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第2章……迷宮都市編
51話……クリードの悩み相談室(上)
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翌朝、誰に起こされることも無く気持ちよく目覚めることが出来た。
風呂に浸かったからだろうか? 肉体的な疲れは元々ほとんど感じていなかったが精神的にすごく軽い気がする。
これからはちょくちょく行ってみよう。
今は……7時前か、朝食は大体いつも8時半から9時くらいだから少し早い。
「朝練しようかな」
朝の支度を整えて部屋を出る。
階段を降りて食堂へ目をやると数人の客が朝食を食べていた。
知ってる顔は無い、冒険者かな?
聞いた話によるとこの宿はシルバーランク中位からゴールドランク下位くらいの冒険者が定宿にしているらしい。
別にほかのランクの冒険者が泊まってはいけないわけではないがこういうのは不思議と住み分けがされるものだ。
暗黙の了解ってやつだね。
そんなことを考えているうちに裏庭に到着。どうやら先客が居るようだ。
「ケイト?」
先客はケイトだった。
ウルトの【生命感知】なら個人も特定出来るが俺の【気配察知】では気配の大きさは分かっても個人までは分からないからな。
ケイトは端の方で黙々と剣を振っている。
かなり集中しているようだし声掛けるのは悪いな。
俺もケイトの邪魔にならないよう端の方に陣取り剣を取り出して素振りをする。
昨日と同じように一振ごとに修正点を探し修正するように確かめながら振る。
しばらく集中して振っていると、俺の【気配察知】が近付いてくる気配を捉えた。
とはいえ誰かが裏庭に足を踏み入れたのなら先に気付いたはず、それが無かったということは近付いてくる気配はケイトのものだろう。
気配は俺から数歩離れた位置で停止、声を掛けてこないならキリのいい回数までやってから声掛けようか。
黙ってこちらを見ているだけのようなので気にしないようにしながら残りの回数をこなした。
「ふぅ……おはようケイト」
「おはようクリードくん。綺麗な振りだったよ」
振り返って声を掛けると挨拶とともにタオルを渡されたので礼を言って受け取り汗を拭う。
石鹸の香り……浄化魔法だと匂いも消えるからなんだか新鮮な気分だ。
「たった数日でここまで綺麗に振れるようになるなんてクリードくんはすごいね」
「いや、ケイトの教え方が上手かったから……ってどうしたその顔!?」
顔を拭いてケイトの顔を見るとすごく疲れたような顔をしていて目の下にもくっきりとクマが浮かんでいた。
「あっ……」
ケイトはしまったとでも言うような表情を一瞬浮かべて俯いてしまった。
「どうしたんだ? なにかあったのか?」
「いや……僕たちの問題だから……」
心配して声を掛けるがケイトは自分の問題だと突っぱねてくる。
だけどこれは……この表情はかなり危ない。
「俺が力を貸せることはあるか?」
「無いよ……これは僕が、僕たちが解決しないといけない問題なんだ」
「じゃあ……」
「ごめんね、本当は声を掛けるつもりは無かったんだけどついね……じゃあまた!」
そう言って駆け出そうとするケイトの腕を反射的に掴んでしまった。
いや、これでいい、昔こんな表情をしたやつの腕をその時は掴めなかったのだから……
「離してよ……」
「悪いけどそれは無理かな? ケイトが話すまで離すつもりは無いよ」
もう後悔は嫌だ。どっちを選んでも後悔するとしても俺は何かをして後悔したい。
「話しても……なんにもならないよ」
「それは話してみないと分からないだろ? 役に立つ立たないは置いといて話すだけでも楽になることって案外たくさんあるんだぜ?」
俺が思っていることをそのまま、しかし敢えて口調は軽くして伝えるとケイトはこちらに向き直りポツポツと話始めた。
「状況から言うと、実は今パーティ解散の危機なんだ」
「解散? なんで?」
「簡単に纏めると、色んな意味で僕にはついていけないってことみたい」
ついていけない? 力量差のことか?
