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秘密の真相?
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「…アユミに何聞いたの?」
「…っ、」
「ぜんぶ、教えて?」
修史さんはそう言いながら、あたしの腕を掴んで離さない。
そしてあたしは今更ながらに気づいてしまった。
もしかして、ここに眼鏡を置いておいたのって、わざと?
やっぱり昨日のあのお風呂の時から何か疑ってたのかな。
あたしはそう思いながら、やがて修史さんに言った。
「…へ、部屋!」
「…」
「部屋が、部屋に違和感があるって言ってた。灰皿がないとか、修の部屋じゃないみたい、とか」
「…それで?」
「あとは…アユミさんの高校の時の好きな人の話、とか」
「…」
「で、でも!修史さんの話じゃなかったから!あくまで、アユミさんの高校の時の話、で」
だから、そこまで気にするような話じゃないと思う、と。
あたしは何とかいつもの修史さんに戻ってほしくて、明るく振舞ってみる。
だけど、修史さんの表情は変わらない。
変わらないまま、再び口を開いてあたしに問いかけてきた。
「鏡子は?」
「え、」
「鏡子は、その話聴いて、どう思った?」
「…」
そう言って、あたしの目をまっすぐに見つめる。から…
でも、疑っちゃいました、なんて言えない。
疑って、クローゼットを開けようとしたこととか、言えるわけがない。
修史さん今怒ってるのかな。でもそんな雰囲気にも見えない…かも。わからないけど。
あたしはそう思いながら、修史さんから目を逸らして言った。
「ど、どうって…いや、部屋に違和感があるのは、あたしがこの部屋にいるからじゃないかな?
まぁアユミさんにはそんなことは言わなかったけど…」
「俺の部屋じゃないみたいってのは?」
「そ、それはだってホラ…あたしのものも、増えてるし」
「…鏡子、俺の目見て」
「!」
あたしが修史さんの問いかけにそう答えていると、修史さんが不意にそう言うから。
その言葉に再び修史さんに目をやると、心なしか、修史さんが少しだけ不安そうな顔をしている気がした。
…怒って、ない、のかな…?
あたしがそう思っていると、修史さんが言う。
「もしも鏡子が不安に思ってるなら正直に言ってほしい。嘘つかないで教えて」
「…、」
「俺も正直に話すから」
修史さんはそう言うと、掴んでいたあたしの腕を離して、あたしの言葉を待つ。
きっと、修史さんもアユミさんが出たらめを話したかもしれないんで不安なのかもしれない。
あたしは修史さんを見たら、何だかそんな気がした。
だって今目の前にいる修史さんはあたしのことを不安げに見てくるから。
あたしはそんな修史さんを前にして、やがて口を開くと、言った。
「…正直、アユミさんに聞いた時は不安だった。
直接名前を聞いたわけではないけど、でもあの時話の流れ的に、アユミさんが言ってたその人が、修史さんみたいに聞こえたから」
「…」
「でも、今は信じてる。だって修史さん、あたしが広喜くんのことで色々あった時守ってくれたから」
「…」
「正直、それ思い出して、今の不安そうな修史さんの顔を見たら、不安なんて消えちゃった」
あたしはそう言うと、「だから不安がんないで」と、修史さんに言う。
大丈夫。修史さんが伊達メガネでも、たばこを吸っていても、何しててもあたしは修史さんが好き。
修史さんはあたしの言葉を聞くと、「なんだ…」と両手で顔を覆った。
「…マジ終わったかと思った」
「うん?」
「アユミが、何か変なこと言ったんじゃねぇかなって」
「…」
「俺昔から人に誤解されるとこあんの。昔から、女とっかえひっかえしてるとか、泣かせてるとかほんといろいろ。そもそも俺の体はひとつしかねぇっつの。俺ずっと鏡子だけだったんだよ」
「!」
修史さんはそう言うと、顔を覆っていた手を離して、「鏡子」とあたしの方を振り向く。
そして何を言うのかと思えば、「ごめん!」と一言謝ってきた。
