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積み残し編……もうちょっと続くんじゃよ
家族の危機
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王国対教国、帝国連合の戦争が終わりおよそ半年の時が過ぎた。
ようやく戦後処理もひと段落、帝国と王国の講和も終わり、帝国領に接していたなんとか辺境伯領が帝国へと割譲された。
帝国も元々は金銭での賠償金の支払いを求めていたのだが、今回の出兵と教国への賠償金の支払いで金銭的余裕がそこまで無いということで、仕方なく帝国側が受け入れた形だ。
金が無いから領土を割譲する……所謂物納だね。世知辛い。
それと、ちょっとした問題が発生した。
ある日、食事と風呂を済ませて新築されたばかりの屋敷の寝室に戻ると、ベラが居たので今日はベラの日か……と思っていると相談があると暗い表情で話し始めた。
どうやら王国貴族であるベラの両親からベラに手紙が届いたそうだ。
内容を要約すると、お前のとこの娘がレオ・クリードをさっさと暗殺しなかったからこんなことになった。どうしてくれるの? と閣僚クラスの貴族に問い詰められているらしい。
このままだと改易されて着の身着のまま追放されそう、だから家だけでも用意して貰えません? という内容だ。
「ということなのですが……」
「なるほどねぇ……」
ベラは今にも泣きそうな顔で俺を見る。
何とかして欲しいのだろうが、他国の貴族である俺に助けを求めていいものかと悩んでいるのだろう。
「分かった。まぁマークたちに相談してからになると思うけど、俺としてはベラの家族を受け入れることに反対はしない」
「旦那様……ありがとうございます」
涙を流しながら頭を下げようとするベラを止める。
なんで妻に泣きながら頭下げられないといけないのさ。
「会ったことはないけどベラの家族は俺の義理の家族でもあるからね。当然だよ」
「旦那様……」
ベラは潤んだ瞳で俺を見つめてくる。
何かを間違えた気がしなくもない。
「分かりました。ですがお礼をしたいと思いますの……旦那様、今夜はたっぷりサービスさせて頂きますわ」
「いや……ちょ……いつも通りでお願いします……」
たっぷりと搾り取られてしまった。
翌日、マークとダニエル、ついでに変態を呼び出して事情を説明、受け入れることに誰も反対しなかった。
「今のクリード家に正面から文句を言う家はございません。それにベラ様のお父様は……」
「領地貴族だね。男爵さんだからそこまで大きい領地では無かったみたいだけど、結構裕福な領地らしいよ」
以前ベラから聞いていたのだが、ベラの実家の領地は男爵家としてはかなり裕福な方だったらしい。
これって適当な理由を付けてベラの実家を取り潰してその財産を奪い土地を王国直轄地にするつもりなんじゃないかと邪推している。
「当家の領地は広大、領地経営の経験がある方なら是非とも」
「私も賛成です。重臣として迎え入れるのがよろしいかと」
マークとダニエルは反対どころか大賛成のようだな。
「そうですね。何かありましたら自分が担当しますので、御館様はベラ様に早く報告を。ご両親にも早くお伝えした方がよろしいかと」
変態に目を向けると、変態も意見を述べた。
真面目なふうに言っているけど、変態先輩のことだ。要約すると後輩が出来るぜひゃっほいだろう。
変態のことは放っておいて帰宅、ベラに顛末を伝える。
「旦那様、ありがとうございます」
「気にしないで。領地経営のノウハウを持ってる人は喉から手が出るほど欲しいからね」
一般的な貴族なら他国の貴族、元貴族を家臣に迎え入れるなんてことはしないのだろうが、生憎ウチはまだ一般的な貴族家ではないもので……足りないものが多すぎる。
「すぐに手紙を送りますわ」
「そうだね……いや、ちょっと待って?」
ふと、思いついた。
ベラと結婚してから2人で出掛けたことは無かったはず。
結婚してからもなんだかんだでバタバタしていたし……戦争もあったしな。
夫婦としての時間は取っていたが、それ以外で2人の時間すらあまりなかった。
なら今こそベラと2人で過ごす時間を作るべきではなかろうか?
