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お父様は私が嫌い。

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「お前がお姉様を殺したのよ。リフター様の愛する人を殺したの。」
「だから、お従姉さま嫌われてるのよ。伯父さまに。」

お父様は私が嫌い。
私がお母様を殺したから。

お父様の愛するお母様を殺したから。
お父様は私が嫌い。

だから私は捨てられた。

お父様が私に会いに来てくれる。嬉しい、でも怖い、お父様に嫌われるのが。

もう、嫌われてるのに? 
捨てられているのに?

「伯父さまは、わたしに優しいのこのドレス伯父さまが買ってくれたの。」

お父様が? 私には無いのに。

「伯父さまは、わたしに会いに来るのよ。」
「そう、アクネラは亡くなったお姉様にそっくりだからね。」

お父様は私には会いに来てくれない。だって、私がお母様を殺したから。


「王族との婚姻はお義兄様のおかげなのよ。」
「そうよ、伯父さまのおかげなのよ。貴方には分不相応よ。人殺しのくせに。」

分かっている。お父様に迷惑をかけないようにしなくては。

お父様ごめんなさい、お母様を殺してしまって。産まれてきてしまって。

何度も何度でも謝るから、嫌わないで。お願い、返事を返事をください。

会いに来てくれない、返事もない。やっぱり、私は嫌われているのね。

寂しいお母様。

悲しいお父様。



真っ白な大理石で作られた王城の舞踏会会場で私は一人。

「リフィル、この犯罪者め!! 」 

幼き頃から婚約していたアフォガード様が叫んでいる。

「お前が、アマージョ王女を毒殺しようとしたことはわかっている!! 」

毒殺て、なに?

「アマージョ王女は我が国の最大の同盟国。その王女を嫉妬のあまりに毒殺しようとするなんて!! 」

何を行っているの? わからない。

「わたくしと、アフォガード様が親しくしているのがそれ程悔しかったのですのね。」 

この二人は、なにを言っているの?

「まずは、私とこの女の婚約を破棄致します。」
「うむ、致し方あるまい。」 
「大罪人との婚姻など、わたくしは許しません。」

王様、王妃様。

「次に辺境伯の令嬢の地位を取り上げ、平民に処しましょう。」
「大罪人には名誉ある辺境伯の令嬢の地位は相応しくない。」
「キャンベル伯爵家の面汚しですわ。」

アガート王太子殿下、ロレーヌ様。

「ああ、なんてこと!! 御義兄様になんて言ったらいいの!! 」
「叔母様………。」

「大丈夫ですわ、お母さま。伯父さまはリフィルお従姉さまの事などきっと排斥してくださるからキャンベル伯爵家は大丈夫よ!! 」

お父様が私を? 既に捨てられてるのに。

「リフィル!! 王女の毒殺未遂の罪を認めろ!! 」

私は何もしていない。だめ……ここで反論しないと、お父様に迷惑がかかるわ。勇気を出して……

「私…、……して…せん。」
「何!? 」

怖い、助けて。誰か、誰か……

「私は、何もしていません!! 」

お父様に迷惑はかけられない、ただでさえ嫌われているのに。

「酷いですわ!! わたくしが嘘を言ってると言うのですか!? 」
「アマージョ王女が、なんのために嘘を付く!! 罪を逃れようとするな、リフィル!! 」

助けて……お父様。

「わ、私は……」
「そうか、分かったぞ。おかしいと思ったんだ、お前一人の考えではないのだな!? キャンベル伯爵の意向だと言うのだな!! 」
「そんな!? だとしたら、国家反逆罪ですわ!! 」

違う、お父様は関係ない。

「まあ!! なんて娘なの!! わたしのお姉さまを殺しただけでは飽き足らず、御義兄様まで殺そうとするなんて!! 」

やめて、言わないで!!

「伯父さまに疎まれているからと、伯父さままで殺そうとするの!? 」

違う、違う!! 

「このままだとキャンベル伯爵の指示だと言うことになるぞ!! 父親を国家反逆罪で殺すのか!! 」

「なんて恐ろしい……」
「父親を殺そうと……」
「母親を殺して産まれてきたのに…」

ごめんなさいお母様。殺してしまって……
ごめんなさいお父様。産まれてきてしまって……

「さあ応えろ、リフィル!! お前一人がやったのか!? それとも 」
「私が!! 」

ごめんなさい、お父様。

「私が、一人でやりました。」

ごめんなさい、お父様。
命をもって償うから、私を許して。



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