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10話 お土産を買う
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お茶会から一週間が過ぎたが、今日は私が待ちに待った日、買い物に出かける日だ。
ずっと屋敷の中にいるのも健康に良くない。私は両親に何とか買い物にいけないか相談していた。「ほしいものは、取り寄せてあげるよ」と言ってくれたが、やっぱりほしいものは自分で出かけて買いたい。前世で介護の仕事をしていた時、利用者をショッピングに連れて行ったことが何度かあったが、すごく喜ばれた。その時は、そんなにうれしいんだ?と少し不思議に思っていたが、今はその気持ちがよくわかる。そして、父親のカイムから護衛の騎士を同伴させるから、それが条件だと了承を得た。そのため、朝からすごくうきうきしている。
着る服は貴族が着る豪華な服ではなく、庶民が少し贅沢をして買う位の服を用意してもらう。普段よりも動きやすい服なので、楽しくなる。私は大きな鏡に映った私を見て、うん、今日もかわいい。と自賛する。しばらくして、ドアからノックの音が聞こえ、アリサが入ってくる。
「お嬢様、護衛の騎士の方がいらっしゃいました」
「わかったわ」
アリサが明けたドアに向かい、玄関前に向かう。
玄関前には母親のティアナと護衛の騎士の方が会話していた。
父親のカイムに私が着ていく服は庶民が少し贅沢をして買う位の服と伝えていたので、護衛の騎士の方も私と同じで、武装しておらず、普段着なのか、庶民が着てそうな服を着ている。確かに私が庶民の服を着ていても後ろに騎士の恰好したものがいたら、奇異な目で見られるだろう。それに合わせてくれたのだろう。
母親と騎士に近づいていき、
「今日はよろしくお願いいたします。騎士様。ルセリア・アストライアです」
スカートを少し手で挙げて挨拶をする。
「これは、ご丁寧に。自分は騎士のメシス・アレースといいます。今日一日、ルセリア様をわが身に変えてもお守りします」
騎士様も片腕を胸に当てお辞儀をする。
「はい」
お互いに自己紹介が終わる。 あれ?私この人とどこかで?
ふと疑問に思うことがあったが、私は騎士様と馬車に乗り、母親やメイドたちに見送られながら、王都の町に出かけていった。王都の町を私は歩いている。王子達の生誕祭の日の時と違い、盛り上がってはいないが、それでも賑わっている。上品で美しい街並み、数多くのアンティークショップやモールがある。レストランやカフェ、お土産屋さんが立ち並び、賑わいを見せている。
感動していた。なんでこんなに惹かれるのか?それはグリム童話の世界へタイムスリップしたかのような「おとぎの空間」、中世のヨーロッパ建築が醸し出す「絵本のような光景」が私の眼の前に広がっていたからだ。
「素敵・・・」
騎士には庶民の相手をする態度で接してくださいと頼んでいる。馬車のなかで、「できれば目立ちたくないので、後方ではなく私の真横で一緒に歩いてください」と頼んだため、今は私の横で一緒に歩いてもらっている。
まずは、両親へのお土産だ。
父親のカイムにはクッキーと苦いチョコレートを。最近よくコーヒーをよく飲むので、コーヒーに合うものを買って帰ろうと思った。
騎士に意見を聞き、有名な菓子店にはいる。入るとお店の中全体に甘い匂いが広がっていた。高級感のある缶に、1クッキーがキレイに敷き詰められ、まるで宝石箱のよう商品が多く並んでいた。
様々なクッキーがある。
塩を使った塩味クッキー。
バターの香りとサクサクとした食感のクッキー。
材料にエシレバターを100%使用しており、リッチなバターの風味のクッキー。
しっとり生クッキー。
クッキーにイラストがかかれた可愛いクッキー。
葉っぱの形をしたクッキー。
赤いジャムが乗ったクッキー。
本当に多くの種類のクッキーがある。そんな中から私は甘いお菓子が苦手な男性にもってこいの苦味や辛味のある斬新な風味が特徴のクッキーをお土産で買った。
チョコレートもクッキーと同じくらい種類があったので、クッキーと同じで苦味の強いチョコレートを選んで買った。