「元々僕たちは幼なじみでさ、一緒に村を出て冒険者になったんだ。それから6年、大変だったこともいっぱいあったけどまずはみんなでゴールドランクになろうって……それからリバーク迷宮の到達階層を更新、攻略しようって今まで頑張ってきたんだ……」
けど……とケイトは続ける。
「でもこの前、僕たちが初めて出会った日だね。覚えてるかな? あの日初めて僕たちは全滅の危機を迎えてたんだ……」
「もちろん」
当然覚えている。5階層を探索してる時にオーガに囲まれたケイトを発見して助けたんだよな。
「嬉しかったよ。冒険者になってから助けることはあっても僕が助けられたことなんてほとんど無かったからね……それはいいや、それでその時ハンスがミナを庇って死にかけて……」
サーシャが居なかったら危なかったな……
「今まで喧嘩したりもしたけどすぐ仲直り出来てたんだ。でもあの時からみんなよそよそしくなって……ハンスとミナはもう迷宮には潜れないって……ディムとクレイとロディももう5階層には行かないって……」
ケイトの目からポロポロと涙が零れる。
「最初は僕が頼りないから……僕がみんなを守れないからいけないんだって思って……それできみたちのパーティに混ぜてもらって5階層よりもっと深く潜ってレベルを上げようとしてたんだ」
あぁ、オーバーフローの時に話したいことがあるって言ってたのはそれか。
「でも、みんなそうじゃないって言うんだ! 僕が弱いから、頼りないからじゃなくて自分たちが僕の足を引っ張るからって言うんだよ! 僕はみんなと一緒が良かったんだ、僕がみんなを守ればいいって思ってたのに、みんなはそれが心苦しかったって……」
だんだんと声が小さくなり嗚咽が漏れ始めた。
「ヒグッ……僕はみんなと別れたくないんだ……でも……でもきみたちと迷宮に潜った時も楽しかったんだ……あぁ、みんなの言う助け合える関係ってこういうことなんだって分かったんだ、でも……だから……どうしたらいいか分からなくなっちゃったんだよ!」
手で顔を覆い本格的に泣き出してしまった。
こんな時どうすれば……
「落ち着いて、泣いてもいいから深呼吸だよ」
俺はそっとケイトを抱きしめて背中をさすってやる。
まだ出会ったばかりで関係性の薄い女性にこれはどうかとも思うけどこれしか思いつかなかった……
だって妹や今まで付き合ってきた恋人はこうして欲しいって言ってたんだもの……
ケイトは俺のシャツを握りしめながら顔を胸にくっつけて小さく震えている。
それを落ち着かせるよう優しい声で話しかけながら背中をポンポンと叩いてやる。
「僕は最低だよ……みんなと別れたくない気持ちときみたちと一緒に行きたい気持ち両方あるんだ」
「それのどこが最低なんだ? そういう気持ちがあったって何もおかしくないさ」
「でも……」
えぐえぐと俺の胸で泣いているケイトを慰めていると俺の【気配察知】に3つの気配が引っかかった。
ケイトに気付かれないようにそちらへ視線をやると、物陰から顔だけ出してこちらを見ているサーシャ、ソフィア、アンナの姿が目に映った。
やっべ……なにがとは言わないけどなんかやばい気がする……
しばらく視線を行ったり来たりさせながらも背中を叩くては止めずに慰めているとケイトの震えが止まった。
「僕は……どうしたらいいのかな……」
「やりたいようにすればいいさ。しっかり話し合って続けるにしても別れるにしてもちゃんと納得出来るようにしないとな」
「うん……」
ケイトは俺からそっと離れて俯いたまま手をモジモジとさせている。
「あの……!」
何かを言おうと顔を上げたが、赤かった顔が一瞬で青くなっていく。
あぁ……これはサーシャたちが覗いてることに気づいたな……
「あの……えっと……ごめん! ちゃんとみんなで話し合うよ!」
