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二章 異世界ライフ
104話 お宝紛失
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完全に死んだ事を確認すると、お宝の回収を始めた。
「さっさと奪おうぜ! はっはっはっ!」
後ろで作業しているアヴァカンとレベッカに励ましの言葉を送る。冷静に考えてみれば、今の発言は例え悪意がなくても盗人そのものだ。
「これで最後だな」
棚の奥で眠っていた最後の宝石を取り出す。それは高貴な艶を放っており、緑の色を浮かべている。
「あ、無理か」
搔っ攫ったお宝共はベルトに吊り下げた麻袋に溜めているがいつの間にか袋が破けそうな程張っており、最後の一つが入れられないでいた。
袋が破損して宝を持って帰れなくなったらもはや本末転倒だと、その一つは無理に突っ込む事なくズボンのポケットにそっと収めた。
「セル坊! こっちも終わったよ!」
「山盛りです!」
彼女達の手には俺の袋よりも膨れ上がった麻袋が握られている。これだけの宝があれば、億万長者間違いなしだ。
ダンジョン攻略もお宝強奪も成功し、用もなくなったのでそろそろこの寺院を離れようとした時――――さっきのゾンビ出現の際に起きた強く激しい揺れが再び発生した。しかも前回と比べてかなり大規模で、寺院全体が震動している。
「おいおい、次は何だよっ」
上を見上げてみると、震動に耐えられなくなった天井の石がいくつも落ちて来た。
「これはヤバそうね! 逃げるよ!」
事態を把握したアヴァカンは通路へ続く出口へ走っていき、俺とレベッカも一旦目を合わせると、彼女の後を追った。
宝庫から出たとほぼ同時、後ろで色々なものが崩れ落ち、割れ、衝突し合う音が鳴った。
「ふう、危ない……」
つい数分前までゾンビと戦ったりお宝を収集していた宝庫は瓦礫の山に支配されていて、華やかな雰囲気はもうそこにはない。
だが、まだ予断を許さない状況だ。何せあの隠し部屋だけでなく寺院全体が揺れているため、通路もじきに崩落しそうなのだ。
「ほら、急いで!」
アヴァカンは俊足という表現がピッタリの速さで先頭を走る。流石は現役軍人だ。いや、今は感心している場合ではないか。
頭上から落下してくる物体を避けながら、外目指して疾走。
足元も小さな瓦礫だらけで少しでも気を抜けば転倒するだろう。
迫る崩落の音。それは、背後に潜む。
「はあっ……!」
全速力でずっと走っているせいか、呼吸が荒くなってきた。
「ってあれ……」
腰に吊るしていた宝石が入った麻袋が消えている事に気が付き、思わず足が止まる。
そんなまさかと思い後ろを一瞬振り返ってみると、瓦礫の下敷きになっている麻袋が視界に紛れた。崩落した瓦礫が当たり袋は破け、中身が溢れ出している。
そういえば、すぐ取り外せるようにと、袋の紐をベルトに甘い力で固定していたんだった。それがこんな形になって返ってくるとは。
「俺の宝……!」
あれをどこかの店に持って行って売却すれば億万長者。大金という欲に突き動かされた俺は危険を承知で進路とは逆方向に走ろうとする。
ところが。
「何やっているんですかセルゲイ君!」
レベッカに両肩を強く掴まれ、阻止された。
「いや、お宝が落ちてさ……」
「そんな事言っている場合ではないでしょう! ほら逃げますよ」
叱咤を受け断念せざるを得なくなった俺は、彼女に手を引かれるがまま外への脱出を試みた。
「さっさと奪おうぜ! はっはっはっ!」
後ろで作業しているアヴァカンとレベッカに励ましの言葉を送る。冷静に考えてみれば、今の発言は例え悪意がなくても盗人そのものだ。
「これで最後だな」
棚の奥で眠っていた最後の宝石を取り出す。それは高貴な艶を放っており、緑の色を浮かべている。
「あ、無理か」
搔っ攫ったお宝共はベルトに吊り下げた麻袋に溜めているがいつの間にか袋が破けそうな程張っており、最後の一つが入れられないでいた。
袋が破損して宝を持って帰れなくなったらもはや本末転倒だと、その一つは無理に突っ込む事なくズボンのポケットにそっと収めた。
「セル坊! こっちも終わったよ!」
「山盛りです!」
彼女達の手には俺の袋よりも膨れ上がった麻袋が握られている。これだけの宝があれば、億万長者間違いなしだ。
ダンジョン攻略もお宝強奪も成功し、用もなくなったのでそろそろこの寺院を離れようとした時――――さっきのゾンビ出現の際に起きた強く激しい揺れが再び発生した。しかも前回と比べてかなり大規模で、寺院全体が震動している。
「おいおい、次は何だよっ」
上を見上げてみると、震動に耐えられなくなった天井の石がいくつも落ちて来た。
「これはヤバそうね! 逃げるよ!」
事態を把握したアヴァカンは通路へ続く出口へ走っていき、俺とレベッカも一旦目を合わせると、彼女の後を追った。
宝庫から出たとほぼ同時、後ろで色々なものが崩れ落ち、割れ、衝突し合う音が鳴った。
「ふう、危ない……」
つい数分前までゾンビと戦ったりお宝を収集していた宝庫は瓦礫の山に支配されていて、華やかな雰囲気はもうそこにはない。
だが、まだ予断を許さない状況だ。何せあの隠し部屋だけでなく寺院全体が揺れているため、通路もじきに崩落しそうなのだ。
「ほら、急いで!」
アヴァカンは俊足という表現がピッタリの速さで先頭を走る。流石は現役軍人だ。いや、今は感心している場合ではないか。
頭上から落下してくる物体を避けながら、外目指して疾走。
足元も小さな瓦礫だらけで少しでも気を抜けば転倒するだろう。
迫る崩落の音。それは、背後に潜む。
「はあっ……!」
全速力でずっと走っているせいか、呼吸が荒くなってきた。
「ってあれ……」
腰に吊るしていた宝石が入った麻袋が消えている事に気が付き、思わず足が止まる。
そんなまさかと思い後ろを一瞬振り返ってみると、瓦礫の下敷きになっている麻袋が視界に紛れた。崩落した瓦礫が当たり袋は破け、中身が溢れ出している。
そういえば、すぐ取り外せるようにと、袋の紐をベルトに甘い力で固定していたんだった。それがこんな形になって返ってくるとは。
「俺の宝……!」
あれをどこかの店に持って行って売却すれば億万長者。大金という欲に突き動かされた俺は危険を承知で進路とは逆方向に走ろうとする。
ところが。
「何やっているんですかセルゲイ君!」
レベッカに両肩を強く掴まれ、阻止された。
「いや、お宝が落ちてさ……」
「そんな事言っている場合ではないでしょう! ほら逃げますよ」
叱咤を受け断念せざるを得なくなった俺は、彼女に手を引かれるがまま外への脱出を試みた。
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