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依頼

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「わふん!わふわふ!(帰ってきた!お帰り!)」

2人が階段を降りてくる。何やら深刻そうな顔をしてるな。どーしたんだろ?

「なあ、いつまでもお前って言うのもアレだしとりあえずシロって呼んでもいいかぁ?」

「わふ?わふっん!(シロ?僕シロ!)」

ぴょんぴょんとブライトの周りを飛び跳ねながら返事する。

「ははっ、気に入ったか。よかった。」

「ん?おい、ブライト。なんかコイツ昨日より若干デカくなってねぇか?」

「‥‥言われてみれば?デカくなったようななってないような‥‥。」

「わふ?」

あっそうだ!そんなことよりね!僕も冒険者になりたいの!

トタトタッピョンッ

依頼掲示板ボードへ走っていってちょうど目の前にいた冒険者の方に乗っかる。

「のわっ?!なんだぁ??」

僕の巣の近くに生えていた薬草の依頼書を咥えて戻る。

「わふ!」

「んあ?なんだ?それは依頼書だぞ。遊んでいいもんじゃない。ほら、返しなさい。」

「わふわふ!わふ!(僕が依頼受けるの!冒険者なるの!)」

「なあ、ブライトどうしたんだ?こいつ。」

「今回ばかりはわかんねぇな。遊んでんのか?」

「わっふ!わふわ!!(違う!遊んでないもん!)」

むー、うまく伝わらない。

「あの、ギルドマスター。もしかしてその子‥‥シロちゃんはこの依頼を受けたいのでは?冒険者の様に活躍したいのではありませんか?」

「ふぁっ?!そうなのか?」

「わふわふ!わふ!(任せて!僕もできるよ!)」

「やる気に満ち溢れて目をキラキラさせてるとこ悪いがいくらシロでもちょっとなぁ。」

「わふ?わふわふわ?(だめ?僕じゃダメなの?)」

悲しくなってぶわりと涙が目に溜まる。耳はしゅんと垂れしっぽは丸まって隠れてしまう。

「ああ、泣くな泣くな。おい、グランド。どうにかしろ!」

「んな無茶な。ブライト、お前が代わりにその依頼受けてシロにやらせたらいいんじゃねぇか?当分はそれで凌ぐとして対策は後々考える。どうだ?」

「わふ!」

「シロも賛成してくれたみたいだな。よし、決定だ!」

薬草依頼を無事に受理してもらって(ブライトの名義で)早速出発だ!

ふふんふっんふーん!

ちらっ

ん?

ちらちらっ

んん??

「わふ!(着いてこないで!)」

「どした?シロ?」

「わふわふわん!わふわふわ!わっふ!(だめなの!着いてきちゃダメ!僕1人でできるの!)」

「ブライトさん。おそらくシロちゃんは1人でやりたいのではないでしょうか?」

「ミリーナ。お前すごいな。なんでわかるんだ?」

「なんとなくとしか言いようがないのですけれど‥‥。シロちゃん。元々野生で外で生きていたのでしょう?心配する気持ちもわかりますが大丈夫なのでは?それにあんなにやる気に満ち溢れているんですもの。邪魔しては悪いわ。」

「そっそうだな。‥‥でもやっぱり心配。う、後ろからこっそり着いていっちゃダメか?」

「おい、ブライト。お前そんなに過保護になっちまって。面白れぇな。ハハっ!」

「マスター。煽ってないで仕事戻ってください!シロちゃん。いってらっしゃい。着いてこられては嫌でしょうからブライトさんは見張っておきますからね!」

「わふわ!(ありがとう!)」



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