あの一等星

AGE・小説家となるもの

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外伝 星に秘められし封印は……

こびりついた苔の星

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パラリアン「……」
アルファの想界……時としては世界作成から数年後
平和なリエルの都に現れしそいつはキョロキョロとあたりを見渡す
どうやら挙動不審のようだった
パラリアン(私だけ生き延びてしまった……?)
パラリアンはそう考察する
アストライオスとの通信がとれない
君主のアロンの位置でさえも分からない
しかし何故かアロンはそこにいた
青い空の下……山や町が見える平原
リエルの都にも自然公園のような自然が残る世界があった
そこに居た緑色のスライムのようなもの……それがこのパラリアンだった
本来私はただの駒であった
王都であるリエルとギリシャ神達の本部…神界を繋ぐための駒だった
誰も期待なんかしてなかった
自分自体に殺傷能力はない
せいぜい体当たりぐらいしか出来ない
緑色の星に込められた生物はアストライオスやフェニキアが思考と行動だけを詰めた簡易生物パラリアン……分身と粘着性で歩く地に力を残す
これは別の星とは異質な存在だった
パラリアンのみアロンの味方をしない中途半端な星だった
パラリアン「……なぜ」
パラリアンは不完全だ
少ない思考でもそれは理解できた
だから疑問が湧いてくる
不完全ながらも思考は頭を回した
だが不完全なんだ
どれだけ回そうが答えは出ない
その答えは思考のレパートリーに存在しなかったのだ
パラリアンの思考回路は単調だ
複雑なことを考えず実行する
ただ行動を教えられ思考し実行する
もはやできの悪いロボットって言っても過言ではない
パラリアン「…………」
パラリアンは少し沈黙すると動き出す
再度乗っ取ろうと考えた
それがパラリアンに出来る思考の最適解でありパラリアンに課せられた使命であった
自死などは思考できなかった
計画失敗を感じて皆が死んでもその択は思考回路になかった
つくづく欠陥な生物である

