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雪降る、空。
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冬休みも終わり 一月も半ば、空から白い雪が本格的に降り始めた 寒い日。
「セルビィ。そちらの娘は? 」
セルビアは、扇子で口元を隠して 微笑んだ。内心は複雑だ。
二人の世界に入っていたフローネは、邪魔してくる女に目を向ける。
(何かしら? この女。私のセルビィ様を名前で呼んで 図々しい。)
「セルビィさま。この方、こわいですぅ~。」
セルビィの後に、震えながら隠れる。舌っ足らずな語尾を延ばす言い方、必要以上に胸を背中に押し付けるフローネ。
令嬢達は、イラッとした。
「怖く無いです。僕の姉様です。」
「セルビィさまのぉ~、お姉さまですかぁ~。」
(何だ、姉弟か。そう言えば、そっくり。)
セルビィは、姉に女性を紹介する。
「姉様達。ビッ、フローネ・リジナル男爵令嬢です。」
「フローネ、ですぅ~。宜しくお願いします~。お姉さま。」
セルビィの体の横から顔を出して挨拶をする、体を密着したまま。
令嬢達は、イラッとした。
「ちょっと、貴方。セルビィに、必要以上 触れないで。いえ、触らないで。」
「そうですわ、はしたないですわ。」
セルビアが、我慢できずに声を上げた。アイリーンが、同意する。
「セルビィ君、こっちへ来なさい。」
「ええ、もう行きましょう。」
リリアナが呼び掛けると、テレジアが促す。
「酷いですぅ~、私は セルビィさまと 仲よくなりたいだけなのに~。」
シクシクと、セルビィに背に抱き付いて泣き出す。
令嬢達は、イラッとした。
「セルビィ、行きましょう。」
セルビアは、弟に手を差し伸べた。セルビィは、少し困った顔をして。
「ごめんなさい、姉様。」
フローネの方に振り向き、肩に手を置いた。
「泣いている彼女を、置いては行けません。」
セルビィは、姉から目を反らした。令嬢達は、驚愕した。
あの、姉様大好きセルビィが、セルビアの言葉を否定した事に。
「嘘だろう。」
近くで見ていたナルトは、少しよろけて壁に手を付いた。それ程、驚愕であった。
「姉様。僕は、彼女を教室まで 送って行きます。」
セルビアは、泣きそうな顔をした。セルビィは、姉を見ないように背を向ける。
「行きましょう、フローネ様。」
優しく声を、掛ける。
「はい。セルビィさまぁ。」
涙を拭きながら、頷く。セルビィに肩を抱かれながら、その場を離れる。そして、呆然と見送る令嬢達に振り向き、不敵な笑みを見せた。
令嬢達は、イラッとした。
「セルビィが、セルビィが。」
「何ですの、あの娘? 」
「わざとらしい、嘘泣きですわ。」
「何、あの顔!? 『勝った』見たいな顔をして、むかっく!! 」
呆然と佇むセルビアと、悔しさに体を震わす令嬢達がいた。
壁に頭を貼り付け、呆然とするナルト。
「大丈夫なのか? 」
セルビアよりビッチを選んだセルビィに、ナルトは不安を募らせる。
もう、後には戻れない処まで来ている。その旗頭が、今 腑抜けになってしまった。
「くそぅ!! 」
ナルトは壁を、叩いた。
「ちゃんと、性教育をしていれば。」
自分に、怒りを覚える。
(意味なく、ただ『犯っている』あの本を見る前に。)
自分の所為で、計画が頓挫する。頓挫するだけなら良いが、此所まで来たらバレる場合もある。そうなれば、どれ程の怪我人が 死人が出るかも知れない。ナルトは自分の不甲斐なさを、壁にぶつける。仲間が止めに入るまで、ナルトは壁を叩き続けていた。
セルビィは、フローネを見ていた。自分より背の低い女性、男達の中では自分は背が低い。こうやって、人を見下ろすことは不思議であった。
※見下す事は、多々有るが。
「フローネ・リジナル男爵令嬢。」
