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告発。

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第一生徒会室。

セルビィは、アラン達に姉のフローネに対する虐めを申告された。

「そんな、そんな、信じられません。姉様達が、そんな事。」
セルビィは、思わず顔を片手で口元を覆う。黒い瞳が揺らめく。

「信じたくないのは、判る。」
「ですが、残念なが。」
「学年が、違うからセルビィには見えないのです。」
「イジメは、許せん。」
アラン殿下達は、セルビィに話し掛ける。

「セルビィ様、ごめんなさい。フローネが、悪いの。」
アラン殿下達に囲まれながら、フローネは上目遣いでセルビィを見る。手を胸で組、瞳を潤ませている。セルビィは、静かに見詰め返す。

「私が、アラン殿下達を愛してしまったから。だから、セルビィ様のお姉様達が、嫉妬して……。」
フローネは、両手で顔を覆った。

「フローネは、悪くない。」
「私達が、フローネさんを愛してしまったのです。」
「大好きだ!! 」
「私達の愛は、『真実の愛』なのです セルビィ。」
「アラン殿下。エリック様 レイモンド様 シモン様。フローネ、嬉しい。」
フローネは、アラン殿下達を見回し涙を流しながら微笑んだ。

(『真実の愛』とは、ひとつでは、無いのです? でも、僕も姉様達を真に愛していますから。)
セルビィは、首を傾げて考え 納得していた。

「セルビィ様、ごめんなさい。」
「セルビアには、悪いが私はフローネを愛している。」
「テレジアは、神が選んだ伴侶では無かった。」
「アイリーンは、政略結婚ですし。」
「リリアナ、すまん。」
五人は、セルビィを説得する様に語りかける。

「セルビィが、フローネを好いているのは知っていた。」
「ごめんなさい。セルビィ様。」
「フローネさんと、私達は愛し合ってしまったのです。」
「最高だ!! 」
「これは、神が与えてくれた幸福。」
アラン殿下達は、鼻の下を伸ばしながら幸福を語る。

「そんな…。」
フローネは、恥じらって見せた。胸を強調する様に自分の体を抱きしめる。

(流石です、尻軽さん。この短期の間に、此処まで骨抜きにするなんて。少し、尻軽さんを舐めてました。)

そう言えば、とセルビィは思い出した。

(確か、ナルト様は尻軽さんが、体を使うと言ってました。)
どう使えば短期間で、骨抜き出来るのか 御子様のセルビィは分からなかった。

(後で、ナルト様に聞きましょう。うん。)
セルビィは、納得して頷いた。

「ごめんなさい。フローネには、セルビィ様のことはやっぱり弟の様にしか思えないの。」
フローネは、セルビィの手を取って自分の胸に押し当てる。

「解って、ました。」
セルビィは ゆっくりと、手を引き抜いた。

「僕と、アラン王太子殿下達と比べれば。如何しても、僕は御子様に見えてしまいます。」
優しくセルビィは、微笑んだ。

「年下ですし。フローネ様に、弟の様に思って貰えるだけで 僕は、嬉しいのです。」
セルビィは、哀しそうに俯いた。

「セルビィさま~。」
フローネはセルビィに、抱き着いた。アランも、セルビィの肩に手を置いた。

「例え、セルビアと婚約を解消しても。私は、セルビィを弟の様に思おう。」
「私もです。」
「俺もだ。」
「私達は、セルビィの事は弟の様に思ってます。」
少しの罪悪感からアラン達は、セルビィに優しく声を掛ける。

「婚約、解消? 」
セルビィは、その言葉しか聞こえなかった。

「ああ。セルビアとは、婚約解消をする。」
「国王陛下には、話されたのですか? 」
セルビィは、フローネを引き離しながら 少し慌てたようにアランに聞いた。

「いや、まだだが。これから父上には、話す積もりだ。」
「駄目です。」
セルビィは、声を荒げた。セルビィの声に、その場のアラン達は驚いた。セルビィも、気付いた様に口を閉ざす。

「済みません、声を荒げてしまって。」
セルビィは、直ぐに謝った。

「姉様達との婚約は、政略の婚約。きっと、国王陛下にはお許しに成りません。」

(今、変に動かれては困るのです。)

「確かに、アイリーンとは国による。政略結。」
「簡単にテレジアとは、婚約解消は出来ません。」
「では、セルビアには側妃になって貰うか。」
「おお、リリアナが愛妾か。」
其れがいいと、アラン達は頷く。
フローネも、内心喜んだ。

(それは、いいわ。4人も相手は、体が持たないわ。)

「駄目です。」
セルビィは、笑顔を貼り付けてアラン達に言った。

「フローネ様が、可哀想です。」
セルビィは、言った。

「何? 」
「フローネさんが? 」
「可哀想ですか? 」
「どう言う事だ? 」
「私が、可哀想? 」
アラン達は、首を捻った。

「姉様達は、フローネ様を虐めるのでしょう。其れなのに、フローネ様の近くに姉様達を置くことは……。」
セルビィは、フローネを見る。

「そうか、セルビアはフローネを虐めると。」
「そうですね、其れは考えられます。」
「嫉妬は、醜い感情です。」
「令嬢達は、俺達を愛しているからな。」
「アランさま~。こわい~。」
失念していたフローネは、震えながらアランに抱き着いた。

「僕も、フローネ様を虐める姉様達は許せません。」
「では、如何する? 婚約解消出来泣けれは、フローネとは…。」
「アランさま~。」
アランは、フローネを抱きしめた。

「姉様には、相応しく在りません。アラン王太子殿下は。」
「醜い感情を持つ者は、王妃には相応しく在りません。」
セルビィの言葉に、シモンは頷く。

「なら、如何する。」
「国王陛下には、安心できる案件を差し出せばいいのです。」
レイモンドの言葉に、セルビィは応える。

「安心できる案件? 」
「はい。政略結婚に変わる物を。僕の父様達を縛る物を。」
エリックの言葉に、セルビィは応える。

「縛る物? 」
「はい、フローネ様。」
セルビィは、フローネに微笑んだ。そして、

「僕は、フローネ様の為に。神の意の為に、此処に父様達の不正を告発します。」 

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