アヴェス「……」
同時刻、大魔術師であったアンドレア・エグズ・イーディク……通称アヴェスは元大魔術師の家に体を再結成させ復活した
パラリアンの残した因果なのか、それとも阿爽蓏アゾリズが私だと星達が見抜いていたのか
しかしどう考えたって阿爽蓏アゾリズの死で私は死んでいた
死者蘇生か?あいつは粋なことをしてくれる
理概を辿りアロンの記憶を覗き見たんだろうが星ではない私までも生き返らせるとは
アヴェス「なんか……あいつ変わったな」
アヴェスはそう呟いて部屋を出る
そこには世界作成から数年間暮らしていただろう者が立っていた
偶然か必然かその顔には見覚えがある
アロンを連れ去った男…ベータだ!
ベータ「やっと目覚」
ベータがそう言おうとした瞬間、アヴェスの拳がほっぺに命中した
アヴェス「お前…!!何をした?本当に何者なんだ!お前は!!アロンを殺っておいて!よくその面下げれるよなぁ!!」
アヴェスはそう怒りのまま主張する 
アヴェスの記憶が薄れていた阿爽蓏アゾリズはこいつを殴ろうとは思わなかった
しかし現在何故か二つの記憶を持ち得ているアヴェスはベータの行動に怒りが湧いてきた
自身だって一員だった
阿爽蓏アゾリズだったから
しかし阿爽蓏アゾリズに仕立て上げたのはベータ達だろうと
強制的に軍に引き入れるクソ野郎だと
例えフェニキアからの命令だとしても何故私を引き入れる必要があったのかと
キレた
ブチ切れた
アヴェスは憤怒した
ベータ(あぁ……そう言えばアヴェスからしたら俺はアロンを連れ去った悪魔にしか見えないのか……事情を知らないから……)
ベータはいきなりのことに少し驚くが主張を聞いてそう思い出す
アヴェスにとって俺はアロンの敵なる存在……神々の関わるクソ組織に関わるクソ幹部
アヴェスに会わせる顔はもうなかったんだ…と納得した
ベータ「すまなかった!!!本当に悪いことをした!我々は実験体を集めていただけなんだ!」
ベータはそう本気で謝罪する
実験体……そう五等星と呼ばれた五つの封印されし星をこの地に解き放ったのはアストライオスやフェニキアら神々の遊戯であり実験に過ぎなかった
まぁその結果その実験をした自身が被害被るのは分からなかったみたいだが
フェニキアは我々にギリシャ文字のコードネームを与え元々の世界形成に関わっている神だった
ただそれは変わった
ギリシャ文字を持つ者はフェニキアの配下に就きフェニキアの名の元に任務を遂行する都合のいい操り人形と化したのだ
我々が囚われていない時、五等星を集めたのはその状況を振り切るため……五等星の育成のためだった
 五等星を戦力に入れることで他と対立し縁を作りライバル的にすることでやがてパーティーを形成させる
レックスの死は想定外だった
カーリーを地方魔王に設定したのは語り継がれし強き魔物だからという端的なものであり、あの戦いはブラスターの確保とカーリーの調査を兼ねたものだった
あの生きるか死ぬかの絶体絶命な戦いに命の繋がりなど知れるわけもなく即座にカーリーを地方魔王と決定させた
それがブラスターに関わるものとは知らず
ベータ「アロンについては……俺でも救えなかった あいつの血が蠢き始めたから」
アロンの物語は他章よりも早かった
後天的のため星になったと言う事実を一番早く感じれたんだろう
星が降り他4星はこの地に生を受けたが後天的なアロンは成長の時間を要さなかった
それ故にアロンはあの星の中で最年長とも言えた
星の中は少年が多かったがアロンだけ青年だった
まぁアロンを十数年放置したことになるが十数年間彗星スターを特定できなかった
それが幸いと言うべきか
アルファが生まれ十数年、私は本部に育休を取り災いを逃れていた
アルファが能力に覚醒したとなれば模擬戦を行い能力を育て倒せるほど強くした
アルファが旅立つとなれば今度はリンナとレックスの元を訪ね対立させた
アロンは上からすればパラリアンでリエルの都を乗っ取る駒でしかなかったため戦闘では出さない決断を上から下された
その為、しばらくアロンはベータの作った世界に幽閉されていた事になるのだ
まぁその後、オメガにアロンを渡せと言われたのでしぶしぶ手渡したが
ベータ「あの十数年……俺は本当は助けたかった ただ神には抗えなかった だから試行錯誤しサポートした ギリシャ文字のリーダー格という上の地位を使い……」
ベータはそう目に涙を浮かべながら言葉を並べる
魔解屋マジュソルズが最強だと叫ばれたのも最早過去の話 
今の魔解屋マジュソルズは自分より強き者と対峙し闇堕ちした傀儡
人間である限り神には抗えない
その心が自身に負けを認めさせた
結果、こうだ
こうするしかなかった
ベータ「許せ アヴェス……」
ベータはそう詫びた
心から詫びた
アヴェス「黙れよ……結果的にお前は!人を……!人を殺してるんだ!人は…!人は……!道具じゃねぇんだぞ!!」
アヴォスはそう言葉を震わせて主張する
それは操り人形だったベータに言うべき言葉ではないのに自身の感情がそう主張し憤怒する
アヴェスはこいつのことが心から嫌いになったことを察した
ベータ「ああ…分かってる……ごめん……ごめんな……」
ベータはそう頭を下げて謝り続ける
アヴェス……いやこの世界の全員に向けて
取り返せない過ちだと言うことは既に分かってる
だからこそ罪悪感が胸を苦しめる
アヴェス「……」
アヴェスはそれを聞き沈黙した
ベータはずっと頭を下げている
流石に言い過ぎたかもしれないと思った
アヴェス「……分かった許そう 神には抗えない」
アヴェスはそう納得して許した
ベータ「本当にすまなかった」
ベータはもう一度そう謝り頭を上げた
いやな空気になってしまったなと二人は感じた

