記憶の中の伝説

❄️冬は つとめて

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上の階へ。

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「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ~ 」

相手が弱いとは言え、数が多いい。時々、バットやネズミまで戦いに加わって来る始末。

それなのにレストはお姫様を守る騎士気取りで、戦いに加わろうともしない。ドラ○もんは戦闘能力皆無の為に、応援のみ。その声もなんかむかつく、シンはその憤りを妖魔達にあてる。

「はぁ、はぁ、はぁーーっ。」
やっとの事全滅させて息を整える。

「シン!! 」
ズバッ!! と、後ろからシンを襲おうとしたバットに刺さった。串刺しになったバットが槍と共にシンの足元に刺さる。

最後に槍を投げただけで、やってのけた感を出すレストにイラッとくる。シンは槍の柄を持って抜き、レストにバット付で投げ返した。

パラリと髪が舞い落ち、レストの顔付近の壁に槍が突き刺さっている。

「シン、危ないじゃないか!! 手渡しにしろよ!! 」
よっこいしょと槍を抜く。

「助けてもらったんだから、礼ぐらい言ったら。」
「お前がな。」
マリリンの言葉にイラッとくる。

「俺だけ、戦わせやがって!! だから女が入ると嫌なんだ!! 」
シンは短剣を鞘に収めて歩き出す。二人を無視して。

「仕方ないだろ、ラブリーちゃん。戦闘能力皆無なんだから。」
「そうよ、あたし戦えないんだもの。」
黙って歩き出すシンの後を付いて歩くレストとマリリン。

「戦えないラブリーちゃんを戦わすとは、こくだろ。」
「そうよ、そうよ。」
息がぴったりの二人である。

「お前に言ってんだ、レスト!! 戦いながら、守ればいいだろ!! 」
「目を離した隙に、女性の肌でも傷ついたらどうする!! 」
振り返ったシンはレストに詰め寄る。シンの言葉に、理不尽にもレストは言い返す。

「お前は!! 」
シンとレストは、今にも喧嘩になりそうな険悪な雰囲気である。

「傷つく前に、敵を倒せばいいのよ。」
仲裁するようにマリリンが二人に話しかける。二人の目がマリリンに向いた。

「だって、戦ってくれるって格好イイじゃない。」
マリリンはシンに向かってニヤリッと笑う。

「シン、凄く格好よかったわ。ありがとう。」
「……… 」
白々しく礼を言うマリリンに、冷たい目を向けるシン。

「なんてこった!! 」
ザンとレストはその場に膝をつき、手をつく。

「守るだけでは駄目なのか!! 戦う姿を見せなくては!! 」
女の子マリリンの言葉に、目から鱗のレストである。

「どう? これで、今度からレストも戦うわよ。フフン。」
「……… 」
無い胸を張るマリリンに、シンは呆れた顔をする。

その時、ぐらっと周り全体が揺れた。

「なんだ、地震か!! 」
揺れたのは一瞬であった。崩れた物はなにもない。暫く警戒していると、階段の上の方から声が聞こえてくた。

「うわあああぁーー!! 」
「逃げろーー!! 」
転げるように上の階から階段を降りてくる男が二人。

「待ってくれ!! 」
「早くしろ!! あいつが囮になってる間に逃げるんだ!! 」
転びそうになる男に、もう一人が叫ぶ。

「囮だと!? 」
男達の『囮』の言葉にシンとレストは、反応する。

すれ違おうとする男の胸ぐらをシンとレストは掴んだ。

「「あの娘を囮にしたのか!! 」」
二人は鬼の形相で男達の胸ぐらを締め付ける。

「オレたちは悪くない!! 」
「あいつが悪いんだ!! 」
締め付けられる腕を掴みながら男達は反論する。

「あいつが!! あいつが、変なものを押すから!! 」
「そうだ!! あいつが悪いんだ!! 」
言い訳をする男達。

「ゴーレムだ!! ゴーレムが目覚めたんだ!! 」
「あいつが、何にかを押したから!! だから!! 」

自分達は悪くないと。

目覚めさせたが、責任取って残るべきだと。

「お前、パーティー組んでたんだろ!! 」
「貴様、女の子を置いてきたのか!! 」

「「オレたちは悪くない!! 悪くないんだ!! 」」
話にならない言い訳。

シンとレストは男達を放り投げた。相手にするだけ、時間の無駄だ。

シンとレストは上の階段へ向かって走り出した。マリリンも二人を追って、後に続く。
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