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しおりを挟む今日は婚約者との顔合わせの日だ。
この日までに調査して分かったことは将来有望なイケメンだということ。
(今のところ問題は見当たらないから婚約は継続しているけど、今日の顔合わせでもしっかり見極めなくてちゃ)
バレンティノ公爵家は弟が継ぐので私が嫁に行くことは決定している。侯爵夫人という肩書きは悪くないが愛されないのならそんな肩書きはいらない。むしろ私には前世の記憶があるので平民でもいいから私を愛してくれる人と一緒になりたいと思っている。
今日の顔合わせはバレンティノ公爵家で行われる。応接室で父と母と待っていると扉がノックされた。
「ミラスティ侯爵ご夫妻ならびにご子息様をお連れしました」
「入れ」
使用人が開けた扉からミラスティ侯爵夫妻とレナルド様が部屋へ入ってきた。
侯爵夫妻は執事に案内された席に着いたのだがなぜかレナルド様は立ったまま動かない。それになぜか目を見開いて私を見つめているような?
「レナルド君、どうかしたかい?」
「レ、レナルド!早くこちらに座りなさい!…申し訳ございません。どうやら息子は緊張しているようでして、ははは…」
「っ!し、失礼しました」
父の問いかけにミラスティ侯爵が慌てた様子で答えた。レナルド様もどうやら我に返ったようで急いで席へ着いたのだった。
その後は挨拶から始まり婚約の取り決めやら細かいことなどをお互いに確認をして無事に顔合わせは終了した。
私はその間も失礼にならない程度にレナルド様を観察していた。こんなに近くで姿を見るのは初めてだったがやっぱりイケメンである。
しかしレナルド様は話を聞きながらもどこか心ここにあらずのように感じた。
(この婚約はミラスティ侯爵家から申し込まれたものだってお父様からは聞いたけど、レナルド様はどう思っているんだろう?)
今日正式に決まったことだが、私が十八歳になったら婚姻することになった。
婚姻まであと四年だ。
できれば最初の一年くらいでレナルド様の気持ちが分かるといいのだけど…
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