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夏休み前
しおりを挟む高島さんとの日常は一瞬で過ぎていき、気がつけば期末テストも終わっていた。今日はテスト返却があってそれが終わったら夏休み。つまり今日は夏休み前の最後の登校。めんどくさいと思いながらも学校に来た。いつも通りの朝礼の後、テストの返却がすぐに始まった。どうやら教科で分けて配るわけではなく全教科を一回で生徒ごとに配るらしい。1人ずつ受けたテストの束を渡される。1人ずつテストを受け取りながら担任と話をしている。そして補修がある人はその日程の紙も渡されてしまうらしい。僕の番が来て、テストの束を渡される。どうやら補修はないらしい。そしてテストを渡し終わった先生はいつも通りの終礼をして、下校になった。
「お疲れ!夏休みだよ!」
「お疲れ。夏休みだね」
「夏休みなんか予定ある?」
「特にないよ」
「そっかぁ」
「出かけたりはするだろうけど」
「なるほどね」
終礼が終わると同時に僕の席に飛んできた高島さんに話しかけられた。勢いで僕が後ろにのけぞっていたけれど、そんなことは関係ないらしい。明日からは夏休み。高島さんとは出かける予定もなく、家でただひたすらゴロゴロする予定だけが立っている。今日は数学会がないと思っていたので、荷物をまとめて帰ろうとすると、高島さんに腕を掴まれる。思っていたより力が強くて引き戻された。
「今日もやるよ!数学!」
「やるんだ」
「やるよ!そりゃそうでしょ!」
「今から?」
「お昼食べたらね」
「お昼持ってきた?帰る気満々だったから持ってきてないや」
「えー!ちょっとー!」
「どこかでお昼でも食べる?」
「喫茶店で行こうか」
「でも僕数学の準備は何もしてないよ?」
「うーん、どうしようかなぁ。私の数学道具があるから一緒に見れるよ」
「なるほど」
「だから行こう!喫茶店!」
高島さんにかなり強引に押し切られて喫茶店に行くことになった。しかしこの辺に喫茶店なんてあったかと思いながら僕は教室を出た。
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