記憶の中の伝説

❄️冬は つとめて

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『働き蜂』機能停止。

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「だが、いくらオレでもロボットに欲情はしないぞ。」
「こいつもロボットだが。」
「ロボットじゃないわ!! アンドロイドと言ってよね!! 」
カンカンと、飛んでくる紐のような腕を弾き飛ばす。

「ラブリーちゃんは、ラブリーだからいいんだよ!! 女の子というフォルムは大事だ!! 」
「そういうものか? 」
「そういうものだ!! 」
鬱陶しそうに襲ってくるモノを弾き飛ばしながらシンとレストの話は続く。

「あんたたち変!! 敵を前になに余裕ぶってんのよ!! 」
戦闘力皆無なマリリンは、二人を盾にしながらも叫ぶ。

「シャインシステムは生活支援システムだから、軍事システムに入れないのよ。だから、ソレはあたしには停められないわ。」
システムを動かす機械の座る所の椅子を出して、そこに隠れ込む。

「そのうち、ブスッと刺されてマナを奪われちゃうわよ!! 」

そう、マナ収集装置『働き蜂』は紐のようなモノを相手に刺しそこからマナを採取し、マナ貯蔵器『蜂の巣』に保管するのだ。
箸ほどの太さの針が刺さるのである。

「それは痛いな。」
「痛いだろうな。」
「痛いってもんじゃないわよ!! 刺さりどころでは、死んじゃうんだから!! 」

緊迫感のない二人にマリリンは、説明する。

「まあ、マナすっからかんに取られたら生物は死んじゃうんだけど。」
マナは生物にとって生命力である。それを『働き蜂』はすっからかんに奪うのだ。

刺さりどころがよくても、結局はお亡くなりになるようだ。

近づいてくる『働き蜂』をいち早く、長い槍のレストが柄で殴りつける。浮いている『働き蜂』は反動で飛ばされるが、ダメージは無い。

「無傷か。」
「さすが、ゴーレム。」
「ゴーレムじゃない、『働き蜂』よ!! て、言うかロボットだから!! 」
鉄で出来てる『働き蜂』は、殴っても斬っても少しキズがつくかどうかである。

「無駄よ、急所をつかないと。」
マリリンの言葉にレストが動いた。

「急所とはコレだーー!! 」
槍を赤く光る所にも突きつけた。

「ハズレだ。」
付かれて壁にあたり、弾き帰ってきた『働き蜂』の上の文分の真ん中の凹みにシンは短剣を差し込んだ。

ギ、ギギギと動きが止まり、コロリと床に転がった。

「おお、よく分かったシン。」
「……なんとなくだ。」
褒めるレストに、首を傾げながシンは応える。そう彼はなんとなく、が急所だと分かった。上の部分など見えてもいなかったのに。

(シン、やっぱりあなた…… )
机の下から椅子を盾に持ち隠れているマリリンはシンを見つめる。

急所が分れば、後は簡単であった。カンカンと攻撃を弾き飛ばし、ついでに本体もレストが殴り飛ばしバランスを崩し急所が見えたところをシンが刺す。

次々と『働き蜂』は機能を停止して床に転がっていく。素晴らしい連携プレイである。

「ラブリーちゃん、見てるーー? 」
「レスト、カッコいい!! 」
マリリンも陰ながら、応援のアシストをする。

「うひょーー!! 気分、アゲアゲ!! 」
レストは人一倍動いた。女の子に良いトコロを見せ、声援を貰う。レストにとっては、最高の幸せだった。

「レストが動くなら…… 女子を入れてもいいか。」
シンは人一倍動くレストを見て、呟いた。

女性がいて守りに徹して動かなかったレストはもういない。マリリンの『守って戦ってくれる人』=『カッコいい』が効いていた。レストは戦って守る、騎士となっていた。

『働き蜂』を総て機能停止なったと、マリリンは机の下から出てきた。

「シン。あたしを置いていかないわよね。」
ドヤ顔でシンを見るマリリン。

「当然だろ!! ラブリーちゃんを置いて行くなんて、男としてどうかと思うぞ シン!! 」
レストを戦える男に変えたのは紛れもなくマリリンである。ついでにマリリン女子が居れば、レストは人一倍働くであろう。

「わかった。」
との道置いていける訳もなく。

「やったー!! ねこ耳、ねこ耳、やほー、やほーーっ!! 」
「ちょっと、やめなさい!! 」
嬉しさのあまりのマリリンを高い高いするレストであった。






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