42 / 42
第5章「認めたくない」
夕暮れの図書室にて。
しおりを挟む
ふいにそんなことが気になって、あたしは公ちゃんに横目で聞いてみた。
すると公ちゃんは…
「そうだな。ちょい寂しいかもな」
そう言って、複雑そうな顔をした。
…え?それって…
そんな思わぬ公ちゃんの言葉に、あたしは思わず目を見開いて公ちゃんに言う。
「っ…ね、それってどういう意味!?まさかっ…」
けど…
「いや、真希が期待してるようなそういう意味じゃねーよ。
ただ、俺は真希を妹みたいに思ってるから…何つーの?ほら、兄貴みたいな立場としてちょっとだけ複雑…みたいなさ」
「…なぁんだ」
「ははっ、期待した?」
「かなりね」
「あほだ、」
公ちゃんはあたしの言葉にそう言うと、可笑しそうに笑う。
今のは、はっきりと公ちゃんに告白を断られたようなものだ。
それなのに……いつもと違って、不思議とそこまでショックじゃない。
そのことにあたしが独り首を傾げていると、その後ろで公ちゃんが小さな声でぼそっと呟いた。
「……何で水野だよ」
「え、何か言った?」
「何でもない、」
「?」
だけど公ちゃんは何も言ってはくれず、あたしの横を通り過ぎて先にすたすたと教室へと戻って行く。
公ちゃんのことは、確かに好きなはずなのに。
今は不思議なくらいに、あたしの中には「水野くん」がいるんだ…。
…………
ある日の放課後。
オレンジ色の陽ざしが射しこむ図書室で、あたしは独り勉強と格闘する。
一番苦手な数学の教科書を開いて暗号のような問題を解こうとするけれど、
さっきから右手に持っているシャーペンが、可笑しなくらいにピクリとも動かない。
…ってか、勉強に全く集中出来ない。わからない。
「はぁ~…ダメだ」
そしてあたしは独りそう呟いて盛大なため息を吐くと、大きな机の上にうなだれた。
そもそも普通のテストで赤点とるくらいだもん、追試なんかで点数があがるわけない。
第一、水野くんから言われた昨日の言葉で未だにショック受けてるっていうのに。
…って、ちょっと待て。
ショック?
いやいやいや…ショックじゃない。衝撃を受けただけ、うん。
あたしはそう思うと、再び教科書に載っている問題と向き合った。
すると、その時…
「?」
ふいにあたしの携帯に、電話がかかってきた。
…水野くんだ。
一瞬、出るかどうか迷ったけど…出ない理由もないから、仕方なくそれに出た。
「…もしもし?」
そしてあたしが電話に出ると、電話の向こうで水野くんが言う。
「真希、今まだ学校にいる?」
「…」
…ふいに耳元で呼ばれた名前に、思わずドキッとしてしまう。
…ってか、何でそんなこと聞くんだ?
そう思いながらも、あたしは右手でシャーペンを回しながら「いるよ」って答えた。
そして、それがどうしたの?って聞こうとしたら、水野くんが言った。
「何処にいんの?今からそっち行く、」
「えっ、何で…!」
「何でも何も、一緒に暮らしてんだから一緒に帰りゃいいじゃん」
「!」
すると公ちゃんは…
「そうだな。ちょい寂しいかもな」
そう言って、複雑そうな顔をした。
…え?それって…
そんな思わぬ公ちゃんの言葉に、あたしは思わず目を見開いて公ちゃんに言う。
「っ…ね、それってどういう意味!?まさかっ…」
けど…
「いや、真希が期待してるようなそういう意味じゃねーよ。
ただ、俺は真希を妹みたいに思ってるから…何つーの?ほら、兄貴みたいな立場としてちょっとだけ複雑…みたいなさ」
「…なぁんだ」
「ははっ、期待した?」
「かなりね」
「あほだ、」
公ちゃんはあたしの言葉にそう言うと、可笑しそうに笑う。
今のは、はっきりと公ちゃんに告白を断られたようなものだ。
それなのに……いつもと違って、不思議とそこまでショックじゃない。
そのことにあたしが独り首を傾げていると、その後ろで公ちゃんが小さな声でぼそっと呟いた。
「……何で水野だよ」
「え、何か言った?」
「何でもない、」
「?」
だけど公ちゃんは何も言ってはくれず、あたしの横を通り過ぎて先にすたすたと教室へと戻って行く。
公ちゃんのことは、確かに好きなはずなのに。
今は不思議なくらいに、あたしの中には「水野くん」がいるんだ…。
…………
ある日の放課後。
オレンジ色の陽ざしが射しこむ図書室で、あたしは独り勉強と格闘する。
一番苦手な数学の教科書を開いて暗号のような問題を解こうとするけれど、
さっきから右手に持っているシャーペンが、可笑しなくらいにピクリとも動かない。
…ってか、勉強に全く集中出来ない。わからない。
「はぁ~…ダメだ」
そしてあたしは独りそう呟いて盛大なため息を吐くと、大きな机の上にうなだれた。
そもそも普通のテストで赤点とるくらいだもん、追試なんかで点数があがるわけない。
第一、水野くんから言われた昨日の言葉で未だにショック受けてるっていうのに。
…って、ちょっと待て。
ショック?
いやいやいや…ショックじゃない。衝撃を受けただけ、うん。
あたしはそう思うと、再び教科書に載っている問題と向き合った。
すると、その時…
「?」
ふいにあたしの携帯に、電話がかかってきた。
…水野くんだ。
一瞬、出るかどうか迷ったけど…出ない理由もないから、仕方なくそれに出た。
「…もしもし?」
そしてあたしが電話に出ると、電話の向こうで水野くんが言う。
「真希、今まだ学校にいる?」
「…」
…ふいに耳元で呼ばれた名前に、思わずドキッとしてしまう。
…ってか、何でそんなこと聞くんだ?
そう思いながらも、あたしは右手でシャーペンを回しながら「いるよ」って答えた。
そして、それがどうしたの?って聞こうとしたら、水野くんが言った。
「何処にいんの?今からそっち行く、」
「えっ、何で…!」
「何でも何も、一緒に暮らしてんだから一緒に帰りゃいいじゃん」
「!」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる