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16話 覚悟を決める
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また、私はこの部屋に来ている。よくここに来るわねぇ、と心の中で思いながら、私が予知の魔眼を話した時と同じ、前門に王族、左右門に両親、後門は部屋を守っている護衛の騎士の状態だ。唯一違うのは、護衛の騎士にメシスがいるということ。
王女様の生誕祭も無事?終わり、貴族たちも帰ろうと準備していた時、従者の方が、父親の公爵に言伝を伝える。国王陛下からの言伝だったようで、「他の貴族たちがいなくなったら、来てくれと」いう内容だった。もちろん、夫人と娘の私も同伴で。
そして、今にいたる。
「さて、まずわ礼を言わせてくれ。ルセリア嬢、そなたの予知がなければ、我が娘は亡くなっていたかもしれない、ありがとう」
国王陛下が私に向けて、深く頭を下げる。
「本当にありがとう」
王妃様も頭を下げられる。
「いえ、エクリシア様が無事で本当に良かったです」
それから国王陛下は私が両親に予知を知られた後のことを教えてくれた。
父親のカイムは王族が待機している部屋に向かい、周りの衛兵に言伝を頼む「ルセリアから伝言があります」と衛兵がそのことを国王陛下に伝え、「すぐに通せ」と返事が返ってくる。部屋に通されたカイムは私がみた予知の内容を王族の方々に伝える。最初は驚いていたが、国王陛下がすぐに指示を出す。まず、乾杯の時に配られる王族の方が飲む、飲み物についてだ。国王と王妃はワイン、王子達はジュース、そして、今回主役のエクリシアは国外から届いた、特別なジュースだったが、すぐに別のものに替える。そして、王族に飲み物を注ぐ係だったものを拘束していく。念のため、決してグラスや飲み物に口を付けをするなと。
母親のティアナは、私の魔眼を知る騎士を探していたようだ。騎士団長を見つけ、予知の内容を伝え、騎士団長が急ぎ、王族のいる部屋に向かう。合流した時がちょうど国王陛下が指示を出そうとしたときだった。そのあと、騎士団長が騎士団を動かし、騎士たちが部屋の周りをかこみ、逃げられないよう包囲していった。
今回、グラスに注ごうとしたもの、王女の無事な様子を見て部屋を出ようとした貴族を拘束したと教えてくれた。グラスに注ぐものたちを調べると一人、毒を持ったものがいて毒を発見されると自害したという。貴族たちはまだ、取り調べ中だが、これからの付き合いを考えなくてはならないと国王が言う。
「もし、今回エクリシア様が亡くなっていれば、エクリシア様のためにジュースを用意してくれた国と国交が悪くなっていたかもしれないですね。毒を持っていたということは、グラスについだ後に毒をグラスに入れ、その後に、ジュースが入っていた瓶の中に毒を混ぜれば、犯人はそのジュースを作った国になりますから」
名探偵のように推理していると
「・・・その通りだ。ルセリア嬢。そなたの言う通り、国交が悪くなり、下手をすれば戦争になるところだったのだ」
事の重大さを周りの者たちが理解していき、部屋の空気が重たくなる。
数分が経過したころ、国王陛下が口を開く。
「ルセリア嬢、これからも力をかしてほしい。そなたの力を国のために」
「もちろんです。国王陛下。私にできることは少ないかもしれませんが、できる限りのことは」
立ち上がり、決意のもとに皆の前で言う。
「ルセリアお姉様///私も頑張ります」
「ぼくも、微力ながら力をかします」
「俺も力をかすぜ」
王女様と王子達が立ち上がる。
国王陛下と王妃、そして私の両親は、その様子みて、子供が親の元を離れていくときの表情をしていた。‘いやいや、私たちまだ12歳と11歳だよ‘と心の中でツッコムが、青春の一ページのようだと思う。
「時にルセリア嬢、今回の褒美として、息子たちの婚約者にならんか?」
その言葉で空気が壊れる。
「いえ、お断りいたします」
’’国王陛下、今は空気を読んでください‘‘と先ほどよりも、心の中、大きな声でツッコんだ。
昨日の今日で、私はまた王城に来ている。
エクリシアから昨日屋敷に帰るときに、お誘いを受けたからだ。だた、先日のお茶会に誘われた時と違い、部屋はエクリシア様の部屋だが、私とエクリシア以外に第一王子のアトラン、第二王子のロベルトが一緒にいる。部屋に案内されたときは、驚いたが、昨日お互いに協力していこうと、誓い合ったため仲を深めたいのだろうと私は思った。
「ルセリア嬢は、好きなものは何ですか?僕は、最近紅茶にこっているんですよ。紅茶は奥が深いんです、そのまま飲んでもいいんですが、何を入れるかで、紅茶の香りや味が変わるから」
アトランが私に質問してくる。
「私は、本を読むのが好きです。最近は、王都の本屋によく行っています」
「ルセリア、俺はピアノが好きなんだよ。この前、城に招いたピアニストが引いた曲が素晴らしくて」
ロベルトは名前呼びだ。
「お姉様、私はお姉様が教えてくれた、オセロにはまっています。この前、お父様、お母様、お兄様達と勝負したのですが、見事私が勝ちました」
「あれは、僕たちが初めてだったため、ルールを理解しているエクリシアが有利だったからですよ」
「俺もあの遊びは面白かった。今度はルセリアも一緒にやらないか?
