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番外編1

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 結婚してから一年が少し過ぎた頃、シェインは王位継承権を放棄し臣籍降下した。

 王太子と王太子妃の間に生まれた三人目の子供が無事に一歳を迎えたことにより、臣籍降下の許可が出たのだ。それにより一代限りの公爵位を賜り、シェインは公爵に私は公爵夫人となった。


 シェインと私は変わらずに今でも王立学園で教師を続けている。ただシェインは数年の内に学園長に就任する予定なので、少しずつ叔父である学園長から色々学び始めており毎日忙しそうにしている。

 私も魔法薬学を教える傍ら養子先であるスターリン侯爵家との取引を続けている。魔法薬の評判は良くスターリン侯爵には会う度にお礼を言われるくらいである。

 それにまだ取引を始めて二年程だがどこからか噂を聞いたのか、魔法薬学を学びたいと王立学園に入学する生徒が増えたように思う。

 当然魔力があまり多くない生徒も増えたわけで、私は今少ない魔力でも効率よく魔法薬が作れないかの研究をしている。

 私が作る魔法薬は相変わらず他の魔法薬より効果が高いようで重宝されており、以前と変わらぬ量を作って納めている。だからか最近は私も毎日忙しくしておりなかなかゆっくり休めていないのが現状だ。

 でも仕事も研究も楽しくてつい没頭してしまうのでいつもシェインが迎えに来てくれている。

 家に帰ってからはシェインとの時間を大切にしているが、夜シェインが寝たあとにこっそり研究したりしていた。

 しかしそれが良くなかったのだろう。

 その日も授業が終わり自分の研究室で研究をしていたのだが、書類を取ろうと席から立った途端激しいめまいに襲われそのまま気を失ってしまったのだ。

 気がついた時にはベッドの上であった。


「ん…」

「セレーナ!目が覚めたか!」

「シェイン…?あれ私研究室にいたはずじゃ…」

「覚えていないのか?俺が迎えに行ったらセレーナは倒れていたんだ」

「倒れて…?…あ、そういえば書類を取ろうと思って立ったら急にめまいがして…うっ!」


 あの時のことを思い出していると急に気持ち悪くなってきた。


「セレーナ、大丈夫か!?すぐに医者を呼んでくるから待っていてくれ!」


 そう言ってシェインは部屋を飛び出していった。

 さすがに何が原因か全く分からない時は魔法薬を飲むのは良くない。疲労や風邪だと分かっている分には問題ないが、今の私の症状はめまいに気持ち悪さそれに少し熱っぽい感じもある。ここは医者の判断を仰いでから魔法薬を飲んだ方がいいだろう。私は気持ち悪さと戦いながら医者が来るのを待った。
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