18 / 60
三章 第四皇子、白百合を知りゆく。
3-3 堤普請の冊子
しおりを挟む
職場である工部官舎の奥、物置のようになっている一室の、堆く積まれた書物の中に冊子はあった。古紙と墨と、それから埃っぽい独特の匂いの漂う室内で、そこの空気だけが、不思議なほどに清澄なそれのように思われた。
それはまさに、まるでなにかに導かれたかのような瞬間だったのだ。凛と澄んだ気に気を引かれるかのごとく、気がつけば燎琉は、その冊子を手に取っていた。
「これはどうも、数年前、匿名で前帝のもとへと奏上されてきた書き付けらしい」
瓔偲の問いに答えるように、燎琉は言った。
「内容が威水の堤の普請についてだったから、そのまま工部尚書の手に渡ったということなんだが……ほら、見てくれ。威水の氾濫の歴史が、その時の雨の様子、河の様子、それから越水時の被害なんかも含めて、子細に渡って、まとめ記されているだろう? その上で、堤の構造について考え得る工夫なんかも書かれている」
燎琉が現在たずさわっている案件からすれば、この冊子に記された内容は、実に有り難い示唆に富むものばかりだった。偶然これを見つけて以来、常に携行し、読み込んで、様々な検討を進めている。
「本当は、これを書いた者に会えればいろいろと話を聴けて一番いいんだが、なにしろ、誰が送ってきたものかもわからない。だからせめて、この冊子の内容を手掛かりに、俺もいろいろ調べてみようと思って……それで、昭文殿通いをしていた」
そこまでを勢いのままに一気に語った燎琉は、ふと、瓔偲がますます大きく目を瞠って、瞬きながらこちらを見ているのに気が付いた。
「どうした?」
相手の表情を不思議に思って目を瞬いてから、自分が一方的につらつらと喋っていた状況はっと気がついた。
「す、すまない。その……つい、熱くなった」
どことなく恥ずかしく、口籠るように言う。
「つまらなかったか?」
興味がなかっただろうかと案じて、窺うように問いかけた。
「まさか」
瓔偲はきっぱりと首を振る。
「ただ……」
「なんだ?」
はっきりしない態度を怪訝に思って眉をしかめたら、それでも一拍黙った後で、瓔偲は微笑した。
「その……すこし、驚いたのです」
「いったい何を驚くというんだ?」
「いえ、その……皇族がたは国府にそれぞれ職掌を得られておられますが、それはほとんどが名誉職のようなものでしょう? でも、殿下は違うのだな、と、そう思って」
つまり、燎琉が工部で実際に職務を担っているようなのに驚いたということらしかった。
事実、皇族男子は成人と同時に国府に出仕するようになるとはいえ、大抵の場合、それは名目上のことに過ぎない。例外といえば、現在、戸部員外郎として実質的に勤めている――しかも敏腕との呼び声高い――叔父、皇弟・鵬明くらいのものだろう。
だが朱鵬明という人は――甥の燎琉から見ても――皇族において、少々変わり者の部類に入る人物である。一般の皇族の在り方の参考にはならなかった。
自らは皇弟であり、かつ、その母は、現帝の実母ではないとはいえ、皇太后の位にある。しかも母方の伯父は門下侍中という最高位の官僚であるからこそ、好き勝手していても、誰も表立っては文句を言えないだけのことだった。
そんな叔父を除いては、皇族の国府における職務は、たしかに普通は名ばかりのそれでしかなかった。
「威水の堤の修繕を担っておられるといっても、殿下の、すなわち皇帝の御子の御名の下に行われれば、民はそれだけで安心します。ですから、殿下の職掌も、あるいはそういうことなのかと……鵬明殿下からは、殿下が任されていらっしゃるお仕事について聞いてはおりましたのに、すみません、無意識に殿下を見縊っていたのかもしれません」
「別に……進士のお前からしたら、俺のやっている仕事など、実際、たいしたものでもないのかもしれんが」
ふん、と、ちいさく鼻を鳴らしたら、また驚いたように目を瞠った瓔偲が、とんでもない、と、首を振った。
「堤のこと、先程、殿下が仰いました通りかと……威水の傍に暮らす民のためにも、ぜひとも、良いお仕事をなさってくださいますよう、僭越ながら心よりお願い申し上げます」
