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17話 謝ってそれから友達へ
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その夜の夕食で両親に王子達、王女と話したこと、そして王妃から聞いた反王国派の話をした。
「そうか、私たちの口から話す前に王妃様や王子、王女様が話してくれたんだね。ルセリア、今この国では、反王国派の貴族が何か良くないことを企んでいるみたいなんだ。これから、通うことになる王国学園にも、反王国派の貴族の子息・令嬢が入学してくる。学園内でも、王国派と反王国派に分かれているようで、問題になっているんだ」
「そうなのですか、お父様、この問題どうにかならないんですか」
「今のところ解決のめどはたっていない」
「しかしな、ルセリア、我々は王国派の貴族だが、反王国派の貴族たちも同じ国の人間なんだ。革命が起きて、100年が過ぎるが、今の子供たち、そして未来のこの国で生まれる者たちが、それにとらわれていたのでは、この国は前に進まない、ルセリア、、、私はこの状況を変えられるのは、君なのかもしれないと思っている」
「??お父様」
「予知の魔眼を持っているということもあるが、君はこれまで多くのものを救ってきた。幼いながらも自分で考え動き多くの者たちの未来を変えてきたんだ。だから・・・」
「あなた・・・」
母親のティアナが不安そうな表情をする。
「さてこの話もう。よそう。ルセリア、君に手紙が届いているよ。宰相の息子からだ」
「ガイア様からですか」
父親から手紙を受け取り
{ルセリア・アストライア公爵家令嬢へ
明日、妹が15:00頃にまた本屋に行くそうだ。君の都合がよかったら、来てあげてほしい。
ガイア・ミネルウァより }
シルフィが明日、本屋に来る、私がまだシルフィに正体を明かせていないことを知って、機会を与えてくれたんだと思い、
「お父様、明日また買い物に行ってもいいですか?」
「いきなりだね。問題ないと思うが、宰相の息子さんと会うのかい」
「はい、本屋に来られるそうで」
「いつの間に宰相の息子と仲良くなったんだね」
「そうですよ、ルセリア、王子達との婚約は断ったのに、まさか宰相の息子と」
「いえ、違いますから。お父様もお母様も勘違いしないでください。王子達も宰相の息子さんもお友達ですから」
「はぁー、これが傾国の美女、いや少女というものなのかなぁ」
父親のカイムが小さいな声で言ったため、私には聞き取れなかった。
護衛の騎士のメシスと一緒に来るのも三回目になる本屋。
手紙の書いてある時間よりも早くに来ていた。しかし、中に入るのではなく、建物の影からシルフィが来るのほ待っている。
「どうして中で待たないんですか?」
「なんとなくです」
そして待っていると馬車が本屋の前に止まり、シルフィとガイアが降りてくる。そしてしばらくしてから本屋に入る。シルフィは変わらず小説が置かれている本棚の前でいる。別の棚からシルフィを見て、出ていこうかもう少し待っていようかと行動できずにいるは私は周りから見たら完璧に不審者だ。
「出ていかないのか、ルセリア嬢」
「ガイア様、ちょっと緊張してしまって」
本棚の影から覗いていたところを発見したガイアが声をかけてくれる。
「いざ声をかけようと思うと、足がすくんでしまって」
「はぁー、なら手伝うよ、行くぞ」
「えぇ、ちょっと」
私の腕を引きシルフィ様のもとに進んでいく。私たちに気づいたシルフィが
「お兄様、ルセリア様も、どうしたのですか」
「いや、今そこで会ってね」
「こんにちは、シルフィ様、この前にお借りした本を持ってきました」
「あ、ありがとうございます、どうでしたか?」
本をシルフィ様に渡す。
「とても面白かったです。特に主人公がヒロインに告白するときは、ドキドキして、何度も読みました、他にも、・・・」
借りた本で、よかったところを話していく。
「そうなんですよ、その本のいいところは、・・・」
シルフィ様も本の感想を始める。そして、しばらく、感想を言い合っていた。
「シルフィ、ルセリア嬢」
とガイア様の声でお互い、はっと、話すのをやめる。そうだ、私は謝らないと、
「シルフィ様、私はあなたに謝らなくてはならないんです・・・実は、私、公爵令嬢なんです。今まで庶民と偽っていて、本当にごめんなさい」
深く頭を下げるが、シルフィが
「頭を上げてください、ルセリア様」
「なんとなく、そうではないかと思っていました。2年前に父から見せてもらった貴族名簿にルセリアという名前があったので、もしかしたらと思っていたんです」
「そうなんですか?」
「はい、なので謝らないでください」
「ありがとうございます」
公爵令嬢とわかっていたことには驚いたが、怒ってないことがわかり、心が一気に軽くなる。
「遅くなりましたが、改めて、ルセリア・アストライアです。シルフィ様これもよろしくお願いします」
「こいらこそ、よろしくお願いします。ルセリア様」
私たちはお互いに顔をあわせて笑う。あっ、そうだ。
「シルフィ様、私が買った本で面白かった本を持ってきたんです。お借ししますので今度感想を聞かせていただけたら」
「まあ、実は私も持ってきているんです。お勧めの本を」
そして今度は私の家に招待する約束をして、本を交換する。
その様子を見ていたガイア様が、
「よかったなぁ、シルフィ、友達が出来て」
