32 / 42
第4章「怪しくない?」
翌朝の教室にて。
しおりを挟む
******
翌朝。
いつものように学校に来て、教室に入る。
真希が来ているか探したけれど、まだ来ていないみたいだ。
…なぁんだ、つまんない。
そしてスマホを開いてラインのチェックをするけど、真希や優大からも何も来ていない。
寂しすぎる。
そう思って自分の席につくと、その時ふいに同じクラスの女子数人に話しかけられた。
「歩美、」
「?」
その声にそこを振り向くと、そのコが何やら不満そうに言う。
「あんたの彼氏、浮気してるかもよ」
「え、」
そう言って、あたしの前の席に座って言葉を続けた。
「っていうか、絶対浮気してるって!」
「そ、そう…誰と?」
……嫌なこと言うなぁ。
そう思いながらも問いかけると、そのコがはっきりと答える。
「あんたの親友の真希と!」
そう言って、半ば怒ったような顔をして見せた。
あたしはその言葉に一瞬びっくりして頭の中が真っ白になるけれど、やがて笑って言う。
「え、何言ってんの?真希があたしを裏切るわけないじゃん」
心配するだけ無駄だよ、
そう思って笑うけど、そのコの真剣な表情は変わらない。
むしろあたしの返事にため息を吐くと、言った。
「もう、せっかく忠告してあげたのに。
あのね、一応疑っておいた方がいいよ。夕べ、水野くんと真希が二人で仲良く水野くんの家に入って行ったのを見たっていう生徒がいるんだから」
「!」
「気を付けなよ。ただでさえあんた元カレにも浮気されて別れたばっかでしょ?」
そのコはそう言うと、びっくりして固まるあたしから離れて行った。
……うそ。
嘘だ。
二人仲良く…?
そんなわけない、
なんて、必死にそう言い聞かせていると…
「歩美、おはよ!」
「!」
その時、真希が笑顔で登校してきた。
「…真希…」
あたしが真希を前にして動揺してしまっていると、そんなあたしに気づいていないらしい真希が言う。
「ね、聞いて聞いて!今日ね、公ちゃんのために肉じゃがコロッケ作ってきたの!
夕べの晩ごはんが肉じゃがだったから、リメイクしちゃった!」
真希は嬉しそうにそう言うと、「公ちゃん喜んでくれるかな~」ってニッコリ笑顔を浮かべる。
「……」
…そっか。
そうだよ。
真希はそもそも鈴宮くんのことが好きなんじゃん。
心配する必要なんかない。
「…鈴宮くんなら喜んでくれるよ」
あたしがそう思ってそう言うと、真希は「早くお昼にならないかな~」って呟いた。
…―――しかし。
翌朝。
いつものように学校に来て、教室に入る。
真希が来ているか探したけれど、まだ来ていないみたいだ。
…なぁんだ、つまんない。
そしてスマホを開いてラインのチェックをするけど、真希や優大からも何も来ていない。
寂しすぎる。
そう思って自分の席につくと、その時ふいに同じクラスの女子数人に話しかけられた。
「歩美、」
「?」
その声にそこを振り向くと、そのコが何やら不満そうに言う。
「あんたの彼氏、浮気してるかもよ」
「え、」
そう言って、あたしの前の席に座って言葉を続けた。
「っていうか、絶対浮気してるって!」
「そ、そう…誰と?」
……嫌なこと言うなぁ。
そう思いながらも問いかけると、そのコがはっきりと答える。
「あんたの親友の真希と!」
そう言って、半ば怒ったような顔をして見せた。
あたしはその言葉に一瞬びっくりして頭の中が真っ白になるけれど、やがて笑って言う。
「え、何言ってんの?真希があたしを裏切るわけないじゃん」
心配するだけ無駄だよ、
そう思って笑うけど、そのコの真剣な表情は変わらない。
むしろあたしの返事にため息を吐くと、言った。
「もう、せっかく忠告してあげたのに。
あのね、一応疑っておいた方がいいよ。夕べ、水野くんと真希が二人で仲良く水野くんの家に入って行ったのを見たっていう生徒がいるんだから」
「!」
「気を付けなよ。ただでさえあんた元カレにも浮気されて別れたばっかでしょ?」
そのコはそう言うと、びっくりして固まるあたしから離れて行った。
……うそ。
嘘だ。
二人仲良く…?
そんなわけない、
なんて、必死にそう言い聞かせていると…
「歩美、おはよ!」
「!」
その時、真希が笑顔で登校してきた。
「…真希…」
あたしが真希を前にして動揺してしまっていると、そんなあたしに気づいていないらしい真希が言う。
「ね、聞いて聞いて!今日ね、公ちゃんのために肉じゃがコロッケ作ってきたの!
夕べの晩ごはんが肉じゃがだったから、リメイクしちゃった!」
真希は嬉しそうにそう言うと、「公ちゃん喜んでくれるかな~」ってニッコリ笑顔を浮かべる。
「……」
…そっか。
そうだよ。
真希はそもそも鈴宮くんのことが好きなんじゃん。
心配する必要なんかない。
「…鈴宮くんなら喜んでくれるよ」
あたしがそう思ってそう言うと、真希は「早くお昼にならないかな~」って呟いた。
…―――しかし。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
Untangl~秘密の場所で逢いましょう~
猫田けだま
恋愛
17歳の夏の終わり。
家庭に居場所がなく、クラスでも浮いていた美緒と透吾は、偶然に使われていない弓道場を〝避難場所〟として共有することになる。
かたくなだった互いの心は、肩を寄せ合うことで少しずつやわらかに形を変えていくが……。
高校生編と社会人編の2部作です。
画像は、にじジャーニーさんで作成しています。