セルビィは、微笑みながら 優しく声を掛ける。
その美しさに、フローネは ポッと頰を染める。
「貴方は、僕の理想の女性です。」
「えっ、そんな。」
フローネは、頰に手を置いて恥ずかしむ。
「惚れ惚れする程 向上心が高く、積極的です。」
セルビィは、フローネの手を取った。優しく包み込む。
「まさに、理想の女性です。」
フローネは外見ではなく、行動を褒められるのは初めてであった。今までと違う称賛に、心をときめかす。
「貴方の様な女性を、探してました。」
強く手を握り、引き込む。
「此は、運命です。」
「運命? 」
セルビィは彼女を見詰める、フローネはドキドキした。
いつも自分が言っている事を、人に言われるのは初めてで。
「また、会ってくれますか? 」
手の甲に、優しく口付けをしながら 見詰める。
「は、はい~ぃ。」
フローネは、頭の中が真っ赤になって返事をした。顔も真っ赤だ。フローネの返事に、セルビィは満面の微笑みを称えた。
「名残惜しいですが、此所で。フローネ様。」
「は、はい~ぃ。」
フローネは、美しいセルビィの笑顔に ただ頷くだけだった。去り行くセルビィを、乙女の様に見詰めていた。
雪の降る中、セルビィは足取りが軽かった。
「まずは、一人。」
理想の女性を、準備出来て嬉しかった。
「後、三人 欲しいです。」
セルビィは、可愛らしく首を傾げる。
しかし、先程の姉の哀しそうな顔を思い出して 足が止まった。
「ごめんなさい、姉様。」
(後、三人揃ったら。)
そうしたら総てを話そうとセルビィは、思っていた。
今までの計画の、総てを。
そして、姉様達に安心してもらって 協力をして貰おうと。
「ごめんなさい、姉様達。」
怒りに震える令嬢達を、思い出す。
「後、もう少し。もう少し、したら。」
白い雪の降る中。セルビィは、空に顔を向ける。
「姉様達は、自由です。」
セルビィは、目を閉じて冷たい雪を 頰に感じた。
「自由になったら、姉様達は 何をしますか? 」
セルビィは、雪降る空に問い掛けた。
「セルビィ。そちらの娘は? 」
セルビアは、扇子で口元を隠して 微笑んだ。内心は複雑だ。
二人の世界に入っていたフローネは、邪魔してくる女に目を向ける。
(何かしら? この女。私のセルビィ様を名前で呼んで 図々しい。)
「セルビィさま。この方、こわいですぅ~。」
セルビィの後に、震えながら隠れる。舌っ足らずな語尾を延ばす言い方、必要以上に胸を背中に押し付けるフローネ。
令嬢達は、イラッとした。
「怖く無いです。僕の姉様です。」
「セルビィさまのぉ~、お姉さまですかぁ~。」
(何だ、姉弟か。そう言えば、そっくり。)
セルビィは、姉に女性を紹介する。
「姉様達。ビッ、フローネ・リジナル男爵令嬢です。」
「フローネ、ですぅ~。宜しくお願いします~。お姉さま。」
セルビィの体の横から顔を出して挨拶をする、体を密着したまま。
令嬢達は、イラッとした。
「ちょっと、貴方。セルビィに、必要以上 触れないで。いえ、触らないで。」
「そうですわ、はしたないですわ。」
セルビアが、我慢できずに声を上げた。アイリーンが、同意する。
「セルビィ君、こっちへ来なさい。」
「ええ、もう行きましょう。」
リリアナが呼び掛けると、テレジアが促す。
「酷いですぅ~、私は セルビィさまと 仲よくなりたいだけなのに~。」
シクシクと、セルビィに背に抱き付いて泣き出す。
令嬢達は、イラッとした。
「セルビィ、行きましょう。」
セルビアは、弟に手を差し伸べた。セルビィは、少し困った顔をして。
「ごめんなさい、姉様。」
フローネの方に振り向き、肩に手を置いた。
「泣いている彼女を、置いては行けません。」
セルビィは、姉から目を反らした。令嬢達は、驚愕した。
あの、姉様大好きセルビィが、セルビアの言葉を否定した事に。
「嘘だろう。」
