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お父様の家族。

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「多額の寄付が出せるのであれば領内が潤ってるのでしょうから、税の見直しをしなくてはなりません。よろしいですか、陛下。」
「良きに計らえ。」
「有難う御座います、国王陛下。」
コッペリウスは陛下に一礼する。

(ぱい先。オレ、いいトス上げましたッスよね。反省文回避でお願いするッス!! )

侍女として働いていた処のお手つきで、産まれた下位貴族(子爵)の側妃の子。忘れ去られた四男坊のスクワードは、空気を読むのが旨かった。

「まあ、お金が入りますのね。美しいドレスを新調しなくては。」
(空気読めーー!! )

反響するように出来ている聖堂は、正妃の小さな声でも会場内に響き渡った。




      




「コッペリア!! 」
銀の髪と青い目をした近衛騎士が、会場を後にしたコッペリアに抱きついた。

「お兄様。」
「あら、アリコット。」
「大丈夫か、コッペリア。」
腕の中から離し、両手でそっと顔を包み込む。

「涙の跡がある。」
「大丈夫ですわ、お兄様。」
「あの元糞婚約者、今からでも剣のサビにしてくれる。」
剣の鞘に手をかけて震えながら言った。

「おやめください、お兄様。わたくしが、浅はかだったのです。」
コッペリアはその手に手を添えて首を横に振った。

「その所為でお父様にも、フジ侯爵家にもご迷惑をかけてしまいましたわ。」
「コッペリアは反省をしているのだな。」
「はい、お兄様。」
俯く妹の頭を兄は優しく撫でた。

「虐めは悪い事だ。だがその事に気がついて反省し、相手に謝れることは良い事だ。」
「はい。アルプース令嬢が優しい方で、わたくしを許してくださいました。有り難いことですわ。」
コッペリアは哀愁漂う笑顔で兄に応えた。二人にそっと母親も寄り添う。

「二度と虐めは駄目よコッペリア。」
「はい、お母様。」
母の言葉に素直に返事をする。

「今回の件なら合法的に潰せたんだからな。」
「ええ、社会的に抹殺できましたわ。」
兄も母も今回の件に、深い憤りを感じていた。コッペリアが感情に任せて虐めをしなければ、家族揃ってエレベート公爵家とアルプース男爵家を潰しに掛かっていただろう。社会的に。

「お兄様? お母様? 」
感情溢れるコッペリアには、まだフジ侯爵家の闇の部分が分かっていなかった。

「なぜ、元婚約者の不貞行為をを話してくれなかったんだ。知っていたら、合法的に潰してやったのに。」
「そうですよ。コッペリウスが知ったら、社会的に抹殺しましたのに。」
恐ろしい事をコッペリアの家族はさらりと言った。

「教えて欲しかったぞ。」
「相談してほしかったわ。」
兄と母は優しくコッペリアを抱き締めた。

「「私達は、家族なのだから。」」
二人揃って優しい笑顔をコッペリアに向ける。

「だって、恥ずかしかったのですわ。」
もじもじと、俯きながらコッペリアは言った。

「フランツ様を振り向かせられないのは、わたくしに魅力がない所為だと言ってるようなものですもの。」
政略結婚でも、出来れば思い合う二人にコッペリアはなりたかった。嫁ぐ公爵家の為にも努力はしてきたつもりだった、でもそれはフランツには届かなかった。フランツの為、エレベート公爵家の為にと勉強や作法に明け暮れていた。対等に意見を言い合える関係より、フランツは自分を頼り縋ってくる女性を選んだ。


「魅力が無いだと!! 」
「魅力が無いですって!? そんなことはないわ、コッペリア。」
兄と母はコッペリアの言葉に声をあげた。

「そうだ!! もしコッペリアが妹でなければ、今すぐ俺が婚姻を迫りたい程魅力的だ!! そして結婚して部屋に閉じ込めて、男の目に見せなくない程に魅力的なんだ!! 」
兄アリコットは狂気的な内心を暴露した。

「この変態!! いい加減仕事に戻りなさい!! 」
そんな息子を母は、扇子で何度も頭を殴った。

「いや、俺が(王太子に)殺気を飛ばしてるから『お前が一番危ない』と、隊長から自宅待機を命じられたんだ。」
「お兄様、わたくしの所為でごめんなさい。」
兄の処遇にコッペリアは謝った。

「いや、俺が王太子を殺したいだけだから、コッペリアは悪くない。」
「場所を選びなさい。」
パシパシと息子の頭を扇子で叩く。決して『言葉を選びなさい』とは母は言わなかった。

「ではコッペリア、母上、馬車までエスコートを致します。」
近衛騎士として洗練された動きで腕を差し出す。二人の女性は、その腕に手を絡めた。

「ところで母上。」
馬車まで両手に華のアリコットは歩きながら母に尋ねる。

「実はコッペリアは母上の親族の娘で、俺と兄妹ではないと言う設定はありませんか? 」
「無いわ、正真正銘兄妹よ。」





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