不安にさせてごめん、と。
「…ううん。あたしも疑っちゃってごめんね。でも、修史さんが不安そうな顔してるの見たら安心しちゃった」
「…」
「…あ、でも、眼鏡は結局お洒落眼鏡なの?目が悪いんじゃなくて?」
あたしがふいに眼鏡のことを思い出してそう聞くと、修史さんが言った。
「俺目が良いんだけど、でも眼鏡かけてたら誠実な男に見えるかなぁって」
「…夏木さんが、修史さんは目が悪いって言ってたって」
「ああ、聞いたの?せっかく誠実に見せてんのにそこで伊達だってバラしちゃったら水の泡だから」
…そっか。そういうことなんだ。なるほど。
あたしは修史さんの話を聴くと、そこでようやく納得する。
そして聞けば、たばこはあたしが嫌いかと思って目の前で吸わなかっただけだと言った。
…なぁんだ。そうなんだ。ちょっと心配して損しちゃった。
あたしは心から安堵すると、修史さんに言った。
「でも、モテる男も大変だね」
「え?」
「だって、普段から色んな噂立てられたりするんでしょ?辛いね」
あたしはアユミさんが言っていた話を思い出しながらそう言うと、ソファーから立ち上がってキッチンに向かった。
そしてコップにお茶をいれていると、やがてそんなあたしの言葉に修史さんが言う。
「…あることないこと言われたりしたかな」
修史さんはそう言うと、深く息を吐いてソファーの背もたれに体を預けた…。
…………
その夜。
鏡子が隣で眠る姿を、俺はスマホのカメラにおさめる。
そして思い浮かべるのは、今日彼女と交わした会話。
『…アユミに何聞いたの?』
『部屋が、部屋に違和感があるって言ってた』
『アユミさんの高校の時の好きな人の話、とか』
『…正直、アユミさんに聞いた時は不安だった』
『でも、今は信じてる』
『不安なんて消えちゃった』
「…、」
それにしても、今日のはマジで危なかったな。
不安な顔、作って正解だった。何より鏡子が俺を信じてくれたわけだし。
「…いいコだね」
俺は眠っている鏡子にそう呟くと、鏡子の頭を優しく撫でてキスをした…。
「…っ、」
「ぜんぶ、教えて?」
修史さんはそう言いながら、あたしの腕を掴んで離さない。
そしてあたしは今更ながらに気づいてしまった。
もしかして、ここに眼鏡を置いておいたのって、わざと?
やっぱり昨日のあのお風呂の時から何か疑ってたのかな。
あたしはそう思いながら、やがて修史さんに言った。
「…へ、部屋!」
「…」
「部屋が、部屋に違和感があるって言ってた。灰皿がないとか、修の部屋じゃないみたい、とか」
「…それで?」
「あとは…アユミさんの高校の時の好きな人の話、とか」
「…」
「で、でも!修史さんの話じゃなかったから!あくまで、アユミさんの高校の時の話、で」
だから、そこまで気にするような話じゃないと思う、と。
あたしは何とかいつもの修史さんに戻ってほしくて、明るく振舞ってみる。
だけど、修史さんの表情は変わらない。
変わらないまま、再び口を開いてあたしに問いかけてきた。
「鏡子は?」
「え、」
「鏡子は、その話聴いて、どう思った?」
「…」
そう言って、あたしの目をまっすぐに見つめる。から…
でも、疑っちゃいました、なんて言えない。
疑って、クローゼットを開けようとしたこととか、言えるわけがない。
修史さん今怒ってるのかな。でもそんな雰囲気にも見えない…かも。わからないけど。
あたしはそう思いながら、修史さんから目を逸らして言った。
「ど、どうって…いや、部屋に違和感があるのは、あたしがこの部屋にいるからじゃないかな?
まぁアユミさんにはそんなことは言わなかったけど…」
「俺の部屋じゃないみたいってのは?」
「そ、それはだってホラ…あたしのものも、増えてるし」
「…鏡子、俺の目見て」
「!」
あたしが修史さんの問いかけにそう答えていると、修史さんが不意にそう言うから。
その言葉に再び修史さんに目をやると、心なしか、修史さんが少しだけ不安そうな顔をしている気がした。
…怒って、ない、のかな…?