そのままケイトは顔を隠して走り去って行ってしまった。
速いな……
「クリード様……」
「なに話してたんスかぁ?」
サーシャは真剣な顔で、ソフィアはいつもの無表示、アンナはニヤニヤと笑みを浮かべてこちらに近付いてきた。
さてどうしたもんかね……
風呂に浸かったからだろうか? 肉体的な疲れは元々ほとんど感じていなかったが精神的にすごく軽い気がする。
これからはちょくちょく行ってみよう。
今は……7時前か、朝食は大体いつも8時半から9時くらいだから少し早い。
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別にほかのランクの冒険者が泊まってはいけないわけではないがこういうのは不思議と住み分けがされるものだ。
暗黙の了解ってやつだね。
そんなことを考えているうちに裏庭に到着。どうやら先客が居るようだ。
「ケイト?」
先客はケイトだった。
ウルトの【生命感知】なら個人も特定出来るが俺の【気配察知】では気配の大きさは分かっても個人までは分からないからな。
ケイトは端の方で黙々と剣を振っている。
かなり集中しているようだし声掛けるのは悪いな。
俺もケイトの邪魔にならないよう端の方に陣取り剣を取り出して素振りをする。
昨日と同じように一振ごとに修正点を探し修正するように確かめながら振る。
しばらく集中して振っていると、俺の【気配察知】が近付いてくる気配を捉えた。
とはいえ誰かが裏庭に足を踏み入れたのなら先に気付いたはず、それが無かったということは近付いてくる気配はケイトのものだろう。
気配は俺から数歩離れた位置で停止、声を掛けてこないならキリのいい回数までやってから声掛けようか。
黙ってこちらを見ているだけのようなので気にしないようにしながら残りの回数をこなした。
「ふぅ……おはようケイト」
「おはようクリードくん。綺麗な振りだったよ」
振り返って声を掛けると挨拶とともにタオルを渡されたので礼を言って受け取り汗を拭う。
石鹸の香り……浄化魔法だと匂いも消えるからなんだか新鮮な気分だ。
「たった数日でここまで綺麗に振れるようになるなんてクリードくんはすごいね」
「いや、ケイトの教え方が上手かったから……ってどうしたその顔!?」
顔を拭いてケイトの顔を見るとすごく疲れたような顔をしていて目の下にもくっきりとクマが浮かんでいた。
「あっ……」
ケイトはしまったとでも言うような表情を一瞬浮かべて俯いてしまった。
「どうしたんだ? なにかあったのか?」
「いや……僕たちの問題だから……」
心配して声を掛けるがケイトは自分の問題だと突っぱねてくる。
だけどこれは……この表情はかなり危ない。
「俺が力を貸せることはあるか?」
「無いよ……これは僕が、僕たちが解決しないといけない問題なんだ」
「じゃあ……」
「ごめんね、本当は声を掛けるつもりは無かったんだけどついね……じゃあまた!」
そう言って駆け出そうとするケイトの腕を反射的に掴んでしまった。
いや、これでいい、昔こんな表情をしたやつの腕をその時は掴めなかったのだから……
「離してよ……」
「悪いけどそれは無理かな? ケイトが話すまで離すつもりは無いよ」
もう後悔は嫌だ。どっちを選んでも後悔するとしても俺は何かをして後悔したい。
「話しても……なんにもならないよ」
「それは話してみないと分からないだろ? 役に立つ立たないは置いといて話すだけでも楽になることって案外たくさんあるんだぜ?」
俺が思っていることをそのまま、しかし敢えて口調は軽くして伝えるとケイトはこちらに向き直りポツポツと話始めた。
「状況から言うと、実は今パーティ解散の危機なんだ」
「解散? なんで?」
「簡単に纏めると、色んな意味で僕にはついていけないってことみたい」
ついていけない? 力量差のことか?