どうかよろしく、と、そんなことを微笑みながら言われたとき、燎琉はいままでに味わったことのない感情が胸のうちに湧くのを覚えた。なんだろう、くひどくすぐったいような、誇らしいような、不思議なきもちだ。
「どうかなさいましたか、殿下……?」
燎琉の変化を目敏く見て取ったらしい瓔偲が、ちいさく首を傾げる。
「別に、なんでもない……!」
燎琉は、ついつい、そう強がるような返答をしていた。けれども、湧き起こった言明しがたい想いは、たしかに燎琉の胸にじんわりと沁みている。
そういえば、と、燎琉は思い出していた。
母の計らいで幾度か宋家令嬢である清歌に会った時にも、同じように、燎琉は自らの携わる仕事の話にふれたことがあった気がする。そのときの相手は、いま瓔偲が微笑を以て燎琉の話を聴いていたのと同様に、おっとりと笑いながらこちらの話を聴いてくれていた。
だが、いまのような気持ちは、燎琉の中に湧きはしなかった。
清歌は燎琉よりも年下の娘である。おそらくは、燎琉の話す堤の修繕のことになど、さして関心がなかったのではないかと思う。一応は頷きながら耳を傾けてくれてはいたが、形ばかり。ただ、それだけのことだった。
だが、瓔偲は違う。
いま彼は、燎琉の携わる仕事についてきちんと理解し、受け止めた上で、こちらに言葉を返してくれたのだ。それがなんともうれしいような、照れくさいような、そんな不可思議な気分だった。
燎琉が自分の中に生じた奇妙な感覚に戸惑ううちに、瓔偲はこちらをしっかと見詰め、それから丁寧に頭を下げる。
「いっていらっしゃいませ、殿下」
そう見送りの言葉を口にしてから、あ、と、思い当たったように顔を上げた。
その表情は、しまった、と、そんなふうな色をありありと浮かべている。
「お支度と、朝餉が先ですね」
ちいさく苦笑を浮かべられて、たしかにな、と、燎琉は起き抜けのままの己の恰好を思い出した。
こちらも苦笑して、身支度を整えるために、書房から正房へと戻る。ふと思いついて、こちらの半歩ほど後ろに付き従った瓔偲を振り返った。
「工部での仕事が早く済んだら、その後、戸部へ寄ってきても良いか? お前の同僚の話も聞きたいし」
戸部は瓔偲の勤めていた部署だった。
たとえば瓔偲の飲んでいた薬に何らかの手が加えられていたとするなら、それを為したのは瓔偲を恨んだり嫉んだりしている者かもしれない、と、彼は言っていた。ならば彼の周囲に関する情報を集めておきたい、と、そう考えての燎琉の発言だ。
だがこれに瓔偲はふと息を呑み、わずかに複雑そうな表情を見せた。
「……どうした?」
気になってそう問うたが、いえ、と、相手は首を振る。
「なんでもありません」
そう言ったときにはもう、何かを奥に押し込めるかのような静かな微笑が、瓔偲の頬には張りついていた。
「あの、殿下」
「ん?」
「殿下がお留守の間、わたしはこちらの書房にいてもかまわないでしょうか?」
そう言って、いま後にしたばかりの、燎琉の書房を振り返る。
「わたしはすでに戸部を辞しましたし、いまは手持無沙汰にございます。いたずらに時を持て余すだけなら、この房間の書籍の整理などをさせていただければ、すこしは殿下のお役に立てるものと……」
目を眇めながらそう言われて、燎琉はむっと押し黙る。眉を寄せたのは瓔偲の言が気に喰わなかったのではなくて、言われてようやく、房間の惨状に思い至ったからだった。
春にこの殿舎へ移ったとき、もとの殿舎から運び入れた巻帙がある。また、その時期から工部で職掌を得て、様々な書類も増えた。それらが、この書房には、いま雑多に置かれたままになっているのだ。
「……頼む」
燎琉は極まり悪くぼそりと言った。
「はい。何か仕事があるほうが、わたしも張り合いがあります」
瓔偲は衒いなく返事をした。
相手の表情は朗らかに明るく、書籍の山を見詰める黒曜石の眸もきらきらと輝いている。瓔偲の見せるその表情に、燎琉は、官吏たる自分に誇りを持っている、と、瓔偲が昨夜口にしていた自負の言葉を思い出していた。
それはまさに、まるでなにかに導かれたかのような瞬間だったのだ。凛と澄んだ気に気を引かれるかのごとく、気がつけば燎琉は、その冊子を手に取っていた。
