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婚約破棄を叫ぶ、体育館。
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「悪霊、退散!! 」
バチッーーン!!
小気味よい音が体育館内に響き渡る。
「「お姫様!! まさか!? 」」
「ええ、付かれてますわ。」
鈴音と鈴香の問に、迦具夜は応える。
「えっ、悪霊? 」
「疲れてる? 」
「付かれてるって!! 」
生徒会長迦具夜の行動に、演台の下の生徒達が驚く。
「迦具夜様。此処は生徒会内で受け継がれる、学園七不思議最後の場所です。」
「何故か『婚約破棄をしてしまう、体育館』なのでごさいます。卒業式後に起こる現象なので、油断していました迦具夜様。」
鈴音と鈴香は、ここ体育館が生徒会書紀に残されていた七不思議最後の場所。『婚約破棄をしてしまう、体育館』だと話した。
先程から講演台の上のマイクが、演台者達の言葉を拾って体育館内の生徒達に丸聞こえだ。
「えっ、七不思議てなに? 」
「卒業式後の婚約破棄!! 」
「ああ、あれがそうなのか!? 」
一二年生は知らないが、二年の時に参加した今の三年は目の前で起こった卒業式後の婚約破棄事件を知っていた。
しかし、二年の時迦具夜は卒業式には参加していなかった。自分が参加することで、卒業生の座を奪ってしまうのを懸念して。偉い方が月夜見家に群がって来るで迦具夜は式典等にはあまり参加しないのだ。鈴音と鈴香は迦具夜がでないのなら、出るはずもなく。卒業式の婚約破棄騒動など知るよしもなかった。
「そう、決まりね。」
迦具夜は闇の瞳を月のように煌めかせる。
「もののけ。いえ、もののけになる前の言魂ですわ。」
言魂とは、思いを乗せた言葉が真実に変わる現象である。時経てば、もののけという器を作る。この言魂は、五年もこの学園に燻ぶって器を作ろうとしている。
「祓い、清めますわ。」
「「はい。」」
迦具夜の言葉に鈴音と鈴香は返事をする。
不穏を感じ取ったか、講演の上の付かれた者達が逃げようと動き出した。
「きぇーーーーーぃ!! 」
甲高い声が体育館内に響き渡った。鈴音の声だ。
逃げ出そうとした付かれた者達が、金縛りにあったように動かなくなる。その隙に鈴香が御香を用意し、火澄が火をつけ疾風が体育館内に香りを解き放った。
甘い香りが体育館内に漂う。力抜けたように、付かれている者達が床に崩れ落ちていく。
と、同時に体育館内の関係ない生徒達もその場に崩れ落ちた。いわゆる、痺れ薬のようなものだ。痺れはないが。
それでもまだ足掻いて逃げ出そうとする、綾小路隼人を火澄と疾風が両側から押さえつける。
月夜見迦具夜は綾小路隼人の前に進み出る。
「隼人様。今、お助け致しますわ。」
迦具夜は膝下よりも長いスカートの下から、太腿に隠していた物を取り出す。その時、ちらりと見えた白い太腿を見れた者は幸せである。
迦具夜は取り出した物を両手で掴んだ。
棒である。
だが、ただの棒ではない。
恐れ多くも御神木の枝である。 正式名称、大幣と呼ばれるものである。
その大幣に、白い紙が巻かれてある。正式名称、紙垂である。
迦具夜が大幣を手に持つと、紙垂がふわりと広がった。
「畏、畏。願い、もうす。」
迦具夜は大幣を額にあたるくらいに近づけ、目を閉じ頭を下げる。
「祓えたまえ、清めたまえ、神ながら守りたまえ、幸えたまえ」
静まりかえった体育館に、迦具夜の声が流れる。
バチッーーン!!
小気味よい音が体育館内に響き渡る。
「「お姫様!! まさか!? 」」
「ええ、付かれてますわ。」
鈴音と鈴香の問に、迦具夜は応える。
「えっ、悪霊? 」
「疲れてる? 」
「付かれてるって!! 」
生徒会長迦具夜の行動に、演台の下の生徒達が驚く。
「迦具夜様。此処は生徒会内で受け継がれる、学園七不思議最後の場所です。」
「何故か『婚約破棄をしてしまう、体育館』なのでごさいます。卒業式後に起こる現象なので、油断していました迦具夜様。」
鈴音と鈴香は、ここ体育館が生徒会書紀に残されていた七不思議最後の場所。『婚約破棄をしてしまう、体育館』だと話した。
先程から講演台の上のマイクが、演台者達の言葉を拾って体育館内の生徒達に丸聞こえだ。
「えっ、七不思議てなに? 」
「卒業式後の婚約破棄!! 」
「ああ、あれがそうなのか!? 」
一二年生は知らないが、二年の時に参加した今の三年は目の前で起こった卒業式後の婚約破棄事件を知っていた。
しかし、二年の時迦具夜は卒業式には参加していなかった。自分が参加することで、卒業生の座を奪ってしまうのを懸念して。偉い方が月夜見家に群がって来るで迦具夜は式典等にはあまり参加しないのだ。鈴音と鈴香は迦具夜がでないのなら、出るはずもなく。卒業式の婚約破棄騒動など知るよしもなかった。
「そう、決まりね。」
迦具夜は闇の瞳を月のように煌めかせる。
「もののけ。いえ、もののけになる前の言魂ですわ。」
言魂とは、思いを乗せた言葉が真実に変わる現象である。時経てば、もののけという器を作る。この言魂は、五年もこの学園に燻ぶって器を作ろうとしている。
「祓い、清めますわ。」
「「はい。」」
迦具夜の言葉に鈴音と鈴香は返事をする。
不穏を感じ取ったか、講演の上の付かれた者達が逃げようと動き出した。
「きぇーーーーーぃ!! 」
甲高い声が体育館内に響き渡った。鈴音の声だ。
逃げ出そうとした付かれた者達が、金縛りにあったように動かなくなる。その隙に鈴香が御香を用意し、火澄が火をつけ疾風が体育館内に香りを解き放った。
甘い香りが体育館内に漂う。力抜けたように、付かれている者達が床に崩れ落ちていく。
と、同時に体育館内の関係ない生徒達もその場に崩れ落ちた。いわゆる、痺れ薬のようなものだ。痺れはないが。
それでもまだ足掻いて逃げ出そうとする、綾小路隼人を火澄と疾風が両側から押さえつける。
月夜見迦具夜は綾小路隼人の前に進み出る。
「隼人様。今、お助け致しますわ。」
迦具夜は膝下よりも長いスカートの下から、太腿に隠していた物を取り出す。その時、ちらりと見えた白い太腿を見れた者は幸せである。
迦具夜は取り出した物を両手で掴んだ。
棒である。
だが、ただの棒ではない。
恐れ多くも御神木の枝である。 正式名称、大幣と呼ばれるものである。
その大幣に、白い紙が巻かれてある。正式名称、紙垂である。
迦具夜が大幣を手に持つと、紙垂がふわりと広がった。
「畏、畏。願い、もうす。」
迦具夜は大幣を額にあたるくらいに近づけ、目を閉じ頭を下げる。
「祓えたまえ、清めたまえ、神ながら守りたまえ、幸えたまえ」
静まりかえった体育館に、迦具夜の声が流れる。
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