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】
まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と…
「Ninagawa Queen's Hotel」
若きホテル王 蜷川朱鷺
妹 蜷川美鳥
人気美容家 佐井友理奈
「オークワイナリー」
国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介
血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…?
華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。

不倫するクズ夫の末路 ~日本で許されるあらゆる手段を用いて後悔させる。全力で謝ってくるがもう遅い~
ネコ
恋愛
結婚してもうじき10年というある日、夫に不倫が発覚した。
夫は不倫をあっさり認め、「裁判でも何でも好きにしろよ」と開き直る。
どうやらこの男、分かっていないようだ。
お金を払ったら許されるという浅はかな誤解。
それを正し、後悔させ、絶望させて、破滅させる必要がある。
私は法律・不動産・経営・その他、あらゆる知識を総動員して、夫を破滅に追い込む。
夫が徐々にやつれ、痩せ細り、医者から健康状態を心配されようと関係ない。
これは、一切の慈悲なく延々と夫をぶっ潰しにかかる女の物語。
最初は調子に乗って反撃を試みる夫も、最後には抵抗を諦める。
それでも私は攻撃の手を緩めず、周囲がドン引きしようと関係ない。
現代日本で不倫がどれほどの行為なのか、その身をもって思い知れ!
救助隊との色恋はご自由に。
すずなり。
恋愛
22歳のほたるは幼稚園の先生。訳ありな雇用形態で仕事をしている。
ある日、買い物をしていたらエレベーターに閉じ込められてしまった。
助けに来たのはエレベーターの会社の人間ではなく・・・
香川「消防署の香川です!大丈夫ですか!?」
ほたる(消防関係の人だ・・・!)
『消防署員』には苦い思い出がある。
できれば関わりたくなかったのに、どんどん仲良くなっていく私。
しまいには・・・
「ほたるから手を引け・・!」
「あきらめない!」
「俺とヨリを戻してくれ・・!」
「・・・・好きだ。」
「俺のものになれよ。」
みんな私の病気のことを知ったら・・・どうなるんだろう。
『俺がいるから大丈夫』
そう言ってくれるのは誰?
私はもう・・・重荷になりたくない・・・!
※お話に出てくるものは全て、想像の世界です。現実のものとは何ら関係ありません。
※コメントや感想は受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
ただただ暇つぶしにでも読んでいただけたら嬉しく思います。
すずなり。

【完結】あわよくば好きになって欲しい(短編集)
野村にれ
恋愛
番(つがい)の物語。
※短編集となります。時代背景や国が違うこともあります。
※定期的に番(つがい)の話を書きたくなるのですが、
どうしても溺愛ハッピーエンドにはならないことが多いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる