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*****Opération“Šahrzād”(シェーラザード作戦)*****
Sweet moment (甘いひと時)
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バスルームから出て、バスローブを纏いベランダの椅子に腰を下ろす。
風が気持ちいい。
地中海を貨物船が、悠々と海面を滑って行く。
平和。
この時間だけを切り取ってみれば、どこにキナ臭いにおいが隠れているのか分からないくらい平和だ。
部屋がシーサイドなので道路は見えないけれど、時折車の音が聞こえるたびに、真新しい軽装甲機動車に乗った仲間たちを思い浮かべてしまう。
ホテルに戻るときにすれちがったトーニとモンタナの顔を思い出す。
もう一台の軽装甲機動車には屹度ハンスとブラームが乗っているだろう。
あのとき、もしも出くわしたのがモンタナの班ではなくてハンスのほうだったら、ハンスは俺に気が付いてくれただろうか?
なんとなくだけど、ハンスなら俺がどんな格好をしていても気が付いてくれそうな気がする。
そして車を止めて「頑張れ」と一言だけ言ってくれる。
そう思うと、なんだか今日一日遊びまわっていたことが後ろめたい。
彼らは今、任務の真最中。
俺のようにのんびりと、海を見ながら平和に浸ってはいない。
不意に後ろから優しく抱きしめられた。
一瞬ハンスかと思って振り向いたが、案の定エマだった。
「ごめんね。愛しの君じゃなくて」
「別にいいけれど、断って置くが俺には“愛しの君”なんていない」
「そっか……ゴメンね」
「いや、いい」
ほのかに火照ってしまった顔を見られたくなくて、振り向かないまま言葉を返した。
夜の冷たい風が、優しく頬を撫で、熱を取ってくれる。
「そういえば、ベッドが一つしかないけれど」
「だって、カップル用のスィートだもの」
任務中にカップル用の部屋を取るなんて、あり得ない。
そう言えば、今日一日遊び呆けたことや、ザリバンの肩を持つ発言をしたことを注意するのを忘れていたので
ベランダから部屋に入り、そのことについて抗議するとエマにしては素直に謝った。
「ゴメンゴメン、だから私はソファーで寝るから、ナトちゃんはベッドで寝ていいよ」
「えっ本当に?」
「どうせ、一緒には寝てくれないんでしょ」
「だって、それはエマがエッチな事ばかり、しようとしてくるからでしょ」
「嫌なの?」
「ふつう、嫌でしょ!」
「他の子と、一緒に寝たことないの?」
真っ直ぐに瞳を見つめられて困って目を逸らす。
サオリとは、寝たことがある。
それも、たいていは私のほうからサオリのベッドに潜り込んでキスをせがんでいた。
「知らない! もう眠たいから寝る」
そう言って、シーツを頭から冠った。
エマは「あらあら」と言って、電気を消した。
やっぱりエマは大人の女性で、俺は子供。
無理やり話を打ち切って、シーツに潜り込んで、そう思った。
夢を見た。
サオリが戻ってきて、優しく、旅の話を聞かせてくれる夢。
私がキスをせがむと、少し困った顔をして受け入れてくれた。
「じゃあ、目を瞑っていてね。いいって言うまで目を開けちゃ駄目だよ」
「うん、わかった」
久し振りに味わう、とろけてしまいそうに温かい唇。
重なり合った胸も、腕をまわした背中もすべすべして柔らかい。
足を絡めようとすると、サオリの足が優しく私の足を受け止めて更に絡めてくれる。
足の先から温められた幸せが、根元まで伝わり心を熱くさせる。
「ねえ、まだぁ」
「まだよ」
我慢をするために、むさぼるようにサオリの唇を求める。
「ねえ、まだぁ」
「まだよ」
「いじわる」
切なさに耐えきれずに、目を開けると、そこにサオリの顔は無くただ体だけがあった。
私は、顔のないサオリの体を確りと抱きしめて泣いた。
いつまでも、いつまでも――。
顔のないサオリの手が、いつまでも私の頭を優しく撫でてくれていた。
涙が止まらなくて目が覚めた。
頭を撫でていた手の感覚がスーッと引くのを感じて「待って」と、その体に抱き着いて止めると、目の前にはサオリの笑顔があった。
“戻ってきてくれた”
思わずその唇に、自分の唇を強く押しつけて「行かないで!」と、しがみつく。
口の中にサオリの舌が入り、私の舌を絡めてくる。
“違う!サオリじゃない”
とっさに離れると、そこにあったのはエマの顔。
「なっ、なんで、ここにいる⁉」
「ゴメ~ン。やっぱり入ってきちゃった。だって寝心地好いんだもん」
「い、いつから」
エマは、俺の問いには答えないで、ニッと笑う。
「なっ、なんだ」
「ナトちゃんって、いつも強がっているけれど、本当は甘えん坊なんだね」
そう言って、俺の頭をヨシヨシして撫でる。
「よせ!」
俺は、その手を払いのけてエマに背を向ける。
「だって、私がベッドに入ると直ぐに、足を絡めて抱き着いてくるんですもの。その気になっちゃうわ♪」
「……」
「おまけに……うふふ♡」
「……」
エマは途中で話をやめて笑った。
夢の中でしたことを、全てエマにやったというのか?
