記憶の中の伝説

❄️冬は つとめて

文字の大きさ
上 下
13 / 16

マリリン、大活躍。

しおりを挟む
手に届かない場所から、罵詈雑言をシンに浴びせるマリリン。
日頃の鬱憤を叫び続ける。

「シン。ラブリーちゃんに、何をしたんだ? 」
「さあ? さっき会っただけだ。」
「だよな。」
あまりのマリリンの言葉にシンとレストも首を傾げる。

「そう言えば、シンがに似てると言ってたよな。」
「酷い奴なんだな、きっと。」
二人は納得して頷いた。

その間も『働き蜂』は小さな部屋から出て来て、二人を襲う。本体から紐のように繋がった針が、伸ばされる。それを弾き、レストは槍で野球のバットを振るように本体を打つ。バランスを崩した本体の上の部分の急所をシンが壊す。

「はやく降りて来い!! 」
「助けて~ドラ○もんラブリーちゃん!! 」
何体も相手にしていると、やはり疲れが出てくる。シンとレストはマリリンに助けを求める。

「誰が降りるもんですか!! バカ!! バーガー、バーガー!! 」
どうやら機嫌はなおってないようだ。ねこ耳は頭に引っ付き、しっぽは膨れている。

「ほら、シン謝れ。」
「悪かった。」
「誠意がたりない!! 口先ばっかり!! 何時もそう!! 」
マリリンは納得しない。

「それ、俺じゃないから。」
「ラブリーちゃん、パンツ見えてるよ。」
「どこみてるのよ、変態!! 」
女王蜂の上で仁王立ちしているマリリンに、レストは下着が見えてるよと教えてあげる。

「仕方がない。」
シンはため息をつくと、飛んだ。次々と、働き蜂を足場にして上へと飛びつく。あっと、言う間にマリリンの傍に降り立った。

高さとしては三階くらいである。

「ほれ、受け取れ。」
「いやあぁ゙ぁ゙ぁ゙~~!! 」
シンはマリリンの襟首を掴んで、ぽいっと投げた。手足を縮めて、ぽいっと投げられるマリリン。

「ラブリーちゃあ~ん!! 」
レストが手を広げてマリリンを受け止めようと、右往左往する。

やはりマリリンは猫のように空中でと、体制を変えて床にと着地する。

その後をシンも女王蜂の頭上から飛び降りた。

「また雑にあっかって!! 」
抗議しようと顔を上げると、降りてきたシンに後襟首と腰のベルトを捕まれそのまま持ち運ばれる。

「ちょつと、やだ!! 放して!! 」
「頼んだぞ、ドラ○もん。」
女王蜂の下の凹んだ所へとマリリンは抗議も虚しく押し込まれる。

「何時も、何時も、そうなんだから!! ジンのバカ!! 」
「いいから、はやく壊せ。」
言葉でせつっく。レストのように槍を持っていたら後ろから突っいてたかも知れない。

マリリンは四つん這で前に進む。女王蜂の真ん中辺りで、少し広い場所に出る。其処は機体を動かすエネルギーを運ぶ回路が張り巡らされていた。停めるのは簡単だ、回路を切断すればいい。

マリリンは手をかざした、指の先から鋭い爪が出る。

「ジンのバカーー!! 」
マリリン必殺の猫の爪が、回路に炸裂して切り刻んでいく。

女王蜂の点灯していた明かりが、回路を切断されて一つ一つ消えていく。

そして総ての回路を切断し女王蜂が機能停止をすれば、空に浮かんでいた働き蜂は。

「うおっ!! おおっ!! 」
レストは頭を押さえて落ちてくる働き蜂から逃げ回る。当たればたん瘤どころではない。其れを安全地帯女王蜂に張り付いてるシンは見ていた。 

最後の働き蜂が落ちて、辺りは静まり返った。

「くっすん、くっすん。ジンのバカ、ジンのバカ。」
泣きながら四つん這で凹みか出てくるマリリン。

「よくやった。」
シンは襟首を掴んで持ち上げた。

「ラブリーちゃん!! 」
レストも駆けつける。

「ジンの、バカーー!! 」
襟首を持たれながら、マリリンは必殺の猫パンチをシンの顔に食らわせたのは言うまでもない。

ついでに必殺の猫キックも、シンのお腹に食らわせていた。









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

旦那様には愛人がいますが気にしません。

りつ
恋愛
 イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。 ※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

処理中です...