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積み残し編……もうちょっと続くんじゃよ
一方その頃
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~サーシャ視点~
最近忙しいらしく、レオ様がお戻りになりません。
毎日ベラさんと一緒に神に祈りを捧げていますが不安です。
短い時間ですが【思念共有】でお話する時間は取って頂いておりますが、正直物足りません。
もっとレオ様のお顔を見ていたい。声を聞きたい。触れていたい……
聖職者の端くれであるにも関わらずはしたない考えですが、本心なので仕方ありません。
聖職者である前に私も1人の女なのだと自覚させられてしまいますね。
今日もベラさんと並んで簡易的な祭壇の前で神に祈りを捧げます。
魔王城の中で神に祈るというのは不思議な感じですが、神様はそんなこと気にしないはずです。
大切なのは祈る気持ちです。
『サーシャ様、ベラ様』
祈りを捧げていると、ウルト様がやって来ました。
ウルト様の上ではアルスがスヤスヤと気持ちよさそうに眠っています。
しかしどうしたのでしょうか?
私たちが祈りを捧げている時に話しかけてくるなんて、今までありませんでしたので少し不安です。
『マスターと私の繋がりが断たれました』
「繋がり……ですか?」
レオくんとウルト様の間には何かしらの繋がりがあるようです。羨ましいですね……
いえ、レオ様と私の間にはアルスとう何物にも代えられない繋がりがありますから、気にしません。本当ですよ?
『不測の事態です。マスターの身に何かが起こりました』
「旦那様の身に何か……」
ベラさんは口元を抑えワナワナと震えています。
顔色も悪いですね。しかし彼女はまだ未成年、仕方ありません。
「それで……ウルト様はどうされるおつもりでしょうか」
『マスターの救出に向かいたいのです。しかし、私はマスターから奥様たちの警護を任されております』
「そうですね……」
ここに居れば大丈夫だとは思います。
しかしレオ様は過剰なほど私たちに何かがあるのを恐れますからね……
ケイトさんのことが忘れられないのでしょう。
「分かりました」
ならば覚悟を決めましょう。
あとでレオ様からお叱りを受けるかもしれませんが、私たちも後悔はしたくありませんので。
「ウルト様、リンさんとソフィアを呼んでください。私はマークの所へ行きますので、そこまで連れてきてください」
『かしこまりました』
ウルト様が2人を呼びに行ったので私はベラさんの手を引いて兄の下へと向かいます。
「マーク兄さん」
「おや、どうしたんだい?」
兄は優しく私たちを迎えてくれます。
「兄さん……いえ、マーク・ライノス。侯爵夫人として命じます」
しかし今は兄妹ではありません。
侯爵夫人、サーシャ・クリードとして筆頭家臣であるマーク・ライノスに命令します。
「なんなりと」
兄は即座に理解して臣下の礼を取りました。
妹に上から命令されるのはお嫌でしょうが今はありがたいです。
「全領民に通達。即座に作業を中断し城に篭もりなさい。期間は未定、最大限の警戒で次の指示を待つように」
「サーシャ様たちはなにを?」
「御館様に不測の事態が起こりました。私たちとウルト様は救出に向かいます」
「……かしこまりました」
一瞬目を大きく見開き固まりましたが、すぐに返事をしてくださいました。
「水と食料は倉庫に準備しておきます。少なくとも1ヶ月は持つはずです」
「はい。護衛はどうされますか?」
「必要ありません。ここの守りを固めてください」
「かしこまりました。お気を付けて」
「はい。以後のことは全てをお任せします」
兄さんに指示を出し終えた頃、タイミングよくウルト様たちがこちらにやって来ました。
「リンさん、ソフィア、説明は?」
「ここに来るまでにウルトから聞いたわ。すぐに行きましょう」
リンさんとソフィアは共に妊娠中の身、無理をさせてしまうことに罪悪感がかります。
「サーシャ様、ご心配には及びません。私やリン殿が残ってしまってはその方がレオ殿に叱られてしまいます」
それはそうなのですが……
「大丈夫よ。ウルトから降りなければ危険もないし、早く向かいましょう」
「分かりました。ですが先に倉庫に食料を出しておかなければ」
『かしこまりました。私が行ってきますので皆様は城の門にてお待ちください』
「よろしくお願いします」
ウルト様を見送り私たちは城の門へと向かいます。
リンさんはまだ妊娠初期、ソフィアは出産直前、どちらも安静が必要な時期……無理のないようにゆっくり向かいましょう。
門までたどり着くと、既にウルト様が待っていました。おそらくどこかの窓から飛び出してきたのでしょう。
全員でウルト様に乗り込んでリンさんとソフィアを座らせます。
私はアルスを抱いて運転席へ……
少し早いですが、せっかくの機会です。アルスに世界の広さを見せてあげましょう。
「ウルト様、お願いします」
『かしこまりました。出発します』
こうして、私たちも戦場へと向かうこととなりました。
レオ様、待っていてくださいね。すぐに助けに行きます!