「元々僕たちは幼なじみでさ、一緒に村を出て冒険者になったんだ。それから6年、大変だったこともいっぱいあったけどまずはみんなでゴールドランクになろうって……それからリバーク迷宮の到達階層を更新、攻略しようって今まで頑張ってきたんだ……」
けど……とケイトは続ける。
「でもこの前、僕たちが初めて出会った日だね。覚えてるかな? あの日初めて僕たちは全滅の危機を迎えてたんだ……」
「もちろん」
当然覚えている。5階層を探索してる時にオーガに囲まれたケイトを発見して助けたんだよな。
「嬉しかったよ。冒険者になってから助けることはあっても僕が助けられたことなんてほとんど無かったからね……それはいいや、それでその時ハンスがミナを庇って死にかけて……」
サーシャが居なかったら危なかったな……
「今まで喧嘩したりもしたけどすぐ仲直り出来てたんだ。でもあの時からみんなよそよそしくなって……ハンスとミナはもう迷宮には潜れないって……ディムとクレイとロディももう5階層には行かないって……」
ケイトの目からポロポロと涙が零れる。
「最初は僕が頼りないから……僕がみんなを守れないからいけないんだって思って……それできみたちのパーティに混ぜてもらって5階層よりもっと深く潜ってレベルを上げようとしてたんだ」
あぁ、オーバーフローの時に話したいことがあるって言ってたのはそれか。
「でも、みんなそうじゃないって言うんだ! 僕が弱いから、頼りないからじゃなくて自分たちが僕の足を引っ張るからって言うんだよ! 僕はみんなと一緒が良かったんだ、僕がみんなを守ればいいって思ってたのに、みんなはそれが心苦しかったって……」
だんだんと声が小さくなり嗚咽が漏れ始めた。
「ヒグッ……僕はみんなと別れたくないんだ……でも……でもきみたちと迷宮に潜った時も楽しかったんだ……あぁ、みんなの言う助け合える関係ってこういうことなんだって分かったんだ、でも……だから……どうしたらいいか分からなくなっちゃったんだよ!」
手で顔を覆い本格的に泣き出してしまった。
こんな時どうすれば……
「落ち着いて、泣いてもいいから深呼吸だよ」
俺はそっとケイトを抱きしめて背中をさすってやる。
まだ出会ったばかりで関係性の薄い女性にこれはどうかとも思うけどこれしか思いつかなかった……
だって妹や今まで付き合ってきた恋人はこうして欲しいって言ってたんだもの……
ケイトは俺のシャツを握りしめながら顔を胸にくっつけて小さく震えている。
それを落ち着かせるよう優しい声で話しかけながら背中をポンポンと叩いてやる。
「僕は最低だよ……みんなと別れたくない気持ちときみたちと一緒に行きたい気持ち両方あるんだ」
「それのどこが最低なんだ? そういう気持ちがあったって何もおかしくないさ」
「でも……」
えぐえぐと俺の胸で泣いているケイトを慰めていると俺の【気配察知】に3つの気配が引っかかった。
ケイトに気付かれないようにそちらへ視線をやると、物陰から顔だけ出してこちらを見ているサーシャ、ソフィア、アンナの姿が目に映った。
やっべ……なにがとは言わないけどなんかやばい気がする……
しばらく視線を行ったり来たりさせながらも背中を叩くては止めずに慰めているとケイトの震えが止まった。
「僕は……どうしたらいいのかな……」
「やりたいようにすればいいさ。しっかり話し合って続けるにしても別れるにしてもちゃんと納得出来るようにしないとな」
「うん……」
ケイトは俺からそっと離れて俯いたまま手をモジモジとさせている。
「あの……!」
何かを言おうと顔を上げたが、赤かった顔が一瞬で青くなっていく。
あぁ……これはサーシャたちが覗いてることに気づいたな……
「あの……えっと……ごめん! ちゃんとみんなで話し合うよ!」
そのままケイトは顔を隠して走り去って行ってしまった。
速いな……
「クリード様……」
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