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震える羊。

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「あら、あら、あら。この子はね『性情様』と、呼ばれてるの。」
「「聖女様!! 」」
ナルトとロビンは、驚いた。このゴリマッチョが、聖女様と呼ばれていることに。確かに、他の三人よりかは若く細いマッチョだが。
だからと言って『聖女』の名を持っているとは笑えない。

「聖女ではない、『せいじょう様』だ。」
『お姉さま』に続いて『お父様』が、言う。次に『お兄さま』。
「性交渉の『性』に、情けの『情』だ。」
「基本、あたし達~。若い子が好きなの。でも~『性情様』は、おじ様でもOKなのよ~。」
そう言いながら『お姉さま』は、リオルの頬を舐めた。
「「「ヒイィィーー!! 」」」
リオルだけではなく、ナルトもロビンも悲鳴を上げた。
「マンガン将軍、おやめ下さい。リオル様をお放し、下さい。」
「いや~、あたし~。リオルさまのこと好きなの~。お願い~、一回でいいの~。夢を見させて~。」
「「「ヒイィィーー!! 」」」
同三人が、悲鳴を上げる。

「俺は、そこのお前がいい。良い体をしているな、青年。」
『お父さま』が、ナルトを見る。
「私は、君が良いね。君は、初めてかい? 」
『お兄さま』が、ロビンを見る。
「・・・・・・。」
『性情様』は、ロレンスを じっと、見ていた。
「「「「じ、女性が、すきなので!! 」」」」
すかさず、断りを入れる四人。
セルビィは、首を傾ける。
「めくるめく、」
「「「「めくるめくって、ないから!! 」」」」
四人は、セルビィに救いを求めた。セルビィの小さな体に隠れようと、ナルトとロビンはしがみ付く。捨てられた子犬の様な目で、セルビィを見る。救いを求めて、リオルとロレンスも同じ目をしてセルビィを見ていた。
「皆様は、女性が好きなんです。」

「あら~。あたし達も、女性は好きよ~。」
「妻がいる。」
「ええ、愛する妻です。」
『お姉さま』『お父様』『お兄さま』の順に、声を上げる。『性情様』は、黙って頷いている。

「「「「妻!? 女性か!! 」」」」
四人は、声を上げた。

「女性に、決まってるでしょ。」
「妻を、愛している。」
「愛する女性は、ただひとり。」
「・・・・・・浮気は男と。」

「「「「ヒィィィ~!! 」」」
四人は、見詰められている。リオルは、捕まっているが。

「「俺達、もう若くないから!! 20過ぎてますし!! 」」
と、ナルトとロビン。
「二人は、まだ若いです。」
と、セルビィがフォローする。
「「黙ってろ、セルビィ!! 」」

「「男性との経験は、俺達はないから!! 」」
と、リオルとロレンス。
「大丈夫だ。」
「あたし達が~。」
「優しく、教えてあげよう。」
「コク、コク。」

「良かったですね、皆様。」
と、手を合わせて嬉しそうに皆を見る セルビィ。
「「「「黙ってろ!! セルビィ!! 」」」」
四人は、悲鳴の様な声でセルビィを制した。

「怒られちゃった、です。お姉さま。」
セルビィは、瞳を潤ませてお姉さまを見る。
「あら、あら、可哀想にいらっしゃい。」
お姉さまは、手を広げた。セルビィは、お姉さまに抱き付いた。
「皆様が、虐めます。」
「大丈夫よ、お姉さまが懲らしめて上げるから。」
よしよし、と頭を撫でる。

「女の子を、虐めては駄目よ。」
「紳士に、あるまじき行為ですよ。」
「仕置きだな。」
「コク、コク。」
四人のゴリマッチョは、嬉しそうに笑った。

「「「「ヒィィ~!! 」」」」
四人の獲物は、悲鳴を上げた。


「お姉さまは、強いです。」
「あら~、モチのロンよ。」
セルビィは、ゴリマッチョを抱きしめたまま聞いた。大木に抱き付いてる、小動物の様だ。
「皆様も、強いです。」
「ああ。」
「ええ。」
「コク、コク。」

「オースト国など、直ぐに制圧出来ます。」
「モチのロンよ。と、言いたい処だけど。彼処には、死に神ちゃんが四人もいるし。」
「力では勝てるが、奴等は強い。」
「早さでは、彼方が上ですね。」
「コク、コク。」

「一騎討ちなら、勝てるかもしれないけれど。」
「戦場では、無理でしょう。」
「一度、当たってはみたいが。」
「・・・・・・命がけ。」
四人は、顔を見合わせた。

(流石だ、セルビィ。)
(俺達を助けるため。話を逸らしてくれたのか。)
(ベクトル将軍に、抱き付いてまで……。)
(恩に着る セルビィ殿。)
四人の獲物は、感激のあまり涙が出そうであった。


「お姉さま達は、リスト皇帝様は好きですか? 」
セルビィは、核心を聞いた。

「皇帝ちゃん? ここだけの話、大嫌い~よ。」
「うむ、嫌いだな。」
「ええ、嫌いですね。」
「コク、コク。」
将軍達は、はっきりと言葉にした。頷くだけの者もいるが。

「リオル様の前です。」
セルビィは、微笑んだ。
「リオルさまには、悪いけど。あたし、皇帝ちゃん嫌いなの~。」
「威厳がないな。」
「相応しく、在りません。」
「・・・・・・好みじゃない。」

(来る者拒まずの『性情様』が、嫌っている? )
(『性情様』に、嫌われるとは。余程、だぞ。)
ナルトとロビンは、顔見合わせた。二人のソファの後ろには、リオルとロレンスが避難をしている。

「だって、あたし達のこと変態て言うのよ!! 」
「男色なんて、よくあることだ。俺らをゲスな目で、見る。」
「戦場では、女性はいませんからね。戦場に出ない、癖に。」
「・・・・・・嫌みたらしい。」

(皇帝陛下は、かなり嫌われているようですね。)
(ある意味、羨ましいぞ兄上。)
ロレンスとリオルが、こそこそ話す。リオルの言葉に、ナルトとロビンも頷いた。

「その点、リオルさまは。あたし達のこと、普通に接してくれるし~。可愛いいし~。」
お姉さまは、リオルにウインクをする。
「リオル殿は、上に立てる者だな。良い体をしている。」
お父様は、ナルトを見る。
「リオル様は、戦場にも出てます。戦場での事も、解っていらっしゃる。男性とは、初めてですか。」
お兄さまは、ロビンに微笑む。
「・・・・・・好み。」
性情様は じっと、ロレンスを見詰める。
((((貞操の危機!! ))))
四人は、身を震わせた。

「お姉さま。リオル様の為に、ひと肌脱いで下さい。」
「あら、良いわよ。ひと肌でも、二肌でも。うふふっ。」
お姉さまは、リオルにチュッと唇を突き出した。セルビィは、お父様達を見る。
「肌と肌の触れあい。」
「親密度が、上がりますね。」
「・・・・・・好き。」


「良かったです、リオル様 ロレンス様。お姉さま達が、力になってくれるそうです。」
セルビィは、リオルに微笑んだ。

「ナルト様もロビン様も、お姉さま達の様にひと肌脱いで下さい。」
「「意味が、違う!! 」」
ナルトとロビンは、突っ込んだ。
セルビィは、不思議そうに首を傾げた。








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