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5話 王城と王族
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自分の屋敷に戻ってきている。あの後、私は両親と再会したが、私は走ったり、応急処置などをしたため、髪は乱れ、服もだいぶ汚れていたため、急遽屋敷に帰ってきた。その後、両親だけになるが、王子の誕生際に参加するため、再び王城に向けて出かけて行った。
メイドに入浴を手伝ってもらい。新しい服を着て、部屋に帰ってきた。部屋にいてもすることはなく、ベッドに横になり、ぼーとしている。私は知らず知らずのうちに、手鏡をもち、手を自分の眼に近づけていた。そして考える。これはやっばり魔眼なのだと。
未来をみることができる予知の魔眼。
「男が持てば英雄に、女が持てば聖女になれる」と以前、アリサが教えてくれた言葉を思い出す。私は別になりたいわけではない。平穏に長生きして、幸せに暮らしていければそれでいい。
そのため、やはり、誰にも知られないようにと考えを決め、今後のことをどうしようかと考える。しかしまずは、帰ってきた両親に謝ることと、今回の言い訳を考えようと思考する。
夕暮れになり、空が紅の色に染まり始めた頃、両親が返ってきた。誕生祭は、昼前からだったので半日はお城にいたことになる。貴族って大変だなぁと、他人事のように思うが、実は私も貴族です、と一人心の中でボケる。
そして、夕食の時間、父親のカイムが食事をしながら、私に質問してきた。
「なぜ一人で飛び出してい行ったたんだね?」
「えっと。実は知り合いが目にはいり、とてもうれしくなって、声をかけずにはいられなくなり。馬車を止めてもらい、会いに走りました」
両親が返ってくるまでに、言い訳を考えたが、結局この程度の言い訳しか、思い浮かばなかった。
「ならなぜ、いきなり来た道を走って戻ったんだ」
「おいしい食べ物が露店に並んでいるようで、早くしないと売り切れになるからと聞いて、我慢できずに走り出しました」
自分で言っていて恥ずかしくなる。私の答えを聞いて、両親はしばらくの間無言になる。
「そうか。わかった。今回のことはもういい」
ハァーと大きなため息を父親のカイムがする。
「あなた。。」
母親のティアナも夫が言うなら自分が尋ねるのはよそうと考える。
「しかし、これからは、私たちに説明してから行動をとるようにしなさい。何かあってからでは遅いのだから」
「はい。ありがとうございます」
本当に優しい両親だ、と思ってしまう。前世の世界でこのようなことがあったら、絶対にこんな言い訳では許してはくれないし、怒られるだろうと思う。まだ、私は転生する前のルセリアの記憶を思い出していないのだから知り合いなんて分かるわけがない。そのようなツッコミがきたら何も言えない。まだ、短い付き合い?になるがこれが親バカというものなのか?と。
「そうだ、ルセリア。3日後、王城に君が呼ばれたよ」
「はぁ?なぜですか」
「実は、誕生祭で貴族たちが王子達に自分の子息・令嬢を紹介していたんだが、ルセリアは家にいたから私たちは紹介できなかったんだ。今回の生誕祭は王子達のために開かれたもので、王子達と同い年の子息・令嬢を持つ貴族たちしか呼ばれてなくてね」
「それ。初めて聞きましたよ」
「言っていなかったからね」
悪びれる様子はなく、父親のカイムが話を続ける。
「陛下や王妃、王子達や王女にあいさつした時に、ルセリアは体調がすぐれないため、来ていないことを告げると、体調がよくなりしだい紹介してくれ、と言われた。そのため数日すれば良くなっているでしょうと言ってしまってね、だから、今度は本当に王城に行くよ」
口では「は、はい」心の中は‘えぇぇぇぇぇー‘だ。
「父上、本来欠席したものは後日、必ず呼び出されるものなのですか?」
疑問に思ったことを尋ねてみる。
「いや、そんなことはないんだが」
何かの意図があるように思ってしまう。
「はぁー」
3日前と同じで、メイドたちに同じ服を着せてもらっている。そして大きな鏡の前に立ち、鏡に私の姿が映っている。すごいデジャブ感がある。
両親と一緒に馬車に乗り、3日前通った道を進んでいく。前回は右側の窓から外を眺めていたので、今回は左の窓から外を眺める。3日前は王子達の誕生祭ということもあり、人の数が多かったが、その時に比べれば人は少ない。少ないといっても王都であるため人は多い。
