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第1章……王国編
12話……武器を決めよう
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朝7時半にかけたアラームで目が覚めた。
部屋の前に備え付けられている水瓶から桶に水を組んで部屋で顔を洗う。
それから共用のトイレで用を足して着替えを……
「しまった、ウルトに積んだままだ……」
自分の荷物がウルトに載っていたことで油断した。
ウルトが居なければ取り出すことが出来ない。
「ちょっと汗臭いけど仕方ないか……朝飯食ってから着替えよう」
時計を見ると7時50分、そろそろいい時間だろう。
部屋を出て食堂へ移動するがサーシャたちはまだ来ていないようだ。
空いている席に座って待つかと思っていると背後から声をかけられた。
「クリード様おはようございます」
「ん? みんなおはよう」
振り返ると4人が並んでそこにいた。
「あそこの席が空いていますね。あそこにしましょう」
さっとソフィアが空いている席に移動して確保、混んでいるわけでもないのだからそこまでしなくても……
5人で席について店員を呼び止めて注文、食事が来るまでの間に会話を交わす。
「クリード殿、昨晩はありがとうございました。ウルト殿のおかげでゆっくり休むことが出来ました」
「え? ウルトのおかげって?」
どうやら俺が忘れていったウルトが役に立ったらしい。
「普段なら私とアンナが交代で夜警に当たるのですがウルト殿が警備は自分が行うからと……」
「クリードさんの仲間が快適に過ごせるようにするのも自分の役割だって言ってたッス」
「そうなんだ、2人がゆっくり出来たならよかったよ。それでウルトは?」
見てみるが誰の手にもウルトは握られていない。
「女性の部屋に侵入しようとする輩がいるかも知れないからって留守番してる。紳士よねぇ」
紳士(笑)
「それよりクリード様、リンさん、今日はどうします? 草原で魔物狩りますか?」
「昨日言いそびれたんだけどさ、魔物と戦うなら俺もちゃんとした装備が欲しいんだよね。ウルトやソフィアたちにばかり任せるのもどうかと思うし」
一応男の子だからね。例えみんな俺よりレベルが高いとしても守らなきゃ! って気持ちくらいはある。
「なら午前中は買い物して午後から出ようか? そういえばクリードはちゃんとお金持ってるの?」
そういえばお金は貰ったけどいくら入ってるか知らないな……なんかいろんな硬貨があったのは覚えてるけど枚数も把握してないや。
「いくら持ってるかわからない……」
「……とりあえず確認からね……装備を買うお金が無ければ依頼をこなして稼ぐしかないわね」
なんとも微妙な空気になりつつ朝食を終えて部屋に戻る。
自分の部屋に入る前にウルトを回収して濡れタオルで体を拭いてから着替えた。
今日は長袖シャツに作業ズボン、この世界でもあまり違和感の無さそうな格好だ。
着替えを終えて隣の部屋へ、中に通されてテーブルの上に全財産を乗せる。
『マスター、一度私が積み込めば枚数はすぐに分かりますよ』
「そうなの? じゃあ頼めるかな」
『かしこまりました』
ウルトが【無限積載】のスキルを使って袋ごとお金を積み込む。
『色と大きさ別に振り分けて戻します』
次の瞬間には綺麗に並べられた硬貨がテーブルの上に並べられた。
「えーと、大銀貨が3枚、銀貨7枚、大銅貨5枚、大石貨5枚ね……うーん、しばらく生活するのには困らないだろうけど、装備を買うには少し心許ないわね……」
「そうなの? どれくらい必要かな? というかどの硬貨がどのくらいの価値があるのか分からない」
「そういえばお金の価値も分からないんだったわね。一番価値が低いのは石貨、石貨5枚で大石貨になるし10枚で銅貨1枚の価値なの」
「大銅貨は?」
「銅貨5枚で大銅貨1枚、大石貨10枚でも大銅貨1枚分ね」
「石貨1枚で何か買えるの?」
「そうね……安い野菜や果物が1つか2つ買えるわね」
それから少し話を聞いて計算すると、大体80~150円くらいかな? って感じだった。
まぁ分かりやすいように100円として……
石貨→100円、大石貨→500円
銅貨→1000円、大銅貨→5000円
銀貨→1万円、大銀貨→5万円
金貨→50万円、大金貨→250万円、白金貨→1000万円
大まかにこれくらいってことかな?
「それで武器ってどれくらいするのかな?」
「装備の種類にもよるんだけど、クリードは何が欲しいの?」
何が欲しいか……漠然と剣のイメージはあったんだけど安直に剣でいいのかな?