父親のお土産を買たので、お店から出て次に向かう。次に向かうのはカフェ。
甘いものに目がない母親には今人気のケーキをお土産として持って帰るためだ。しばらく歩いていると、目的のカフェが見えてきたが、30人以上の行列ができていた。
「うわー、流石人気店ね」
ちょっと、並ぶことをためらってしまったが、かまわず最後尾に並ぶ。その様子を見ていた騎士様は驚いている様子だったが、気にしない。前世で並ぶことには慣れているから苦ではない。30分が過ぎ、もう少しで私の番が回ってくる。一歩一歩店に近づくにつれ、チーズの匂いが漂ってくる。そして、やっと私の番なり、店員から
「何個ですか?」とシンプルに聞かれる。
これだけの時間並んだんだから、
「チーズケーキ、5つお願いします」
お願いすると、お金だけ先に払い。横によって待つ。しばらくして、窯の中から出来上がったチーズケーキが出てくる。机の上に置いたチーズケーキは揺れている。それを箱詰めしていく。私は待っている間、広告に眼が行く。
{リクリーケーキ 周りがふわふわしており、チーズの味が濃いわけではなく、むしろさっぱりしているためいくらでも入るチーズケーキ。焼き上がったチーズケーキはとしてやわらかいが、これを冷やせば、固まるが決して硬くなるわけではない。出来上がったときの食感はクリーム、冷やした食感がスポンジになるチーズケーキです}
その広告を見て、5つ買っておいてよかったと思った。
店員からチーズケーキの入った5つの箱を受け取り、騎士様に半分持ってもらい荷物を置きに一旦馬車に戻った。お土産を馬車の中に置き、手ぶらになって、また街にくりだす。
昼食をとるために騎士様と一緒に露店を見て歩き、おいしそうだもの買っていく。
串についた肉、果物のジュース、焼きたてのパン、食べ歩きになるが気にせず、騎士の方と一緒に食べる。買ったものはどれもすごく美味しかった。満足した顔をしていると
「ルセリナ様は庶民の味がお気に召されたようですね」
騎士様が私に言ってくる。
公爵令嬢の私が庶民のものを食べてるのがおかしいと思っているのかもしれない。
「庶民の料理かどうかは関係ありません。美味しいかどうが、ただそれだけですよ」
笑顔で言うと、騎士は少し驚いていたが、
「そうですか」
騎士様と歩き会話をしながら散歩を楽しんだ。
ずっと屋敷の中にいるのも健康に良くない。私は両親に何とか買い物にいけないか相談していた。「ほしいものは、取り寄せてあげるよ」と言ってくれたが、やっぱりほしいものは自分で出かけて買いたい。前世で介護の仕事をしていた時、利用者をショッピングに連れて行ったことが何度かあったが、すごく喜ばれた。その時は、そんなにうれしいんだ?と少し不思議に思っていたが、今はその気持ちがよくわかる。そして、父親のカイムから護衛の騎士を同伴させるから、それが条件だと了承を得た。そのため、朝からすごくうきうきしている。
着る服は貴族が着る豪華な服ではなく、庶民が少し贅沢をして買う位の服を用意してもらう。普段よりも動きやすい服なので、楽しくなる。私は大きな鏡に映った私を見て、うん、今日もかわいい。と自賛する。しばらくして、ドアからノックの音が聞こえ、アリサが入ってくる。
「お嬢様、護衛の騎士の方がいらっしゃいました」
「わかったわ」
アリサが明けたドアに向かい、玄関前に向かう。
玄関前には母親のティアナと護衛の騎士の方が会話していた。
父親のカイムに私が着ていく服は庶民が少し贅沢をして買う位の服と伝えていたので、護衛の騎士の方も私と同じで、武装しておらず、普段着なのか、庶民が着てそうな服を着ている。確かに私が庶民の服を着ていても後ろに騎士の恰好したものがいたら、奇異な目で見られるだろう。それに合わせてくれたのだろう。
母親と騎士に近づいていき、
「今日はよろしくお願いいたします。騎士様。ルセリア・アストライアです」
スカートを少し手で挙げて挨拶をする。
「これは、ご丁寧に。自分は騎士のメシス・アレースといいます。今日一日、ルセリア様をわが身に変えてもお守りします」
騎士様も片腕を胸に当てお辞儀をする。
「はい」
お互いに自己紹介が終わる。 あれ?私この人とどこかで?