「これはどうも、数年前、匿名で前帝のもとへと奏上されてきた書き付けらしい」
瓔偲の問いに答えるように、燎琉は言った。
「内容が威水の堤の普請についてだったから、そのまま工部尚書の手に渡ったということなんだが……ほら、見てくれ。威水の氾濫の歴史が、その時の雨の様子、河の様子、それから越水時の被害なんかも含めて、子細に渡って、まとめ記されているだろう? その上で、堤の構造について考え得る工夫なんかも書かれている」
燎琉が現在たずさわっている案件からすれば、この冊子に記された内容は、実に有り難い示唆に富むものばかりだった。偶然これを見つけて以来、常に携行し、読み込んで、様々な検討を進めている。
「本当は、これを書いた者に会えればいろいろと話を聴けて一番いいんだが、なにしろ、誰が送ってきたものかもわからない。だからせめて、この冊子の内容を手掛かりに、俺もいろいろ調べてみようと思って……それで、昭文殿通いをしていた」
そこまでを勢いのままに一気に語った燎琉は、ふと、瓔偲がますます大きく目を瞠って、瞬きながらこちらを見ているのに気が付いた。
「どうした?」
相手の表情を不思議に思って目を瞬いてから、自分が一方的につらつらと喋っていた状況はっと気がついた。
「す、すまない。その……つい、熱くなった」
どことなく恥ずかしく、口籠るように言う。
「つまらなかったか?」
興味がなかっただろうかと案じて、窺うように問いかけた。
「まさか」
瓔偲はきっぱりと首を振る。
「ただ……」
「なんだ?」
はっきりしない態度を怪訝に思って眉をしかめたら、それでも一拍黙った後で、瓔偲は微笑した。
「その……すこし、驚いたのです」
「いったい何を驚くというんだ?」
「いえ、その……皇族がたは国府にそれぞれ職掌を得られておられますが、それはほとんどが名誉職のようなものでしょう? でも、殿下は違うのだな、と、そう思って」
つまり、燎琉が工部で実際に職務を担っているようなのに驚いたということらしかった。
事実、皇族男子は成人と同時に国府に出仕するようになるとはいえ、大抵の場合、それは名目上のことに過ぎない。例外といえば、現在、戸部員外郎として実質的に勤めている――しかも敏腕との呼び声高い――叔父、皇弟・鵬明くらいのものだろう。
だが朱鵬明という人は――甥の燎琉から見ても――皇族において、少々変わり者の部類に入る人物である。一般の皇族の在り方の参考にはならなかった。
自らは皇弟であり、かつ、その母は、現帝の実母ではないとはいえ、皇太后の位にある。しかも母方の伯父は門下侍中という最高位の官僚であるからこそ、好き勝手していても、誰も表立っては文句を言えないだけのことだった。
そんな叔父を除いては、皇族の国府における職務は、たしかに普通は名ばかりのそれでしかなかった。
「威水の堤の修繕を担っておられるといっても、殿下の、すなわち皇帝の御子の御名の下に行われれば、民はそれだけで安心します。ですから、殿下の職掌も、あるいはそういうことなのかと……鵬明殿下からは、殿下が任されていらっしゃるお仕事について聞いてはおりましたのに、すみません、無意識に殿下を見縊っていたのかもしれません」
「別に……進士のお前からしたら、俺のやっている仕事など、実際、たいしたものでもないのかもしれんが」
ふん、と、ちいさく鼻を鳴らしたら、また驚いたように目を瞠った瓔偲が、とんでもない、と、首を振った。
「堤のこと、先程、殿下が仰いました通りかと……威水の傍に暮らす民のためにも、ぜひとも、良いお仕事をなさってくださいますよう、僭越ながら心よりお願い申し上げます」
どうかよろしく、と、そんなことを微笑みながら言われたとき、燎琉はいままでに味わったことのない感情が胸のうちに湧くのを覚えた。なんだろう、くひどくすぐったいような、誇らしいような、不思議なきもちだ。
「どうかなさいましたか、殿下……?」
燎琉の変化を目敏く見て取ったらしい瓔偲が、ちいさく首を傾げる。
「別に、なんでもない……!」
燎琉は、ついつい、そう強がるような返答をしていた。けれども、湧き起こった言明しがたい想いは、たしかに燎琉の胸にじんわりと沁みている。
