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五章 第四皇子、白百合のために抗す。
5-5 無実の断罪
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「父上……陛下!」
皇帝の執務の場である内殿に、燎琉は近衛士卒の制止を振り切るようにして駆け込んだ。
そこには意外なことに、母皇后の姿もある。皇帝と皇后とがそろうその傍らには、数人の侍官や侍女が控えていた。
そして、彼らの前に、後ろ手に縄を受ける恰好で拘束された瓔偲が、跪かされ、項垂れていた。
瓔偲の後ろにはふたり、棒を持った士卒がいる。それは完全に、咎人が皇帝の前に引き立てられている、と、そんな様子だった。
「これはいったい……どういうことですか、父上」
なぜ瓔偲が、と、燎琉は父皇帝に鋭い視線を向けて言い放った。
皇帝は、ふう、と、息をつく。
「そなたとその者の婚姻については、現在を以て白紙だ」
父がそう宣し、燎琉は目を瞠った。
「なぜ、急に」
「訴えがあった。この者は、自らが癸性を有することを利用して、そなたを籠絡せんとした、とな。発情抑制のための薬を敢えて服用せず、そなたの発情を誘って、つがいとなった。この所業は、我が皇子の身に生涯消えぬ傷を負わせたに等しい。――燎琉、そなたが皇后の産んだ唯一の子、次期皇太子とも目される皇子であったことを思えば、叛逆罪にも準ずる罪だ」
「っ、事実無根です! 瓔偲はそんなことはしていない! むしろ……!」
むしろそのことで罪に問われるならば、それは黒幕と判明した宋英章や、宋清歌であるはずだ。場合によっては、第三皇子・朱煌泰の母である万貴妃や、その一族も、陰謀には関わっているのかもしれない。
燎琉は皇帝の前に出て、そう訴えようとした。
だが、そうすることは叶わなかった。
「黙れ」
皇帝は鋭いひと言で燎琉の言葉と動作とを制すると、ちら、と、近衛の者に目で合図をした。それを受けた士卒がふたり動き、左右から、燎琉を羽交い絞めるように拘束する。
「っ、なにをする!」
燎琉は目を怒らせて抵抗を試みたが、こちらを捕える士卒の腕はすこし弛まなかった。
「父上……陛下! なぜです! 瓔偲はなにも……!」
身体の自由を奪われながらも、父皇帝を真っ向から見据える。しかし、相手は表情ひとつ動かさなかった。その不自然なほど凪いだ父の態度に、燎琉は、まさか、と、息を呑んで大きく目を瞠った。
「父上は、わかっておいでなのですか……もとより瓔偲に罪がないことは」
それでも敢えて瓔偲を断罪しようとしているのか。
「なぜ……?」
いったい、なぜだ。なぜそんなことになるのだろうか。
信じられない思いで父帝の顔を見て、燎琉は顔をしかめた。いったいこの件を最初に皇帝の耳に入れたのは誰だろう。宋清歌か、あるいはその侍女の口から、おそらくは宋英章へと事態は伝わった。そして、その英章が、たとえば六部を束ねる長官である万尚書令に泣きついたとしたら、どうだろう。
万家の当主から、妹である万貴妃に話が伝わる。そして、貴妃の口から、今度は燎琉の父皇帝に訴えがいったのではなかったか。
さらに、事について聴き及んだ皇帝が、なによりも朝廷の安定をまず第一に重んじたのだとしたら――……。
重鎮の宋家を、万家を、急に失墜させるわけにはいかない。万貴妃を、その子・煌泰を、その罪に連座させるわけにもいかない。もしもそんなことになれば、践祚よりまだわずか二年あまりの父帝の朝廷にとって、たいへんな大嵐だからだ。
だったら、彼らの罪には目を瞑り、代わりに別の者を罪する――人身御供のように犠牲にする――ことで、この難局を乗り切ってしまうほうが早い、と、父はそう考えたのだ。その結果が、瓔偲に罪を着せるかたちでの、捕縛である。
「父上は……瓔偲ひとりにすべての責を負わせ、それで、今度のことを幕引きにするおつもりですか」
燎琉は父を見ながら、呆然と呟いた。それから、き、と、視線を鋭くする。
「っ、罪のない瓔偲に、父上は濡れ衣を着せるのか!」
宋家や万家は、いますぐは、失えない。だから、かわりに瓔偲を捨てるというのか。
瓔偲ならば、捨てても良いのか。呆気なく。迷うこともなく。犠牲にされても良いと言うのか。取るに足らぬ書吏だからか。それとも――……癸性だからか。