近くで見ていたナルトは、少しよろけて壁に手を付いた。それ程、驚愕であった。
「姉様。僕は、彼女を教室まで 送って行きます。」
セルビアは、泣きそうな顔をした。セルビィは、姉を見ないように背を向ける。
「行きましょう、フローネ様。」
優しく声を、掛ける。
「はい。セルビィさまぁ。」
涙を拭きながら、頷く。セルビィに肩を抱かれながら、その場を離れる。そして、呆然と見送る令嬢達に振り向き、不敵な笑みを見せた。
令嬢達は、イラッとした。
「セルビィが、セルビィが。」
「何ですの、あの娘? 」
「わざとらしい、嘘泣きですわ。」
「何、あの顔!? 『勝った』見たいな顔をして、むかっく!! 」
呆然と佇むセルビアと、悔しさに体を震わす令嬢達がいた。
壁に頭を貼り付け、呆然とするナルト。
「大丈夫なのか? 」
セルビアよりビッチを選んだセルビィに、ナルトは不安を募らせる。
もう、後には戻れない処まで来ている。その旗頭が、今 腑抜けになってしまった。
「くそぅ!! 」
ナルトは壁を、叩いた。
「ちゃんと、性教育をしていれば。」
自分に、怒りを覚える。
(意味なく、ただ『犯っている』あの本を見る前に。)
自分の所為で、計画が頓挫する。頓挫するだけなら良いが、此所まで来たらバレる場合もある。そうなれば、どれ程の怪我人が 死人が出るかも知れない。ナルトは自分の不甲斐なさを、壁にぶつける。仲間が止めに入るまで、ナルトは壁を叩き続けていた。
セルビィは、フローネを見ていた。自分より背の低い女性、男達の中では自分は背が低い。こうやって、人を見下ろすことは不思議であった。
※見下す事は、多々有るが。
「フローネ・リジナル男爵令嬢。」
セルビィは、微笑みながら 優しく声を掛ける。
その美しさに、フローネは ポッと頰を染める。
「貴方は、僕の理想の女性です。」
「えっ、そんな。」
フローネは、頰に手を置いて恥ずかしむ。
「惚れ惚れする程 向上心が高く、積極的です。」
セルビィは、フローネの手を取った。優しく包み込む。
「まさに、理想の女性です。」
フローネは外見ではなく、行動を褒められるのは初めてであった。今までと違う称賛に、心をときめかす。
「貴方の様な女性を、探してました。」
強く手を握り、引き込む。
「此は、運命です。」
「運命? 」
セルビィは彼女を見詰める、フローネはドキドキした。
いつも自分が言っている事を、人に言われるのは初めてで。
「また、会ってくれますか? 」
手の甲に、優しく口付けをしながら 見詰める。
「は、はい~ぃ。」
フローネは、頭の中が真っ赤になって返事をした。顔も真っ赤だ。フローネの返事に、セルビィは満面の微笑みを称えた。
「名残惜しいですが、此所で。フローネ様。」
「は、はい~ぃ。」
フローネは、美しいセルビィの笑顔に ただ頷くだけだった。去り行くセルビィを、乙女の様に見詰めていた。
雪の降る中、セルビィは足取りが軽かった。
「まずは、一人。」
理想の女性を、準備出来て嬉しかった。
「後、三人 欲しいです。」
セルビィは、可愛らしく首を傾げる。
しかし、先程の姉の哀しそうな顔を思い出して 足が止まった。
「ごめんなさい、姉様。」
(後、三人揃ったら。)
そうしたら総てを話そうとセルビィは、思っていた。
今までの計画の、総てを。
そして、姉様達に安心してもらって 協力をして貰おうと。
「ごめんなさい、姉様達。」
怒りに震える令嬢達を、思い出す。
「後、もう少し。もう少し、したら。」
白い雪の降る中。セルビィは、空に顔を向ける。
「姉様達は、自由です。」
セルビィは、目を閉じて冷たい雪を 頰に感じた。
「自由になったら、姉様達は 何をしますか? 」
セルビィは、雪降る空に問い掛けた。
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