「うーん、武器に関してはどれも使ったことないからなぁ……パーティのバランス的には何がいいかな?」
「そうね……クリードがアタッカーをするのかタンクをするのかにもよるし、魔法適性もあるから後衛魔法使いとして動くのか……それ次第ね」
なるほどそうか……ステータス的にはタンク寄りな感じだけど、タンクはアンナが居るし……
それなら攻撃食らいながらも殴り続けるサブタンクアタッカーか後衛を守りながら魔法使う魔法アタッカー兼タンクか……
「アンナはどんな立ち回りなの?」
「自分はタンク兼アタッカーッスね。クリードさんが前に出るなら下がるし後ろに下がるなら自分が前に出るッスよ!」
うーん……なら後ろにいた方が今のフォーメーションあまり弄らなくていい感じなのかな?
「けど自分は攻撃力が不足してるんで……ステータス的にはクリードさんが前に出た方が攻撃力は増すと思うッスよ」
なるほど、筋力値だけなら俺が一番高いからなぁ……
「私は速さ重視の槍使いですからパーティとしてはクリード殿にはアタッカーとして動いてもらえた方がいいかと思います。耐久力も高いので頼もしいと思います」
「でも圧倒的に経験が不足してるよ? 慣れたら大丈夫かもしれないけど最初は足引っ張っちゃうかも」
「それこそ構いません。私たちはパーティです。クリード殿の成長は私たちでサポートします」
おぉ……頼もしい……
「そっか、ありがとう。でも剣とか握ったことないしハンマーとか打撃武器の方が良くないかな?」
なんか刃筋を立てるとか難しいんでしょ?
「打撃系は……ウルト殿の体当たりが一番強いと思います。簡単な扱い方は私とアンナで教えられますので」
そっか、俺が殴るよりウルト突撃させた方が間違いなく強いか。
トラック運転手としてどうかと思うけど世界が違うしそこさえ飲み込めば最強の攻撃手段になるんだよな……
「あたしは剣でいいと思うわよ? 剣で戦うのがベストじゃないかしら?」
「もしも怪我をしてしまったとしても私が癒しますから安心してくださいね?」
剣か……そりゃ男の子としては憧れしか無いですけども。
「鉄の剣なら大銀貨3枚か4枚くらいかしら?」
「払えなくもないか、じゃあとりあえず武器は剣の方向で……防具はどうしよう?」
『防具には少々アテがあります』
みんなでどんな鎧がいいのかなとわいわい考えているとウルトから声をかけられ思考が中断した。
なんでお前にアテがあるんだよ……
部屋の前に備え付けられている水瓶から桶に水を組んで部屋で顔を洗う。
それから共用のトイレで用を足して着替えを……
「しまった、ウルトに積んだままだ……」
自分の荷物がウルトに載っていたことで油断した。
ウルトが居なければ取り出すことが出来ない。
「ちょっと汗臭いけど仕方ないか……朝飯食ってから着替えよう」
時計を見ると7時50分、そろそろいい時間だろう。
部屋を出て食堂へ移動するがサーシャたちはまだ来ていないようだ。
空いている席に座って待つかと思っていると背後から声をかけられた。
「クリード様おはようございます」
「ん? みんなおはよう」
振り返ると4人が並んでそこにいた。
「あそこの席が空いていますね。あそこにしましょう」
さっとソフィアが空いている席に移動して確保、混んでいるわけでもないのだからそこまでしなくても……
5人で席について店員を呼び止めて注文、食事が来るまでの間に会話を交わす。
「クリード殿、昨晩はありがとうございました。ウルト殿のおかげでゆっくり休むことが出来ました」
「え? ウルトのおかげって?」
どうやら俺が忘れていったウルトが役に立ったらしい。
「普段なら私とアンナが交代で夜警に当たるのですがウルト殿が警備は自分が行うからと……」
「クリードさんの仲間が快適に過ごせるようにするのも自分の役割だって言ってたッス」
「そうなんだ、2人がゆっくり出来たならよかったよ。それでウルトは?」
見てみるが誰の手にもウルトは握られていない。
「女性の部屋に侵入しようとする輩がいるかも知れないからって留守番してる。紳士よねぇ」
紳士(笑)
「それよりクリード様、リンさん、今日はどうします? 草原で魔物狩りますか?」
「昨日言いそびれたんだけどさ、魔物と戦うなら俺もちゃんとした装備が欲しいんだよね。ウルトやソフィアたちにばかり任せるのもどうかと思うし」
一応男の子だからね。例えみんな俺よりレベルが高いとしても守らなきゃ! って気持ちくらいはある。
「なら午前中は買い物して午後から出ようか? そういえばクリードはちゃんとお金持ってるの?」