「ベラの実家の領地ってどこら辺?」
「そうですわね……旦那様に分かりやすくお伝えするのであれば、リバークの街から西に馬車で2日ほど行ったところですわね」
リバークから西に2日か、ならちょうどいいよね。
「ベラ」
「なんでしょう?」
「手紙じゃなくてさ、俺とベラ2人で伝えに行かない?」
「え?」
ベラは意味がわからないといった様子で困惑している。
でももう決めた。今決めた。俺が決めた。
ちょっと遅くなっちゃったけど……俺、ベラと新婚旅行に行くんだ。
ようやく戦後処理もひと段落、帝国と王国の講和も終わり、帝国領に接していたなんとか辺境伯領が帝国へと割譲された。
帝国も元々は金銭での賠償金の支払いを求めていたのだが、今回の出兵と教国への賠償金の支払いで金銭的余裕がそこまで無いということで、仕方なく帝国側が受け入れた形だ。
金が無いから領土を割譲する……所謂物納だね。世知辛い。
それと、ちょっとした問題が発生した。
ある日、食事と風呂を済ませて新築されたばかりの屋敷の寝室に戻ると、ベラが居たので今日はベラの日か……と思っていると相談があると暗い表情で話し始めた。
どうやら王国貴族であるベラの両親からベラに手紙が届いたそうだ。
内容を要約すると、お前のとこの娘がレオ・クリードをさっさと暗殺しなかったからこんなことになった。どうしてくれるの? と閣僚クラスの貴族に問い詰められているらしい。
このままだと改易されて着の身着のまま追放されそう、だから家だけでも用意して貰えません? という内容だ。
「ということなのですが……」
「なるほどねぇ……」
ベラは今にも泣きそうな顔で俺を見る。
何とかして欲しいのだろうが、他国の貴族である俺に助けを求めていいものかと悩んでいるのだろう。
「分かった。まぁマークたちに相談してからになると思うけど、俺としてはベラの家族を受け入れることに反対はしない」
「旦那様……ありがとうございます」
涙を流しながら頭を下げようとするベラを止める。
なんで妻に泣きながら頭下げられないといけないのさ。
「会ったことはないけどベラの家族は俺の義理の家族でもあるからね。当然だよ」
「旦那様……」
ベラは潤んだ瞳で俺を見つめてくる。
何かを間違えた気がしなくもない。
「分かりました。ですがお礼をしたいと思いますの……旦那様、今夜はたっぷりサービスさせて頂きますわ」
「いや……ちょ……いつも通りでお願いします……」
たっぷりと搾り取られてしまった。
翌日、マークとダニエル、ついでに変態を呼び出して事情を説明、受け入れることに誰も反対しなかった。
「今のクリード家に正面から文句を言う家はございません。それにベラ様のお父様は……」
「領地貴族だね。男爵さんだからそこまで大きい領地では無かったみたいだけど、結構裕福な領地らしいよ」
以前ベラから聞いていたのだが、ベラの実家の領地は男爵家としてはかなり裕福な方だったらしい。
これって適当な理由を付けてベラの実家を取り潰してその財産を奪い土地を王国直轄地にするつもりなんじゃないかと邪推している。
「当家の領地は広大、領地経営の経験がある方なら是非とも」
「私も賛成です。重臣として迎え入れるのがよろしいかと」
マークとダニエルは反対どころか大賛成のようだな。
「そうですね。何かありましたら自分が担当しますので、御館様はベラ様に早く報告を。ご両親にも早くお伝えした方がよろしいかと」
変態に目を向けると、変態も意見を述べた。
真面目なふうに言っているけど、変態先輩のことだ。要約すると後輩が出来るぜひゃっほいだろう。
変態のことは放っておいて帰宅、ベラに顛末を伝える。
「旦那様、ありがとうございます」
「気にしないで。領地経営のノウハウを持ってる人は喉から手が出るほど欲しいからね」
一般的な貴族なら他国の貴族、元貴族を家臣に迎え入れるなんてことはしないのだろうが、生憎ウチはまだ一般的な貴族家ではないもので……足りないものが多すぎる。
「すぐに手紙を送りますわ」
「そうだね……いや、ちょっと待って?」
ふと、思いついた。
ベラと結婚してから2人で出掛けたことは無かったはず。
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「そうですわね……旦那様に分かりやすくお伝えするのであれば、リバークの街から西に馬車で2日ほど行ったところですわね」
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「ベラ」
「なんでしょう?」
「手紙じゃなくてさ、俺とベラ2人で伝えに行かない?」
「え?」
ベラは意味がわからないといった様子で困惑している。
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