「いいですね。お姉様、今からやりませんか」
「いえ、今日のところはちょっと」
私もやりたいとは思ったが、何せ初めてのエクリシア相手に三回目で負けてしまった私だ。王子達と対戦しても負ける未来しか見えない。それはなんだか恥ずかしいような気もして、精神年齢が大人な私は、敵前逃亡を試みた。
こんなたわいない会話だが、楽しい時間が流れていった。お互いの話をしたりして、ある程度時間が過ぎたころ。
「ルセリア嬢」
アトラン様が真剣な顔で私を見てくる。
「昨日は本当にありがとう。君がいなかったら、エクリシアはどうなっていたか?今こうやって楽しい時間を過ごせるのも君のおかげだ」
「俺からも礼を言う、ありがとう」
「ありがとうございました。お姉様」
昨日国王陛下と王妃様からもすごく感謝されたが、改めて王子達と王女が私にお礼を言う。
「いえ、私がやったことは、ただ予知の魔眼でみたことを両親に伝えただけです。両親がいなかったら、どうなっていたか?」
「ルセリア嬢、あまり自分を卑下しないほうがいい。僕たちはまだ子供だ。できることは限られる。だからこそ、お互いに協力し、できることを増やしていこう」
「そうだな、一人でできなくても、仲間がいたらできるだろう」
「ええ、そうです」
トントン、ドアからノックする音が聞こえてくる。
「エクリシア、入ってもよろしいかしら」
「お母様!!!」
ドアを開けたエクリシアは王妃と目があい、お互いににっこりと笑いエクリシアが椅子があるところまで誘導し王妃が椅子に座る。私は王妃と向き合う形になるが、なぜか王子達と王女も王妃と向き合う形、つまり私の隣に座る。
「昨日、拘束された者たちのことです。結局、毒を盛ろうとした人物とのつながりは見つけることができず、全員釈放されました。ただ、これからは監視の対象になり、行動が制限されることになるでしょう。彼ら反王国派の貴族で、、、」
王妃様が反王国派について、説明してくれる。今のユースティア王国は百年前に革命がおこり、当時の王族は全員革命軍に捕らえられ処刑されたと。そして、王族がユースティア王家に変わったのだと。しかし、王族は滅んでも貴族は滅びない、領地もあり、そこに住む民もいる。そのため今も以前の王家に組していた貴族はいる。その貴族たちを総じて反王国派と呼ばれ、今の王家に不安を持った者たちが多いが過激派と静観派に分かれていると。そして今回拘束された貴族が過激派の貴族だったのだが、証拠はなく、釈放になったと。
話を聞きながら、手を強く握りしめていた。それは隣に座る王子達と王女も同じだった。
「ルセリア嬢」
王妃様が私を真剣な顔で見てくる。
「あなたが、予知の魔眼をもっていることが周りに知られれば、身に危険が及ぶことになるでしょう。幼いあなたにこんなことを言うのはどうかと思いますが、行動は慎重に、自分を大切にしてください」
「・・・はい」
「アトラン、ロベルト、エクリシア、これからはあなたたちがルセリア嬢の支えになってあげなさい」
「「「はい!お母様」」」
王妃は目をつむり、深呼吸をして笑顔で立ち上がる。そして王妃は部屋から出ていった。
王妃の話を聞いた私は、不安や恐怖といった感情でいっぱいだった。これから自分はどうなっていくのか、どのように生きていけばいいのか。私の様子を見ていた王子達は言葉に詰まり、何も言えない。そんな中、私の手を握ってくたのがエクリシアだった。
「大丈夫です。お姉様、私たちが必ず、お守りします」
エクリシアの手の温度、握ってくれる力が不安や恐怖を和らげてくれる。
「ありがとう。エクリシア様」
きっと大丈夫だ。今の私は一人じゃない。両親もそして相談できる友達もいる。私は笑顔で、王子達と王女との時間を時間が許す限り楽しんだ。