街並みをみながら、眼に力を入れるがあの時のように熱くなる感覚もない。何度か試しに魔眼を使おうと試みたことはあったが、みることはできなかった。何か条件があるのか、回数が制限されているのか、魔眼のことに詳しくない私には考えてもこれ以上は、答えが出なかった。魔眼についての本や資料があるなら今度探してみようと思う。
王城に到着すると、門の前に何人も衛兵(門番)がいる。許可が出ると門が開き王城のきれいな石畳の道を歩いていく。王城の庭は、公爵家の庭よりも広く、きれいに整備・先手されている。そして城の前に馬車が止まる。門からここまでかなり距離があった。私は馬車から降りて今度は幅100m以上、50段以上の階段と向き合う。
「大きい建物ですね」
「ルセリア、当然だよ、この国で一番大きくりっばな建物なんだから」
「何度見ても、素敵なお城ですね。あなた」
馬車の中からこの城を見たときは山のようなお城だと思ったが、改めて山のような大きさの城だなぁと思う。前世の私は旅行に行くことがなく、ましてや外国にはいったことがないので、映画の中のお城やアニメに出てくるお城としか比較できない。
しかし、それ以上にこの階段をみて私が思ったのは
‘この階段、手摺とかないけど、つけなくていいのかしら、年取った人にはきついわよ、これ‘と介護の仕事をしていた私は心の中で思う。
人間は年を取れば、体力・筋力共に低下する。そのため、平地ならいいが段差であれば、転ぶ確率は上がる。そのため、高齢者の階段歩行は手摺を付けたり、支援する人がそばにいないと危ない。と思うのは自分がかなり仕事中毒になてっているのかもしれない。
階段をのぼり、またしばらく歩いていく、そして大きな扉の前で立ち止まる。ここまであまり人と合わなかったが、お城はあまり人がいないのかと思った。
「ここでお待ちください」
案内してくれた執事の方が礼をして離れていく。
しばらくして、大きな扉が音を立てながら扉が開くと、中には大きな広間に多くの人が中で立っていた。ここに来るまでは、人がいないと思ったがそれは間違いだった。
綺麗な服装を全員がしており、貴族かなと思う。貴族たちは整列して私たちを待っていた。その先には、国王陛下、王妃が座り、その横に王子達と王女がいた。
???なにこれ?
何かの式典かなにか。と思っていると、父親のカイムが堂々と一歩前に出て進んでいく。母親もそれにならい進んでいく。私は不安はあれど両親と一緒に広間に一歩足を踏み出した。
私たちは、左右に整列して開いてる道を歩いていく。緊張しながらも、何とか堂々と歩くように心がける。そして、父親のカイムが止まりその後ろに母親のティアナが、私は母親の横まで歩いてとまる。
「国王陛下、お呼びにあたり、カイム・アストライアただいま、参上いたしました」
右肘を曲げ胸につけて、一礼する。そして母親はドレスのスカートを少し手で上げてお辞儀する。私も母親と同じようにしてからお辞儀をする。
「よく来てくれた。カイム・アストライア公爵、ティアナ夫人、ルセリア嬢。楽にされよ」
と国王陛下が言ったので、父親が顔をあげて楽な姿勢をとる。母親もそれにならい、私も同じようにする。
顔を上げた私は、王族の顔をみる。
国王陛下は、金髪に蒼い目、そして少し髭をはやしている。体格もよく王の風格がある。
王妃様は、黒髪に赤い目をして、少しふっくらとしている。
横に並ぶ王子達は、おそらく順番に並んでいるだろう。だとすれば
第一王子は、黒髪に蒼い目、笑顔が特徴的だ。
第二王子は、黒髪に赤い目、なぜこちらを見て、少しにらんでる。
第一王女は、金髪に赤い目、私と同じで、少し緊張しているようだ。
だが、全員が美形と言っていいほど、きれいな顔をしている。
前世の私は特にアイドルなどには興味がなく、自分には関係ないし、かかわりあいになることもないと思い、推しカツなどもやっていなかったが、もし身近にこんな美形たちがいたら、推しカツをしていたかもしれないと感じるくらい、王族の方々は、全員が美形ぞろいだった。
ただ、私が気になったのは、第一王子だ。間違いなく、王子の生誕祭の日に王都の町にいたフウドの子だ。王子は父親のカイムではなく、母親のティアナでもなく、私を見つめている。
ここに人がいなかったら、‘えーーー‘と大きな声で叫んでいただろう。
それなら、あの時、一緒にいた弟のほうは第二王子か?と考える。
第一王子のほうに向きなおり、眼と眼が合う。それから陛下の話が始まるまで、ずっとそのままだった。
「こたのたび、カイム・アストライア公爵家を招集したのは、3日前に起こった馬車の事故についてだ。反王国派のものが、王子たちの誕生祭で街が賑わってる中、馬車を使い大きな事件を起こそうとしたことだ」
え!事件の話?