数秒の沈黙の後、アヴェスから口を開いた
アヴェス「……そう言えばなんでここに居るんだよ?」
アヴェスはそう疑問に思ったことを口にする
アヴェスはまだこの世界に来て短い
阿爽蓏アゾリズだった期から数年後だとは知らなかった
その為まだここはアヴェスの家だと感じたわけだ
結果的に味方だったとは言えわざわざ敵対関係以外に関わりのない私の家に泊まるか?と思った
まぁ阿爽蓏アゾリズへの転生がこいつの成した計画の一部ならば関わりは出てくるのだが
ベータ「償い…かな」
ベータは少し考えそう答える
ベータには行き場所が無い
神を信じぬ奴らは神に言いようにされたのを信じず魔解屋マジュソルズを批難した
神を信じる奴らでも神一方への批難ではなく魔解屋マジュソルズを含めた魔王軍への批難を飛ばしていた
つまりは居場所がない
魔解屋マジュソルズメンバーはあの戦いで殆ど散った
今、批難者から抗争を仕掛けられたら解散が余儀なくされるのは安易に想像できる
結界は張らなくて良くなったから現状、魔解屋マジュソルズは異変の解決しか仕事がない
そして行ったら行ったで批難は避けられない
そう詰んでいる
アヴェス「ああ 償いか…」
償いと聞き元王都リエルの都に暮らしているのは多分信用回復だろうとアヴェスは推測した
リエルの都は魔王に奪われた都、冥郷により王都として一時期扱われた
冥郷はthe城みたいな町並みだったがこの都リエルは自然ベースに建物が展開している
その違った町並みに惹かれた人々達によって冥郷が取り戻されてもリエルは第二の王都として栄えた
ベータは第二の王都で信用回復へ踏み出そうと考えてるわけだ
居場所さえ出来ればまた魔解屋マジュソルズを確立できるから…

アロン「はっ……?なんか違和感が……」
リエルに佇む立派だけどそこまで大きくもない簡易城
アロンはその城の自室にいた
あの戦い事後、アロンは目覚め若くして王となった
しかしあれ以降、何故か常時疲れが身を襲う
それでもアロンは今時まで王として君臨していた
しかしアロンは冥郷に戻る気が進まなかった
疲れと愛着……後、アヴェスの帰りを待つためアロンはそこに留まった
執事達はそれを反論しようとせず認め見守った
アロンは若きながら国の危険に晒されお疲れだろうと……
ただアロンはこの日、風の声を聞く
アロン「……敵軍が潜んでる?」
アロンはそう風から聞いた
ベータのことだろう
内なる善人…そしてアルファの父さん
それはアルファとレックス、アヴェスを除き知らなかった……
だからアロンは敵対する
アロン「軍をあげよ!迎え撃つぞ!憎き残兵を!!!」
アロンは町を壊した恨み、怒り、憎みを込め声を張り上げそう命令を上げる
そいつが仲間だと知らずに
後から入った情報だが魔解屋マジュソルズは問題の集団らしい
王国の判断として
アロンはそう決定づけた

それから数日間、魔解屋マジュソルズは王国から敵対され合戦を余儀なくされた
ベータ「嘘だろ……!?最悪だ…」
第一段階 放送でのあぶり出し
それを聞いたアヴェス、ベータは驚いた
そしてベータは情報の共有のために生存している仲間に焦って連絡を入れた
まぁ言ったって二、三人ほどだが
アルファのせいで本部にいた奴はベータ以外ほぼやられてしまったから
結果的に生きてた人らはξ、ψ、τ、ηだった
思ってたよりも生きてたが状況は依然劣勢
ベータ、アヴェスが出るとて六人程度
抗えるとは思えない
ベータ「……」
苦悩するベータ
六人で壊滅するほど軍は甘くない
勿論壊滅するものもあるがそれは流石に組織が弱すぎだ
国家勢力であり俺らに頼り切ってない判断方法
勿論冥郷が取られたときの軍勢よりも強くなってるはずだ
大戦からあいつらは何か学びを得、少なからず強くなっているはずだ
どうする?どうする?
アヴェス「人間にまで勝てる保証が湧いてこないのか?魔解屋マジュソルズ 神には勝てなかったのは仕方ないとて、なら人間には勝って見せろよ なんのための魔解屋マジュソルズなんだよ!」
アヴェスはそう強めに意見する 
守るべきだった魔解屋マジュソルズが人を裏切ったあの大戦
それは本当は魔解屋マジュソルズのやるべき事ではない
大結界だって本来世界を守るための策であり初期の魔解屋マジュソルズは平和を目指してきた
しかし今の魔解屋マジュソルズはどうだ?勝てない神との戦いを避けるために闇堕ちし善人気取って人操って挙げ句の果てには集団の人間に勝てませんだと?
ふざけるのも大概にしろと言いたくなる
過去の栄光にすがるのは気分が良くないが私が大魔術師を目指したのはあんたらの作った守りの結晶の大結界がきっかけだったのだ
ベータ「……元ファンの反転アンチって一番迷惑だな しょうがない そこまでいうなら俺も何か手を打とう 覆す策を」
ベータはそうアヴェスに呆れ顔を見せるとそう覆す策を作ることを約束した 