王女様の生誕祭も無事?終わり、貴族たちも帰ろうと準備していた時、従者の方が、父親の公爵に言伝を伝える。国王陛下からの言伝だったようで、「他の貴族たちがいなくなったら、来てくれと」いう内容だった。もちろん、夫人と娘の私も同伴で。
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「いえ、エクリシア様が無事で本当に良かったです」
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母親のティアナは、私の魔眼を知る騎士を探していたようだ。騎士団長を見つけ、予知の内容を伝え、騎士団長が急ぎ、王族のいる部屋に向かう。合流した時がちょうど国王陛下が指示を出そうとしたときだった。そのあと、騎士団長が騎士団を動かし、騎士たちが部屋の周りをかこみ、逃げられないよう包囲していった。
今回、グラスに注ごうとしたもの、王女の無事な様子を見て部屋を出ようとした貴族を拘束したと教えてくれた。グラスに注ぐものたちを調べると一人、毒を持ったものがいて毒を発見されると自害したという。貴族たちはまだ、取り調べ中だが、これからの付き合いを考えなくてはならないと国王が言う。
「もし、今回エクリシア様が亡くなっていれば、エクリシア様のためにジュースを用意してくれた国と国交が悪くなっていたかもしれないですね。毒を持っていたということは、グラスについだ後に毒をグラスに入れ、その後に、ジュースが入っていた瓶の中に毒を混ぜれば、犯人はそのジュースを作った国になりますから」
名探偵のように推理していると
「・・・その通りだ。ルセリア嬢。そなたの言う通り、国交が悪くなり、下手をすれば戦争になるところだったのだ」
事の重大さを周りの者たちが理解していき、部屋の空気が重たくなる。
数分が経過したころ、国王陛下が口を開く。
「ルセリア嬢、これからも力をかしてほしい。そなたの力を国のために」
「もちろんです。国王陛下。私にできることは少ないかもしれませんが、できる限りのことは」
立ち上がり、決意のもとに皆の前で言う。
「ルセリアお姉様///私も頑張ります」
「ぼくも、微力ながら力をかします」
「俺も力をかすぜ」
王女様と王子達が立ち上がる。
国王陛下と王妃、そして私の両親は、その様子みて、子供が親の元を離れていくときの表情をしていた。‘いやいや、私たちまだ12歳と11歳だよ‘と心の中でツッコムが、青春の一ページのようだと思う。
「時にルセリア嬢、今回の褒美として、息子たちの婚約者にならんか?」
その言葉で空気が壊れる。
「いえ、お断りいたします」
’’国王陛下、今は空気を読んでください‘‘と先ほどよりも、心の中、大きな声でツッコんだ。
昨日の今日で、私はまた王城に来ている。
エクリシアから昨日屋敷に帰るときに、お誘いを受けたからだ。だた、先日のお茶会に誘われた時と違い、部屋はエクリシア様の部屋だが、私とエクリシア以外に第一王子のアトラン、第二王子のロベルトが一緒にいる。部屋に案内されたときは、驚いたが、昨日お互いに協力していこうと、誓い合ったため仲を深めたいのだろうと私は思った。
「ルセリア嬢は、好きなものは何ですか?僕は、最近紅茶にこっているんですよ。紅茶は奥が深いんです、そのまま飲んでもいいんですが、何を入れるかで、紅茶の香りや味が変わるから」
アトランが私に質問してくる。
「私は、本を読むのが好きです。最近は、王都の本屋によく行っています」
「ルセリア、俺はピアノが好きなんだよ。この前、城に招いたピアニストが引いた曲が素晴らしくて」
ロベルトは名前呼びだ。
「お姉様、私はお姉様が教えてくれた、オセロにはまっています。この前、お父様、お母様、お兄様達と勝負したのですが、見事私が勝ちました」
「あれは、僕たちが初めてだったため、ルールを理解しているエクリシアが有利だったからですよ」
「俺もあの遊びは面白かった。今度はルセリアも一緒にやらないか?
