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僕は、絶対に抜けません。
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「アテム。パーティーを抜けろ。」
依頼を終えて、冒険ギルド内の居酒屋で食事をしながら『ディールークルム』のリーダーであるセトは言った。
「えっ? どうして。」
目の前の肉を切り分けながらアテムは横にいるセトに聞き返した。
「わからないのか? 」
「そうよ、わからないの? 」
セトは苛ついた目でアテムを見る。アテムの真ん前に座る冒険者仲間のマーナもセトの言葉に続いた。
「アテムにはわからないか。」
「そうですわね。」
マーナの横に座るマイもぶっきらぼうに言い、その隣のアンコも頷きながら肯定した。
彼等はアテムを含め『ディールークルム』の五人のパーティーメンバーであり、田舎で暮らしていた幼なじみの五人組でもあった。
「みんなどうしたの? なぜそんなことを。」
アテムはわからないと、切り分けた肉をみんなに渡しながら首を傾げた。
アテムの幼なじみ四人、誰も彼もが見目麗しいかった。
金髪ロングヘアー緑目の十八歳としては背も胸も未発達のロリロリ体形の愛らしい魔法使いのマーナ。
肩までの茶色の髪と茶色の瞳、胸と尻が発達し過ぎの可愛い聖職者のアンコ。
金髪くせ毛の髪に赤目、筋肉が異常発達してムキムキだが女性らしさを残している美人な重戦士マイ。
金と赤が混じった髪と紫目の、ちょっと見童顔で背も低い雑用係のアテム。
そして『ディールークルム』のリーダー。栗毛色の髪と襟足を少し伸したボブヘアー、光を灯さない碧眼の瞳。スラリと伸びた身長に手足、折れそうな細い腰。声も何気に色っぽい、綺麗すぎるテイマーのセト。
アテムは何時ものように一番肉の大きな皿をセトの目の前に置く。自分が流した一筋の鼻血を啜る。
「何が気に障ったの? お肉を食べて機嫌を治して。」
セトの大好きなお肉を口元に運ぶ。セトはぱくりと食らいついた、もぐもぐと咀嚼する。
(うっ、色っぽい。)
アテムは物欲しそう目でセトを見つめた。
「ちょっと、聞いてる!? 」
マイは飲み干したジョッキをテーブルに叩きつけた。
「あ、聞いてるよ。」
アテムはそそくさとエールをジョッキに注ぐ。みんなのジョッキも見回し、空いているジョッキにエールを注ぐ。
「私達はアテムにパーティーを抜けて欲しいと言ってるの。」
アンコが胸を揺らしながら言った。
「えっ、嫌だよ。」
普通に返す。咀嚼し終わったセトの口元に新たなお肉を差し出す。ぱくりとセトはそれを口に加える。
「嫌だじゃ無いわよ、メーワクなのよアテムは。」
ロリロリのマーナが、アテムに食って掛かった。アテムは何か迷惑を掛けたか考えるが思い当たらない。次の肉をセトの前に進呈する。
「僕はみんなの為に頑張って来たはずだよ。何が迷惑なの? 」
セトを餌付けしながら自分も同じホークで食べ物を口に運ぶ。
(えへへ~間接キス。)
鼻の下をでろ~ンと伸ばす。
「ちょっと、なにその顔!! 」
「真面目に話を聞け!! 」
「この変態!! 」
バンとテーブルを叩いて三人の女性が立ち上がった。ガシャンとジョッキが倒れ中のエールが溢れる。
「あ、みんな大丈夫? 」
テーブルの上を布巾で拭きだすアテム。
「ここは僕が片付けるから、みんなは着替えて来たら。」
アテムはいつもの通り、みんなに言った。エールを被ったマーナとマイとアンコはすまなそうに。
「ごめんなさい、アテム。」
「片付けを頼む。」
「よろしく、アテム。」
「うん、任せて。」
何時ものように立ち上がって、宿屋に着替えに戻るためにギルドを出ようとしたところで気がついた。
「任せてじゃないわよ!! 」
「危ない忘れるところだった。」
「誤魔化さないで、アテム。」
「チッ。」
気がついた三人にアテムは、舌打ちをした。セトはもぐもぐとお肉を咀嚼して、ごくんと飲み干す。
「アテム、パーティーを抜けろ。」
「そうよ、パーティーを抜けて。」
「悪いけど抜けてくれ。」
「ほんとメーワクなの!! 」
メンバーは、アテムにパーティーを抜けるよう迫った。