「ここにいる。カイム・アストライア公爵が事件をいち早く察知して、ここにいる我が息子達に頼んで騎士団を出撃せたため、国民に大きな怪我もなく事なきを得たのだ」
「「「「「「おおぉぉぉぉぉ」」」」」」
周りの貴族たちから歓声が上がる。
え?私の頭の中に?が浮かぶ。
「そして、ルセリア嬢は民への避難の呼びかけ、負傷した騎士たちの手当てをしてくれたのだ。誠に大義であった」
「もったいないお言葉でございます。国王陛下」
父親のカイムがまたお辞儀する。
「褒美を取らす。何か、望みのものはないか?」
「いえ、私は貴族として当然のことをしたまでです。褒美などもってのほかでしょう。それならば我が娘が望んものを与えてあげてください」
話が私に飛んできた。
「リセリア嬢、そなたに望みはあるか?」
「いえ、私も貴族として当然のことをしたまでです。父上がいらないなら私もいりません」
「親子、そろって無欲なのだな」
国王陛下は苦笑いをしながら言う。
国王陛下は事件のことを、より詳しく、貴族たちに説明していった。
「この話はこれまでとする、皆、ご苦労であった解散するがいい」
国王陛下が言うと扉に近い順から動き出し退室していった。そして残ったのが護衛する騎士と宰相らしき人と、王族と私たちだけ。
「さてそれでは場所を変えよう」
国王陛下が先ほどより威厳がない声で話す。
あぁぁ、やぱり人目がないときは口調が少し柔らかくなるのね、と心のなかで思う。
しかし、まだ話が終わってないって、今度は何だろう。と、思い父親の方を向くが目をそらされる。母親のほうを向くも同じく目をそらされる。いつもなら、親バカと思えるくらい、私に話しかけて来る両親がこんな態度をとっている。言えないのか。言いにくいのか。
私は広い廊下を歩いていく。歩きながら私はこのあとロクでもないことが待ってるんだなぁと思った。
客室に案内され、今私は王族の方々と向かい合わせで座っている。左右に両親が一緒に座ってくれているが、緊張感が半端ない。まるで、面接をされているような感じだ。
全員が座りしばらくすると国王陛下が話し始める。
「改めて、ルセリア嬢、私はこの国、ユースティア王国の王、アルスラン・フォン・ユースティアだ。そして、妻のセリカ・フォン・ユースティア。第一王子のアトラン・フォン・ユースティア。第二王子のロベルト・フォン・ユースティア。第一王女のエクリシア・フォン・ユースティアだ」
国王陛下が私に、丁寧に紹介をしてくれる。
私は立ち上がり。
「ルセリア・アストライアです」
とお辞儀をして、自分の名を名乗る。
「座ってくれてかまわん」
国王陛下から言われたので「はい」と言ってから椅子に座る。
「すまなかったな。本来であれば、このような挨拶だけで済んだんだが、事件の手前、あのような形になってしまった。ルセリア嬢には苦労を掛けた。大変申し訳ない」
「い、いえ。お心遣い、感謝いたします」
「緊張しているようだが、今ここにいるのは、我々だけだ。もっと砕けてもよいのだぞ」
笑いながら、国王陛下が私に言う。とてもフレンドリーな方のようだ。
「ありがとうございます」私も笑顔で対応するが、いいや、無理ですからと心の中でツッコミをする。
「それでは本題に入るが、ルセリア嬢。なぜ事件のことを知っていたんだ?そなたが、ここにいるアトランに馬車の襲撃ことを伝えてくれたおかげで、大事にはならなかった」
やっぱり、あのフウドの二人組の子供は、、、と言いたくなったが。
問われているのは自分なので、なぜ王子達が城下にでていたのかと聞きたくなったが質問文に質問文は返せない。
今の状態は前門に王族、左右門に両親、後門は部屋を守っている護衛の騎士。これは逃げられないわ。と思い私は自分の魔眼について話し始める。
メイドに入浴を手伝ってもらい。新しい服を着て、部屋に帰ってきた。部屋にいてもすることはなく、ベッドに横になり、ぼーとしている。私は知らず知らずのうちに、手鏡をもち、手を自分の眼に近づけていた。そして考える。これはやっばり魔眼なのだと。
未来をみることができる予知の魔眼。