「いいですね。お姉様、今からやりませんか」
「いえ、今日のところはちょっと」
私もやりたいとは思ったが、何せ初めてのエクリシア相手に三回目で負けてしまった私だ。王子達と対戦しても負ける未来しか見えない。それはなんだか恥ずかしいような気もして、精神年齢が大人な私は、敵前逃亡を試みた。
こんなたわいない会話だが、楽しい時間が流れていった。お互いの話をしたりして、ある程度時間が過ぎたころ。
「ルセリア嬢」
アトラン様が真剣な顔で私を見てくる。
「昨日は本当にありがとう。君がいなかったら、エクリシアはどうなっていたか?今こうやって楽しい時間を過ごせるのも君のおかげだ」
「俺からも礼を言う、ありがとう」
「ありがとうございました。お姉様」
昨日国王陛下と王妃様からもすごく感謝されたが、改めて王子達と王女が私にお礼を言う。
「いえ、私がやったことは、ただ予知の魔眼でみたことを両親に伝えただけです。両親がいなかったら、どうなっていたか?」
「ルセリア嬢、あまり自分を卑下しないほうがいい。僕たちはまだ子供だ。できることは限られる。だからこそ、お互いに協力し、できることを増やしていこう」
「そうだな、一人でできなくても、仲間がいたらできるだろう」
「ええ、そうです」
トントン、ドアからノックする音が聞こえてくる。
「エクリシア、入ってもよろしいかしら」
「お母様!!!」
ドアを開けたエクリシアは王妃と目があい、お互いににっこりと笑いエクリシアが椅子があるところまで誘導し王妃が椅子に座る。私は王妃と向き合う形になるが、なぜか王子達と王女も王妃と向き合う形、つまり私の隣に座る。
「昨日、拘束された者たちのことです。結局、毒を盛ろうとした人物とのつながりは見つけることができず、全員釈放されました。ただ、これからは監視の対象になり、行動が制限されることになるでしょう。彼ら反王国派の貴族で、、、」
王妃様が反王国派について、説明してくれる。今のユースティア王国は百年前に革命がおこり、当時の王族は全員革命軍に捕らえられ処刑されたと。そして、王族がユースティア王家に変わったのだと。しかし、王族は滅んでも貴族は滅びない、領地もあり、そこに住む民もいる。そのため今も以前の王家に組していた貴族はいる。その貴族たちを総じて反王国派と呼ばれ、今の王家に不安を持った者たちが多いが過激派と静観派に分かれていると。そして今回拘束された貴族が過激派の貴族だったのだが、証拠はなく、釈放になったと。
話を聞きながら、手を強く握りしめていた。それは隣に座る王子達と王女も同じだった。
「ルセリア嬢」
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「あなたが、予知の魔眼をもっていることが周りに知られれば、身に危険が及ぶことになるでしょう。幼いあなたにこんなことを言うのはどうかと思いますが、行動は慎重に、自分を大切にしてください」
「・・・はい」
「アトラン、ロベルト、エクリシア、これからはあなたたちがルセリア嬢の支えになってあげなさい」
「「「はい!お母様」」」
王妃は目をつむり、深呼吸をして笑顔で立ち上がる。そして王妃は部屋から出ていった。
王妃の話を聞いた私は、不安や恐怖といった感情でいっぱいだった。これから自分はどうなっていくのか、どのように生きていけばいいのか。私の様子を見ていた王子達は言葉に詰まり、何も言えない。そんな中、私の手を握ってくたのがエクリシアだった。
「大丈夫です。お姉様、私たちが必ず、お守りします」
エクリシアの手の温度、握ってくれる力が不安や恐怖を和らげてくれる。
「ありがとう。エクリシア様」
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