そういえばお金は貰ったけどいくら入ってるか知らないな……なんかいろんな硬貨があったのは覚えてるけど枚数も把握してないや。
「いくら持ってるかわからない……」
「……とりあえず確認からね……装備を買うお金が無ければ依頼をこなして稼ぐしかないわね」
なんとも微妙な空気になりつつ朝食を終えて部屋に戻る。
自分の部屋に入る前にウルトを回収して濡れタオルで体を拭いてから着替えた。
今日は長袖シャツに作業ズボン、この世界でもあまり違和感の無さそうな格好だ。
着替えを終えて隣の部屋へ、中に通されてテーブルの上に全財産を乗せる。
『マスター、一度私が積み込めば枚数はすぐに分かりますよ』
「そうなの? じゃあ頼めるかな」
『かしこまりました』
ウルトが【無限積載】のスキルを使って袋ごとお金を積み込む。
『色と大きさ別に振り分けて戻します』
次の瞬間には綺麗に並べられた硬貨がテーブルの上に並べられた。
「えーと、大銀貨が3枚、銀貨7枚、大銅貨5枚、大石貨5枚ね……うーん、しばらく生活するのには困らないだろうけど、装備を買うには少し心許ないわね……」
「そうなの? どれくらい必要かな? というかどの硬貨がどのくらいの価値があるのか分からない」
「そういえばお金の価値も分からないんだったわね。一番価値が低いのは石貨、石貨5枚で大石貨になるし10枚で銅貨1枚の価値なの」
「大銅貨は?」
「銅貨5枚で大銅貨1枚、大石貨10枚でも大銅貨1枚分ね」
「石貨1枚で何か買えるの?」
「そうね……安い野菜や果物が1つか2つ買えるわね」
それから少し話を聞いて計算すると、大体80~150円くらいかな? って感じだった。
まぁ分かりやすいように100円として……
石貨→100円、大石貨→500円
銅貨→1000円、大銅貨→5000円
銀貨→1万円、大銀貨→5万円
金貨→50万円、大金貨→250万円、白金貨→1000万円
大まかにこれくらいってことかな?
「それで武器ってどれくらいするのかな?」
「装備の種類にもよるんだけど、クリードは何が欲しいの?」
何が欲しいか……漠然と剣のイメージはあったんだけど安直に剣でいいのかな?
「うーん、武器に関してはどれも使ったことないからなぁ……パーティのバランス的には何がいいかな?」
「そうね……クリードがアタッカーをするのかタンクをするのかにもよるし、魔法適性もあるから後衛魔法使いとして動くのか……それ次第ね」
なるほどそうか……ステータス的にはタンク寄りな感じだけど、タンクはアンナが居るし……
それなら攻撃食らいながらも殴り続けるサブタンクアタッカーか後衛を守りながら魔法使う魔法アタッカー兼タンクか……
「アンナはどんな立ち回りなの?」
「自分はタンク兼アタッカーッスね。クリードさんが前に出るなら下がるし後ろに下がるなら自分が前に出るッスよ!」
うーん……なら後ろにいた方が今のフォーメーションあまり弄らなくていい感じなのかな?
「けど自分は攻撃力が不足してるんで……ステータス的にはクリードさんが前に出た方が攻撃力は増すと思うッスよ」
なるほど、筋力値だけなら俺が一番高いからなぁ……
「私は速さ重視の槍使いですからパーティとしてはクリード殿にはアタッカーとして動いてもらえた方がいいかと思います。耐久力も高いので頼もしいと思います」
「でも圧倒的に経験が不足してるよ? 慣れたら大丈夫かもしれないけど最初は足引っ張っちゃうかも」
「それこそ構いません。私たちはパーティです。クリード殿の成長は私たちでサポートします」
おぉ……頼もしい……
「そっか、ありがとう。でも剣とか握ったことないしハンマーとか打撃武器の方が良くないかな?」
なんか刃筋を立てるとか難しいんでしょ?
「打撃系は……ウルト殿の体当たりが一番強いと思います。簡単な扱い方は私とアンナで教えられますので」
そっか、俺が殴るよりウルト突撃させた方が間違いなく強いか。
トラック運転手としてどうかと思うけど世界が違うしそこさえ飲み込めば最強の攻撃手段になるんだよな……
「あたしは剣でいいと思うわよ? 剣で戦うのがベストじゃないかしら?」
「もしも怪我をしてしまったとしても私が癒しますから安心してくださいね?」
剣か……そりゃ男の子としては憧れしか無いですけども。
「鉄の剣なら大銀貨3枚か4枚くらいかしら?」
「払えなくもないか、じゃあとりあえず武器は剣の方向で……防具はどうしよう?」
『防具には少々アテがあります』
みんなでどんな鎧がいいのかなとわいわい考えているとウルトから声をかけられ思考が中断した。
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