燎琉は眉根を吊り上げ、声を荒らげた。
「そんなことが、赦されるはずがない……!」
父帝を真っ直ぐに睨めつけて吐き棄てる。
父は不愉快そうに片眉を動かした。が、何かを――燎琉の発言に対する否定も肯定も――言うことはない。
その沈黙は紛うことなき肯定だ、と、燎琉は思った。
「陛下……ご再考を」
歯を食いしばりながら、非難するように父を呼ぶ。
「黙りなさい、皇子」
そんな燎琉に対して、今度口を開いたのは母皇后だった。ぴしりとした口調で息子を咎めると、母はまるで不快なものでも見るときのように眉間に皺を寄せ、瓔偲に視線をやる。
「癸性の者など、もとより、あなたの妃にはふさわしくなかったのです」
冷たい声で言い棄てる。
それを耳にした燎琉は、ふいに、叔父の鵬明の言葉を思い出していた。
そういえば、この母は最初から、瓔偲に毒杯を賜えと皇帝に訴えていたのだという。万貴妃や、その子・煌泰が失脚すれば、それは燎琉を皇太子にと望む母后にとっては喜ばしいことであるはずだ。だが、それをいったん措いてでも、母はまず瓔偲を燎琉から引き離すことを優先することを選んだのだ、と、燎琉は諒解した。
だからこそ皇后はいま父帝とともにこの場にたっているのだ、と、燎琉は暗澹たる想いでうつむいた。父も、母も、瓔偲をなんだと思っているのだろう。彼だって心あるひとりの人間なのに、自分たちの都合で、盤上の駒かなにかのように、好き勝手に扱おうとしている。
真っ赤な怒りが湧いた。燎琉は、ぎり、と、てのひらを握り込み、くちびるを噛んだ。
だが母皇后は、こちらのそんな様子には気がつかないらしい。
「父上に……皇帝陛下に感謝なさい、燎琉」
噛んで含めるようにそう言った。
「わたくしの、かわいい燎琉。その者とのつがいの関係が解消されれば、あなたは再び自由なのですよ……何の枷もなくなるのです。そうなれば、あなたは今度こそ、あなたにふさわしい妃を娶ることが出来るわ。――こんな者ではなく、ほんとうに、次期皇太子にふさわしい相手を迎えれられる」
そう連ねられる母の言葉は、燎琉に激しい嫌悪感をもたらした。
吐き気がする。誰も彼も、ほんとうに、なんと身勝手なのだろう。瓔偲を何だと思っているのだ、と、昨日、宋家の令嬢に対して感じたのと同じ思いが、ふつふつと湧いた。
だがそこで、ふと、聞き捨てならぬ母皇后の言葉を聞き咎める。
「瓔偲とのつがいの関係を、解消……?」
母はいま、そう言わなかっただろうか。
けれども、そんなことは不可能だ。
甲癸の間で一度結ばれたつがいの関係は、終生にわたって続くはずである。どちらかが死ぬまで、それは解けることなどない。一方の死、それによってのみしか、解消されえないものだった。
「ちち、うえ……?」
燎琉は息を呑み、目を瞠って皇帝を見た。
父は苦々しい表情をしている。それを見て、燎琉は一瞬で悟った――……間違いない。父帝は瓔偲に死罪を言い渡すつもりなのだ。
そも、父は瓔偲の罪を、叛逆罪に準ずると言ったではないか。その刑罰は、もとより、死罪である。母がはじめからそうするよう求めていたとおりの賜杯――毒の入った酒杯を賜うこと――だ。
「っ、そんなのは、おかしい……!」
そんなことが赦されてなるものか。だって、瓔偲に罪はないのだ。ただただ懸命に国官として勤めてきただけなのに、こんな理不尽があるだろうか。
「させるか……!」
燎琉は歯を食いしばり、己を押さえつける士卒の手を振りほどこうと思い切り暴れた。だが、ますます力を籠めて押さえつけられ、ついには、腕を捻りあげられ、動きを封じられてしまう。
「っ、瓔偲……!」
必死に声を上げる。
すると、それまでずっとおとなしく黙ったままで首を垂れていた瓔偲が、その瞬間、わずかに視線を持ち上げた。
黒曜石の眸が燎琉を見る。なにか眩いものでも見るときのように、瓔偲はすぅっと目を眇めた。
「殿下」
やわらかな声が燎琉を呼ぶ。燎琉ははっとして真っ直ぐに相手を見詰めた。
瓔偲は――もはやすべてを諦めた者のように――かすかに、わらう。仕方がない、慣れている、だってわたしは癸性なのだから、と、彼のしずかな微笑は、あまりにも深くかなしい諦念を滲ませて、そう語っていた。
「瓔偲……」