そういえば、と、燎琉は思い出していた。
母の計らいで幾度か宋家令嬢である清歌に会った時にも、同じように、燎琉は自らの携わる仕事の話にふれたことがあった気がする。そのときの相手は、いま瓔偲が微笑を以て燎琉の話を聴いていたのと同様に、おっとりと笑いながらこちらの話を聴いてくれていた。
だが、いまのような気持ちは、燎琉の中に湧きはしなかった。
清歌は燎琉よりも年下の娘である。おそらくは、燎琉の話す堤の修繕のことになど、さして関心がなかったのではないかと思う。一応は頷きながら耳を傾けてくれてはいたが、形ばかり。ただ、それだけのことだった。
だが、瓔偲は違う。
いま彼は、燎琉の携わる仕事についてきちんと理解し、受け止めた上で、こちらに言葉を返してくれたのだ。それがなんともうれしいような、照れくさいような、そんな不可思議な気分だった。
燎琉が自分の中に生じた奇妙な感覚に戸惑ううちに、瓔偲はこちらをしっかと見詰め、それから丁寧に頭を下げる。
「いっていらっしゃいませ、殿下」
そう見送りの言葉を口にしてから、あ、と、思い当たったように顔を上げた。
その表情は、しまった、と、そんなふうな色をありありと浮かべている。
「お支度と、朝餉が先ですね」
ちいさく苦笑を浮かべられて、たしかにな、と、燎琉は起き抜けのままの己の恰好を思い出した。
こちらも苦笑して、身支度を整えるために、書房から正房へと戻る。ふと思いついて、こちらの半歩ほど後ろに付き従った瓔偲を振り返った。
「工部での仕事が早く済んだら、その後、戸部へ寄ってきても良いか? お前の同僚の話も聞きたいし」
戸部は瓔偲の勤めていた部署だった。
たとえば瓔偲の飲んでいた薬に何らかの手が加えられていたとするなら、それを為したのは瓔偲を恨んだり嫉んだりしている者かもしれない、と、彼は言っていた。ならば彼の周囲に関する情報を集めておきたい、と、そう考えての燎琉の発言だ。
だがこれに瓔偲はふと息を呑み、わずかに複雑そうな表情を見せた。
「……どうした?」
気になってそう問うたが、いえ、と、相手は首を振る。
「なんでもありません」
そう言ったときにはもう、何かを奥に押し込めるかのような静かな微笑が、瓔偲の頬には張りついていた。
「あの、殿下」
「ん?」
「殿下がお留守の間、わたしはこちらの書房にいてもかまわないでしょうか?」
そう言って、いま後にしたばかりの、燎琉の書房を振り返る。
「わたしはすでに戸部を辞しましたし、いまは手持無沙汰にございます。いたずらに時を持て余すだけなら、この房間の書籍の整理などをさせていただければ、すこしは殿下のお役に立てるものと……」
目を眇めながらそう言われて、燎琉はむっと押し黙る。眉を寄せたのは瓔偲の言が気に喰わなかったのではなくて、言われてようやく、房間の惨状に思い至ったからだった。
春にこの殿舎へ移ったとき、もとの殿舎から運び入れた巻帙がある。また、その時期から工部で職掌を得て、様々な書類も増えた。それらが、この書房には、いま雑多に置かれたままになっているのだ。
「……頼む」
燎琉は極まり悪くぼそりと言った。
「はい。何か仕事があるほうが、わたしも張り合いがあります」
瓔偲は衒いなく返事をした。
相手の表情は朗らかに明るく、書籍の山を見詰める黒曜石の眸もきらきらと輝いている。瓔偲の見せるその表情に、燎琉は、官吏たる自分に誇りを持っている、と、瓔偲が昨夜口にしていた自負の言葉を思い出していた。
13
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
運命の息吹
梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。
美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。
兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。
ルシアの運命のアルファとは……。
西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!