「僕は絶対に抜けません。」
アテムは頑として断った。
依頼を終えて、冒険ギルド内の居酒屋で食事をしながら『ディールークルム』のリーダーであるセトは言った。
「えっ? どうして。」
目の前の肉を切り分けながらアテムは横にいるセトに聞き返した。
「わからないのか? 」
「そうよ、わからないの? 」
セトは苛ついた目でアテムを見る。アテムの真ん前に座る冒険者仲間のマーナもセトの言葉に続いた。
「アテムにはわからないか。」
「そうですわね。」
マーナの横に座るマイもぶっきらぼうに言い、その隣のアンコも頷きながら肯定した。
彼等はアテムを含め『ディールークルム』の五人のパーティーメンバーであり、田舎で暮らしていた幼なじみの五人組でもあった。
「みんなどうしたの? なぜそんなことを。」
アテムはわからないと、切り分けた肉をみんなに渡しながら首を傾げた。
アテムの幼なじみ四人、誰も彼もが見目麗しいかった。
金髪ロングヘアー緑目の十八歳としては背も胸も未発達のロリロリ体形の愛らしい魔法使いのマーナ。
肩までの茶色の髪と茶色の瞳、胸と尻が発達し過ぎの可愛い聖職者のアンコ。
金髪くせ毛の髪に赤目、筋肉が異常発達してムキムキだが女性らしさを残している美人な重戦士マイ。
金と赤が混じった髪と紫目の、ちょっと見童顔で背も低い雑用係のアテム。
そして『ディールークルム』のリーダー。栗毛色の髪と襟足を少し伸したボブヘアー、光を灯さない碧眼の瞳。スラリと伸びた身長に手足、折れそうな細い腰。声も何気に色っぽい、綺麗すぎるテイマーのセト。
アテムは何時ものように一番肉の大きな皿をセトの目の前に置く。自分が流した一筋の鼻血を啜る。
「何が気に障ったの? お肉を食べて機嫌を治して。」
セトの大好きなお肉を口元に運ぶ。セトはぱくりと食らいついた、もぐもぐと咀嚼する。
(うっ、色っぽい。)
アテムは物欲しそう目でセトを見つめた。
「ちょっと、聞いてる!? 」
マイは飲み干したジョッキをテーブルに叩きつけた。
「あ、聞いてるよ。」
アテムはそそくさとエールをジョッキに注ぐ。みんなのジョッキも見回し、空いているジョッキにエールを注ぐ。
「私達はアテムにパーティーを抜けて欲しいと言ってるの。」
アンコが胸を揺らしながら言った。
「えっ、嫌だよ。」
普通に返す。咀嚼し終わったセトの口元に新たなお肉を差し出す。ぱくりとセトはそれを口に加える。
「嫌だじゃ無いわよ、メーワクなのよアテムは。」
ロリロリのマーナが、アテムに食って掛かった。アテムは何か迷惑を掛けたか考えるが思い当たらない。次の肉をセトの前に進呈する。
「僕はみんなの為に頑張って来たはずだよ。何が迷惑なの? 」
セトを餌付けしながら自分も同じホークで食べ物を口に運ぶ。
(えへへ~間接キス。)
鼻の下をでろ~ンと伸ばす。
「ちょっと、なにその顔!! 」
「真面目に話を聞け!! 」
「この変態!! 」
バンとテーブルを叩いて三人の女性が立ち上がった。ガシャンとジョッキが倒れ中のエールが溢れる。
「あ、みんな大丈夫? 」
テーブルの上を布巾で拭きだすアテム。
「ここは僕が片付けるから、みんなは着替えて来たら。」
アテムはいつもの通り、みんなに言った。エールを被ったマーナとマイとアンコはすまなそうに。
「ごめんなさい、アテム。」
「片付けを頼む。」
「よろしく、アテム。」
「うん、任せて。」
何時ものように立ち上がって、宿屋に着替えに戻るためにギルドを出ようとしたところで気がついた。
「任せてじゃないわよ!! 」
「危ない忘れるところだった。」
「誤魔化さないで、アテム。」
「チッ。」
気がついた三人にアテムは、舌打ちをした。セトはもぐもぐとお肉を咀嚼して、ごくんと飲み干す。
「アテム、パーティーを抜けろ。」
「そうよ、パーティーを抜けて。」
「悪いけど抜けてくれ。」
「ほんとメーワクなの!! 」
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「僕は絶対に抜けません。」
アテムは頑として断った。
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