「いっ、いや、お、俺は……」
なんとか弁解しようと思ったけれど、何をしてしまったのか分からないから、何をどう言えばいいのか分からないで、言葉が詰まる。
そんな俺にエマが覆いかぶさってきて、優しくキスをしてきた。
「うっ、な・なにを」
「いいのよ。寝ている時ぐらい素直になりなさい」
恥ずかしさと、動揺で、無抵抗にエマの唇を受け止めてしまう。
夢の続きを見ているような、甘いキス。
全身の力が抜けたように、そのキスを受け止めていた。
シャワーを浴びて服を着替えるとき、装備がないことに気が付いた。
「装備は?」
エマに聞くと、ナイフや拳銃などを詰めたバッグを見せてくれた。
「どうするの?」
「基地へ返す」
任務が打ち切りになったのかと思って聞くと、そうではないと答えた。
「じゃあ、なんで?」
「一介のシリア女性が持ち歩くのは不自然でしょ」
そう言って、催涙ガスの仕掛けられた口紅と、煙幕の出るヘアスプレー、それにスタンガンになる携帯だけ渡された。
「でも、どうして?」
「昨日のセバという男が言った宿に、引っ越すから」
昨日の男というのは、どうみてもザリバンの一味臭い男。
それこそ、危険だから銃は居る。
「折角、敵の懐に飛び込むチャンスが来たのに、銃やナイフが見つかった途端、オジャンになるのは嫌だわ」
なるほど、そういうことか。
昨日からエマが目立つ行動ばかりとっていたのは、そういう趣味ではなく敵に目をつけてもらうためだと、その時ようやくわかった。
「OK、従うわ。でも、どうやって武器を基地に戻すの?」
あとを付けられたらそれこそお終いだし、昨日俺たちを送ってくれた連絡員がまた迎えに来たのでは怪しまれる。
「大丈夫よ。もう直ぐモーニングサービスが来るから。それからナトちゃんの名はは、今から『アマル・ハシュラム』私『エマ・ハサウェイ』とは従妹よ」
そう言ってパスポートを渡された。
「アマちゃんが好い?それともマルちゃん?」
「アマルで良いよ」
意味が分からない。
この大事な時に、呼び方だの、モーニングサービスだなんて。
風が気持ちいい。
地中海を貨物船が、悠々と海面を滑って行く。
平和。
この時間だけを切り取ってみれば、どこにキナ臭いにおいが隠れているのか分からないくらい平和だ。
部屋がシーサイドなので道路は見えないけれど、時折車の音が聞こえるたびに、真新しい軽装甲機動車に乗った仲間たちを思い浮かべてしまう。
ホテルに戻るときにすれちがったトーニとモンタナの顔を思い出す。
もう一台の軽装甲機動車には屹度ハンスとブラームが乗っているだろう。
あのとき、もしも出くわしたのがモンタナの班ではなくてハンスのほうだったら、ハンスは俺に気が付いてくれただろうか?
なんとなくだけど、ハンスなら俺がどんな格好をしていても気が付いてくれそうな気がする。
そして車を止めて「頑張れ」と一言だけ言ってくれる。
そう思うと、なんだか今日一日遊びまわっていたことが後ろめたい。
彼らは今、任務の真最中。
俺のようにのんびりと、海を見ながら平和に浸ってはいない。
不意に後ろから優しく抱きしめられた。
一瞬ハンスかと思って振り向いたが、案の定エマだった。
「ごめんね。愛しの君じゃなくて」
「別にいいけれど、断って置くが俺には“愛しの君”なんていない」
「そっか……ゴメンね」
「いや、いい」
ほのかに火照ってしまった顔を見られたくなくて、振り向かないまま言葉を返した。
夜の冷たい風が、優しく頬を撫で、熱を取ってくれる。
「そういえば、ベッドが一つしかないけれど」
「だって、カップル用のスィートだもの」
任務中にカップル用の部屋を取るなんて、あり得ない。
そう言えば、今日一日遊び呆けたことや、ザリバンの肩を持つ発言をしたことを注意するのを忘れていたので
ベランダから部屋に入り、そのことについて抗議するとエマにしては素直に謝った。
「ゴメンゴメン、だから私はソファーで寝るから、ナトちゃんはベッドで寝ていいよ」
「えっ本当に?」
「どうせ、一緒には寝てくれないんでしょ」
「だって、それはエマがエッチな事ばかり、しようとしてくるからでしょ」
「嫌なの?」
「ふつう、嫌でしょ!」
「他の子と、一緒に寝たことないの?」
真っ直ぐに瞳を見つめられて困って目を逸らす。
サオリとは、寝たことがある。
それも、たいていは私のほうからサオリのベッドに潜り込んでキスをせがんでいた。
「知らない! もう眠たいから寝る」
