【小ネタ集②】虐げられた、令嬢は……

❄️冬は つとめて

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契約結婚と政略結婚。(契約結婚の妻、顧みられない=可哀想。だと思う方にはオススメできません。旦那様寄りです。)     ✼

虐げられし……

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居た堪れなくなって、A婦人は声をあげる。

「夫は、夫は、わたくしを愛してくれないのですよ!! 」
わあっと、A婦人は顔をおさえる。

「あら、わたくし。【白い結婚】ですわ。」
しれっと、D婦人は自分の秘密を暴露する。その場の婦人は目を見開いた。

「言うに事欠いて、初夜に『君を愛することはできない』ですって、ふざけてますわ。」
D婦人は新たなるワインボトルをそのまま、ラッパ飲みをする。

「おかげで、使用人達にも侮る一方。やってられませんわ!! 」
ダンと、ボトルを机に付ける。

「「D婦人…… 」」
つらそうにBとC婦人達は、D婦人を見詰めた。

「後一週間したら【白い結婚】で、結婚自体なかった事にしてやんるだから!! 」
D婦人は笑う。

「慰謝料ガッポリとって、別れてやるのよ!! ざまあみろ!! 」
既に証拠もおさえてある、裁判しても勝つ自信はあった。

「素晴らしいですわ!! 」
「応援します!! 」
BとC婦人は、拍手喝采を送る。既に彼女等は酔っている。

「あ~~あ。コレだったら、前A侯爵の打診を受けていたらよかったわ。」
D婦人が、A侯爵との契約結婚を承諾していればよかったと呟いた。

「で、でも、夫に愛してもらえないのですのよ!! 」
A婦人が愛してもらえないと、訴える。

「だって、でしょう。愛なんて、関係ないわ。」
「そうですわ。」
「そうですよね。」
婦人達はA婦人を見る。

「むしろ、いい人? 『愛人いるから結婚しない』と豪語するだけ貴族としてはアホだけど、いい人よね。」
「隠しているより、いいですわ。」
「そうですわね、心構えが違いますわよ。」
CとBとD婦人は頷き合った。

「でも、結婚しても愛してくれないのですよ。」
A婦人は必死に訴える。

「結婚を打診したのは、彼の両親でしょう? 本人は望んでないのよね。」
「だから、なのですわ。」
A侯爵は、嫌嫌ですわよね。」
婦人達はA婦人を見る。

「子供を作る努力をしてくださるでも、いい人じゃない。わたくしの処なんて、無かったのよ。」
「クズ亭主に、罵られる事もないんでしょう。」
「義理親とも、良好。」

「「「いったい、なんの不服があるの? 」」」
三人の婦人は座った目で、A婦人を見据える。


「まさか、愛してくれると思ってたからとか? 」
「え、好きだったとか? 」
「なにそれ、怖い。」
婦人達は、A婦人を見据える。

「そ、そうよ!! わたくしは、A侯爵様を愛しているの。初恋でしたの!! 」
A婦人は、A侯爵を愛しているから結婚したと告白した。

「うわ~、結婚したら愛して思って結婚したって…… 」
なのに? 」
「なにそれ、怖い。」
婦人達は、変なものを見る目でA婦人を見る。

「政略結婚なら家の後ろ盾とかで、ある意味対等だけど。」
は、雇用関係ですわ。」
「なにそれ、怖い。」
婦人達は【政略結婚】と【契約結婚】の違いを話す。

「でも、結婚したのですから、夫婦は愛し合うものですわ!! 」
A婦人は結婚したからには、夫婦は愛し合うものだと主張する。

「えーーっ。それ、わたくしの前で言っちゃう? 」
A侯爵本人とではなく、前侯爵とのですのに? 」
「なにそれ、怖い。」
夫婦になっても【白い結婚】のD婦人。【雇用関係で結婚した】のにとB婦人。C婦人はA婦人を先程から怖いと思っている。

「わたくしは、。」
A婦人は主張する。








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