「男が持てば英雄に、女が持てば聖女になれる」と以前、アリサが教えてくれた言葉を思い出す。私は別になりたいわけではない。平穏に長生きして、幸せに暮らしていければそれでいい。
そのため、やはり、誰にも知られないようにと考えを決め、今後のことをどうしようかと考える。しかしまずは、帰ってきた両親に謝ることと、今回の言い訳を考えようと思考する。
夕暮れになり、空が紅の色に染まり始めた頃、両親が返ってきた。誕生祭は、昼前からだったので半日はお城にいたことになる。貴族って大変だなぁと、他人事のように思うが、実は私も貴族です、と一人心の中でボケる。
そして、夕食の時間、父親のカイムが食事をしながら、私に質問してきた。
「なぜ一人で飛び出してい行ったたんだね?」
「えっと。実は知り合いが目にはいり、とてもうれしくなって、声をかけずにはいられなくなり。馬車を止めてもらい、会いに走りました」
両親が返ってくるまでに、言い訳を考えたが、結局この程度の言い訳しか、思い浮かばなかった。
「ならなぜ、いきなり来た道を走って戻ったんだ」
「おいしい食べ物が露店に並んでいるようで、早くしないと売り切れになるからと聞いて、我慢できずに走り出しました」
自分で言っていて恥ずかしくなる。私の答えを聞いて、両親はしばらくの間無言になる。
「そうか。わかった。今回のことはもういい」
ハァーと大きなため息を父親のカイムがする。
「あなた。。」
母親のティアナも夫が言うなら自分が尋ねるのはよそうと考える。
「しかし、これからは、私たちに説明してから行動をとるようにしなさい。何かあってからでは遅いのだから」
「はい。ありがとうございます」
本当に優しい両親だ、と思ってしまう。前世の世界でこのようなことがあったら、絶対にこんな言い訳では許してはくれないし、怒られるだろうと思う。まだ、私は転生する前のルセリアの記憶を思い出していないのだから知り合いなんて分かるわけがない。そのようなツッコミがきたら何も言えない。まだ、短い付き合い?になるがこれが親バカというものなのか?と。
「そうだ、ルセリア。3日後、王城に君が呼ばれたよ」
「はぁ?なぜですか」
「実は、誕生祭で貴族たちが王子達に自分の子息・令嬢を紹介していたんだが、ルセリアは家にいたから私たちは紹介できなかったんだ。今回の生誕祭は王子達のために開かれたもので、王子達と同い年の子息・令嬢を持つ貴族たちしか呼ばれてなくてね」
「それ。初めて聞きましたよ」
「言っていなかったからね」
悪びれる様子はなく、父親のカイムが話を続ける。
「陛下や王妃、王子達や王女にあいさつした時に、ルセリアは体調がすぐれないため、来ていないことを告げると、体調がよくなりしだい紹介してくれ、と言われた。そのため数日すれば良くなっているでしょうと言ってしまってね、だから、今度は本当に王城に行くよ」
口では「は、はい」心の中は‘えぇぇぇぇぇー‘だ。
「父上、本来欠席したものは後日、必ず呼び出されるものなのですか?」
疑問に思ったことを尋ねてみる。
「いや、そんなことはないんだが」
何かの意図があるように思ってしまう。
「はぁー」
3日前と同じで、メイドたちに同じ服を着せてもらっている。そして大きな鏡の前に立ち、鏡に私の姿が映っている。すごいデジャブ感がある。
両親と一緒に馬車に乗り、3日前通った道を進んでいく。前回は右側の窓から外を眺めていたので、今回は左の窓から外を眺める。3日前は王子達の誕生祭ということもあり、人の数が多かったが、その時に比べれば人は少ない。少ないといっても王都であるため人は多い。
街並みをみながら、眼に力を入れるがあの時のように熱くなる感覚もない。何度か試しに魔眼を使おうと試みたことはあったが、みることはできなかった。何か条件があるのか、回数が制限されているのか、魔眼のことに詳しくない私には考えてもこれ以上は、答えが出なかった。魔眼についての本や資料があるなら今度探してみようと思う。
王城に到着すると、門の前に何人も衛兵(門番)がいる。許可が出ると門が開き王城のきれいな石畳の道を歩いていく。王城の庭は、公爵家の庭よりも広く、きれいに整備・先手されている。そして城の前に馬車が止まる。門からここまでかなり距離があった。私は馬車から降りて今度は幅100m以上、50段以上の階段と向き合う。