燎琉が歯を喰い締めて名を呼んだとき、皇帝の声が辺りに響いた。
「第四皇子・朱燎琉を害した廉により、郭瓔偲に毒杯を賜う」
皇帝の執務の場である内殿に、燎琉は近衛士卒の制止を振り切るようにして駆け込んだ。
そこには意外なことに、母皇后の姿もある。皇帝と皇后とがそろうその傍らには、数人の侍官や侍女が控えていた。
そして、彼らの前に、後ろ手に縄を受ける恰好で拘束された瓔偲が、跪かされ、項垂れていた。
瓔偲の後ろにはふたり、棒を持った士卒がいる。それは完全に、咎人が皇帝の前に引き立てられている、と、そんな様子だった。
「これはいったい……どういうことですか、父上」
なぜ瓔偲が、と、燎琉は父皇帝に鋭い視線を向けて言い放った。
皇帝は、ふう、と、息をつく。
「そなたとその者の婚姻については、現在を以て白紙だ」
父がそう宣し、燎琉は目を瞠った。
「なぜ、急に」
「訴えがあった。この者は、自らが癸性を有することを利用して、そなたを籠絡せんとした、とな。発情抑制のための薬を敢えて服用せず、そなたの発情を誘って、つがいとなった。この所業は、我が皇子の身に生涯消えぬ傷を負わせたに等しい。――燎琉、そなたが皇后の産んだ唯一の子、次期皇太子とも目される皇子であったことを思えば、叛逆罪にも準ずる罪だ」
「っ、事実無根です! 瓔偲はそんなことはしていない! むしろ……!」
むしろそのことで罪に問われるならば、それは黒幕と判明した宋英章や、宋清歌であるはずだ。場合によっては、第三皇子・朱煌泰の母である万貴妃や、その一族も、陰謀には関わっているのかもしれない。
燎琉は皇帝の前に出て、そう訴えようとした。
だが、そうすることは叶わなかった。
「黙れ」
皇帝は鋭いひと言で燎琉の言葉と動作とを制すると、ちら、と、近衛の者に目で合図をした。それを受けた士卒がふたり動き、左右から、燎琉を羽交い絞めるように拘束する。
「っ、なにをする!」
燎琉は目を怒らせて抵抗を試みたが、こちらを捕える士卒の腕はすこし弛まなかった。
「父上……陛下! なぜです! 瓔偲はなにも……!」
身体の自由を奪われながらも、父皇帝を真っ向から見据える。しかし、相手は表情ひとつ動かさなかった。その不自然なほど凪いだ父の態度に、燎琉は、まさか、と、息を呑んで大きく目を瞠った。
「父上は、わかっておいでなのですか……もとより瓔偲に罪がないことは」
それでも敢えて瓔偲を断罪しようとしているのか。
「なぜ……?」
いったい、なぜだ。なぜそんなことになるのだろうか。
信じられない思いで父帝の顔を見て、燎琉は顔をしかめた。いったいこの件を最初に皇帝の耳に入れたのは誰だろう。宋清歌か、あるいはその侍女の口から、おそらくは宋英章へと事態は伝わった。そして、その英章が、たとえば六部を束ねる長官である万尚書令に泣きついたとしたら、どうだろう。
万家の当主から、妹である万貴妃に話が伝わる。そして、貴妃の口から、今度は燎琉の父皇帝に訴えがいったのではなかったか。
さらに、事について聴き及んだ皇帝が、なによりも朝廷の安定をまず第一に重んじたのだとしたら――……。
重鎮の宋家を、万家を、急に失墜させるわけにはいかない。万貴妃を、その子・煌泰を、その罪に連座させるわけにもいかない。もしもそんなことになれば、践祚よりまだわずか二年あまりの父帝の朝廷にとって、たいへんな大嵐だからだ。
だったら、彼らの罪には目を瞑り、代わりに別の者を罪する――人身御供のように犠牲にする――ことで、この難局を乗り切ってしまうほうが早い、と、父はそう考えたのだ。その結果が、瓔偲に罪を着せるかたちでの、捕縛である。
「父上は……瓔偲ひとりにすべての責を負わせ、それで、今度のことを幕引きにするおつもりですか」
燎琉は父を見ながら、呆然と呟いた。それから、き、と、視線を鋭くする。
「っ、罪のない瓔偲に、父上は濡れ衣を着せるのか!」
宋家や万家は、いますぐは、失えない。だから、かわりに瓔偲を捨てるというのか。
瓔偲ならば、捨てても良いのか。呆気なく。迷うこともなく。犠牲にされても良いと言うのか。取るに足らぬ書吏だからか。それとも――……癸性だからか。
燎琉は眉根を吊り上げ、声を荒らげた。
「そんなことが、赦されるはずがない……!」
父帝を真っ直ぐに睨めつけて吐き棄てる。