次の日
ベータ「停戦を要求する」
そうその策というのはこういう事だ
長であるベータの自首
相手は我々が狩るべき敵ではなく国でありだった
それは魔解屋マジュソルズの崩壊に近しい行為であり唯一の平和的解決法であった
ヘルディア「まさか自分から名乗り出てくれるなんてな 元魔解屋マジュソルズ隊長…ベータ!」
執事でありながら軍を率いる軍師としてヘルディアはそこにいた
そしてヘルディアはベータが停戦と言い放ったのを見て嗤った
嘲笑った
あの魔解屋マジュソルズが何も無しに降伏するなんてあり得ないと思ってたから
このへたれ具合が流石に嗤えてきたのだ
ヘルディア「ハハハ…!プライドはないの?自分から負けを認めて恥ずかしくないの?」
ヘルディアはそう嗤いを堪え訊く
そりゃそーだろうな 軍はあれで死んだからなと思いながら心の中でずっと嗤っていた
ベータ「魔解屋マジュソルズは負けていない!俺らの刃を向くのは悪でありお前ら国民共ではない!守るべきお前らに俺らは危害を与えるつもりはない!勘違いも甚だしい!」 
ベータはそう全体に主張する
が、
「どの面下げてそんなこと言ってる?」
「んじゃあの時は俺らが悪かったと?ふざけるな!」
「あれを忘れたとは言わせねぇ!」
「正義面キッショ 性悪説ってほんとなんだね」
「言い訳か?この後付けは許されない後付けだぞ?」
と口々に批判が飛び交う
あの事変は人々へ世界の死トラウマとして深く深く記憶にこびりついている
1度やったことは取り返しが付かないとはいえ……ここから信用を回復させると言うのは再度あれほどの状況を救わないと無理な感じがした
だが理概神に統治された神々はまたあんなヘマを起こすとは思えなかった
邪神はあれから力を弱めた
もうあれは起こせぬ
理概神達によって作られた新たな世界の理がそれを未然に防ぐから……
ベータ「事実私は敵に見えただろう しかしお前派を救ったアルファは味方 親子で意見が食い違ってる」
ベータはそう順に話す
だが野次は鳴り止まず話を遮った
「親子の喧嘩に俺らを巻き込むなアホ!」
「だからなんなんだ 一人の人間だから食い違うだろうが!」
その時ヘルディアは息を吸い
ヘルディア「主格が話してんだろうが黙れ!」
と声を張り上げた
その迫力に各々は黙り始めベータは再度話を続ける
ベータ「親子関係にあった俺とアルファ アルファは俺と同じ魔法の才を持ちながらも初神の封印されし紅き彗星レッド・スターに選ばれた こうなったのは神のせいであることは変わりないのだが俺はずっとあいつらを 権力を駆使しうまく力を開眼させるよう この意味がどういう意味か分かるか?簡単に言えば俺は組織のスパイだ 神に操られし現状を変えるために組織を活用し結果的に神を屈服させた 俺は味方でありお前らの敵ではない 都合のいいように思わされていた
問おう 大結界を張ってお前らを未然に防いだのはどの組織だ?能力の使えないお前らをいつも守ってたのは誰だ?俺らがあの戦い以外で負けたことがあったか?」
ベータはそう主張し続けた
今までの全てを簡略的に語った
固有名詞を省きわかりやすいように説明した
間接的に五等星の育てでしたと伝わるように
全てが響くように……