ふと疑問に思うことがあったが、私は騎士様と馬車に乗り、母親やメイドたちに見送られながら、王都の町に出かけていった。王都の町を私は歩いている。王子達の生誕祭の日の時と違い、盛り上がってはいないが、それでも賑わっている。上品で美しい街並み、数多くのアンティークショップやモールがある。レストランやカフェ、お土産屋さんが立ち並び、賑わいを見せている。
感動していた。なんでこんなに惹かれるのか?それはグリム童話の世界へタイムスリップしたかのような「おとぎの空間」、中世のヨーロッパ建築が醸し出す「絵本のような光景」が私の眼の前に広がっていたからだ。
「素敵・・・」
騎士には庶民の相手をする態度で接してくださいと頼んでいる。馬車のなかで、「できれば目立ちたくないので、後方ではなく私の真横で一緒に歩いてください」と頼んだため、今は私の横で一緒に歩いてもらっている。
まずは、両親へのお土産だ。
父親のカイムにはクッキーと苦いチョコレートを。最近よくコーヒーをよく飲むので、コーヒーに合うものを買って帰ろうと思った。
騎士に意見を聞き、有名な菓子店にはいる。入るとお店の中全体に甘い匂いが広がっていた。高級感のある缶に、1クッキーがキレイに敷き詰められ、まるで宝石箱のよう商品が多く並んでいた。
様々なクッキーがある。
塩を使った塩味クッキー。
バターの香りとサクサクとした食感のクッキー。
材料にエシレバターを100%使用しており、リッチなバターの風味のクッキー。
しっとり生クッキー。
クッキーにイラストがかかれた可愛いクッキー。
葉っぱの形をしたクッキー。
赤いジャムが乗ったクッキー。
本当に多くの種類のクッキーがある。そんな中から私は甘いお菓子が苦手な男性にもってこいの苦味や辛味のある斬新な風味が特徴のクッキーをお土産で買った。
チョコレートもクッキーと同じくらい種類があったので、クッキーと同じで苦味の強いチョコレートを選んで買った。
父親のお土産を買たので、お店から出て次に向かう。次に向かうのはカフェ。
甘いものに目がない母親には今人気のケーキをお土産として持って帰るためだ。しばらく歩いていると、目的のカフェが見えてきたが、30人以上の行列ができていた。
「うわー、流石人気店ね」
ちょっと、並ぶことをためらってしまったが、かまわず最後尾に並ぶ。その様子を見ていた騎士様は驚いている様子だったが、気にしない。前世で並ぶことには慣れているから苦ではない。30分が過ぎ、もう少しで私の番が回ってくる。一歩一歩店に近づくにつれ、チーズの匂いが漂ってくる。そして、やっと私の番なり、店員から
「何個ですか?」とシンプルに聞かれる。
これだけの時間並んだんだから、
「チーズケーキ、5つお願いします」
お願いすると、お金だけ先に払い。横によって待つ。しばらくして、窯の中から出来上がったチーズケーキが出てくる。机の上に置いたチーズケーキは揺れている。それを箱詰めしていく。私は待っている間、広告に眼が行く。
{リクリーケーキ 周りがふわふわしており、チーズの味が濃いわけではなく、むしろさっぱりしているためいくらでも入るチーズケーキ。焼き上がったチーズケーキはとしてやわらかいが、これを冷やせば、固まるが決して硬くなるわけではない。出来上がったときの食感はクリーム、冷やした食感がスポンジになるチーズケーキです}
その広告を見て、5つ買っておいてよかったと思った。
店員からチーズケーキの入った5つの箱を受け取り、騎士様に半分持ってもらい荷物を置きに一旦馬車に戻った。お土産を馬車の中に置き、手ぶらになって、また街にくりだす。
昼食をとるために騎士様と一緒に露店を見て歩き、おいしそうだもの買っていく。
串についた肉、果物のジュース、焼きたてのパン、食べ歩きになるが気にせず、騎士の方と一緒に食べる。買ったものはどれもすごく美味しかった。満足した顔をしていると
「ルセリナ様は庶民の味がお気に召されたようですね」
騎士様が私に言ってくる。
公爵令嬢の私が庶民のものを食べてるのがおかしいと思っているのかもしれない。
「庶民の料理かどうかは関係ありません。美味しいかどうが、ただそれだけですよ」
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