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二章 異世界ライフ
114話 コワーイ人達
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帝都を離れ、数十キロは走っただろうという時。
俺達は荷物を積載した馬と共に小さな農村へ辿り着いた。ここなら問題事を起こさない限り帝都の制服軍団にはバレない筈だ。
「よし、暗いし寒いしさっさと適当な宿入るぞ」
「ええ、そうしましょう」
馬を井戸の近くに停めると、丁度近くにあった宿屋へ向かった。
簡単なチェックインを済まし、そそくさと個室に入る。そして部屋の窓に備えられたカーテンを全て閉ざすと、ソファに腰を下ろした。
「ちょっと読んでみようか」
アヴァカンに貰った新聞を膝の上で広げる。
国防軍とイスラエル軍が北レバノンに地上侵攻した理由が詳しく精密に説明されていた。新聞によると、やはり侵攻の理由となったのは前回のヒズベラの報復攻撃が大きく絡んでいるようだ。それはそれとして、文末に驚くべき文章が綴られているのが見えた。
「ヒズベラの女戦闘員と転移者の戦闘員……!?」
何だと。
あの報復攻撃に参加した事がもう帝国側に伝わっているのか。女戦闘員はレベッカの事で、転移者の戦闘員とは確実に俺だ。
「おいレベッカ、これはだいぶマズいぞ……」
苦笑いをしつつ彼女に語り掛ける。
「バレている、と?」
「ああ、そういう事だ。諜報部の連中がどれだけ優秀なのかは分からないけど、直に追ってくるだろうさ」
真剣な態度で話しながら新聞を折り畳むと、その間から一枚の紙が落ちた。
「これは何だ?」
紙を拾って確認する。数行の文が殴り書きで記されており、最後にはアヴァカンという文字が掛かれていた。肝心の内容は「帝都とその付近は危険だから、転移者のイラン軍が運営する未承認国家ペルシャ・アスラーム民主国へ逃げろ」といったものだ。イスラエル軍に続き、今度はイラン軍か。しかもイラン軍もヒズベラ同様国家を営んでいるのか。
「なあ、ペルシャ・アスラーム民主国とやらに行った事はあるか?」
「噂には聞いた事がありますが、行った経験はないですね」
「この紙というかアヴァカン曰く、そこへ逃げろだってさ」
「ペルシャにですか?」
「らしいよ。まあ確かにイラン軍が居るなら安心かもな」
ガザ紛争の際、ラマスの同盟組織であるイラン軍は報復としてイスラエルに弾道ミサイルを何発も発射していた軍事国家だ。極超音速兵器も運用しているらしい。
「すまん、ちょっとトイレ行って来る」
唐突に尿意が襲い掛かってきたので便所へ向かおうと廊下に出た。
尿はすぐそこまで迫って来ている。股間をぎゅっと押さえ何とも間抜けな姿で小走り。この年齢でお漏らしはごめんだ。
溢れ出す寸前で何とかトイレに間に合い、用を足し終えると便所を離れたが、
「誰だいあれは?」
宿主が黒服に覆面を身に着けた男達と話している光景が視界に映り、急いで物陰に隠れて観察を始めた。
黒服の奴らは体格が一般人のそれとは違って屈強な肉付きで、バラクラバから除く僅かな瞳も鋭く研がれている。
すると何を思ったのか宿主が不意にこちらを指さし、黒服の男達と目がはっきりと噛み合った。
「やばっ」
男達は俺を見た途端、常人の数倍速い早歩きでこっちに向かって来た。
捕まったらただじゃ済まないと察知し、小走りで部屋へ戻る。
恐らく……いや、絶対にあの男共が諜報部の奴らだ。まさかもうやって来るとは。どんだけ賢いのやら。
俺達は荷物を積載した馬と共に小さな農村へ辿り着いた。ここなら問題事を起こさない限り帝都の制服軍団にはバレない筈だ。
「よし、暗いし寒いしさっさと適当な宿入るぞ」
「ええ、そうしましょう」
馬を井戸の近くに停めると、丁度近くにあった宿屋へ向かった。
簡単なチェックインを済まし、そそくさと個室に入る。そして部屋の窓に備えられたカーテンを全て閉ざすと、ソファに腰を下ろした。
「ちょっと読んでみようか」
アヴァカンに貰った新聞を膝の上で広げる。
国防軍とイスラエル軍が北レバノンに地上侵攻した理由が詳しく精密に説明されていた。新聞によると、やはり侵攻の理由となったのは前回のヒズベラの報復攻撃が大きく絡んでいるようだ。それはそれとして、文末に驚くべき文章が綴られているのが見えた。
「ヒズベラの女戦闘員と転移者の戦闘員……!?」
何だと。
あの報復攻撃に参加した事がもう帝国側に伝わっているのか。女戦闘員はレベッカの事で、転移者の戦闘員とは確実に俺だ。
「おいレベッカ、これはだいぶマズいぞ……」
苦笑いをしつつ彼女に語り掛ける。
「バレている、と?」
「ああ、そういう事だ。諜報部の連中がどれだけ優秀なのかは分からないけど、直に追ってくるだろうさ」
真剣な態度で話しながら新聞を折り畳むと、その間から一枚の紙が落ちた。
「これは何だ?」
紙を拾って確認する。数行の文が殴り書きで記されており、最後にはアヴァカンという文字が掛かれていた。肝心の内容は「帝都とその付近は危険だから、転移者のイラン軍が運営する未承認国家ペルシャ・アスラーム民主国へ逃げろ」といったものだ。イスラエル軍に続き、今度はイラン軍か。しかもイラン軍もヒズベラ同様国家を営んでいるのか。
「なあ、ペルシャ・アスラーム民主国とやらに行った事はあるか?」
「噂には聞いた事がありますが、行った経験はないですね」
「この紙というかアヴァカン曰く、そこへ逃げろだってさ」
「ペルシャにですか?」
「らしいよ。まあ確かにイラン軍が居るなら安心かもな」
ガザ紛争の際、ラマスの同盟組織であるイラン軍は報復としてイスラエルに弾道ミサイルを何発も発射していた軍事国家だ。極超音速兵器も運用しているらしい。
「すまん、ちょっとトイレ行って来る」
唐突に尿意が襲い掛かってきたので便所へ向かおうと廊下に出た。
尿はすぐそこまで迫って来ている。股間をぎゅっと押さえ何とも間抜けな姿で小走り。この年齢でお漏らしはごめんだ。
溢れ出す寸前で何とかトイレに間に合い、用を足し終えると便所を離れたが、
「誰だいあれは?」
宿主が黒服に覆面を身に着けた男達と話している光景が視界に映り、急いで物陰に隠れて観察を始めた。
黒服の奴らは体格が一般人のそれとは違って屈強な肉付きで、バラクラバから除く僅かな瞳も鋭く研がれている。
すると何を思ったのか宿主が不意にこちらを指さし、黒服の男達と目がはっきりと噛み合った。
「やばっ」
男達は俺を見た途端、常人の数倍速い早歩きでこっちに向かって来た。
捕まったらただじゃ済まないと察知し、小走りで部屋へ戻る。
恐らく……いや、絶対にあの男共が諜報部の奴らだ。まさかもうやって来るとは。どんだけ賢いのやら。
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