「はい、お兄様が言ったことは正しかったです。1回目は偶然、2回目は奇跡、3回目は運命。本当にその通りでした」
こうして私は新しい友達を得ることができた。
「そうか、私たちの口から話す前に王妃様や王子、王女様が話してくれたんだね。ルセリア、今この国では、反王国派の貴族が何か良くないことを企んでいるみたいなんだ。これから、通うことになる王国学園にも、反王国派の貴族の子息・令嬢が入学してくる。学園内でも、王国派と反王国派に分かれているようで、問題になっているんだ」
「そうなのですか、お父様、この問題どうにかならないんですか」
「今のところ解決のめどはたっていない」
「しかしな、ルセリア、我々は王国派の貴族だが、反王国派の貴族たちも同じ国の人間なんだ。革命が起きて、100年が過ぎるが、今の子供たち、そして未来のこの国で生まれる者たちが、それにとらわれていたのでは、この国は前に進まない、ルセリア、、、私はこの状況を変えられるのは、君なのかもしれないと思っている」
「??お父様」
「予知の魔眼を持っているということもあるが、君はこれまで多くのものを救ってきた。幼いながらも自分で考え動き多くの者たちの未来を変えてきたんだ。だから・・・」
「あなた・・・」
母親のティアナが不安そうな表情をする。
「さてこの話もう。よそう。ルセリア、君に手紙が届いているよ。宰相の息子からだ」
「ガイア様からですか」
父親から手紙を受け取り
{ルセリア・アストライア公爵家令嬢へ
明日、妹が15:00頃にまた本屋に行くそうだ。君の都合がよかったら、来てあげてほしい。
ガイア・ミネルウァより }
シルフィが明日、本屋に来る、私がまだシルフィに正体を明かせていないことを知って、機会を与えてくれたんだと思い、
「お父様、明日また買い物に行ってもいいですか?」
「いきなりだね。問題ないと思うが、宰相の息子さんと会うのかい」
「はい、本屋に来られるそうで」
「いつの間に宰相の息子と仲良くなったんだね」
「そうですよ、ルセリア、王子達との婚約は断ったのに、まさか宰相の息子と」
「いえ、違いますから。お父様もお母様も勘違いしないでください。王子達も宰相の息子さんもお友達ですから」
「はぁー、これが傾国の美女、いや少女というものなのかなぁ」
父親のカイムが小さいな声で言ったため、私には聞き取れなかった。
護衛の騎士のメシスと一緒に来るのも三回目になる本屋。
手紙の書いてある時間よりも早くに来ていた。しかし、中に入るのではなく、建物の影からシルフィが来るのほ待っている。
「どうして中で待たないんですか?」
「なんとなくです」
そして待っていると馬車が本屋の前に止まり、シルフィとガイアが降りてくる。そしてしばらくしてから本屋に入る。シルフィは変わらず小説が置かれている本棚の前でいる。別の棚からシルフィを見て、出ていこうかもう少し待っていようかと行動できずにいるは私は周りから見たら完璧に不審者だ。
「出ていかないのか、ルセリア嬢」
「ガイア様、ちょっと緊張してしまって」
本棚の影から覗いていたところを発見したガイアが声をかけてくれる。
「いざ声をかけようと思うと、足がすくんでしまって」
「はぁー、なら手伝うよ、行くぞ」
「えぇ、ちょっと」
私の腕を引きシルフィ様のもとに進んでいく。私たちに気づいたシルフィが
「お兄様、ルセリア様も、どうしたのですか」
「いや、今そこで会ってね」
「こんにちは、シルフィ様、この前にお借りした本を持ってきました」
「あ、ありがとうございます、どうでしたか?」
本をシルフィ様に渡す。
「とても面白かったです。特に主人公がヒロインに告白するときは、ドキドキして、何度も読みました、他にも、・・・」
借りた本で、よかったところを話していく。
「そうなんですよ、その本のいいところは、・・・」
シルフィ様も本の感想を始める。そして、しばらく、感想を言い合っていた。
「シルフィ、ルセリア嬢」
とガイア様の声でお互い、はっと、話すのをやめる。そうだ、私は謝らないと、
「シルフィ様、私はあなたに謝らなくてはならないんです・・・実は、私、公爵令嬢なんです。今まで庶民と偽っていて、本当にごめんなさい」
深く頭を下げるが、シルフィが
「頭を上げてください、ルセリア様」
「なんとなく、そうではないかと思っていました。2年前に父から見せてもらった貴族名簿にルセリアという名前があったので、もしかしたらと思っていたんです」
「そうなんですか?」
「はい、なので謝らないでください」
「ありがとうございます」
公爵令嬢とわかっていたことには驚いたが、怒ってないことがわかり、心が一気に軽くなる。
「遅くなりましたが、改めて、ルセリア・アストライアです。シルフィ様これもよろしくお願いします」
「こいらこそ、よろしくお願いします。ルセリア様」
私たちはお互いに顔をあわせて笑う。あっ、そうだ。
「シルフィ様、私が買った本で面白かった本を持ってきたんです。お借ししますので今度感想を聞かせていただけたら」
「まあ、実は私も持ってきているんです。お勧めの本を」
そして今度は私の家に招待する約束をして、本を交換する。
その様子を見ていたガイア様が、
「よかったなぁ、シルフィ、友達が出来て」
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こうして私は新しい友達を得ることができた。
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