「大きい建物ですね」
「ルセリア、当然だよ、この国で一番大きくりっばな建物なんだから」
「何度見ても、素敵なお城ですね。あなた」
馬車の中からこの城を見たときは山のようなお城だと思ったが、改めて山のような大きさの城だなぁと思う。前世の私は旅行に行くことがなく、ましてや外国にはいったことがないので、映画の中のお城やアニメに出てくるお城としか比較できない。
しかし、それ以上にこの階段をみて私が思ったのは
‘この階段、手摺とかないけど、つけなくていいのかしら、年取った人にはきついわよ、これ‘と介護の仕事をしていた私は心の中で思う。
人間は年を取れば、体力・筋力共に低下する。そのため、平地ならいいが段差であれば、転ぶ確率は上がる。そのため、高齢者の階段歩行は手摺を付けたり、支援する人がそばにいないと危ない。と思うのは自分がかなり仕事中毒になてっているのかもしれない。
階段をのぼり、またしばらく歩いていく、そして大きな扉の前で立ち止まる。ここまであまり人と合わなかったが、お城はあまり人がいないのかと思った。
「ここでお待ちください」
案内してくれた執事の方が礼をして離れていく。
しばらくして、大きな扉が音を立てながら扉が開くと、中には大きな広間に多くの人が中で立っていた。ここに来るまでは、人がいないと思ったがそれは間違いだった。
綺麗な服装を全員がしており、貴族かなと思う。貴族たちは整列して私たちを待っていた。その先には、国王陛下、王妃が座り、その横に王子達と王女がいた。
???なにこれ?
何かの式典かなにか。と思っていると、父親のカイムが堂々と一歩前に出て進んでいく。母親もそれにならい進んでいく。私は不安はあれど両親と一緒に広間に一歩足を踏み出した。
私たちは、左右に整列して開いてる道を歩いていく。緊張しながらも、何とか堂々と歩くように心がける。そして、父親のカイムが止まりその後ろに母親のティアナが、私は母親の横まで歩いてとまる。
「国王陛下、お呼びにあたり、カイム・アストライアただいま、参上いたしました」
右肘を曲げ胸につけて、一礼する。そして母親はドレスのスカートを少し手で上げてお辞儀する。私も母親と同じようにしてからお辞儀をする。
「よく来てくれた。カイム・アストライア公爵、ティアナ夫人、ルセリア嬢。楽にされよ」
と国王陛下が言ったので、父親が顔をあげて楽な姿勢をとる。母親もそれにならい、私も同じようにする。
顔を上げた私は、王族の顔をみる。
国王陛下は、金髪に蒼い目、そして少し髭をはやしている。体格もよく王の風格がある。
王妃様は、黒髪に赤い目をして、少しふっくらとしている。
横に並ぶ王子達は、おそらく順番に並んでいるだろう。だとすれば
第一王子は、黒髪に蒼い目、笑顔が特徴的だ。
第二王子は、黒髪に赤い目、なぜこちらを見て、少しにらんでる。
第一王女は、金髪に赤い目、私と同じで、少し緊張しているようだ。
だが、全員が美形と言っていいほど、きれいな顔をしている。
前世の私は特にアイドルなどには興味がなく、自分には関係ないし、かかわりあいになることもないと思い、推しカツなどもやっていなかったが、もし身近にこんな美形たちがいたら、推しカツをしていたかもしれないと感じるくらい、王族の方々は、全員が美形ぞろいだった。
ただ、私が気になったのは、第一王子だ。間違いなく、王子の生誕祭の日に王都の町にいたフウドの子だ。王子は父親のカイムではなく、母親のティアナでもなく、私を見つめている。
ここに人がいなかったら、‘えーーー‘と大きな声で叫んでいただろう。
それなら、あの時、一緒にいた弟のほうは第二王子か?と考える。
第一王子のほうに向きなおり、眼と眼が合う。それから陛下の話が始まるまで、ずっとそのままだった。
「こたのたび、カイム・アストライア公爵家を招集したのは、3日前に起こった馬車の事故についてだ。反王国派のものが、王子たちの誕生祭で街が賑わってる中、馬車を使い大きな事件を起こそうとしたことだ」
え!事件の話?
