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6章
昼食
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椅子に少し座ってダラダラしてから、次の目的地へと向かう。といっても昼食なのだけれど。
「そろそろいくか」
「行こうか」
「昼かぁ」
「昼だね」
「なんか食べたいものある?」
「うーん、ない」
「俺も無い」
2人して食に対して無欲で2人で笑顔になる。特に食べたいものがあるわけではないのだが、2人で食べたいという気持ちはある。ショッピングモールの中にあるフードコートで食べたいものを探す。
「俺はあれにしようかな」
「あれかぁ。俺もあれにしよう」
2人が食べることにしたのは、丼だった。2人で並びながら、その名称について議論する。
「これ、なんて呼ぶんだろうね」
「ローストビーフ丼」
「ローストビーフ丼はあれじゃないか?」
「あ、そっちにちゃんとしたやつがあるんだ」
「ローストビーフ丼じゃないなぁ。うーん」
「牛丼一枚肉版、的な?」
「なるほど? 確かに」
無難な着地点で議論がひと段落。それでも順番は回ってこない。しばし無言のまま前に進むと順番が来た。店員に分かるような形でメニューを指さして注文する。
「これの並を2つ」
2人で食べるものを決めてから、注文する。会計を済ませて、席で待つ。会計の時にもらった音が鳴る機械を忘れず持つ。
「これ、なんていう機械なんだろうね」
「これね、分からんな。でもこれ高いよ。20個セットで40万だったかな」
「えっ、高い」
「小さい機械なのにね」
「本当だね」
5センチ角くらいの音が鳴るだけの機械に見えて、実は高性能だったりするのかもしれない。機械に関することは2人とも詳しくない。2人とも機械音痴ではないのだが、知識があるわけではない。そんな会話をしながら待っていると、いよいよ音が鳴った。
「おっ、もらってくる」
「はーい。じゃあ待ってるね」
「はいよ」
賢が丼を取りに行く。プラスチックのトレーに乗せて、席まで戻ってくる。いつも通りの恋人の姿だった。
「さてと、食べよう」
「食べよう」
2人で丼に箸を入れて、ご飯を食べる。食べながらどんな味かを確認する。
「初めて食べたけど、結構美味しいな」
「美味しい。細かい肉が乗ってるわけじゃないのが少し不思議な感じがする」
「確かにそれもあるな」
手を止めることなく2人で食べ続ける。肉もご飯もそれなりの量があったと思ったのだが、食べ終わるのは結構早かった。
食べ終わったあとは、店の脇にある返却台にトレーを戻し、フードコートから退散する。2人でゆっくり歩きながら、次の予定を決める。今回はほぼノープランなので、ここから先も、もちろんまだ決まっていない。
「次は何をしようか」
「うーん、どうしようねー」
「スクラッチでもする?」
「え?うん」
「この近くに宝くじ売り場があるからそこに行こう」
「うん、分かった」
デートで宝くじ売り場に行くとは斬新だと思ったけれど、だからこそ意味があるのかと思った。昼食も食べて元気になった。スクラッチが当たったら何をしようか。そんなことを考えながら歩いた。
「そろそろいくか」
「行こうか」
「昼かぁ」
「昼だね」
「なんか食べたいものある?」
「うーん、ない」
「俺も無い」
2人して食に対して無欲で2人で笑顔になる。特に食べたいものがあるわけではないのだが、2人で食べたいという気持ちはある。ショッピングモールの中にあるフードコートで食べたいものを探す。
「俺はあれにしようかな」
「あれかぁ。俺もあれにしよう」
2人が食べることにしたのは、丼だった。2人で並びながら、その名称について議論する。
「これ、なんて呼ぶんだろうね」
「ローストビーフ丼」
「ローストビーフ丼はあれじゃないか?」
「あ、そっちにちゃんとしたやつがあるんだ」
「ローストビーフ丼じゃないなぁ。うーん」
「牛丼一枚肉版、的な?」
「なるほど? 確かに」
無難な着地点で議論がひと段落。それでも順番は回ってこない。しばし無言のまま前に進むと順番が来た。店員に分かるような形でメニューを指さして注文する。
「これの並を2つ」
2人で食べるものを決めてから、注文する。会計を済ませて、席で待つ。会計の時にもらった音が鳴る機械を忘れず持つ。
「これ、なんていう機械なんだろうね」
「これね、分からんな。でもこれ高いよ。20個セットで40万だったかな」
「えっ、高い」
「小さい機械なのにね」
「本当だね」
5センチ角くらいの音が鳴るだけの機械に見えて、実は高性能だったりするのかもしれない。機械に関することは2人とも詳しくない。2人とも機械音痴ではないのだが、知識があるわけではない。そんな会話をしながら待っていると、いよいよ音が鳴った。
「おっ、もらってくる」
「はーい。じゃあ待ってるね」
「はいよ」
賢が丼を取りに行く。プラスチックのトレーに乗せて、席まで戻ってくる。いつも通りの恋人の姿だった。
「さてと、食べよう」
「食べよう」
2人で丼に箸を入れて、ご飯を食べる。食べながらどんな味かを確認する。
「初めて食べたけど、結構美味しいな」
「美味しい。細かい肉が乗ってるわけじゃないのが少し不思議な感じがする」
「確かにそれもあるな」
手を止めることなく2人で食べ続ける。肉もご飯もそれなりの量があったと思ったのだが、食べ終わるのは結構早かった。
食べ終わったあとは、店の脇にある返却台にトレーを戻し、フードコートから退散する。2人でゆっくり歩きながら、次の予定を決める。今回はほぼノープランなので、ここから先も、もちろんまだ決まっていない。
「次は何をしようか」
「うーん、どうしようねー」
「スクラッチでもする?」
「え?うん」
「この近くに宝くじ売り場があるからそこに行こう」
「うん、分かった」
デートで宝くじ売り場に行くとは斬新だと思ったけれど、だからこそ意味があるのかと思った。昼食も食べて元気になった。スクラッチが当たったら何をしようか。そんなことを考えながら歩いた。
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