魔眼がみつめるこの世界～転生した私は好きに生きる。だから聖女にはなりたくない～

32話 高級レストラン

中間試験の当日がやってくる。みんなのおかげで、歴史問題のおおよそのポイントは分かった。後はそのポイントがテスト問題に出ているかだ。出ていなければ、私は赤点決定だろうと、受ける前の私は自信をもって断言できる。

前世の私は高校生の頃、世界史で見事に赤点を取り、追試を受けた。その時は、教科書に書かれている名前などは覚えたのだが、問題の出し方が演習問題と変わっていて、答えは同じでも問題文が違って出されたのだ。簡単に言えば、すべてを理解していないと解けないテストが出たのだ。キーワードがあれば、これが答えという解答だった私には、いじわる問題に他ならなかった。

そんな自分の前世を振り返り、今私は試験にのぞもうとしている。何の因果化、初めのテストが王国歴史だった。‘最初から全力で行くわよ‘と心で思い、先生が来るのを待つ。



グローバー先生がクラスに入ってきて、みんなが机の上のものをしまい試験を受ける形になる。



「それじゃ、テストを配るぞ」

一枚一枚配り終えた先生が。

「それでは、始め」



その声と共に私はテストをかえし、問題文を読んでいく。





`勝ったー‘



両手を合わせ、祈るポーズをする。

‘ありがとうございます、本当にありがとうございます‘

私はこのテストを作ってくれた先生に感謝する。



私は答えを書いていく。何箇所か、かけないところはあったが、十分かけたと思う。後ろにいるみんなは見ることができないが、横にいるリーネットをみると、難しい顔をすることもなく、答えを記入していた。ありがとうみんな、。



次の試験は数学だった。

私は前世で理系を専攻していたため、数学は得意だ。中学生くらいの問題なら高得点は狙える。歴史のテストと違い、余裕をもってのぞめた。そのほかの試験も同じだった。もう一つの苦手科目の国語は最後まで時間いっぱい使い、解答していった。





すべてのテストを終え、私はやり切った顔をする。今日はよく眠れうだと思い、帰りの支度をする。私は皆に声をかけ、勉強会のお礼がしたいと言い、王都で食事ができるお店に誘う。みんな快く承諾してくれて、リーネットも馬車にのり、いっしょにお店に向かう。



お店に着くと、リーネットは驚いている。

貴族であるなら、このくらいのお店を利用するのは当たり前のことなのだが、実は私も驚いている。実は、両親に私のためにみんなが勉強会を開いてくれている話を以前していて、「それは、お礼をしなければならないね」と夕食中に言いだし、試験が終わるこの日にこの最高級レストランを予約してくれていたのだ。馬者から降りた私たちをお店の店員が丁寧に対応してくれる。私たちは大きな個室の部屋を用意してもらい、みんなが席に座ると、店員が

「お飲み物は？」

と尋ねて来る。メニューを見ながら、各自好きなものを頼んでいくが、値段がすごい。もし私が一人できたら、お水をお願いしますと言ってしまいそうだ。リーネットも同じ気持ちなのか、言いあぐねている。

「おすすめは何ですか」

私が店員に尋ねる。

「それでしたら、こちらのアセリードリンクを」

「ではそれを二つを願いします」

私がリーネットのほうを向くと頷いてくれた。

「かしこまりました」



しばらくすると、頼んでいたドリンクが全員分くる。注文したドリンクを持ち、皆で乾杯する。グラスとグラスを合わせ、カァーンという音が響く。ドリンクを飲んだ私は「おいしい」と口から素直な感想がでる。しばらくすると、食事がコースの順番に運ばれてくる。



①前菜「オードブル」

②「スープ」

③魚料理「ポワソン」

④口直し「ソルベ」

⑤肉料理「アントレ」

⑥デザート「デセール」

⑦コーヒーと小菓子「カフェ・ブティフール」



普段屋敷で、料理長が作る美味しい食事を食べている私でも、これは、何といえばいいのかわからない。おいしいよりも上の言葉が見つからないため、表現のしようがなかった。

みんなも同じなのか、騒げる雰囲気でない。そのため私たちは無言で食事を進めていった。決して居心地が悪いわけではなく、新しい世界を知れたと私は思った。

食事が終わり、みんなが外に出る。

「ご馳走様でした。ルセリア様、本当に素晴らしいお店でした」

リーネットが私にお礼を言ってくる。

「またみんなできたいですわね」

「私、今度来た時には、別のものを注文したいです」

ステラとシルフィが嬉しそうに語る。

「いいお店を紹介してくれてありがとう、ルセリア」

「ああ、いいレストランだったぜ、ルセリア」

王子達がお礼を言ってくる。



「また、みんなできましょう」



約束をする。そこからはみんな自分たちの待たせてある馬車に乗り込み、帰っていく。

屋敷に帰ってきた私は両親に感謝の言葉を言いに向かう。部屋には父親のカイムと母親のティアナが待ってくれていた。私は両親にテストを無事終えたこと、レストランでみんなが喜んでくれたこと。そして、レストランを用意してくれた両親への感謝を伝えた。