この噛み痕は、無効。
ことわ子
BL
執着強めのαで高校一年生の茜トキ×αアレルギーのβで高校三年生の品野千秋
α、β、Ωの三つの性が存在する現代で、品野千秋(しなのちあき)は一番人口が多いとされる平凡なβで、これまた平凡な高校三年生として暮らしていた。
いや、正しくは"平凡に暮らしたい"高校生として、自らを『αアレルギー』と自称するほど日々αを憎みながら生活していた。
千秋がαアレルギーになったのは幼少期のトラウマが原因だった。その時から千秋はαに対し強い拒否反応を示すようになり、わざわざαのいない高校へ進学するなど、徹底してαを避け続けた。
そんなある日、千秋は体育の授業中に熱中症で倒れてしまう。保健室で目を覚ますと、そこには親友の向田翔(むこうだかける)ともう一人、初めて見る下級生の男がいた。
その男と、トラウマの原因となった人物の顔が重なり千秋は混乱するが、男は千秋の混乱をよそに急に距離を詰めてくる。
「やっと見つけた」
男は誰もが見惚れる顔でそう言った。
【完結】守護霊さん、それは余計なお世話です。
N2O
BL
番のことが好きすぎる第二王子(熊の獣人/実は割と可愛い)
×
期間限定で心の声が聞こえるようになった黒髪青年(人間/番/実は割と逞しい)
Special thanks
illustration by 白鯨堂こち
※ご都合主義です。
※素人作品です。温かな目で見ていただけると助かります。
【完結】僕はキミ専属の魔力付与能力者
みやこ嬢
BL
【2025/01/24 完結、ファンタジーBL】
リアンはウラガヌス伯爵家の養い子。魔力がないという理由で貴族教育を受けさせてもらえないまま18の成人を迎えた。伯爵家の兄妹に良いように使われてきたリアンにとって唯一安らげる場所は月に数度訪れる孤児院だけ。その孤児院でたまに会う友人『サイ』と一緒に子どもたちと遊んでいる間は嫌なことを全て忘れられた。
ある日、リアンに魔力付与能力があることが判明する。能力を見抜いた魔法省職員ドロテアがウラガヌス伯爵家にリアンの今後について話に行くが、何故か軟禁されてしまう。ウラガヌス伯爵はリアンの能力を利用して高位貴族に娘を嫁がせようと画策していた。
そして見合いの日、リアンは初めて孤児院以外の場所で友人『サイ』に出会う。彼はレイディエーレ侯爵家の跡取り息子サイラスだったのだ。明らかな身分の違いや彼を騙す片棒を担いだ負い目からサイラスを拒絶してしまうリアン。
「君とは対等な友人だと思っていた」
素直になれない魔力付与能力者リアンと、無自覚なままリアンをそばに置こうとするサイラス。両片想い状態の二人が様々な障害を乗り越えて幸せを掴むまでの物語です。
【独占欲強め侯爵家跡取り×ワケあり魔力付与能力者】
* * *
2024/11/15 一瞬ホトラン入ってました。感謝!
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる