親が動けば簡単に収まる。しかし、あくまでこれは学園で起きたことだ。ならば学園で解決できた方が望ましい。
「では、行きましょう。一生会の会議が行われているところへ」
私たちは横一列になて、歩き始めた。
1
お気に入りに追加
52
あなたにおすすめの小説

二度目の召喚なんて、聞いてません!
みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。
その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。
それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」
❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。
❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。
❋他視点の話があります。


【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!
貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。

契約破棄された聖女は帰りますけど
基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」
「…かしこまりました」
王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。
では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。
「…何故理由を聞かない」
※短編(勢い)

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
巻き込まれ召喚された上、性別を間違えられたのでそのまま生活することにしました。
蒼霧雪枷
恋愛
勇者として異世界に召喚されチート無双、からのハーレム落ち。ここ最近はそんな話ばっか読んでるきがする引きこもりな俺、18歳。
此度どうやら、件の異世界召喚とやらに"巻き込まれた"らしい。
召喚した彼らは「男の勇者」に用があるらしいので、俺は巻き込まれた一般人だと確信する。
だって俺、一応女だもの。
勿論元の世界に帰れないお約束も聞き、やはり性別を間違われているようなので…
ならば男として新たな人生片道切符を切ってやろうじゃねぇの?
って、ちょっと待て。俺は一般人Aでいいんだ、そんなオマケが実はチート持ってました展開は望んでねぇ!!
ついでに、恋愛フラグも要りません!!!
性別を間違われた男勝りな男装少女が、王弟殿下と友人になり、とある俺様何様騎士様を引っ掻き回し、勇者から全力逃走する話。
──────────
突発的に書きたくなって書いた産物。
会話文の量が極端だったりする。読みにくかったらすみません。
他の小説の更新まだかよこの野郎って方がいたら言ってくださいその通りですごめんなさい。
4/1 お気に入り登録数50突破記念ssを投稿してすぐに100越えるもんだからそっと笑ってる。ありがたい限りです。
4/4 通知先輩が仕事してくれずに感想来てたの知りませんでした(死滅)とても嬉しくて語彙力が消えた。突破記念はもうワケわかんなくなってる。
4/20 無事完結いたしました!気まぐれにオマケを投げることもあるかも知れませんが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
4/25 オマケ、始めました。え、早い?投稿頻度は少ないからいいかなってさっき思い立ちました。突発的に始めたから、オマケも突発的でいいよね。
21.8/30 完全完結しました。今後更新することはございません。ありがとうございました!
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる