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28話 人の噂は
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屋敷に帰ってきた私は、夕食のとき両親に、ステラにも予知の魔眼のことを話したと報告した。両親は困った顔よりも安心した顔をして、明日陛下に伝えておくと言ってくれた。
次の日学園に行くと、なぜか周りからの視線がいつもより感じるように思えた。私はクラスに入ると、
「おはようございます、ルセリア様」
「ルセリア嬢は今日も美しいです」
「ルセリア様、ぜひ今度我が家の屋敷にお越しくださいませんか」
「・・・・・・?????」
何がどうしたの、昨日の今日で。
私はお断りを入れ、自分の席に座ろうとしたとき、
「ルセリア、噂は本当ですか?」
鬼気迫った顔で、私の腕をつかんだアトランが聞いてくる。
「噂とは何ですか?アトラン様」
「婚約者を探しているという噂だよ」
後ろから、ロベルトが加わり。さらにその後ろからシルフィがこちらを見てくる。
「はい?なんですかその噂」
「昨日の昼休みと放課後に、お前とステラ嬢が各クラスをのぞいていたから、クラスの連中が婚約者を探している、という噂が広がったみたいだ」
ああ、確かに昨日、ステラに視診の魔眼で生徒をみてもらうために覗いてたけど、まさかそんな噂が立っていたなんて、パソコンもスマートフォンもないのにうわさが広がるのって早いわね。
「違いますよ、ステラ様にみんなの体調をみてもらっていたんですよ」
ステラが視診の魔眼を持っていることを知っている王子達とシルフィは、今の私の言葉で納得できたようだ。
「そうだったのですね」
「なんだ、そんなおちかよ」
「安心しました」
「どういうことですか?」
私の横のリーネットが尋ねて来るが、魔眼のことは話せないため、ステラと一緒にリーネットが一生会に推薦したハリソンとリーズを探していたの、と言い訳をする。‘よくもまぁ、私はこんなにウソを思いつくものだ‘‘と自分に感心する。
しばらくして、ステラがクラスに入ってくる。
「おはようございます、ステラ様」
「ステラ嬢は今日も美しいです」
「ステラ様、ぜひ今度我が家の屋敷にお越しくださいませんか」
「・・・・・・お断りしますわ」
貴族の生徒たちを一刀両断して、ステラは席に着いた。
時間になり先生がクラスに入ってくる、先生の話で5日後は全校集会があり、その時に一生会のメンバーの発表があると。私たちはお茶会ですでにメンバーを知っているが、クラスの生徒は知らないため少し騒ぎ出す。他のクラスも今は同じように騒いでいるのだろと考える。
授業の間の休み時間に私とステラが廊下に出ると貴族の生徒が話しかけてきたり、女子生徒から「キャー」と黄色い声が聞こえてきた。
昼休みになり、私たちはまた屋上に来ている。
「まったく、何なんですの。噂を真に受けるなんて、人間性に問題がありますわ」
注目を受けたため、少しうんざりしている様子のステラが愚痴を言う。
「落ち着きましょう。ステラ嬢」
「ああ、少し落ち着けよ」
アトランとロベルトが声をかけるが、‘あなたたち、朝の自分たちのことは覚えていないの?‘と心の中でツッコみをする。
他のみんな、ほほえましく笑っていた。
「そういえば、先生が5日後の全校集会で、メンバーを紹介すると言っていましたが、リーネットさんは先生からお話はありましたか」
「いいえ、まだないですが」
「今日か明日くらいには声がかかると思いますよ」
「リーネットさん、頑張ってください」
「頑張りなさい」
「はい、頑張ります」
人の噂も75日というが、私とステラの噂はこの3日ですでに皆が違うとわかったようで、奇異な目で見られることもなくなってきた。
お昼休みは屋上で集まって、話すのが日課になりつつあり、今日も来ている。
みんなとクラスのことや勉強の話をしている中、
「話は変わりますが、レコーラ村のことです。亡くなった人もなく、拡大の心配もないようです。コレラの潜伏期間は5日以内なので、まだ油断はできませんが」
アトランがみんなに話していく。
国王の指示で、食事や水の供給、ため池や田畑の改築にもレコーラ村には支援がでるそうだ。
「なんでも、深紅の髪の少女が助けてくれたと村長からお礼の手紙が届いたと父上が言っていました」
アトランがその話をすると、皆が私のほうを向く。
「いや、、大したことはしてませんよ、私は」
「「「「「「はーーーーー」」」」」」
皆が大きなため息をする。
「まぁ、ルセリアですからね」
「そうだな、ルセリアだしなぁ」
「わたくしも負けてはおれませんわ」
「流石です。ルセリア嬢」
「なんだか、小説の物語みたいですね」
「村の人たちからすれば、それだけ君に感謝しているということだ、自信を持てばいい」
なんだか、恥ずかしくなる。
アトランが話した内容は国王陛下から教えられた内容だったが、実際は村長から国王陛下に届いた手紙には、深紅の髪の少女ではなく、深紅の髪の聖女と書かれており、あえて少女と言い換えてアトランに国王陛下は伝えていたのであった。。
次の日学園に行くと、なぜか周りからの視線がいつもより感じるように思えた。私はクラスに入ると、
「おはようございます、ルセリア様」
「ルセリア嬢は今日も美しいです」
「ルセリア様、ぜひ今度我が家の屋敷にお越しくださいませんか」
「・・・・・・?????」
何がどうしたの、昨日の今日で。
私はお断りを入れ、自分の席に座ろうとしたとき、
「ルセリア、噂は本当ですか?」
鬼気迫った顔で、私の腕をつかんだアトランが聞いてくる。
「噂とは何ですか?アトラン様」
「婚約者を探しているという噂だよ」
後ろから、ロベルトが加わり。さらにその後ろからシルフィがこちらを見てくる。
「はい?なんですかその噂」
「昨日の昼休みと放課後に、お前とステラ嬢が各クラスをのぞいていたから、クラスの連中が婚約者を探している、という噂が広がったみたいだ」
ああ、確かに昨日、ステラに視診の魔眼で生徒をみてもらうために覗いてたけど、まさかそんな噂が立っていたなんて、パソコンもスマートフォンもないのにうわさが広がるのって早いわね。
「違いますよ、ステラ様にみんなの体調をみてもらっていたんですよ」
ステラが視診の魔眼を持っていることを知っている王子達とシルフィは、今の私の言葉で納得できたようだ。
「そうだったのですね」
「なんだ、そんなおちかよ」
「安心しました」
「どういうことですか?」
私の横のリーネットが尋ねて来るが、魔眼のことは話せないため、ステラと一緒にリーネットが一生会に推薦したハリソンとリーズを探していたの、と言い訳をする。‘よくもまぁ、私はこんなにウソを思いつくものだ‘‘と自分に感心する。
しばらくして、ステラがクラスに入ってくる。
「おはようございます、ステラ様」
「ステラ嬢は今日も美しいです」
「ステラ様、ぜひ今度我が家の屋敷にお越しくださいませんか」
「・・・・・・お断りしますわ」
貴族の生徒たちを一刀両断して、ステラは席に着いた。
時間になり先生がクラスに入ってくる、先生の話で5日後は全校集会があり、その時に一生会のメンバーの発表があると。私たちはお茶会ですでにメンバーを知っているが、クラスの生徒は知らないため少し騒ぎ出す。他のクラスも今は同じように騒いでいるのだろと考える。
授業の間の休み時間に私とステラが廊下に出ると貴族の生徒が話しかけてきたり、女子生徒から「キャー」と黄色い声が聞こえてきた。
昼休みになり、私たちはまた屋上に来ている。
「まったく、何なんですの。噂を真に受けるなんて、人間性に問題がありますわ」
注目を受けたため、少しうんざりしている様子のステラが愚痴を言う。
「落ち着きましょう。ステラ嬢」
「ああ、少し落ち着けよ」
アトランとロベルトが声をかけるが、‘あなたたち、朝の自分たちのことは覚えていないの?‘と心の中でツッコみをする。
他のみんな、ほほえましく笑っていた。
「そういえば、先生が5日後の全校集会で、メンバーを紹介すると言っていましたが、リーネットさんは先生からお話はありましたか」
「いいえ、まだないですが」
「今日か明日くらいには声がかかると思いますよ」
「リーネットさん、頑張ってください」
「頑張りなさい」
「はい、頑張ります」
人の噂も75日というが、私とステラの噂はこの3日ですでに皆が違うとわかったようで、奇異な目で見られることもなくなってきた。
お昼休みは屋上で集まって、話すのが日課になりつつあり、今日も来ている。
みんなとクラスのことや勉強の話をしている中、
「話は変わりますが、レコーラ村のことです。亡くなった人もなく、拡大の心配もないようです。コレラの潜伏期間は5日以内なので、まだ油断はできませんが」
アトランがみんなに話していく。
国王の指示で、食事や水の供給、ため池や田畑の改築にもレコーラ村には支援がでるそうだ。
「なんでも、深紅の髪の少女が助けてくれたと村長からお礼の手紙が届いたと父上が言っていました」
アトランがその話をすると、皆が私のほうを向く。
「いや、、大したことはしてませんよ、私は」
「「「「「「はーーーーー」」」」」」
皆が大きなため息をする。
「まぁ、ルセリアですからね」
「そうだな、ルセリアだしなぁ」
「わたくしも負けてはおれませんわ」
「流石です。ルセリア嬢」
「なんだか、小説の物語みたいですね」
「村の人たちからすれば、それだけ君に感謝しているということだ、自信を持てばいい」
なんだか、恥ずかしくなる。
アトランが話した内容は国王陛下から教えられた内容だったが、実際は村長から国王陛下に届いた手紙には、深紅の髪の少女ではなく、深紅の髪の聖女と書かれており、あえて少女と言い換えてアトランに国王陛下は伝えていたのであった。。
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