皆は黙りを続けた
全てを訊いた皆は武器を地に落とし敵意喪失を示す
剣が落ちる音が各々から鳴り響きベータを許すものも各々出てきた
ヘルディア「嘘からでまかせを吐きやがって」
ヘルディアは戦意を喪失させるものが出てくるその主張に更に怒りが湧いてくる
利用された?ふざけるのも大概にしろと
アロン「ベータ、お前は実に見苦しい!殺しておいて開き直りか?甚だしいのはそっちだろう!」
アロンは城壁の上から戦況を見ていたようでベータが少し上を除くとアロンの姿を捉えることが出来た
アロン「あんたの言うことは古い 古すぎる 「過去の栄光がああだから今の俺もああなんだ」って事か?おかしいだろ?最新の情報で反抗していた組織のメンバーでしたが出ているのにその前の情報で威張れるのなんなんだろうね 情報は変わってくんだよ 人柄も何もかも なのに変わってない なんの冗談だ?嗤える」
中学生の時の友達に同窓会で会ったとき友達は友達本人に見えるか?と置き換えれば簡単だろう
勿論変わっていてあの時のようには見えないが大抵の答のはずだ
そう情報は書き換わる
時の流れと共に情報は姿を変える
媒体を変えたり書き方を変えたりしながらも伝わっていく
それが歪んでいたとしても続く
だから昔がああだから今もああは端的に考えてあり得ない
少なくても変わっている
いや変わらなくちゃいけない
ベータ「最新の情報は上書きされてるだろう?組織に入ってましたで終わっていない 俺はスパイだった それが今の情報であり事実だ」
ベータはそう相手の土俵に乗った上で意見を返す
ヘルディア「あんだけ人を殺った殺人鬼のスパイでしたを信じられると思うか?」
ヘルディアは納得しない様子でそう返した
信じられるわけがない
荒らしといてスパイだから無罪とはなんねぇんだぞって話だ
もし仮にそうだったとしても減刑にしかならない
スパイでも組織の1人だ
欺きに何人殺した?何人犠牲にした?
ベータ「でもあいつらを!五等星を導いたのは俺なんだ!!」
ベータはそう主張する
自分は悪くないとは主張できない
どう考えたって有罪
だけど減刑なら望める!
なら首長を続けようと
アロン「本来ならそれはお前ら魔解屋マジュソルズの仕事だろ!突拍子に産まれた五等星がなんでお前らの尻拭いをしてやらなきゃならないんだ!そもそも五等星が出来たのもお前らの上の因果!黙れよ!因果を普通にそう形にしたのはお前の功績だがだからって!現にお前らのせいでレックスは死んでる!!」
アロンはそう強く反論した
ベータの回しが悪けりゃレックスのように死んでたかもしれない
でも!レックスを殺したのは許せない!大量の人々を殺したのは許せるはずはない!
許してしまったら遺族がそれを強く批判する!
ベータ「神から地方魔王を命じられてんだ 仕方ないだろ!」
ベータはそう反論を返す
裁判官「有罪ギルティは決定だな?」
騒ぎを聞きつけた裁判官のような者は一時始終を付近のものから聞き議論へ入った
殺った事実はスパイや五等星を導いても消えない
いくら組織犯罪を防ぐ行動を組織内で行ったって組織犯罪に加担してるのは目に見えて分かる
されてせめてもの減刑だろう
まぁ組織もろとも呑み込まれてしまったんなら罪は重くなるが
ベータ「有罪なのは認める が俺はいくらかでも世界が良いように動くようにしたのを忘れるな」
ベータはそう主張した
減刑を求める
それだけだ
ヘルディア「はぁ……別の視点からみてみろ アルファは神と化したんだ こんな批判だらけの世界にいるより葬送して天へ行った方がましだろ」
ヘルディアはそう論理感皆無の主張をした
息子であるアルファと同じとこに行くかは限らない
と言うか大体地獄に行くのは目に見えてる
ここまで有罪なんだから
ベータ「俺はこの地を離れる気は無い 気に食わぬのなら無期懲役でも数億の借金でも課してくれ 俺は……!俺達は今度こそこの地を守りたいからなんとしても死刑は免れたい!」
ベータはそう言うと少し涙を垂らした
今回はvs神だったから負けた 廃れた
でも俺はこの地を捨てる気は全くない
批判されようが何しようが一生を賭けて償う
それがベータの覚悟だった

感化されたのか気迫に押されたのかそれに反論を返す者は出てこなかった
コンコンと裁判官のガベルが響く
裁判官「ベータ、お前を懲役10年に処する」 
裁判官の声が静寂の中に響き、判決は定められた
ベータ「無期懲役じゃあ?」
ベータはその判決に内心嬉しいと感じたが今までの論争からそれは無いだろうとそう聞き返す
裁判官「五等星を昇華させた それは減刑の対象と言っても過言ではないだろう?」
裁判官はそう返答した
ベータ「……認めてくれてありがとう」
裁判官が来るまで批判の的だったベータは裁判官に救われた
それは違えることない事実だった

ベータのその報を聞いた他文字達も自首をしてきたが8、9年そこらの懲役しか科されなかった
今や魔解屋マジュソルズは必要ない
新たな第二の人生を歩むために今期はまだ捕らえられていようか
償うためにも……


END
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