父は不愉快そうに片眉を動かした。が、何かを――燎琉の発言に対する否定も肯定も――言うことはない。
その沈黙は紛うことなき肯定だ、と、燎琉は思った。
「陛下……ご再考を」
歯を食いしばりながら、非難するように父を呼ぶ。
「黙りなさい、皇子」
そんな燎琉に対して、今度口を開いたのは母皇后だった。ぴしりとした口調で息子を咎めると、母はまるで不快なものでも見るときのように眉間に皺を寄せ、瓔偲に視線をやる。
「癸性の者など、もとより、あなたの妃にはふさわしくなかったのです」
冷たい声で言い棄てる。
それを耳にした燎琉は、ふいに、叔父の鵬明の言葉を思い出していた。
そういえば、この母は最初から、瓔偲に毒杯を賜えと皇帝に訴えていたのだという。万貴妃や、その子・煌泰が失脚すれば、それは燎琉を皇太子にと望む母后にとっては喜ばしいことであるはずだ。だが、それをいったん措いてでも、母はまず瓔偲を燎琉から引き離すことを優先することを選んだのだ、と、燎琉は諒解した。
だからこそ皇后はいま父帝とともにこの場にたっているのだ、と、燎琉は暗澹たる想いでうつむいた。父も、母も、瓔偲をなんだと思っているのだろう。彼だって心あるひとりの人間なのに、自分たちの都合で、盤上の駒かなにかのように、好き勝手に扱おうとしている。
真っ赤な怒りが湧いた。燎琉は、ぎり、と、てのひらを握り込み、くちびるを噛んだ。
だが母皇后は、こちらのそんな様子には気がつかないらしい。
「父上に……皇帝陛下に感謝なさい、燎琉」
噛んで含めるようにそう言った。
「わたくしの、かわいい燎琉。その者とのつがいの関係が解消されれば、あなたは再び自由なのですよ……何の枷もなくなるのです。そうなれば、あなたは今度こそ、あなたにふさわしい妃を娶ることが出来るわ。――こんな者ではなく、ほんとうに、次期皇太子にふさわしい相手を迎えれられる」
そう連ねられる母の言葉は、燎琉に激しい嫌悪感をもたらした。
吐き気がする。誰も彼も、ほんとうに、なんと身勝手なのだろう。瓔偲を何だと思っているのだ、と、昨日、宋家の令嬢に対して感じたのと同じ思いが、ふつふつと湧いた。
だがそこで、ふと、聞き捨てならぬ母皇后の言葉を聞き咎める。
「瓔偲とのつがいの関係を、解消……?」
母はいま、そう言わなかっただろうか。
けれども、そんなことは不可能だ。
甲癸の間で一度結ばれたつがいの関係は、終生にわたって続くはずである。どちらかが死ぬまで、それは解けることなどない。一方の死、それによってのみしか、解消されえないものだった。
「ちち、うえ……?」
燎琉は息を呑み、目を瞠って皇帝を見た。
父は苦々しい表情をしている。それを見て、燎琉は一瞬で悟った――……間違いない。父帝は瓔偲に死罪を言い渡すつもりなのだ。
そも、父は瓔偲の罪を、叛逆罪に準ずると言ったではないか。その刑罰は、もとより、死罪である。母がはじめからそうするよう求めていたとおりの賜杯――毒の入った酒杯を賜うこと――だ。
「っ、そんなのは、おかしい……!」
そんなことが赦されてなるものか。だって、瓔偲に罪はないのだ。ただただ懸命に国官として勤めてきただけなのに、こんな理不尽があるだろうか。
「させるか……!」
燎琉は歯を食いしばり、己を押さえつける士卒の手を振りほどこうと思い切り暴れた。だが、ますます力を籠めて押さえつけられ、ついには、腕を捻りあげられ、動きを封じられてしまう。
「っ、瓔偲……!」
必死に声を上げる。
すると、それまでずっとおとなしく黙ったままで首を垂れていた瓔偲が、その瞬間、わずかに視線を持ち上げた。
黒曜石の眸が燎琉を見る。なにか眩いものでも見るときのように、瓔偲はすぅっと目を眇めた。
「殿下」
やわらかな声が燎琉を呼ぶ。燎琉ははっとして真っ直ぐに相手を見詰めた。
瓔偲は――もはやすべてを諦めた者のように――かすかに、わらう。仕方がない、慣れている、だってわたしは癸性なのだから、と、彼のしずかな微笑は、あまりにも深くかなしい諦念を滲ませて、そう語っていた。
「瓔偲……」
燎琉が歯を喰い締めて名を呼んだとき、皇帝の声が辺りに響いた。
「第四皇子・朱燎琉を害した廉により、郭瓔偲に毒杯を賜う」
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