「ここにいる。カイム・アストライア公爵が事件をいち早く察知して、ここにいる我が息子達に頼んで騎士団を出撃せたため、国民に大きな怪我もなく事なきを得たのだ」
「「「「「「おおぉぉぉぉぉ」」」」」」
周りの貴族たちから歓声が上がる。
え?私の頭の中に?が浮かぶ。
「そして、ルセリア嬢は民への避難の呼びかけ、負傷した騎士たちの手当てをしてくれたのだ。誠に大義であった」
「もったいないお言葉でございます。国王陛下」
父親のカイムがまたお辞儀する。
「褒美を取らす。何か、望みのものはないか?」
「いえ、私は貴族として当然のことをしたまでです。褒美などもってのほかでしょう。それならば我が娘が望んものを与えてあげてください」
話が私に飛んできた。
「リセリア嬢、そなたに望みはあるか?」
「いえ、私も貴族として当然のことをしたまでです。父上がいらないなら私もいりません」
「親子、そろって無欲なのだな」
国王陛下は苦笑いをしながら言う。
国王陛下は事件のことを、より詳しく、貴族たちに説明していった。
「この話はこれまでとする、皆、ご苦労であった解散するがいい」
国王陛下が言うと扉に近い順から動き出し退室していった。そして残ったのが護衛する騎士と宰相らしき人と、王族と私たちだけ。
「さてそれでは場所を変えよう」
国王陛下が先ほどより威厳がない声で話す。
あぁぁ、やぱり人目がないときは口調が少し柔らかくなるのね、と心のなかで思う。
しかし、まだ話が終わってないって、今度は何だろう。と、思い父親の方を向くが目をそらされる。母親のほうを向くも同じく目をそらされる。いつもなら、親バカと思えるくらい、私に話しかけて来る両親がこんな態度をとっている。言えないのか。言いにくいのか。
私は広い廊下を歩いていく。歩きながら私はこのあとロクでもないことが待ってるんだなぁと思った。
客室に案内され、今私は王族の方々と向かい合わせで座っている。左右に両親が一緒に座ってくれているが、緊張感が半端ない。まるで、面接をされているような感じだ。
全員が座りしばらくすると国王陛下が話し始める。
「改めて、ルセリア嬢、私はこの国、ユースティア王国の王、アルスラン・フォン・ユースティアだ。そして、妻のセリカ・フォン・ユースティア。第一王子のアトラン・フォン・ユースティア。第二王子のロベルト・フォン・ユースティア。第一王女のエクリシア・フォン・ユースティアだ」
国王陛下が私に、丁寧に紹介をしてくれる。
私は立ち上がり。
「ルセリア・アストライアです」
とお辞儀をして、自分の名を名乗る。
「座ってくれてかまわん」
国王陛下から言われたので「はい」と言ってから椅子に座る。
「すまなかったな。本来であれば、このような挨拶だけで済んだんだが、事件の手前、あのような形になってしまった。ルセリア嬢には苦労を掛けた。大変申し訳ない」
「い、いえ。お心遣い、感謝いたします」
「緊張しているようだが、今ここにいるのは、我々だけだ。もっと砕けてもよいのだぞ」
笑いながら、国王陛下が私に言う。とてもフレンドリーな方のようだ。
「ありがとうございます」私も笑顔で対応するが、いいや、無理ですからと心の中でツッコミをする。
「それでは本題に入るが、ルセリア嬢。なぜ事件のことを知っていたんだ?そなたが、ここにいるアトランに馬車の襲撃ことを伝えてくれたおかげで、大事にはならなかった」
やっぱり、あのフウドの二人組の子供は、、、と言いたくなったが。
問われているのは自分なので、なぜ王子達が城下にでていたのかと聞きたくなったが質問文に質問文は返せない。
今の状態は前門に王族、左右門に両親、後門は部屋を守っている護衛の騎士。これは逃げられないわ。と思い私は自分の魔眼について話し始める。
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