あたしがそう思っていると、修史さんが言う。
「もしも鏡子が不安に思ってるなら正直に言ってほしい。嘘つかないで教えて」
「…、」
「俺も正直に話すから」
修史さんはそう言うと、掴んでいたあたしの腕を離して、あたしの言葉を待つ。
きっと、修史さんもアユミさんが出たらめを話したかもしれないんで不安なのかもしれない。
あたしは修史さんを見たら、何だかそんな気がした。
だって今目の前にいる修史さんはあたしのことを不安げに見てくるから。
あたしはそんな修史さんを前にして、やがて口を開くと、言った。
「…正直、アユミさんに聞いた時は不安だった。
直接名前を聞いたわけではないけど、でもあの時話の流れ的に、アユミさんが言ってたその人が、修史さんみたいに聞こえたから」
「…」
「でも、今は信じてる。だって修史さん、あたしが広喜くんのことで色々あった時守ってくれたから」
「…」
「正直、それ思い出して、今の不安そうな修史さんの顔を見たら、不安なんて消えちゃった」
あたしはそう言うと、「だから不安がんないで」と、修史さんに言う。
大丈夫。修史さんが伊達メガネでも、たばこを吸っていても、何しててもあたしは修史さんが好き。
修史さんはあたしの言葉を聞くと、「なんだ…」と両手で顔を覆った。
「…マジ終わったかと思った」
「うん?」
「アユミが、何か変なこと言ったんじゃねぇかなって」
「…」
「俺昔から人に誤解されるとこあんの。昔から、女とっかえひっかえしてるとか、泣かせてるとかほんといろいろ。そもそも俺の体はひとつしかねぇっつの。俺ずっと鏡子だけだったんだよ」
「!」
修史さんはそう言うと、顔を覆っていた手を離して、「鏡子」とあたしの方を振り向く。
そして何を言うのかと思えば、「ごめん!」と一言謝ってきた。
不安にさせてごめん、と。
「…ううん。あたしも疑っちゃってごめんね。でも、修史さんが不安そうな顔してるの見たら安心しちゃった」
「…」
「…あ、でも、眼鏡は結局お洒落眼鏡なの?目が悪いんじゃなくて?」
あたしがふいに眼鏡のことを思い出してそう聞くと、修史さんが言った。
「俺目が良いんだけど、でも眼鏡かけてたら誠実な男に見えるかなぁって」
「…夏木さんが、修史さんは目が悪いって言ってたって」
「ああ、聞いたの?せっかく誠実に見せてんのにそこで伊達だってバラしちゃったら水の泡だから」
…そっか。そういうことなんだ。なるほど。
あたしは修史さんの話を聴くと、そこでようやく納得する。
そして聞けば、たばこはあたしが嫌いかと思って目の前で吸わなかっただけだと言った。
…なぁんだ。そうなんだ。ちょっと心配して損しちゃった。
あたしは心から安堵すると、修史さんに言った。
「でも、モテる男も大変だね」
「え?」
「だって、普段から色んな噂立てられたりするんでしょ?辛いね」
あたしはアユミさんが言っていた話を思い出しながらそう言うと、ソファーから立ち上がってキッチンに向かった。
そしてコップにお茶をいれていると、やがてそんなあたしの言葉に修史さんが言う。
「…あることないこと言われたりしたかな」
修史さんはそう言うと、深く息を吐いてソファーの背もたれに体を預けた…。
…………
その夜。
鏡子が隣で眠る姿を、俺はスマホのカメラにおさめる。
そして思い浮かべるのは、今日彼女と交わした会話。
『…アユミに何聞いたの?』
『部屋が、部屋に違和感があるって言ってた』
『アユミさんの高校の時の好きな人の話、とか』
『…正直、アユミさんに聞いた時は不安だった』
『でも、今は信じてる』
『不安なんて消えちゃった』
「…、」
それにしても、今日のはマジで危なかったな。
不安な顔、作って正解だった。何より鏡子が俺を信じてくれたわけだし。
「…いいコだね」
俺は眠っている鏡子にそう呟くと、鏡子の頭を優しく撫でてキスをした…。
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