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ローガン公爵視点
しおりを挟む「ふぅ…」
私はラルクスとメルリナ、それにあのメイドが部屋に戻るのを見届けたあと椅子に深く座り込んだ。大した時間は経ってはいないはずなのに今になってどっと疲れが押し寄せてきた。
「まさかそんな理由だなんて普通は思わないだろう…」
先ほどあのメイド、イリア・ユグラド嬢の言い分は一見荒唐無稽のでたらめかと思っていたが【鑑定眼】持ちなのであれば話が変わってくる。
【鑑定眼】は本当に稀な能力で過去には権力者達がこぞって【鑑定眼】持ちの人間を奪い合い戦いになったこともあるくらいだ。まさか自分の屋敷にその能力を持つものがいて、しかもメイドとして働いているなんて夢にも思わないだろう。
三日前、ダリスから二人の稽古のことで報告があった。二人が五歳になってから始めた稽古は数ヶ月が経ってもなかなか進んでいないことは私も以前からの報告で知っていた。家庭教師に問題があるのではと調べたが特に問題はなかった。
今回の報告はどんな内容なのだろうかと思ってたらとんでもない内容で驚いた。我が家で働いているメイドが公子と公女に稽古の指導をしているなんて聞かされた時は意味が分からなかった。それに指導している内容も意味不明だった。なぜか剣と魔法を入れ替えて教えていたらしい。それを聞いた私は怒りに震えた。メイドの分際で子ども達に何をしてくれているのだ、そんなやつクビにしてやると。しかしダリスの次の言葉で私の怒りは霧散した。
「その、公子様と公女様はわずかな時間で初級の技を習得されたようでした」
「なっ!そ、それは本当か!?」
稽古を始めて数ヶ月、全く進んでいないと報告を聞いていたのに今日一日、いやその中のわずかな時間で技の習得をしたなんて信じられなかった。信じられない思いだがダリスが嘘を言うとは考えられない。それなら自分の目で見て確めてみようと決めた。メイド一人をクビにするなど確認してからでも遅くはない。私はそう結論を出したのだった。
その日の夕食の席で私は二人の様子がいつもと違うことに気づいた。なんだか嬉しそうな楽しそうな表情をしていた。思えば稽古が始まってからはいくらか元気がなくなったように思う。二人のこんな表情を見るのは久しぶりだ。それに私に何か伝えたそうに口を開いては閉じたりしている。そして我慢が出来なくなったのかラルクスが私に話しかけてきた。
「…おとうさま」
「ん?どうしたんだ?」
「あのね…「ラル!めっ!」っ!」
「メル?」
「ひみつってやくそくしたでしょ!」
「そ、そうだった!」
「なぁ秘密ってなんなんだ?」
「「ひみつー!」」
そう言って二人は手で口を隠しながらニコニコ笑っていた。おそらく今日のことだろうと察しはついたがここは知らないふりをしておく。それにしても楽しそうだった。
そして次の日、私はダリスに教えられた場所へと向かった。目的地に着き茂みに隠れて様子をうかがう。
(ふむ、服装から見るに本当にメイドだな)
メイドの服を来た茶色の髪の女が二人に剣と魔法を教えていた。
(確かあのメイドはユグラド伯爵家の令嬢だとダリスが言っていたな。そもそもなぜ伯爵令嬢がメイドなんだ?それに剣も扱えるのはなぜだ?)
昨日は驚きと怒りで気がつかなかったが、こうして冷静に考えてみるとおかしな点に気がついた。それに子ども達のあの笑顔。たった二日のはずなのに相当あのメイドに懐いているようだ。稽古も順調に見える。これはどう判断するのが正解なのか私は分からなくなってしまった。あのメイドをクビにすれば簡単に終わることだと思っていたが二人の懐き具合や稽古の進む速さをこの目で見てしまったことで迷いが生じてしまった。
(直接話を聞くしかないか)
メイドの言い分など聞くつもりはなかったが分からないことが多すぎるし、私がメイドをクビにしたことをあの二人が知れば嫌われてしまうかもしれない。さすがにそれはきつい。私は亡き妻と約束したのだ。『二人の笑顔を守る』と。ここは慎重に動くべきだと判断した私はダリスに明日の指示をしたのであった。
そして迎えた翌日。私の目の前には頭を下げたまま微動だにしないメイドが一人。
(事情を聞きたい旨をダリスから伝えているはずなのになぜこんなにも怯えているんだ?)