そう言って、シーツを頭から冠った。
エマは「あらあら」と言って、電気を消した。
やっぱりエマは大人の女性で、俺は子供。
無理やり話を打ち切って、シーツに潜り込んで、そう思った。
夢を見た。
サオリが戻ってきて、優しく、旅の話を聞かせてくれる夢。
私がキスをせがむと、少し困った顔をして受け入れてくれた。
「じゃあ、目を瞑っていてね。いいって言うまで目を開けちゃ駄目だよ」
「うん、わかった」
久し振りに味わう、とろけてしまいそうに温かい唇。
重なり合った胸も、腕をまわした背中もすべすべして柔らかい。
足を絡めようとすると、サオリの足が優しく私の足を受け止めて更に絡めてくれる。
足の先から温められた幸せが、根元まで伝わり心を熱くさせる。
「ねえ、まだぁ」
「まだよ」
我慢をするために、むさぼるようにサオリの唇を求める。
「ねえ、まだぁ」
「まだよ」
「いじわる」
切なさに耐えきれずに、目を開けると、そこにサオリの顔は無くただ体だけがあった。
私は、顔のないサオリの体を確りと抱きしめて泣いた。
いつまでも、いつまでも――。
顔のないサオリの手が、いつまでも私の頭を優しく撫でてくれていた。
涙が止まらなくて目が覚めた。
頭を撫でていた手の感覚がスーッと引くのを感じて「待って」と、その体に抱き着いて止めると、目の前にはサオリの笑顔があった。
“戻ってきてくれた”
思わずその唇に、自分の唇を強く押しつけて「行かないで!」と、しがみつく。
口の中にサオリの舌が入り、私の舌を絡めてくる。
“違う!サオリじゃない”
とっさに離れると、そこにあったのはエマの顔。
「なっ、なんで、ここにいる⁉」
「ゴメ~ン。やっぱり入ってきちゃった。だって寝心地好いんだもん」
「い、いつから」
エマは、俺の問いには答えないで、ニッと笑う。
「なっ、なんだ」
「ナトちゃんって、いつも強がっているけれど、本当は甘えん坊なんだね」
そう言って、俺の頭をヨシヨシして撫でる。
「よせ!」
俺は、その手を払いのけてエマに背を向ける。
「だって、私がベッドに入ると直ぐに、足を絡めて抱き着いてくるんですもの。その気になっちゃうわ♪」
「……」
「おまけに……うふふ♡」
「……」
エマは途中で話をやめて笑った。
夢の中でしたことを、全てエマにやったというのか?
「いっ、いや、お、俺は……」
なんとか弁解しようと思ったけれど、何をしてしまったのか分からないから、何をどう言えばいいのか分からないで、言葉が詰まる。
そんな俺にエマが覆いかぶさってきて、優しくキスをしてきた。
「うっ、な・なにを」
「いいのよ。寝ている時ぐらい素直になりなさい」
恥ずかしさと、動揺で、無抵抗にエマの唇を受け止めてしまう。
夢の続きを見ているような、甘いキス。
全身の力が抜けたように、そのキスを受け止めていた。
シャワーを浴びて服を着替えるとき、装備がないことに気が付いた。
「装備は?」
エマに聞くと、ナイフや拳銃などを詰めたバッグを見せてくれた。
「どうするの?」
「基地へ返す」
任務が打ち切りになったのかと思って聞くと、そうではないと答えた。
「じゃあ、なんで?」
「一介のシリア女性が持ち歩くのは不自然でしょ」
そう言って、催涙ガスの仕掛けられた口紅と、煙幕の出るヘアスプレー、それにスタンガンになる携帯だけ渡された。
「でも、どうして?」
「昨日のセバという男が言った宿に、引っ越すから」
昨日の男というのは、どうみてもザリバンの一味臭い男。
それこそ、危険だから銃は居る。
「折角、敵の懐に飛び込むチャンスが来たのに、銃やナイフが見つかった途端、オジャンになるのは嫌だわ」
なるほど、そういうことか。
昨日からエマが目立つ行動ばかりとっていたのは、そういう趣味ではなく敵に目をつけてもらうためだと、その時ようやくわかった。
「OK、従うわ。でも、どうやって武器を基地に戻すの?」
あとを付けられたらそれこそお終いだし、昨日俺たちを送ってくれた連絡員がまた迎えに来たのでは怪しまれる。
「大丈夫よ。もう直ぐモーニングサービスが来るから。それからナトちゃんの名はは、今から『アマル・ハシュラム』私『エマ・ハサウェイ』とは従妹よ」
そう言ってパスポートを渡された。
「アマちゃんが好い?それともマルちゃん?」
「アマルで良いよ」
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