最近忙しいらしく、レオ様がお戻りになりません。
毎日ベラさんと一緒に神に祈りを捧げていますが不安です。
短い時間ですが【思念共有】でお話する時間は取って頂いておりますが、正直物足りません。
もっとレオ様のお顔を見ていたい。声を聞きたい。触れていたい……
聖職者の端くれであるにも関わらずはしたない考えですが、本心なので仕方ありません。
聖職者である前に私も1人の女なのだと自覚させられてしまいますね。
今日もベラさんと並んで簡易的な祭壇の前で神に祈りを捧げます。
魔王城の中で神に祈るというのは不思議な感じですが、神様はそんなこと気にしないはずです。
大切なのは祈る気持ちです。
『サーシャ様、ベラ様』
祈りを捧げていると、ウルト様がやって来ました。
ウルト様の上ではアルスがスヤスヤと気持ちよさそうに眠っています。
しかしどうしたのでしょうか?
私たちが祈りを捧げている時に話しかけてくるなんて、今までありませんでしたので少し不安です。
『マスターと私の繋がりが断たれました』
「繋がり……ですか?」
レオくんとウルト様の間には何かしらの繋がりがあるようです。羨ましいですね……
いえ、レオ様と私の間にはアルスとう何物にも代えられない繋がりがありますから、気にしません。本当ですよ?
『不測の事態です。マスターの身に何かが起こりました』
「旦那様の身に何か……」
ベラさんは口元を抑えワナワナと震えています。
顔色も悪いですね。しかし彼女はまだ未成年、仕方ありません。
「それで……ウルト様はどうされるおつもりでしょうか」
『マスターの救出に向かいたいのです。しかし、私はマスターから奥様たちの警護を任されております』
「そうですね……」
ここに居れば大丈夫だとは思います。
しかしレオ様は過剰なほど私たちに何かがあるのを恐れますからね……
ケイトさんのことが忘れられないのでしょう。
「分かりました」
ならば覚悟を決めましょう。
あとでレオ様からお叱りを受けるかもしれませんが、私たちも後悔はしたくありませんので。
「ウルト様、リンさんとソフィアを呼んでください。私はマークの所へ行きますので、そこまで連れてきてください」
『かしこまりました』
ウルト様が2人を呼びに行ったので私はベラさんの手を引いて兄の下へと向かいます。
「マーク兄さん」
「おや、どうしたんだい?」
兄は優しく私たちを迎えてくれます。
「兄さん……いえ、マーク・ライノス。侯爵夫人として命じます」
しかし今は兄妹ではありません。
侯爵夫人、サーシャ・クリードとして筆頭家臣であるマーク・ライノスに命令します。
「なんなりと」
兄は即座に理解して臣下の礼を取りました。
妹に上から命令されるのはお嫌でしょうが今はありがたいです。
「全領民に通達。即座に作業を中断し城に篭もりなさい。期間は未定、最大限の警戒で次の指示を待つように」
「サーシャ様たちはなにを?」
「御館様に不測の事態が起こりました。私たちとウルト様は救出に向かいます」
「……かしこまりました」
一瞬目を大きく見開き固まりましたが、すぐに返事をしてくださいました。
「水と食料は倉庫に準備しておきます。少なくとも1ヶ月は持つはずです」
「はい。護衛はどうされますか?」
「必要ありません。ここの守りを固めてください」
「かしこまりました。お気を付けて」
「はい。以後のことは全てをお任せします」
兄さんに指示を出し終えた頃、タイミングよくウルト様たちがこちらにやって来ました。
「リンさん、ソフィア、説明は?」
「ここに来るまでにウルトから聞いたわ。すぐに行きましょう」
リンさんとソフィアは共に妊娠中の身、無理をさせてしまうことに罪悪感がかります。
「サーシャ様、ご心配には及びません。私やリン殿が残ってしまってはその方がレオ殿に叱られてしまいます」
それはそうなのですが……
「大丈夫よ。ウルトから降りなければ危険もないし、早く向かいましょう」
「分かりました。ですが先に倉庫に食料を出しておかなければ」
『かしこまりました。私が行ってきますので皆様は城の門にてお待ちください』
「よろしくお願いします」
ウルト様を見送り私たちは城の門へと向かいます。
リンさんはまだ妊娠初期、ソフィアは出産直前、どちらも安静が必要な時期……無理のないようにゆっくり向かいましょう。
門までたどり着くと、既にウルト様が待っていました。おそらくどこかの窓から飛び出してきたのでしょう。
全員でウルト様に乗り込んでリンさんとソフィアを座らせます。
私はアルスを抱いて運転席へ……
少し早いですが、せっかくの機会です。アルスに世界の広さを見せてあげましょう。
「ウルト様、お願いします」
『かしこまりました。出発します』
こうして、私たちも戦場へと向かうこととなりました。
レオ様、待っていてくださいね。すぐに助けに行きます!
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