しかしここままでは話が進まないので声をかけた。
「頭を上げなさい」
「!…はい」
どうやら話は出来そうでひと安心だ。…それにしても前髪が長すぎて表情がよく分からない。
「なぜ君はここに呼ばれたのか分かっているか?」
私の問いかけに少し間が空いたが彼女は答えた。
「は、はい、分かっております!私はメイドの分際で公子様と公女様に秘密の特訓と称して洗濯干場近くの茂みで剣と魔法をお教えしていました!これがバレたらクビになることも分かっていたのでお二人に秘密にするように強要しました!そしてそちらの執事さんに見つかってしまいました!本当に申し訳ございませんでした!けれどどうか次の仕事が見つかるまであと七日、いえ三日でいいのでこちらで働かせてください!私には養わなくてはならない母と幼い弟が…」
「ストップ!」
「はいっ!」
少しずつ訓練について確認しながら進めようと思っていたのになぜだが話がクビにするしないの話になってしまった。
(確かに彼女からしてみればこれからどうなるか気になるのは分かる。だがまずは確認してからだ)
「君の言い分は分かったから一旦止まってくれ。ダリス、この者にちゃんと説明したのか?その割には全く理解できていないようだが」
私はダリスにちゃんと説明してから連れてきたのか確認をする。
「は、はい。こちらに向かう途中にきちんとご説明したはずなのですが…」
そう言ってダリスはユグラド令嬢を見た。ユグラド令嬢は何か思い出したような表情をしている。
(…あぁ、彼女の頭の中はそれどころじゃなかったからダリスの説明は聞こえてなかったんだろうな)
そう思っていたら彼女が口を開いた。
「も、申し訳ございません!気が動転していたので多分話を聞いていませんでした!」
やはりそうだったか。
「…はぁ、仕方がない。それなら今から質問することに正直に答えるように」
「…正直に答えたらすぐクビにはしませんか?」
「とりあえずクビにするしないは後で決めるから今は質問に答えるんだ」
「分かりました…」
彼女の中ではこれからの仕事に不安を感じているだろうがそれは後だ。これでようやく本題に入れる。
「どうして公子に魔法を公女に剣を教えていたのだ」
「!」
普通なら公子に剣を、公女に魔法を教えるはずなのだ。なのにその逆を教えていた理由は一体なんなのだろう。雇い主からの質問なのですぐに答えると思ったがなかなか話そうとしない。
「…」
「どうした。何か理由があるからわざわざ教えたんだろう?」
「…えっとその、理由はお話ししますがその内容は必ず秘密にしてくださると約束していただけますか?」
(まさかこの私に条件をつけてくるとは…。とことん不思議な令嬢だ)
「…いいだろう」
「ありがとうございます。えっとダリスさんは…」
「ダリスは私がこの屋敷で一番信用している人間だ。心配はいらない」
「…分かりました」
できればダリスには聞かれたくなかったのだろうがさすがに部屋に二人っきりになるわけにはいかない。それにダリスは口が堅いから大丈夫だろう。しかしそこまでの秘密とは一体なんなんだろうと考えていると耳を疑うような言葉が聞こえてきた。
「私は【鑑定眼】を持っています」
「なっ!【鑑定眼】だと!?」
「はい」
彼女は長い前髪を持ち上げた。すると澄んだ青色の瞳が露になった。
(ほぅ、綺麗な目をしている…はっ?)
次の瞬間、瞳が青から黄金に変化したのだ。
「…」
今まさに私が鑑定されたのだろうが無礼だと言うことすらできない。【鑑定眼】という能力は知ってはいたが実際に目の前で見るのは初めてだ。能力を発動すると瞳の色が黄金色になるというのはよく知られている話である。だから彼女は【鑑定眼】を使ったのだろう。【鑑定眼】の能力が嘘ではないことを証明したのだ。
「私の【鑑定眼】で公子様には魔法の才能が、公女様には剣の才能があることが分かりました。それこそ大賢者や剣聖と呼ばれるようになるほどの才能をお持ちです。しかしこの国では男性は剣を女性は魔法を学ぶのが常識とされているのでどうにかして少しでもお二人のお役に立てればと思ったのです」
「…だから隠れて特訓をしていたのか」
「はい。根本的な解決は私一人の力では無理ですが、お二人のやる気が出てお稽古に前向きに取り組めたらいいなと思い余計なお世話だと分かってはいましたが剣と魔法を教えました」
「そういうことだったか。…二人は稽古を嫌がっていたのか?」
私はついでに気になったことを聞いてみた。すると彼女は言いづらそうな表情をした。
「…はい。茂みに隠れて泣いておりました」
「!…そうか。私は父親なのに気づいてやれなかった」
(泣くほど稽古が嫌だったのか。それなのに私は少し元気がないなくらいにしか思っていなかった。あの子達は隠れて泣くほど嫌だったのに私の前では気丈に振る舞っていたのか。…父親なのに情けない)
「で、でもお二人が言っていましたよ!私達のお父様は世界一のお父様だって」
「あの二人が…」
泣かせてしまった事実はなくならないが、二人が私のことをそんな風に思っていてくれていたのはすごく嬉しい。
「公爵様…」
どうやら話が逸れてしまったようだ。話を本題に戻さなければ。
「!ゴホン。…それともう一つ聞きたいことがある。なぜ君は剣も魔法も教えられるのだ?魔法は君がユグラド伯爵家の令嬢だから教えることができたのは分かる。でも剣も教えていたんだろう?なぜだ?それにそもそもなぜ伯爵令嬢がうちの屋敷でメイドなんてしているんだ?見習い侍女ならまだ理解できるがなぜメイドなんだ?」
伯爵令嬢だから魔法を学んだというのは想像がつくがでは剣は?となるのは当然だろう。それに伯爵令嬢がメイド?伯爵令嬢がメイドをしてはダメというわけではないがそこは普通見習い侍女だと思ってしまうのも仕方ないだろう。一体どんな理由なのかと彼女が口を開くのを待った。
「なぜと言われましても貧乏だったからとしかお答えできません」
「は?」
なんと返ってきた答えは「貧乏」だった。さすがに意味が分からない。
「えっと、まず私が剣と魔法どちらも教えられるのは家が貧乏なので買い物や娯楽などにお金を使う余裕が全くなかったからです。幼かった私が退屈しないように父が剣を母が魔法を教えてくれました。他の家では家庭教師を招いて学ぶのですよね?でも我が家にはその余裕もなかったので父と母に教わりましたが暇潰しとお稽古の一石二鳥になりました」
「おぉ…」
「それとこちらでメイドとして働かせていただいているのも家が貧乏だからです。ユグラド伯爵家は祖父の代に起きた水害で借金まみれになってしまいました。なんとか父の代で借金は返済できたのですが三年前に父が亡くなりまして借金は無くとも生活が苦しかったのです。家には母と幼い弟しかおりませんので私が働きに出たというわけです」
「な、なるほど…」
「あ、なぜ侍女ではなくメイドなのかはその時にローガン公爵家で出てた求人がメイドしかなかったからです。それでも他の家で侍女になるよりも公爵家でメイドになる方が給金が良かったんです!こうして働かせていただけて感謝しています!」
「…」
話を聞いているとなかなかの貧乏だということが理解できた。そもそも剣や魔法を親から教わる貴族などいない。いやその例外が目の前にいるのだが普通は家庭教師を雇う。それが貴族にとって一種のステータスにもなるのだ。
それに給金がいいというだけで侍女でなくメイドになる貴族令嬢がいるとは思わなかった。メイドは平民でもなれるが侍女は貴族令嬢しかなることができない。それなのにメイドを選ぶなんて信じられなかった。あと他の家の侍女よりうちのメイドの方が給金がいいって…。他の家は大丈夫なのか?
そんなことを考えていてると急に話さなくなった私を心配してか彼女に声をかけられた。
「?あの公爵様?」
「…君はなぜそんなに才能を持っているのにそれを活かそうとは思わなかったんだ?」
ここまで聞いて思ったことはこれなのだ。【鑑定眼】の能力を持ち、さらに剣も魔法も扱える。人に教えることができるほどの実力を持っているということは彼女には剣と魔法どちらにも才能があったんだろうと考えられる。それにもしかしたら弟はまだ幼いと言ってたから領地経営まで身に付けているかもしれない。いろいろな選択肢がありそうなのにうちのメイドとして働いているのが不思議でならない。
「それは…、私がこの世で一番大切なのものが家族だからです」
「!」
「もし私が【鑑定眼】持ちだと触れ回れば王家を始め沢山の貴族家が私を囲おうとするでしょう。けれど私が選択を間違えれば家族が危険にさらされるかもしれない。それに剣を使えたところでこの国で剣を握るのは男性と決めつけられています。下手に剣を扱えることを知られたら貧乏伯爵家など貴族達から白い目で見られてしまうでしょう。将来ユグラド伯爵家を継ぐ弟の障害にはなりたくないのです」
「…それならなぜ公子と公女に特訓をさせたのだ」
「私の家は貧乏伯爵家ですがローガン公爵家は違います。筆頭公爵家としての権力、財力、名誉があり、それに王家との仲も良好と聞きます。公爵様が力添えしていただければ男性は剣、女性は魔法というこの国の考えを変えることができるのではないかと思うのです。それに本当にお二人の才能は素晴らしいものです。その才能を見つけてしまった私は見て見ぬふりをすることができませんでした」
(国の考えを変える、か)
確かに難しいことではあるが無理ではないだろう。それにラルとメルの将来に関わることだ。父親としてはできる限り何とかしてやりたいと思う。
「…君の言い分はわかった。もちろん君の秘密も守ると約束する。このあとは指示があるまで自分の部屋で待機するように」
「!は、はい!分かりました。失礼いたします」
そしてこの後ラルとメルが突撃してきたときは驚いた。この子達は忙がしい私を気遣ってかほとんどわがままを言ったことがない。それなのにユグラド令嬢を辞めさせないで欲しいと言うとは思ってもいなかった。この数日だけで相当懐いてしまったようだ。羨ましい。まぁ私としても彼女をクビにする考えはなくなっていた。【鑑定眼】持ちであるのもそうだが性格も真面目で誠実だと感じたからだ。それに子ども達も懐いている。メイドにしておくにはもったいない。それに
「…公爵様は素敵なお父様ですね」
この言葉はとても嬉しかった。公爵としては色んな人から賛辞を受けるが父親としての褒め言葉は初めてだった。忙がしいながらも私なりに二人を愛し育ててきた自負はある。だがそれは当たり前のことといえばそれだけなのだが、その当たり前のことを褒められただけなのになぜこんなに嬉しくなるのだろう。
「…よし、彼女にはラルとメルの家庭教師になってもらおう」
決めたなら何事も早い方がいいだろう。私はすぐに新しい雇用契約書を作り始めるのだった。
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