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ー辺境の花嫁ー        ❉

イグニス国王城。

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「すまないが。」
フランクはイグニスの王城へたどり着き、門番の兵士に声をかけた。

「俺はアラスタ帝国のフランク・フォン・シトラスだ。妻カサンドラのを持って来た。王に、謁見を申し込む。」
後ろに四人の黒い衣服を来た騎士を置き、黒い髪を靡かせながら黒い瞳を門番に向ける。

「「ひぃ!! 」」
突然現れた武骨な黒騎士達に門番は息を呑んだ。武骨な騎士を連れた黒髪の男は、自分をアラスタ帝国のフランクと名乗った。その名は戦場の死神と呼ばれる者の名だ。
しかし、確かに精悍であるが後の騎士達に比べれば細いフランクに本当かと胡乱うろんな目を門番は向ける。フランクの格好もいけなかった彼は王に合うために正装を着用し、武人と言うより爆ぜろイケメンの優男に見える。なぜならフランクは戦場で輝く者で、普段は只の常識人であったからだ。

マリーナもフランクの大きな声に驚くが、姿を恐がってはいなかった。

「聞こえなかったか? 帝国のシトラス公爵が、妻カサンドラの結納を持ってきたと言っている。」
フランクは少し目を細めた。

主の言葉を聞かすために、後ろで控えていた騎士達が威圧をかける。

そうフランクは怒って、只の爆ぜろイケメンの優男に見えるのだ。その所為で、舐めた者が後から酷い目に合わされることが多々あった。それを押さえる黒騎士達も、酷い目にあっていた。

「主の言葉が、聞こえないのか? 」 
黒騎士の隊長格の男が声を出す。

「「はひぃ!! た、ただいま!! 」」
圧力に押されて、一人が転げるように城の中に入って行った。


フランクと御付きの騎士達は、謁見の間ではなく舞踏会会場へと案内された。朝も早くから舞踏会をやっているようだと思っていたら、昨日からの徹夜のようだ。

「何かの祭りか? 」かと聞けば、週に一度は舞踏会を開いているようだ。その開催費用シワ寄せは、イグニスの国民と貴族達にかかっているらしい。イグニスの国民と貴族達とは元々いた者達であり、王家や高位貴族としてふんぞり返っている者はニスラス国から来た者達である。商人や国民の一部にもニスラス国から流れて来た彼等は、特権階級としてイグニスの国民と貴族達を搾取していた。

反発する者は押さえつけられ、ここ十数年で完全にニスラス国の支配する国となっていた。

イグニスの貴族達には、必ず舞踏会に来ることを義務付けお金を使わせ軍資金を貯めさせないように取りはからっていた。

週一の舞踏会はイグニスの貴族を、その領内の民を確実に疲弊させていた。

イグニスの同盟国であったアラスタ帝国が乗っ取りあの時、何も言ってこなかった事に、何もしてこなかった事に対して。

小国のニスラス国を納める王は、母国の後ろ盾さえあれば同盟国の帝国など必用はない。

『どうせ、帝国はニスラス国を恐れて手出しはできないさ』

帝国は、後ろ盾のニスラス国を恐れていると現王家は思っている。

大国であるアラスタが同盟を強化する為に小国のイグニスに重要人物を人質客人として寄越すよう打診すれば、人質にはならない重要人物ではない者を送ってきた。

帝国は同盟を今迄取り憑くられいた為何も言えなかったが、今回の事で舐めたイグニス国を懲らしめようと思っていた。ついでに後にいるニスラス国に圧力をかけようと。

だが今回は、フランクが動いた。 
何時もは通常人で、穏やかなフランクが怒りを露わにした。人質花嫁として送られてきた、余命いくばくない寿命いくばくない女性。

帝国を舐めた対応、自分のとなった者に対しての今迄の仕打ち。フランクにとってはどれも許せるモノではなかった。

それでいて今もイグニスの現王家は、老女を娶とったフランクを笑い者に仕様と舞踏会会場みんなの前へと呼び出したのだった。











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